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vol.001「Gerhard Richter: 40 Years of Painting」

およそ14年前の2002年2月14日から5月21日までニューヨークMOMAでゲルハルト・リヒターの大規模な回顧展が行われた。
1962年から2002年までに描かれた油絵約180点が2つのフロアで展示された。
抽象、具象に囚われない多様な表現のスタイルで知られるリヒターが、この時の展覧会では北米で初めてその全容を明らかにしたのである。


今日から4日に分けて、この回顧展について詳しくみていこう。


主な展示作品にはドイツの第二次世界大戦参戦後間もなく戦死した叔父のナチユニフォームでの笑顔を描いた ’Uncle Rudy’(1965)、15点の連作に現れるドイツ赤軍メンバーの謎に包まれたシュタットガルド刑務所での死の記録 ’October 18、1977’(1988)、写真の細部を拡大した2mを超える抽象画 ’Abstract Picture’(1977)や、ぼやけたティシャンの受胎告知 ’Annunciation after Titian’(1994)などだった。





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これらの多様な作品は観る者に一体何を語りかけたのだろうか。


ポートレイトで始まりポートレイトで終わるこのリヒター展は、戦争、ゲリラ、殺人といった世の中の激しい変動や、ポップアート、ネオ・エクスプレッショニズムからフォトリアリズムまでの慌ただしい現代美術の移り変わりを、一貫して鋭く静かに見つめてきた画家の眼が全面に映し出されていた。








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“Painting is dead.”と言われ始めた1960年代 から今までに死んだといわれるミディアム、油絵で彼が挑戦し続けてきた理由は一体何だろうか。
29歳で西ドイツに移るまでの戦後16年間を共産党主義の東ドイツで過ごしたリヒターの絵の中に残る世の中のもう一つの側面が観る者の現実感を揺るがせる。






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☆☆☆やんジーのつぶやき
戦後16年間を共産党主義の東ドイツで過ごしたリヒターの心の中に去来したものは、いったいなんだったのか。
一貫して鋭く静かに見つめてきた画家の眼を通して人々は何を垣間見ようとしたのであろうか。









































































by my8686 | 2016-06-16 09:43 | ぶらぶらアート観賞 | Trackback | Comments(0)