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Porsche 911 Carrera

昨晩は忘年会。
3時間飲み放題の魚づくし。
ビールにはじまり、2合徳利が5本、最後はレモンサワーでしめ。

飲みすぎ食べ過ぎにはご注意あれ。

年末もおしせまりひさびさに新型911の話題に注目してみよう。


スポーツカーにも、高い環境性能が求められる昨今。
長年にわたってスポーツカーの第一線を走り続けてきたポルシェ「911」といえども、例外ではない。
991型と呼ばれる現行モデルのマイナーチェンジにさいし、パワートレーンが大幅に刷新されたのだ。
はたして、ターボ化とダウンサイジング化が果たされた新型911は、いかなる走りを見せるのか。




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国際試乗会に参加したモータージャーナリスト、河村康彦氏のインプレッションレポートをみてみよう。



■“リファインの連続”の歴史
継続は力なり ―― 恐らくはポルシェ「911」ほどに、そんなフレーズがふさわしく聞こえるスポーツカーはないだろう。

何しろ、その歴史は半世紀以上。
独特の“かえる顔”に猫背型のボディ。水平対向デザインを採用した6気筒のエンジン。
そして、そんな心臓部をボディ後端の低い位置に積むリアエンジンのレイアウト等々、ほかの誰とも異なるアイデアを採り入れながら、常に”世界最高のスポーツカー”と自他ともに認める走りのポテンシャルを具現してきたのが、初代モデルが1964年に誕生という911であるわけだ。




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もちろんこの間に、周辺メーカーから最新のアイデアとテクノロジーを駆使した魅力的なスポーツカーが、次々投入されて来たことは言うまでもない。

そんな強豪たちと伍して戦うのみならず、長い時間のうちに変化を遂げる法規や社会情勢への対応、そして人々の嗜好の移り変わりなども考慮する必要があるとなれば、そんなこのモデルの歴史が“リファインの連続”の歴史であったことも、また真なりであるはず。





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ほかに例を見ないこうした長寿モデルであるからこそ、常に世界のトップランナーと認められるためには、より多くの困難を乗り越えてくる必要があったはず。

そして、時代の流れとともに次々現れる険しいハードルを乗り越えてなお、世界の最先端をいくポテンシャルの持ち主だと常に認められてきたからこそ、このモデルには畏敬と羨望のまなざしが注がれるのだ。

そんなポルシェ911に、また新たな試練が迫って来た。




■燃料消費量を約12パーセント低減
2011年秋に登場の、いわゆる991型と呼ばれる現行911。
そのモデルライフ半ばにして突き付けられた新たなハードル ―― それはズバリ、CO2排出量の大幅削減≒燃費の改善だ。




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走りに優れたスポーツカーは、その代償としてある程度ネンピが悪くても仕方がない ―― と、それが従来の常識だったもの。

けれども、それも“今は昔”となって久しい。
地球温暖化にはほぼ確実に人間の活動が関与し、その抑制のためには温室効果ガスの排出削減が急務と認定された今、もはや「スポーツカーはその例外」などと悠長なことを言っていられる時代ではなくなってしまったのだ。


ポルシェはこれまでも、“インテリジェントパフォーマンス”のフレーズを謳いつつ、走りのパフォーマンスと効率を共にアップさせてきた。
それをさらに加速させ、まずはブランドの根幹を築く911カレラ シリーズに対して新たに採り入れられたのは、エンジン排気量をダウンさせながらこれまでなかったターボチャージャーをアドオンすることで、これまで以上にドラスティックにCO2排出量の低減を実現させるという方策だ。




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もちろん、だからと言って走りのパフォーマンスを落とすことなどは決して許されない。
かくして、ベースグレード用もSグレード用の心臓も、まずは確実な出力アップを果たした上で、「100km走行当たりに必要とされる燃料を、約12パーセント低減」と報告される大幅なCO2排出量低減を実現させている。




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具体的には、前者では455cc、後者では818ccも排気量をダウンさせたうえで、いずれも最高出力は20psの上乗せ。
さらに、最大トルク値も60Nmずつアップしたのが、新しいカレラ シリーズに搭載される、2,981ccのツインターボ付き水平対向6気筒ユニットなのである。



■とことん自然なパワーフィール
歴史上で初めてとなる、カレラ シリーズ用エンジンへのターボチャージャーの採用。
それが、不安と期待の入り混じったものとなるのは、長年のポルシェファンであれば誰もが同様であるはず。
実際、白状すればかくいう自分も、まさにその通りであった。




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経験則からすれば、ポルシェの心臓部が以前のモデルよりもパフォーマンスを落とすことは考えられない。
となると、その興味の焦点は自ずと、回転フィールやサウンドなど、そこで演じられるテイストが“911にふさわしいものか否か”という点に集中することになる。

サウンド面に関しては、すでに本国ドイツで開催されたテクノロジー ワークショップでの“同乗体験”のさいに、従来からの流れを継承した“911らしい音”を聞かせてくれることを確認済み。

となると、残る問題は実際にステアリングを握って走り始めたとき、そのパワーフィールが911というスポーツカーにとって釣り合いのとれたものになっているかどうかに集約される。

結論からすれば、「ターボが装着されたことで、“強力ではあるもののエキサイトメントには欠けるテイストとなってしまうのでは?”」という当初の心配事は、まったくの杞憂に終わってくれた。



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確かに、なるほどこれは過給が行われているからこそだ、と思わせる強靭なトルクを実感できる領域もあるし、低回転域でアクセルペダルを踏み込むと、どこかで口笛の音が混じるような、これまでは聞いたことのなかった音色が耳に届くシーンもある。

けれども、アクセル操作に対するパワーフィールはとことん自然で、言われなければ「ターボ付きとは気が付かない」という人も数多く現れそう。
専用のターボチャージャーやエグゾーストシステムを採用し、やはり専用のマネージメントシステムによって、Sグレード用のほうがより明確に迫力あるパワーを生み出すという違いはあるものの、いずれも7,500rpmと高い許容回転数に向けて“まっしぐら”にパワーが伸びていく感覚こそは、「これぞ911というモデルにふさわしい!」と思わせる点で、まったく共通だった。



■総合的な商品力が確実にアップ
そして、そんな最新のカレラ シリーズに従来以上の好印象を抱くことができたのは、そんな素晴らしい仕上がりを実現したエンジンによる効果のみではなかったことも報告しておきたい。

エンジントルクの上乗せが図られたことに対応し、全モデルのリアホイールが0.5インチ拡幅された新しいカレラ シリーズの脚は、ベースグレードでも電子制御式の可変減衰力ダンパー“PASM”が標準化されたうえで、再度の最適チューニングが施された。




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Sグレードにはカレラ シリーズとして初めて、リア アクスル ステアをオプション設定。
また、スイッチ操作により、5秒以内にフロントリップスポイラー部分の地上高を40mmアップさせる油圧リフトシステムが、やはりオプション設定されたことも見どころだ。




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今回は試乗車の都合上、「コーナーへの進入時の敏捷性と高速走行時の安定性を高め、最小回転半径を0.4メートル縮小して取り回し性を向上」と謳われる、前出リア アクスル ステア装着モデルの走りをきちんとチェックできなかったのは残念。




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けれども、カレラSクーペを筆頭にテストドライブをしたすべてのモデルで、相変わらず正確無比なハンドリング感覚や際立って高いトラクションの能力、そして従来型以上にしなやかな印象を強く感じられるそのフットワークの仕上がりに、改めて驚嘆させられたのは紛れもない事実だった。






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そうそう、日本のカスタマーに対しては、これまで長年に渡ってその設定が見送られてきたポルシェ独自のテレマティクスシステム“PCM”が、今回のバージョンアップを機についに導入されることになったというニュースも見逃せない。






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単なるエンジン換装のみならず、こうして総合的な商品力を確実にアップさせたこと ―― それが“991後期型”とでも言うべき最新カレラシリーズの真の魅力であるということだ。








Porsche 911 Carrera S|ポルシェ 911 カレラ S
ボディサイズ|全長 4,499 × 全幅 1,808 × 全高 1,302 mm
ホイールベース|2,450 mm
車両重量|1,440 kg (1,460 kg)
トレッド 前 / 後|1,543 / 1,518 mm
乗車定員|4(2+2)
エンジン|2,981 cc 水平対向6気筒DOHC + ツインターボチャージャー
最高出力| 309 kW(420 ps)/ 6,5000 rpm
最大トルク|500 Nm/ 1,700-5,000 rpm
トランスミッション|7段MT (7段 PDK)
駆動方式|RR
サスペンション 前 / 後|マクファーソンストラット / マルチリンク
ブレーキ 前 / 後|6ピストン対向式アルミニウム製モノブロックキャリパー+ベンチレーテッドディスク
4ピストン対向式アルミニウム製モノブロックキャリパー+ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前 / 後|245/35 ZR 20 / 305/30 ZR 20
最高速度|308 km/h(306 km/h)
0-100km/h加速|4.3秒 (PDK仕様車スポーツ・プラスモード 3.9秒)
0-400m加速|12.5秒(PDK仕様車スポーツ・プラスモード 12.0秒)
燃費(NEDC 複合)|8.7 ?/100km(7.7 ?/100km)
CO2排出量|199 g/km(174 g/km)
※カッコ内の数値はPDK仕様車









Porsche 911 Carrera|ポルシェ 911 カレラ
ボディサイズ|全長 4,499 × 全幅 1,808 × 全高 1,303 mm
ホイールベース|2,450 mm
車両重量|1,430 kg (1,450 kg)
トレッド 前 / 後|1,541 / 1,518 mm
乗車定員|4(2+2)
エンジン|2,981 cc 水平対向6気筒DOHC + ツインターボチャージャー
最高出力| 272 kW(370 ps)/ 6,5000 rpm
最大トルク|450 Nm/ 1,700-5,000 rpm
トランスミッション|7段MT (7段 PDK)
駆動方式|RR
サスペンション 前 / 後|マクファーソンストラット / マルチリンク
ブレーキ 前 / 後|4ピストン対向式アルミニウム製モノブロックキャリパー+ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前 / 後|235/40 ZR19 / 295/35 ZR 19
最高速度|295 km/h(293 km/h)
0-100km/h加速|4.6秒 (PDK仕様車スポーツ・プラスモード 4.2秒)
0-400m加速|12.8秒(PDK仕様車スポーツ・プラスモード 12.3秒)
燃費(NEDC 複合)|8.3 ?/100km(7.4 ?/100km)
CO2排出量|190 g/km(169 g/km)

※カッコ内の数値はPDK仕様車













☆☆☆やんジーのつぶやき
あの911がついにターボ化されてしまった。
しかしポルシェ独自のテレマティクスシステム“PCM”とやらの存在が驚嘆すべき仕上がりだという。
きたるトヨタ86MICにもなんらかの影響をあたえたのだろうか。
おおいにきになる出来事ではある。

































































by my8686 | 2015-12-29 21:27 | スポーツカーが、やっぱり好きだ。 | Trackback | Comments(0)