2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレム問題が1日、急展開した。
原作者の佐野研二郎氏から模倣ではないとしつつ、五輪への悪影響を考えて取り下げを申し出たという。
事の顛末は、想像するほど単純に済みそうにない。
それはさておき、銀座にあるポーラ ミュージアム アネックスでウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」の新作個展『teamLab Exhibition, Walk Through the Crystal Universe』が9月27日(日)まで開催されている。
あらためて、その内容をみてみよう。
プログラマ・エンジニアやグラフィックデザイナー、建築家などスペシャリストから構成されるウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」。
アート・サイエンス・テクノロジーの境界線を曖昧にしながら活動をおこなっている。
今回のエキシビションでは、LEDを3次元上に配置することによって、3次元の動く立体物をリアルタイムに立体のまま映し出すことが可能なチームラボ独自の技術「インタラクティブ4Dビジョン」を使用。
無数の光を3次元空間に粒子として配置し、宇宙空間における光の動きを表現したインスタレーション作品となっている。
また、来場者がスマートフォンのブラウザからアクセスし、宇宙を構成するエレメントをひとつ選択し、それを作品に向けてスワイプすることで宇宙が創られていくというインタラクティブな仕組みも。
3次元で表現された映像による光の宇宙空間のなかを歩きまわりながら、作品を鑑賞することができる。
その動きによって空間全体が影響を受け、光は変容しつづけるという。
さらに、ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」についてみてみよう。
チームラボ株式会社(ちーむらぼ、Team Lab Inc.)は、東京都文京区に本社を持つ、独立系のシステムインテグレート企業である。
東京大学発のベンチャー企業として知られている。
ウルトラテクノロジスト集団を自称。
プログラマ(アプリケーションプログラマ、ユーザーインター フェイスエンジニア、DBエンジニア、ネットワークエンジニア)、
ロボットエンジニア、
数学者、建築家、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、CGアニメーター、編集者など、
情報化社会のさまざまなものづくりのスペシャリストから構成されている。
東京大学での同級生であった猪子寿之と青木俊介がシステム開発の請負事業を行い始めたのが会社の源である。
その後、猪子の幼馴染である東工大生の吉村譲や、東工大で吉村の友人だった田村哲也など数名を加え、ベンチャー企業としての形態となった。
2000年12月に会社組織となり、有限会社チームラボ設立。
その後も堺大輔などの東大生が数多く参加するようになり、メインであったWEB開発と共にセレクトウェアなど独自技術の製品開発も手がけた。
2002年8月、チームラボ株式会社に組織変更。
様々な分野のスペシャリストを集め、サイエンス、テクノロジー、デザイン、アートを融合させた領域でものづくりを行っている。
「多くの産業、もしくは企業は、生み出す製品やサービス、そして存在自体が、“人がアート的だと感じるようなもの”でないと生き残れない社会になっていく」と公言。
様々な依頼に対するソリューションとして、WEBサイト、デバイス、実店舗用プロダクト、スマートフォンアプリ、空間設計、TV-CM、舞台演出など、多岐にわたる仕事をこなしている。
中でもデジタルサイネージと連動した「チームラボハンガー」はメディアからの注目度が高く、実際に導入している店舗や開発者のインタビューと共に度々取り上げられている。
国内の仕事のみに留まらず、2012年には欧州最大のバーチャルリアリティ博覧会「Laval Virtual 2012」にて、アート作品「世界はこんなにもやさしく、うつくしい」が「建築・芸術・文化賞」を受賞。
台湾で最も権威のある国立美術館にて、外国の企業では初となる個展を開くなど、海外での実績も目立つ。
デジタルサイネージを使ったものづくりに力を入れており、デジタルサイネージアワード2013にて、タッチパネル式の次世代受付システム「FaceTouch」がシルバー賞受賞。
成田空港第一ターミナルに常設展示中の「世界はこんなにもやさしく、うつくしい」がブロンズ賞に選ばれた。
2013年7月6日、日本テレビの音楽番組「THE MUSIC DAY 音楽のちから」内で行われた、テレビ史上初となる、生放送中に全国の視聴者が同時に音ゲーをプレイし、ライブ演奏に参加できる「嵐 Feat. You」のシステムを開発。
終了後、音ゲーの参加人数は132万8000人だったと番組内で発表された。
代表の猪子は社会や文化など様々な分野を独自の理論で紐解いており、その強烈なキャラクターも相まってか各種メディアやイベント、講演会への露出も増えている。
☆☆☆やんジーのつぶやき
官能を刺激するデジタルサイネージ。
サイエンステクノロジーデザインアート領域の進化に瞠目しつつ今後も注目していこう。
2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレムデザインもデジタルサイネージ化される時代ではないだろうか。