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「iPhone 8/iPhone Xでラインアップが30種から半減」を読み解く

米アップルは2017年9月に発表イベントを開催し、iPhoneシリーズを刷新した。



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あらためて、その状況を読み解いてみよう。


今回「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」「iPhone X」の3機種をラインアップに追加した。それぞれ699ドル、799ドル、999ドルからという価格設定。iPhone 8とiPhone 8 Plusは、従来のiPhone 7シリーズよりもそれぞれ50ドル、30ドルの値上げとなった。

過去のモデルで残されるのは4インチの低価格モデルiPhone SEで349ドル~に値下げとなる。2015年モデルのiPhone 6s/6s Plusは449ドル~に値下げ。そして2017年モデルのiPhone 7/7 Plusは549ドル~に値下げされた。



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■ラインアップは全てARKit対応

iPhone SEとiPhone 6s以降のモデルをラインアップは残されている。この基準の1つが、搭載プロセッサ「A9」だ。

新しいiOS 11で、AR用のAPIである「ARKit」を提供する。ARKitを使用するアプリは、A9プロセッサ以降でなければならない。そのため、1世代古いA8プロセッサを搭載するiPhone 6を残すことは、「世界最大の拡張現実プラットフォーム」を掲げるアップルの方針に合致しない。

もう1つの注目ポイントは、iPhone SEの価格の値下げ。これまで399ドル~だったiPhone SEは、349ドル~と50ドルの値下げとなった。これは先進国における子供や格安SIMユーザーの取り込みに有効であると同時に、インドや東南アジアなどの急成長している地域でユーザーの裾野を広げることができるという。



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■色と容量の選択肢は減る

iPhone 7シリーズではこれまで6色展開だったが、最新モデルのiPhone 8シリーズでは3色に、iPhone Xでは2色に減らした。

iPhone 7ではシルバー、ブラック、ゴールド、ローズゴールド、ジェットブラック、PRODUCT(RED) Special Edition(赤)の6色のラインアップがあった。しかしiPhone 8では、シルバー、ゴールド、スペースグレーの3色に絞られた。

またストレージ容量のバリエーションも、それまでの32GB・128GB・256GBから、64GBと256GBの2種類に変更した。これに伴い、今まで100ドル刻みだった容量別の価格も、150ドル差に拡大した。例えばiPhone 8 256GBモデルを選ぶと、以前のiPhone 7の256GBモデルと同じ価格になり、結果的には値上げとは言えないのかもしれない。

なお、継続販売となったiPhone 7は32GBと128GBの2つのストレージ容量の展開となり、それまで128GBモデル以上でしか選べなかった光沢のあるアルミニウム、ジェットブラックのiPhone 7を32GBモデルでも選択できるようになった。



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■年々深刻化していた品薄状態

iPhoneは発売直後の品薄状態が年々深刻になっている。ほとんどの場合、年末までには手元に届くことが多いが、人気色のiPhone 7のジェットブラックなどは、思うように手に入らない期間が長かった。

これまでのiPhoneの顧客は、予約して手元に届くのを辛抱強く待ってくれたかもしれない。しかし度が過ぎれば、待つのを諦めて、別のスマートフォンの登場やキャンペーンなどに流れてしまう可能性が高まる。

もし最後まで顧客が待ってくれたとしても、早期に販売できなければ、当該期の決算の販売台数に反映されない。iPhoneを屋台骨にしているアップルにとって、投資家へ大きなマイナスイメージを与えることになる。



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■マーケティングと製造のバランスを取る

これを回避するには、順調にiPhoneが製造され、顧客の手元に渡っていくこと、その体制をいかに作り上げるかということが重要だというわけだ。そのためにアップルは、色数を絞り、ストレージ容量のバリエーションも減らした。

iPhone 7とiPhone 8のラインアップを比べてみる。日本の場合、iPhone 8発表直前のiPhone 7/7 Plusは6色展開、3種類のストレージ容量、2種類のサイズで、合計30種類が存在していた。正確には国や地域ごとの違いもあるのでそれ以上になる。

一方のiPhone 8/8 Plusは、3色展開、2種類の容量、2種類のサイズで、合計12種類にとどまる。iPhone Xを加えても2色×2種類の容量で4種類となり、これを加算しても16種類だ。最新モデルのラインアップ数を半減させることで、より安定した供給を目指したと考えられる。

ただし、iPhoneの色数の減少は、顧客にとってネガティブに映るかもしれない。特にゴールドとローズゴールドが統合され1つのゴールドとなったことは、ゴールドのiPhoneのファンにとって選択肢が狭まることになってしまう。

実際にゴールドのiPhone 8を見てみると、光の当たり方によってはゴールドにも、ローズゴールドにも見えるような、そんな絶妙な色味に調整されていた。この色味であれば、ゴールド1色でも顧客に満足してもらえると考えたのであろう。




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■新要素は次のスタンダードに

iPhone Xに搭載された新しいハードウエアは有機ELディスプレイと、TureDepthカメラ、そして背面の望遠カメラの光学手ぶれ補正機能だ。実は、iPhone 8との差異はさほど大きくない。

iPhone Xに搭載された有機ELディスプレイは、現在韓国サムスン電子の1社が供給しているとみられている。韓国LG電子やジャパンディスプレイが供給に乗り出すのは2018年以降になる可能性が高い。

iPhone 8とiPhone Xの違いはディスプレイを含むフロント側の仕様に集中している。iPhoneの全ての需要を満たすだけのディスプレイパネルが用意できず、iPhone 8とは別にiPhone Xを投入せざるを得なかったという見方もできる。ホームボタンがあるiPhone 8にはTure Depthカメラによる生体認証を載せないことにし、iPhone Xの特別さをアピールしたと考えられる。




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アップルは早ければ2018年のiPhoneシリーズから、より広範に有機EL化を進めていくことになるであろう。例えば現在4.7インチのiPhone 8のディスプレイを5インチに大型化しつつ、ボディサイズはそのままか、さらに小型化することも考えられる。

サムスン以外の各社によるアップルへの有機ELディスプレイパネルの供給合戦で、どれだけ価格が下がってくるか。そして小型のiPhoneへの有機EL採用が進んでいくのかどうか。今後はこのあたりに注目すべきだろう。



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☆☆☆GGのつぶやき
未だにガラパゴス携帯しか持たない主義のGGである。
しかし、愛用していたiPodがショートしてしまい、音楽専用端末がわりに格安iPhoneを2台持ちしてみるかと思考中の昨今である。
はたして、何がベストなのであろうか。贅沢な悩みがまたひとつ増えそうである。























































































by my8686 | 2017-10-25 10:37 | デザインに何ができるか | Trackback | Comments(0)