Hiroshi Nakamura &NAPの「Optical Glass House」を読み解く

徳島県の「Kamikatz Public House」の設計で注目した建築家の仕事をみてみよう。



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1999年から2002年の間、隈研吾建築都市設計事務所に入所していたことでも頷ける、独特の作風である。尾道にあるリボンチャペルも彼の仕事だったと後で知る。





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そして、気になっていた広島市の中心部に建つ個人住宅。





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周囲には高層ビルが建ち並び、前面の道路には車やなじみの路面電車が行き交っている。
プライバシーと静寂のために、道路側に前庭と光学ガラスのファサードが設けられ、ただならぬ気配のする住宅である。





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室内からはどこの部屋にいても庭を眺めることができ、その向こうでは、通りを行き交う電車や車やビルが音のない滲んだ風景として生活を彩っている。





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東からの陽光はガラスの屈折によって美しい光紋様を床や壁に描き、水盤型トップライトは雨の水紋をエントランスの床に描いている。





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木漏れ日が床に踊り、金属をスパッタリングした超軽量カーテンは、建物前後の2つの内庭の温度差によって風が起こっていることを教えてくれる。




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都心であっても一日の光や街の変化、季節の移り変わりを感じながら暮らすことのできる住宅である。





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約6000個のガラスの塊(50mm×235mm×50mm)をファサードに用いたのは、単位面積あたりの質量が大きく遮音効果があることと同時に、都市の風景を遮断せずにクリアで開放的な庭を作るためだという。

そのため、光学ガラスの原料であるホウケイ酸ガラスを主体とした透明度の高いガラスを、キャスト(鋳込み)法にて製作している。

この工程はガラス内の残留応力の除去のための緩やかな除冷と、厳しい寸法精度を要するため、制作は困難を極めたという。

ファサードは、幅8.6m高さ8.6mで大面積のため、奥行きわずか50mmのガラスでは到底自立しない。
そのためファサード頂部の梁から暖簾のように吊ることにした。



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まず梁に74本のステンレスのボルトを吊し、そこに地震力を負担する水平部材をガラス一つ置きに固定。水平部材は40mm×4mmステンレスのフラットバーで、厚さ50mmのガラスブロック内部に収まるようにガラスブロックを掘りこんで、フラットバーにかぶせている。





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その結果、目地幅をシール施工の最小寸法である6mmにすることが可能になり、軽やかで滝のような透明感のあるファサードを実現したという。








☆☆☆GGのつぶやき
光学ガラスでつくるファサードの発想が良い。
都市の気配を遮断せず開放感を生み出した工法に驚愕する。
強風時の揺れや破損による交換のためのメンテナンス方法も気になるところだが・・・。





















































































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by my8686 | 2017-10-13 17:47 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

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