「中性子星の合体、重力波で観測に成功」を読み解く

地球から1・3億光年離れた二つの「中性子星」が合体した様子を、重力波と光で観測することに成功したと、米欧の研究グループが16日、発表した。
宇宙のかなたからやってくる重力波を手がかりに、発生源からの光をとらえたのは世界で初めてだという。



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天文観測の手法がこれで一歩前進したことになる。大いに期待しよう!!


あらめたて、その内容を読み解いてみよう。

重力波は、ブラックホールのような重い天体が動いた際に生じる時空のゆがみ。光速でさざ波のように広がるとされる。2015年に初検出された。

観測への応用も期待されたが、過去4回検出された重力波は、光を吸収するブラックホール同士の合体で生じたため観測できなかった。

今回とらえた重力波は、地球から約1億3千万光年離れたところで、お互いに引き合っていた二つの中性子星(質量は太陽の1・2倍~1・6倍)が一つに合体した際に生じた。




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この重力波は8月17日、米の観測施設「LIGO(ライゴ)」とイタリアの「Virgo(バーゴ)」で検出。可視光やガンマ線など従来の方法でも観測できる中性子星から発せられた可能性があるため、研究チームは世界の天文台に観測を呼びかけた。




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日本を含む約70カ所で望遠鏡などを使い、重力波がやってきた方向を調べたところ、重力波の検出から約11時間後、南米チリの望遠鏡で中性子星からの光をとらえた。

光は弱まりながら約3週間観測できた。このデータをもとに試算したところ、中性子星の合体によって、鉄より重い元素が生成されるというこれまでの理論と一致した。

広島大宇宙科学センターの内海特任助教は「重力波も使って観測する新たな天文学の幕開けだ」と話した。




■宇宙を探る新たな手段

地球に届いた重力波を手がかりに、発生源の中性子星の合体を望遠鏡で初めて観測した。
従来は偶然に頼るしかなかった未知の天体現象を、重力波という「音」が聞こえてくる方向に望遠鏡を向けて「目」を凝らすことで効率よく観測できた。人類が宇宙を探る新たな手段を手にしたことを示す画期的な成果だ。

中性子星の実態はまだなぞだらけだが、今回の観測で、鉄よりも重い元素のうち、金やプラチナ、レアアースなどの生成に深く関わっている可能性が高まった。
重力波による観測が進めば、こうした元素の起源にも迫れると期待される。




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今年のノーベル物理学賞の受賞が決まった米国のチームは、世界90以上の観測チームに重力波の検出を知らせる態勢を整えており、今回は日本を含む70以上の天文台が観測に参加した。

重力波を併用した観測の登場で、宇宙物理学の新たな時代が始まった。




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◆キーワード<中性子星> 
原子核を構成する基本粒子の「中性子」がぎっしり詰まった天体。質量が大きい恒星が一生を終える際、原子が強く圧縮されてできる。

理論的には、茶さじ1杯分の質量が10億トン程度になっている。中性子星よりさらに質量が大きい天体は、光さえも外に出られないブラックホールとされる。




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☆☆☆GGのつぶやき
宇宙への興味はつきない。
宇宙の成り立ちとその不思議さは神憑り的であり、人類のロマンでもある。
しかし、宇宙物理の深淵なる世界は、核エネルギーの発見と同様に人類が踏み込んではいけない聖域のようにも感じる。








































































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# by my8686 | 2017-10-17 10:38 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

社説「衆院選 憲法論議 国民主権の深化のために」を読み解く

意味不明の衆院選を今週末に控えた雨の月曜日。

あらためて、今回の選挙の意義を読み解いてみよう。



憲法改正の是非が衆院選の焦点のひとつになっている。
自民党、希望の党などが公約に具体的な改憲項目を盛り込んだ。報道各社の情勢調査では、改憲に前向きな政党が、改憲の発議に必要な3分の2以上の議席を占める可能性がある。

政党レベル、国会議員レベルの改憲志向は高まっている。
同時に、忘れてはならないことがある。主権者である国民の意識とは、大きなズレがある。




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■政党と民意の落差

民意は割れている。
A新聞の今春の世論調査では、憲法を変える必要が「ない」と答えた人は50%、「ある」というのは41%だった。

自民党は公約に、自衛隊の明記▽教育の無償化・充実強化▽緊急事態対応▽参議院の合区解消の4項目を記した。

なかでも首相が意欲を見せるのが自衛隊の明記だ。5月の憲法記念日に構想を示し、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と語った。メディアの党首討論で問われれば、多くの憲法学者に残る自衛隊違憲論を拭いたいと語る。

一方で首相は、街頭演説では改憲を口にしない。訴えるのはもっぱら北朝鮮情勢やアベノミクスの「成果」である。

首相はこれまでの選挙でも経済を前面に掲げ、そこで得た数の力で、選挙戦で強く訴えなかった特定秘密保護法や安全保障関連法、「共謀罪」法など民意を二分する政策を進めてきた。

同じ手法で首相が次に狙うのは9条改正だろう。
だが、改憲には前向きな政党も、首相の狙いに協力するかどうかは分からない。

希望の党は「9条を含め憲法改正論議を進める」と公約に掲げたが、小池百合子代表は自衛隊明記には「もともと合憲と言ってきた。大いに疑問がある」と距離を置く。

連立パートナーの公明党は「多くの国民は自衛隊の活動を支持し、憲法違反の存在とは考えていない」と慎重姿勢だ。



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■必要性と優先順位と

時代の変化にあわせて、憲法のあり方を問い直す議論は必要だろう。

ただ、それには前提がある。

憲法は国家権力の行使を規制し、国民の人権を保障するための規範だ。だからこそ、その改正には普通の法律以上に厳しい手続きが定められている。他の措置ではどうしても対処できない現実があって初めて、改正すべきものだ。

自衛隊については、安倍内閣を含む歴代内閣が「合憲」と位置づけてきた。教育無償化も、予算措置や立法で対応可能だろう。自民党の公約に並ぶ4項目には、改憲しないと対応できないものは見当たらない。

少子高齢化をはじめ喫緊の課題が山積するなか、改憲にどの程度の政治エネルギーを割くべきかも重要な論点だ。

A新聞の5月の世論調査で首相に一番力を入れてほしい政策を聞くと、「憲法改正」は5%。29%の「社会保障」や22%の「景気・雇用」に比べて国民の期待は低かった。

公約全体で改憲にどの程度の優先順位をおくか。各党は立場を明確にすべきだ。



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安倍首相は、なぜ改憲にこだわるのか。

首相はかつて憲法を「みっともない」と表現した。背景には占領期に米国に押しつけられたとの歴史観がある。

「われわれの手で新しい憲法をつくっていこう」という精神こそが新しい時代を切り開いていく、と述べたこともある。




■最後は国民が決める

そこには必要性や優先順位の議論はない。首相個人の情念に由来する改憲論だろう。
憲法を軽んじる首相のふるまいは、そうした持論の反映のように見える。

象徴的なのは、歴代内閣が「違憲」としてきた集団的自衛権を、一内閣の閣議決定で「合憲」と一変させたことだ。

今回の解散も、憲法53条に基づいて野党が要求した臨時国会召集要求を3カ月もたなざらしにしたあげく、一切の審議を拒んだまま踏み切った。



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憲法をないがしろにする首相が、変える必要のない条文を変えようとする。しかも自らの首相在任中の施行を視野に、2020年と期限を区切って。改憲を自己目的化する議論に与(くみ)することはできない。憲法改正は権力の強化が目的であってはならない。

必要なのは、国民主権や人権の尊重、民主主義など憲法の原則をより深化させるための議論である。
その意味で、立憲民主党が公約に、首相による衆院解散権の制約や「知る権利」の論議を掲げたことに注目する。権力を縛るこうした方向性こそ大切にすべきだ。

改憲は政権の都合や、政党の数合わせでは実現できない。

その是非に最後に判断を下すのは、私たち国民なのだから。




☆☆☆GGのつぶやき
憲法の原則をより深化させるためという大義は理解できる。
しかし、占領期に米国に押しつけられたという認識は、岸信介の遺恨の臭いが漂う。
日本人による日本人のための日本の憲法を改定願いたい。













































































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# by my8686 | 2017-10-16 15:01 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」を読み解く

生憎の曇り空の日曜日。今にも泣きだしそうな空模様である。
お楽しみのロードバイクランはお預けするしかなさそうである。


そんな雨の日には、イタリア・ルネッサンス期の1483年頃に描かれた古き名画、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生:La nascita di Venere」を観賞してみよう。



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帆立の貝殻に乗って、海の泡から成人した姿で誕生した美と愛の女神ヴィーナス。





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ここでは、海から生まれたヴィーナスが貝の上に乗り、風に運ばれてギリシャの理想郷ヘスペリデスの果樹園に辿り着く場面が描かれている。





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向かって左側で抱き合っている二人の人物は、西風の神ゼフュロスとその妻である花の神フローラ。





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ゼフュロスは強い風を、フローラは温かい溜息を吹きかけてヴィーナスを岸辺へと運んでいる。





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向かって右側の岸辺でヴィーナスを迎えるのは季節の神ホーラー。





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ホーラーが身に纏っている服にはヤグルマギクの、ヴィーナスに差し出しているマントにはヒナギクの刺繍が施されている。





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愛の神ヴィーナスの甘美な姿を描いたこの作品の大きなテーマは、愛と美であると考えることができる。
ヴィーナスを運ぶゼフュロスとフローラも、情熱的な恋を実らせて結ばれた夫婦だ。





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☆☆☆GGのつぶやき
温かい風や季節の神ホーラーの服の刺繍は、美しい春のイメージを想起させてくれる。
春は誕生の季節であり、また恋の季節であるという発想は、現代の日本で生活している我々にも共通する感性であろう。









































































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# by my8686 | 2017-10-15 14:36 | ぶらぶらアート観賞 | Trackback | Comments(0)

RESTAURANT UNDER THE SKYでの結婚披露宴に出席

同僚の女性、といっても娘ほど年の差のあるスタッフの結婚披露宴に出席する。
場所は、広島市内の老舗百貨店の東館10Fにリニューアルされた「RESTAURANT UNDER THE SKY」。



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この場所は、少年時代にはよく遊びに連れてこられた屋上遊園地のあった場所である。
田舎から出てきた叔母連中が市内で映画見物のあと、食事に寄った場所でもある。
ここのデパ食でよくお子さまランチやホットケーキを食べた記憶が甦ってくる。





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解放的なガーデニングテラスを眺望しながらの食事も特別な心地良さがある。





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司会進行役は、地元ラジオでも活躍中のDJ SALLY。

スパークリングワインの酔いも手伝い、愉しいひと時を過ごす。




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郊外に居住する今は、団地から直通バスで行けるこの場所がなにかと便利である。








☆☆☆GGのつぶやき
長男の結婚式以来、9年来の晴やかな宴会であった。
気持ちが高揚すると、ついいらぬ辛口コメントが出てしまうのは、年齢のせいばかりではあるまい。
自戒あるのみ・・・と反省しつつも、酒で高揚した時くらい、いいではないか、と独りいいきかせる。






























































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# by my8686 | 2017-10-14 22:22 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

Hiroshi Nakamura &NAPの「Optical Glass House」を読み解く

徳島県の「Kamikatz Public House」の設計で注目した建築家の仕事をみてみよう。



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1999年から2002年の間、隈研吾建築都市設計事務所に入所していたことでも頷ける、独特の作風である。尾道にあるリボンチャペルも彼の仕事だったと後で知る。





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そして、気になっていた広島市の中心部に建つ個人住宅。





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周囲には高層ビルが建ち並び、前面の道路には車やなじみの路面電車が行き交っている。
プライバシーと静寂のために、道路側に前庭と光学ガラスのファサードが設けられ、ただならぬ気配のする住宅である。





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室内からはどこの部屋にいても庭を眺めることができ、その向こうでは、通りを行き交う電車や車やビルが音のない滲んだ風景として生活を彩っている。





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東からの陽光はガラスの屈折によって美しい光紋様を床や壁に描き、水盤型トップライトは雨の水紋をエントランスの床に描いている。





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木漏れ日が床に踊り、金属をスパッタリングした超軽量カーテンは、建物前後の2つの内庭の温度差によって風が起こっていることを教えてくれる。




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都心であっても一日の光や街の変化、季節の移り変わりを感じながら暮らすことのできる住宅である。





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約6000個のガラスの塊(50mm×235mm×50mm)をファサードに用いたのは、単位面積あたりの質量が大きく遮音効果があることと同時に、都市の風景を遮断せずにクリアで開放的な庭を作るためだという。

そのため、光学ガラスの原料であるホウケイ酸ガラスを主体とした透明度の高いガラスを、キャスト(鋳込み)法にて製作している。

この工程はガラス内の残留応力の除去のための緩やかな除冷と、厳しい寸法精度を要するため、制作は困難を極めたという。

ファサードは、幅8.6m高さ8.6mで大面積のため、奥行きわずか50mmのガラスでは到底自立しない。
そのためファサード頂部の梁から暖簾のように吊ることにした。



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まず梁に74本のステンレスのボルトを吊し、そこに地震力を負担する水平部材をガラス一つ置きに固定。水平部材は40mm×4mmステンレスのフラットバーで、厚さ50mmのガラスブロック内部に収まるようにガラスブロックを掘りこんで、フラットバーにかぶせている。





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その結果、目地幅をシール施工の最小寸法である6mmにすることが可能になり、軽やかで滝のような透明感のあるファサードを実現したという。








☆☆☆GGのつぶやき
光学ガラスでつくるファサードの発想が良い。
都市の気配を遮断せず開放感を生み出した工法に驚愕する。
強風時の揺れや破損による交換のためのメンテナンス方法も気になるところだが・・・。





















































































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# by my8686 | 2017-10-13 17:47 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)