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一柳慧「好奇心のまま、型破りにいく」を読み解く

九州地方の集中豪雨、さらに北朝鮮のICBM発射による新たな脅威段階に入ったとする動きが大いに気になる今週末である。



それはさておき、一柳慧の最後のインタビュー記事を読み解いてみよう。


アフリカやインドの音楽家に「西洋音楽はだめだ」と言われたことがありました。人を建物に閉じ込めて、太陽が落ちた時間から演奏を始めて、しかも2時間という枠まであって。自然の摂理を無視した環境で音楽をやることに何の意味があるのかと。




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■西洋音楽は、旋律や和声やリズムなどの枠組みで全ての音を律する。そうした「決まり」から飛び出した現代音楽は、いわば身内から異なる価値観を示し、権威に疑いの目を向け、世界との新たな対話の道を探るものだった。





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これはまさしくジョン・ケージから受け継ぎ、今なお私の中で育ち続けている精神です。でも、ケージはベートーベンが嫌いだったなあ。私は最高だと思うのですが。

型を知り尽くした型破り。揺るぎない構築への志向と、我を忘れるくらいの奔放な精神。この両方を持っている人なんて他にない。自分のスタイルに固執し、それを展開させることで一生が終わってしまう人が多いなか、ベートーベンは自分のスタイルが完成しそうになってくるたびに打ち壊し、前に進んでいる。





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2012年に103歳で亡くなった前衛作曲家のエリオット・カーターも、90歳を超えてからがすごかった。晩年に挑戦する心が増してくるというのが本物ですよ。






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年をとってからの方が、社会からの束縛が少なくなるぶん、好奇心に純粋に従えるようになる。だから、古いものへの反発も逆に少なくなる。新しいか古いかは、実は面白いかどうかには関係ないんです。






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身体の方はそりゃあ、昔ほど元気ではないですが、若い頃にできなかった大変なことが軽々とできたりすることがあります。作曲でもピアノでも。

こだわりも消えました。筆も速いほうでしたが、今はちょっとくらい遅くてもかまわないだろうと思っています。先が見えないことを怖いと感じなくなりました。ということは、これからようやく本当の挑戦が始まるということなのかもしれませんね。





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☆☆☆GGのつぶやき
晩年に挑戦する心が増してくるというのが本物。
年をとってからの方が、社会からの束縛が少なくなるぶん、好奇心に純粋に従えるようになる。
だから、古いものへの反発も逆に少なくなる。新しいか古いかは、実は面白いかどうかには関係ない。
先が見えないことを怖いと感じなくなった。
これからようやく本当の挑戦が始まる。
一柳慧氏の一言一句が魂に沁み込んだ。
達観したこんな気持ちに近づきたいと官能が震えた。















































































by my8686 | 2017-07-07 07:07 | 現代音楽のたしなみ | Trackback | Comments(0)