「トヨタホームがミサワを子会社化」について読み解く

トヨタホームは、ミサワホームの保有株式を27.84%から51%に引き上げて、子会社化する。





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ミサワホームが連結対象となったことでトヨタ自動車の住宅部門売上高は単純合計で5664億円となり、レオパレス21、積水化学工業を抜いて住宅業界7位の規模となる。





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あらためて、この内容をみてみよう。


トヨタホームとミサワホームは11月22日に資本業務提携契約を結び、28日からミサワホームの普通株式を公開買い付けするとともに、第三者割当増資を引き受けて、株式保有率を51%とすることで合意した。
ミサワホームの上場は維持し、戸建て住宅事業では鉄骨ユニット工法のトヨタホーム(2015年度の実績は約3150戸)、ツーバイフォー工法のトヨタウッドユーホーム(同約700戸)、木質パネル工法のミサワホーム(同約7550戸)の3ブランド体制で事業展開していく。







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今回の資本提携は、企業規模を拡大して経営基盤を強化し、新たな成長戦略を実現するのが狙いだ。住宅新設着工戸数はリーマンショック後の09年度に年間100万戸の大台を割り込んだ後、最近は年90万戸前後で推移している。

賃貸住宅は需要が比較的好調だが、ミサワホームとトヨタホームが得意とする戸建て注文住宅の持ち家需要は年30万戸を割り込んだ状態が続いており、今後の人口減少で需要が一段と縮小する懸念がある。

ミサワホームでは、15年4月にミサワエムアールディーに不動産関連事業を統合して「ミサワホーム不動産」に社名を改めた。不動産仲介、買取再販、不動産投資事業などを強化するとともに、10月にディーラー体制を見直して直販化を進める構造改革を推進してきた。

今年4月に発売した初の5階建て重量鉄骨造住宅では、躯体部分の鉄骨部材の生産をトヨタホームが担当。10月に販売開始した千葉ニュータウンでの戸建て分譲事業もトヨタホームと共同で行うなど連携を強めていた。

両社は来年4月からスタートする予定の中期経営計画の策定を進め、今後の成長戦略を具体化していく。国内ではトヨタ自動車の資金力を生かして、自動車ディーラー店舗などの跡地を活用した不動産開発事業を本格化させるとみられる。

海外事業はトヨタホーム、ミサワホームともに大きく出遅れていたが、今後はトヨタ自動車の強力な海外ネットワークを生かし、トヨタブランドを前面に事業拡大に取り組むことが予想される。





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トヨタ自動車を創業した豊田家では、現・章男社長の曽祖父である佐吉氏が紡織機、祖父の喜一郎氏が自動車、父の章一郎氏が住宅を新規事業として立ち上げてきた。紡織機、自動車では大成功を納めただけに、1975年に社内事業部から立ち上げた住宅でも成功間違いなしと言われてきたが、予想に反して苦戦。長い間、社内事業部のままトヨタ本体から独立できない状態が続き、悲願の成功に向けてM&A(買収・合併)などの新たな起爆剤を求めていた。





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一方、ミサワホームは62年に創業して81年に東証一部に上場。積水ハウス、大和ハウス工業と並んでプレハブ御三家の地位を確立したが、80年代後半のバブル期にゴルフ場やリゾート開発など多角化を推進し、巨額の有利子負債を抱えて経営が悪化した。

90年代末に金融機関の不良債権処理が本格化すると、ミサワホームでも債務免除などの金融支援を得て2003年に持ち株会社ミサワホームホールディングス(現・ミサワホーム)を設立して経営再建を進めた。しかし、04年に産業再生機構入りが決定。機構による債権買取決定に合わせて05年4月にトヨタ自動車、あいおい損保(現・あいおいニッセイ同和損保)などがミサワホームに33.4%出資した。

トヨタ自動車では、ミサワホームへの関与を深める過程で、03年にトヨタホームを設立。その後にミサワの株式をトヨタホームに譲渡し、資材の調達・物流分野を中心に協力関係を深めていた。






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住宅業界では、国内需要の減少に備えて経営基盤を強化する動きが相次いでいる。戸建て分譲の一建設、飯田産業など6社が2013年11月に経営統合して飯田グループホールディングスが設立した。






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大和ハウス工業も13年にゼネコンのフジタ、マンション専業のコスモスイニシアを子会社化して売上高は3兆円を突破。積水ハウスも15年にゼネコンの鴻池組と資本提携した。

今年に入って、旭化成ホームズが25年度に売上高1兆円を目指す中期経営計画を発表し、関西系ゼネコン森組との資本提携、6階建てまでの中高層ビルを商品化するなど事業領域を拡大している。

パナホームも、リフォーム子会社にパナソニックが出資して共同事業を始めるなど、協力関係を強めている。






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引き続き、住宅業界では国内需要の動向をにらみながら、合従連衡で生き残りを図る動きが広がると予想される。








☆☆☆やんジーのつぶやき
どの業界にも波及する合従連衡。
生き残りを賭けた熾烈な鬩ぎ合いの末にみえるものとは。
今しばらく、動向に注目していこう。












































































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by my8686 | 2016-11-30 11:30 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

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