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中上健次の「ジャズ」

昨夕、身体が冷えたのか体調を崩す。
胃痛と下痢。胃腸風邪というやつか、熱がある。
熱が出た時は、無理に動かず安静にして寝るに限る。

会社は休み、終日熟睡する。
熱が引いたらベッドの中で借りてきた本でも読もう。



中上健次の「ジャズ」-1965年新宿から古層へ 安岡真著作 水声社





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中上にとって「ジャズ」とは何か?近代への反逆を試みた中上健次。





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良くも悪くも、中上健次の生きた時代は、ジャズは燃えていた。
ジャズ狂左派の連中と彷徨っていた新宿。






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新宿から新宮へ、そして熊野信仰へ。
無名のデラシネの放蕩。






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ジャズ、芸能、神話、古典から中上の“根”へ。
新宿を彷徨いつつ思考は郷土部落の血族と柵へ。
「路地」の柵から逃れ出ることのできなかった血の濃さを呪いつつ・・・。



中上の次の言葉が心に残る。

「自由とは、疎外され抑圧され差別されることからの自由であり、ジャズの持つ黒人というアメリカのマイノリティの音楽という特性からの自由である。黒人という特性から出発して、特性から解き放たれる、と私はコルトレーンのジャズを聴きながら思ったのだった。特性からの自由、それは机上のものではなく、頭でだけ考えたものでない、切って血が出る自由である。コルトレーンのジャズを聴いて、音とは、文章と同じように肉体であると思った。」






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☆☆☆やんジーのつぶやき
ウィリアム・フォークナーの影響を受け先鋭的かつ土俗的な方法論を確立した中上健次。紀州熊野を舞台に血族と「路地」のなかの共同体を中心にした「紀州サーガ」とよばれる独特の土着的な作品世界を作り上げた。
今の時代には読み継がれることの少ない小説だが、忘れてはならない昭和の文学だと思う。
























































by my8686 | 2015-03-06 18:06 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)