台風一過の月曜日。早朝の放射冷却が過ぎると青空がのぞいた。
こんな陽気の日には、ロードバイクランを楽しみたいものである。
それはさておき、本日の天声人語「カタルーニャ語とガウディ」を読み解いてみよう。
どこか生命体を思わせる建物で知られる建築家ガウディは、スペインのカタルーニャ地方で生まれ育った。独自の言葉であるカタルーニャ語を使うことに強いこだわりを持っていた。
ふとしたことで警察に尋問された時もそうだった。スペイン語での返答を求める警官に彼は「建築技師としての義務は税金を納めることだ。スペイン語を話すことではない」と反論し、一晩を留置場で過ごすことになった。
国王の訪問を受けた時もカタルーニャ語で通した(田澤耕著『ガウディ伝』)。
中世に周辺と連合王国を成し、権勢を振るった歴史を持つ。言語や文化に誇りを持つ人は多いのだろう。
カタルーニャ自治州が独立を宣言した。憲法違反だとする政府との対立が、抜き差しならなくなっている。
リーマン・ショックの影響はスペインでとりわけひどかった。土地バブルが崩壊し失業が激増した。比較的豊かなカタルーニャでは、泥舟から逃げた方が得策との見方が広がったようだ。独立の動きは伝統的であり、かつ現代的である。
英国はスコットランドの独立問題がくすぶる。油田があり金融業も強いので独力でやれるとの議論がある。
過去の植民地独立と違い、いま目立つのは「富者の反乱」か。国家とは意外にもろいものかと考え込む。
自治州の都バルセロナの観光名所にガウディが手がけた教会があり、いまだ建築途上だ。彼の没後100年となる2026年に完成予定という。その時この地域は、どんな姿になっているだろう。
☆☆☆GGのつぶやき
建築家ガウディの頑固さが際立つエピソードである。
サグラダ・ファミリアの完成する9年後には、ぜひ訪れてみたいものである。
パラボリックな構造のアーチや、鐘楼に据えられた自然主義と抽象主義の混在する彫刻は、官能を刺激することであろう。