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「株価急落、日経平均終値1071円安の2万1610円」を読み解く

米国発の株価急落が世界の金融市場を揺らしはじめた。
ついに、というか、想定内の株価急落と見る御同輩も多かろう。




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冷静に、かつ慎重にこの状況を読み解いて行きたい。



米経済は金融緩和による低金利で企業収益が増え、トランプ政権の経済政策もあり、株価が上がる好循環を謳歌してきた。
しかし金利上昇や賃金コスト増への懸念が急浮上。株価に急ブレーキがかかった。米経済の変調は世界全体の景気に大きな影響を与えかねない。



日経平均終値、1071円安の2万1610円。



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「どこまで急落するのか心配。ここまで下がると売りたくても売れない」。
複数銘柄を保有する千葉市の40代男性はこう嘆いた。

6日の東京株式市場は、5日の米ダウ工業株平均の1175ドルの急落を受け、取引開始直後から多くの銘柄で売り注文が相次いだ。
楽天証券のコールセンターには普段の倍の5千件を超える問い合わせが殺到した。

東京証券取引所第1部のほとんどの銘柄が値下がりし、日経平均は午前の取引で下げ幅は1200円超に。
午後には値下がりに耐えきれなくなった投資家の売りで下げ幅が拡大。一時1600円超に達した。終値では縮小したが1071円もの下落となった。

ダウ平均の最高値更新とともに値を上げた日経平均だが、ダウ平均の急落でひとたまりもなく下落した。




■世界株安の震源地の米ニューヨーク市場
前週末の2日に665ドルも急落し、週明け5日は持ち直すかが注目された。
しかし「上昇に転じるきっかけをつかめないまま売り込まれた」(米投資専門家)。

つるべ落としのような急落は米国時間午後3時ごろ。わずか10分ほどで約900ドルも下落した。

米投資専門家は「自動取引が関係しているのではないか」とみる。
市場の株取引は、コンピューターのプログラムを駆使した自動取引が担う。損失が膨らむのを避けるため、株価下落が一定の水準に達すると自動的に売りを出す。
投資家の多くが似たプログラムを使い、市場が荒れると「売りが売りを呼ぶ」展開になりやすい。




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株安の連鎖は収まるのか。米投資マネジャーは「1100ドル安でも下落率は4%。1日に22%下げた1987年のブラックマンデー(暗黒の月曜日)とは比較にならない」と話す。

ニッセイ基礎研究所員は「米国経済は堅調でリーマン・ショックとは事情が異なる。米国株のミニバブルが終わったという認識だ。ただ、米金利がさらに上昇すれば株安を呼び、経済の悪化につながる可能性がある」とみる。





■FRB新議長の手腕、世界が注視

米株式相場は、リーマン・ショック後の2009年から上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和で景気を刺激し続けてきた。低金利に加え、賃金コストが上がりにくい状況の「適温経済」で企業は収益を拡大させ続けてきた。

FRBは15年末に利上げに踏み切り、景気の過熱を抑えてきた。そこへ投げ込まれたのが米大統領選での予想外の「トランプ氏勝利」だ。同氏は大型減税など「ビジネス寄り」政策で景気にアクセルを踏み、米株価上昇は加速。ダウ平均は最高値を塗り替え、バブル的な状況となった。




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あまりの上昇に警戒感が強まる中、今月2日の米雇用統計で、予想を上回る賃金上昇が確認された。FRBが利上げペースを上げ、企業収益に悪影響を与えるとの見方が広がり、「適温」に慣れた市場に一気に冷や水が浴びせられた。

同日、FRB議長退任を控えたイエレン氏は米テレビの取材に、「歴史的な値幅の上限に近い」と語った。週明け5日の市場は、その「予言」が当たった形だ。

トランプ大統領は5日、ラストベルトのオハイオ州で演説し、「この何年間で初めて賃金が上がっている」と株価急落に触れずに減税効果を訴えた。

ホワイトハウスのサンダース報道官は声明で「大統領が注目する長期的な経済の基礎的条件は、極めて力強い」と援護射撃した。

トランプ政権が経済政策でアクセルを踏み続ける中、FRBは金融政策で難しい調整を迫られる。今年は3回の利上げを想定するが、株価が軟調なままでは想定が狂いかねない。

5日に正式就任したパウエル新議長は「我々は用心深くあり続け、変化するリスクに対応すべく準備する」と語った。景気の過熱を抑えつつ、どう巡航軌道に乗せるのか。その手腕に世界が注目する。






■「調整局面」日本政府は静観の構え
 
急激な株安は今後、日本経済にどう影響するのか。

トヨタ自動車の小林耕士副社長は6日の17年4~12月期決算会見で懸念を示した。
「株が高いと(車の)購買意欲をそそる。あまり乱高下せずに妥当な値段で推移していってほしい」。




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新日鉄住金の佐伯康光副社長も
「一過的なものなのか構造的なものなのか、まだ見極められていないが、非常に気になる」。

丸紅の矢部延弘・常務執行役員は
「実体経済への影響はほとんどないと思うが、ドル金利の急激な上昇は収益にマイナスのインパクトがある」と語った。


政府は今のところ、「ずっと上がってきた株価の調整局面」(官邸幹部)と、静観の構えだ。

麻生太郎財務相は6日の記者会見で「企業業績はよくなっている」と実体経済の好調さを強調した。

茂木敏充経済再生相も「日本経済にどのような影響を与えるか注視したい」と述べるにとどめた。

しかし、米国発の株安が長期化し、急激な円高にもつながれば、安倍政権が描く「デフレ脱却」のシナリオは崩れかねない。




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政権はこれまで、日本銀行の大規模な金融緩和による円安で、輸出企業を中心に企業業績を押し上げ、企業に賃上げを促して消費も回復させるという「経済の好循環」をめざしていた。

だが、株安で投資家心理が冷え込めば、リスク回避のための円買いで円高が進み、世界経済の減速とあいまって輸出が落ち込む可能性がある。そうなれば、今春闘での大幅な賃上げも望みにくくなる。

それだけに、菅義偉官房長官はこの日の会見で「為替の安定は極めて重要だ。緊張感を持ってしっかりと注視する」と述べ、円高を警戒する。
今週カナダで開かれる主要7カ国(G7)の財務官会合でも、為替市場の動向について議論される見通しだ。

BNPパリバ証券のチーフエコノミストは「世界的な金融緩和によるバブル崩壊への転換点となる可能性がある。日本の好景気は日銀の金融緩和による円安と米国の好況に依存しており、米国の景気が落ち込めば世界に波及しかねない」と指摘する。










☆☆☆GGのつぶやき
バブル崩壊への転換点となる可能性を大きく含んだ今回の株価急落。
底まで耐え忍んで新株買いにでる輩もいよう。
市場の株取引にもAI導入の好機とみる輩もいよう。
いずれにせよ、欲を搔きすぎぬことが寛容。

























































































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by my8686 | 2018-02-07 09:27 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「年金運用黒字、6四半期連続 最長記録に並ぶ」を読み解く

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2日、昨年10~12月期の公的年金の積立金の運用益が6兆549億円だったと発表した。




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あらためて、この内容を読み解いてみよう。



黒字は6四半期連続で、過去最長の黒字期間に並んだ。12月末時点の運用資産額は162兆6723億円で過去最高を更新した。

GPIFによると、企業業績の好調が続いているのを受け、主に国内外の株式運用がプラスに働いた。
黒字額は四半期ベースで過去4番目だった。6四半期連続の黒字は、12年7~9月期から13年10~12月期以来で、市場運用を始めた01年度以降で3回目という。




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積立金の運用資産別の構成割合(12月末時点)では、国内債券が比較可能な08年度以降で最低の27・67%となった。

一方、国内株式(26・05%)、外国株式(25・08%)、外国債券(14・13%)はいずれも最高になった。

GPIFの高橋則広理事長は「世界的な株高基調が継続し、為替市場も安定的に推移した」とのコメントを出した。




■年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)

厚生労働省の外郭団体。
厚生労働省からの寄託を受けた厚生年金や国民年金の積立金約130兆円を運用する。

基本的な資産構成は国内債券が60%、国内株は12%などと定められているが、国内株の割合を増やす方向で、すでに運用比率の上下限を定めたルールを停止している。




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自営業者や会社員が払う保険料を原資とした積立金を株式や債券などで運用する。2014年10月に運用基準を見直し、債券から株式の割合を増やした。

株価に資産残高が左右されやすく、株安が進んだ15年度は運用成績が約5兆円の赤字に。
2016年9月末現在の運用資産額は132兆751億円で世界最大級。同年7〜9月期の運用は、株価の回復を受けて黒字に転じた。





さらに、一般国民を対象とする年金である厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っており、当社株の最大の資金拠出者でもある。昨今ではESG投資を開始したことが話題になっている。



■ESG投資

環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別して行う投資。

環境では二酸化炭素の排出量削減や化学物質の管理、社会では人権問題への対応や地域社会での貢献活動、企業統治ではコンプライアンスのあり方、社外取締役の独立性、情報開示などを重視する。

国際連合が2006年、投資家がとるべき行動として責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)を打ち出し、ESGの観点から投資するよう提唱したため、欧米の機関投資家を中心に企業の投資価値を測る新しい評価項目として関心を集めるようになった。





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従来の社会的責任投資(SRI)が環境保護などに優れた企業を投資家が応援しようという発想だったのに対し、ESG投資は環境、社会、企業統治を重視することが結局は企業の持続的成長や中長期的収益につながり、財務諸表などからはみえにくいリスクを排除できるとの発想がある。

ESG投資の代表的手法には、ESG評価の高い企業を投資対象に組み込む「ポジティブ・スクリーニング」と、反社会的活動にかかわったり、環境を破壊したりしている企業を投資対象から外す「ネガティブ・スクリーニング」がある。

類似のものとして議決権行使などで投資先企業の行動に影響を与える「エンゲージメント」や、慈善事業などの社会貢献と経済的利益の両方をねらう「インパクト投資」といった手法もある。




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国連の責任投資原則に署名した資産運用機関は2012年12月時点で1100を超えており(日本は24)、その運用資産は32兆ドルに達している。
また、ESGに適合した企業かどうかを指標化するスコアリング基準づくりも進んでいる。





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☆☆☆GGのつぶやき
GPIFの存在を知らない輩が以外と多いのに驚く。
雇用継続ながら年金生活に入った今、やはり厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用には神経質になる。その資産規模はなんと130兆円にも達している。
これは、米国社会保障年金信託基金に次ぐ世界第2位の規模になる。「世界最大の機関投資家」でもある。
黒字運用ならば言うことはないが、いつ赤字に豹変するかは、誰にもわからない。
























































































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by my8686 | 2018-02-05 10:35 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「GE、複合経営難局 赤字1兆円、主力事業分離検討」を読み解く

長く優良経営のお手本とされてきた米ゼネラル・エレクトリック(GE)が苦境にある。
主力の電力事業の不振が深刻化したところに、過去の「負の遺産」が表面化し、1兆円超の赤字決算に追い込まれた。

幅広いビジネスを手がける複合企業(コングロマリット)の代表格は、解体に近い経営改革を迫られている。



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あらためて、この内容を読み解いてみよう。



GEが24日発表した2017年10~12月期決算は、最終損益が赤字98億2600万ドル(約1兆700億円)。中核の火力発電向け発電機が、再生可能エネルギーに押されるなどして苦戦。

過去に縮小したはずの保険事業では、将来の保険金支払いが大きく膨らむ見通しとなり、特別費用62億ドル(約6800億円)の計上を迫られた。この会計処理については、米証券取引委員会(SEC)が調査を始めたことも明らかになった。

昨年8月に就任したフラナリー最高経営責任者(CEO)は、財務を立て直すため、電力や航空などの主力事業を切り離して上場させることも検討している。実現すれば複合経営からの本格的な決別を意味する。




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発明王のトーマス・エジソンが創業者の一人で、かつてはテレビ局まで抱え、巨大コングロマリットの成功例とも評されたGE。

08年秋のリーマン・ショック後、イメルト前CEOのもとで金融や家電から次々に撤退。一方で発電機や石油・ガス事業は強化した。





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インフラ系機器を中心に今なお幅広いビジネスを手がけているが、業績はなかなか上向かない。
米アナリストのマーチン・サンキーは「資本や人材、技術を複数のビジネス間で融通し合えるのが複合企業の強みだが、経営がまずいと全体が沈んでしまう」と話す。





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今回の巨額赤字で、「物言う株主」の投資ファンドが経営改革を求める圧力はさらに高まりそうだという。

米株式相場が最高値を塗り替え続けるなか、GE株はこの1年で半値近くに下落。
ダウ工業株平均を構成する30社で唯一、最初の約120年前から採用されている銘柄だが、そこから外されるとの観測も浮上している。





■MEMO

ゼネラル・エレクトリック(略称: GE)は、アメリカ合衆国コネチカット州に本社を置く、多国籍コングロマリット企業である。

航空機エンジン、医療機器、産業用ソフトウェア、各種センサ、鉄道機器、発電および送電機器(火力発電用ガスタービン、モーター、原子力)。
水処理機器、化学プロセス、鉱山機械、石油・ガス(油田サービス、天然ガス採掘機器、海洋掘削)。
家庭用電化製品(LED照明、スマートメーター)、金融事業(法人向けファイナンス、不動産ファイナンス、各種リース、銀行、信販)など幅広い分野でビジネスを行っている。





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ダウ平均株価の構成銘柄のうち、1896年5月26日の算出開始以来唯一残存している企業である。欧米と中国での特許取得数では世界一。

長らく世界屈指のコングロマリットとして事業拡大が行われてきたが、2017年11月13日、ジョン・フラナリー(CEO)は事業の絞り込みを行うことを言明。

今後、電力、航空機、ヘルスケア以外の事業については、売却などが進められるなど転換期を迎えている。




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1月16日に発表した保険事業見直しによる62億ドルの特別費用計上も響き、税引き前損益(継続事業ベース)は126億300万ドルの大幅な赤字(前年同期は28億9300万ドルの黒字)に転落した。

航空機エンジンや医療機器部門は拡大傾向が続き、売上高営業利益率は20%台と高い収益力を確保している。
不振が続いていたオイル&ガス部門も原油価格の回復基調を受け、受注が73%増と急拡大した。









☆☆☆GGのつぶやき
栄枯趨勢は世の習い。
あの巨大GEにもその予兆の波が押し寄せているのであろう。
GEの複合経営は投資家からも非効率だとの批判が出ているという。
航空機エンジンなど中核事業の分離検討、巨額の赤字による事業分割への圧力はさらに強まるであろう。
昨年17年10~12月期にリストラ費用や評価損なども出尽くしている。
24日のGE株は一時、前日比を上回る場面もあった。
どう立て直していくのか、静観しかあるまい。








































































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by my8686 | 2018-01-26 11:00 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「東証741円高、2万3500円台 92年以来 NYは初の2万5000ドル台」を読み解く

年明け最初の出勤日。
互礼会に続き社長挨拶。戌年の語源の意味と地固めの年。

年明け最初の取引となる昨日の東京株式市場も活気づいている模様である。




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あらためて、その内容を読み解いてみよう。

年明け最初の取引となる大発会を迎えた4日の東京株式市場で日経平均株価は700円超値上がりし、1992年1月以来約26年ぶりの高値をつけた。

米国の株高に加え世界的な景気拡大が続くとの見方から、日本企業の好業績を期待する買い注文が膨らんだ。




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日経平均の終値は前年末より741円39銭(3・26%)高い2万3506円33銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同46・26ポイント(2・55%)高い1863・82。大発会での値上がりは前年(479円79銭高)に続き2年連続。

年明け発表の米国の経済統計で米経済の好調さが裏付けられ、前日のニューヨーク株式市場で大企業でつくるダウ工業株平均が史上最高値を更新。

東京市場もこの流れを引き継いで朝から買いが優勢となり、その後も上げ幅を広げた。電機、金融関連など8割以上の銘柄が上昇し、原油先物価格の上昇を受けた石油関連株の値上がりが目立った。





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4日のニューヨーク株式市場では、ダウ平均が続伸して始まり、取引時間中の最高値を更新して史上初めて2万5000ドルの大台に乗せた。

朝方に発表された民間調査で昨年12月の米国の民間雇用が市場予想を上回ったことなどが好感され、前日終値からの上げ幅は一時150ドルを超えた。




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世界経済の回復とトランプ政権による大型減税を追い風に米企業の好業績への期待が高まり、株価は歴史的水準に達した。







☆☆☆GGのつぶやき
2018年も海外景気に支えられ順調な滑りだしにみえる。
不安要因ばかり気にしすぎて、委縮しても仕方があるまい。
賢犬のように落ち着きつつ基礎体幹を鍛えていきたい。














































































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by my8686 | 2018-01-05 10:18 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「NYダウ、史上初2万4千ドル突破」を読み解く

11月30日のニューヨーク株式市場は、米税制改革の実現が近づいたとの見方から、大企業でつくるダウ工業株平均が大幅に上昇し、終値で史上初めて2万4000ドルの節目を超えたという。



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NYダウの高騰ぶりをどう読み解くか。

あらためて、経緯をみてみよう。



前日比331・67ドル(1・39%)高い2万4272・35ドルで取引を終えた。

ダウ平均の上げ幅は今年最大で、史上最高値の更新は3日連続。10月18日に終値で2万3000ドル台に乗せてから1カ月半で再び大台を突破。

米議会上院が法人減税を盛り込んだ税制改革法案の採決に動きだし、これまで反対姿勢だった共和党重鎮のマケイン議員が賛成に回ると伝わり、法案の早期成立への期待が一気に高まった。




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米連邦準備制度理事会(FRB)がパウエル次期議長のもとで緩やか利上げを進めるとの見通しや、金融規制緩和への期待などから、ゴールドマン・サックスなどの金融株が大きく上昇した。年末商戦への期待から小売り株も買われた。





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ハイテク株中心のナスダック市場の総合指数も上昇し、同49・63ドル(0・73%)高い6873・97で取引を終えた。


11月21日には、ニューヨーク株式市場は、この週から本格化する年末商戦への期待などからアップルなどハイテク株が買われ、大企業でつくるダウ工業株平均が続伸、9営業日ぶりに史上最高値を更新。終値は前日比160・50ドル(0・69%)高い2万3590・83ドルだった。

ハイテク株中心のナスダック市場の総合指数も続伸し、同71・77ポイント(1・06%)高い6862・48と過去最高値を塗り替えた。年末商戦を目前に控えてアップル、マイクロソフトなどが大きく値を上げた。世界的な株高傾向も投資家心理を支えた。





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11月9日には、ニューヨーク株式市場は、トランプ米政権が進める税制改革に不透明感が出てきたとの見方から、大企業でつくるダウ工業株平均が8営業日ぶりに反落し、前日より101・42ドル(0・43%)安い2万3461・94ドルで引けた。




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米上院共和党が発表した税制改革案をめぐり、法人減税の実施時期が下院案の2018年から1年先送りされる方向だと事前に報じられ、失望感から売り注文が広がった。ダウ平均の下げ幅は一時、250ドルを超えた。





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ハイテク株の比率が高いナスダック市場の総合指数も反落し、同39・07ポイント(0・58%)低い6750・05で取引を終えた。









☆☆☆GGのつぶやき
アメリカ・トランプ政権が、ティラーソン国務長官を近く更迭させる計画を検討していると、地元メディアが伝えている。トランプ大統領本人が、更迭を承認したかは不明だが、外交政策を担う看板閣僚の更迭となれば、政権の混乱拡大は必至。
まだまだ予断を許さない状況下なのである。





































































 

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by my8686 | 2017-12-01 10:33 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「東証、バブル後最高値 終値2万2937円 約26年ぶり」を読み解く

7日、東京株式市場で日経平均株価は389円も上昇し、終値は2万2937円60銭と、バブル崩壊後の高値を更新した。




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株価の上昇が続いている。約26年ぶりの水準だという。
先行き不安が遠のき、好調な企業業績を受けた買いが入る。この勢いはどこまで続くのか。




あらためて、この内容を読み解いてみよう。




■外国人投資家が買い

株価上昇を後押しするのは、売買高の過半を占める外国人投資家だ。
9月上旬以降、北朝鮮の挑発行動は目立たなくなり、10月の衆院選で自民が勝利。先行きの不安要素がひとまずなくなり、安倍政権が金融緩和で株価を押し上げることが明確になった。




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日本株は円相場の影響を受けやすいが、最近は1ドル=113~114円程度で安定している。米国では年末の利上げ観測が強まり、日米の金利差が広がれば円安ドル高になりやすい。10月には史上初の16連騰を記録した。日本株を投資先に組み入れる海外の投資家も本格的に買いに入ったとみられている。

株価はバブル崩壊後いったん上がった時点(1996年6月26日、2万2666円80銭)を超え、92年1月9日(2万3113円64銭)以来、25年10カ月ぶりの高値水準となった。

市場では2万3000円超えも近いとの声が広がり、「日経平均2万4000円も見えてくる」(大和証券グループ本社・中田社長)

「中長期的に2万5000円を目指す展開になる」(野村ホールディングス永井グループ最高経営責任者)との見方も出る。




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だが個人投資家の動きは鈍い。

極東証券の菊池広之会長は「株高でも個人は冷静だ。今回は売りから入り、海外勢が買っている。バブルの時はその逆だった」という。安値で売れなかった株を売るきっかけにする個人が多く、それを外国人が買っている構図だ。

松井証券の松井道夫社長も個人の売買が少ないと言い、「こんな状態は今までにない。『活況』だとはとても言えない」と話す。

独立系投信のファンドマネジャーは「実感がまったくない。漠然とした不安すら感じる」と話す。

「何かのきっかけで2千~3千円下げるのは早いのでは」との声もある。



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■海外と比べて「割安」

約26年ぶりの高値となった株価だが、「(バブル崩壊後の)『失われた20年』をようやく取り戻したに過ぎない」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券マン)。

過去20年余りの主要国の株価は数倍に上がっている。96年時点と比べて、米ダウ工業株平均は4倍、英国の株価指数は2倍、中国・上海の株価指数は4倍だ。




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日本株は割安でさらに上がる余地があるのか。市場では、企業の一株当たりの純利益を株価で割った「株価収益率(PER)」をみて、割安とする見方がある。
PERが高いと株価は割高で、低いと割安とされる。日経平均のPERは15倍程度で、約20年前の50倍超より低い。

約20年前はバブル崩壊後に企業業績が悪化する過程にあった。「バブル経済の余韻が残っていた90年代の方が、株価も今以上に過熱感が残っていた」。




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東京市場では日本銀行が株価指数連動の上場投資信託(ETF)を買い、株価を押し上げる「官製相場」の様相も強い。
株価が実態以上に上がっているのか、好調な企業業績に見合った上昇なのか。

北朝鮮情勢やトランプ米政権の不安定さなどの不安を抱えたまま、当面は上昇基調との見方が市場では多い。






☆☆☆GGのつぶやき
まさに、薄氷を踏む思いとはこのことであろう。
いつ暴落するか、いつまで続くのか。
この高騰に踊らされ、一財産を失う個人投資家も出てこよう。
欲をかかぬことである。


















































































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by my8686 | 2017-11-08 11:33 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「東証、初の15連騰 自民大勝受け大幅上昇」を読み解く

23日の東京株式市場は、衆院選の自民大勝で「アベノミクス」が続くとの期待感から日経平均株価が大幅に上昇。終値は前週末比239円01銭(1・11%)高の2万1696円65銭で、史上初の15営業日連続(2~23日)の値上がりとなった。

最長だった高度成長期の14連騰(1960年12月21日~61年1月11日)を約57年ぶりに更新した。1996年7月以来、約21年ぶりの高値水準だという。



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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


15日間の上昇幅は1340円(6・58%)。9月上旬以降、北朝鮮問題の緊張が和らぎ、景気が堅調な米国は株価が史上最高値圏に突入。

国内企業は中間決算で好業績が見込まれる。好材料がそろう中、衆院選で政権側が大勝。円安・株高をもたらした日本銀行の金融緩和が続く期待が強まった。



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日銀が緩和策で上場投資信託(ETF)を買うなどして支える「官製相場」は長続きしないとの懸念は根強い。しかし海外投資家を中心に買いの勢いが強まり、次の節目の2万2000円への上昇予想も出ている。

15連騰がかかった23日午後、野村証券のトレーディングルームでは静かに取引が終わった。前週末の14連騰で拍手が上がった時とは対照的だ。株価は朝方から大きく上昇し、記録達成は確実視されていた。

「今日は与党勝利の『ご祝儀相場』。これからの政策でまた上がる。連騰は政治が安定しているからでは」。複数銘柄を保有する千葉市の40代男性はそう期待する。



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景気回復の実感がないとの声がある中での連騰記録に、市場では「まさか日本株がこんなことになるとは」(大手証券)の声が上がる。



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楽天証券経済研究所の窪田真之氏は「北朝鮮リスクの後退に衆院選での自民勝利が加わり、安定を好む海外投資家に日本株が評価された」と話す。野村証券のリサーチ部門は年末の日経平均の予想を従来の上限2万1000円から、2万1800円に上方修正した。

市場の過熱感を指摘する声も出ている。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は「政策が予想通りに行かなければ投資家は離れる。北朝鮮リスクもいつ再燃するか分からない。期待先行で、このまま一本調子の上昇とは思えない」という。



■政策運営に懸念も

市場が株高に沸く一方、衆院選では経済政策の議論が盛り上がらず、エコノミストの間では、今後の政策運営に対する懸念もくすぶっている。

各党の論戦では、消費増税の是非は議論されたが、財政拡張方向の主張ばかりが目立った。SMBC日興証券の丸山義正氏は「教育無償化などの歳出拡大で横並びとなり、財政を含む政策論争には発展しなかった」と指摘する。



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社会保障改革や財政再建など痛みを伴う政策の言及はほとんどなかった。第一生命経済研究所の熊野英生氏は「少子高齢化への対応や規制緩和などの成長戦略が後回しにならないか危惧している」と話す。

課題を先送りしているのは、株高を支える日本銀行の大規模緩和も同じだ。選挙前は緩和の悪影響の指摘も与党内にあったが、政権側の大勝で「金融政策の見直しを迫られる可能性は小さくなった」。

来春任期を終える日銀の黒田総裁の後任人事では、「黒田氏の続投か、その路線を継承する人選しか考えにくくなった」等の声が出る。




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大量の国債や上場投資信託(ETF)を買う日銀の緩和策は、「物価上昇率2%」の達成が見通せない一方、相場をゆがめる懸念が強い。明治安田生命保険の小玉祐一氏は「『安倍一強』路線の継続で(緩和を縮小する)『出口』の議論は遠のいたが、見直しを迫られるのは時間の問題だ」と話す。






☆☆☆GGのつぶやき
実感のない好景気という摩訶不思議な社会景気である。
約21年ぶりの高値水準だという。
誰もが笑顔で小躍りした、かつてのバブルとは性質が違う。
ゆがめられた相場が弾けた先が見通せない恐怖感は否めない。



























































































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by my8686 | 2017-10-24 09:44 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「東証、21年ぶり高値 海外経済が堅調 終値2万881円」を読み解く

11日の東京株式市場で日経平均株価は7営業日連続で値上がりした。




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終値は前日比57円76銭(0・28%)高の2万0881円27銭と、2012年12月に第2次安倍政権が発足してからの高値を上回った。

1996年12月5日(2万0943円90銭)以来、約20年10カ月ぶりの高値水準だ。証券業界は今後の株価上昇に期待するが、北朝鮮情勢など先行きのリスクは多い。



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安倍政権発足後のこれまでの高値は、2015年6月24日の2万0868円03銭だった。


日経平均は昨秋の米大統領選でトランプ氏が勝利し、円安ドル高となってから上昇基調。海外経済の堅調で上向きな企業業績も株高を支える。最近は北朝鮮の核・ミサイル疑惑で伸び悩んだが、ややリスクは後退している。

証券会社トップは11日、「中長期的に2万5千円を目指す展開」(野村ホールディングスの永井浩二最高経営責任者)などと強気のコメントを出した。



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しかし、日本銀行が日経平均などに連動する上場投資信託(ETF)を買い、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株式投資比率を引き上げるなど、公的な資金が株価を支える面も大きい。

総選挙後の政治情勢は見通せず、北朝鮮問題も解決の糸口は見えない。「市場が不安定になる可能性は残る」(大手証券)との声は根強い。




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96年12月は、バブル崩壊後、金融危機に向かう中だった。野村証券の伊藤高志氏は「20年前は、バブル崩壊の90年ごろから始まった株安局面の通過点だった」と話す。

日経平均はその後の上昇とリーマン・ショック、東日本大震災や超円高での低迷を経て、日銀の異次元緩和の効果などで再び上がってきた。

しかし国内外の政治情勢が不安定で、緩和効果にも限界が出てきた中、上昇が続くかどうかは見通せない。





さらに、21年ぶりの高値となった主要因を読み解いてみよう。


「ファーストリテイリングなどの大型株に海外勢の買いが入った」。国内証券トレーダーは強調する。
外国為替市場では対ドルでの円安の勢いこそ一服したが、前日の米株高を背景に投資家心理が強気に傾いて幅広い銘柄が買われた。11日前場終値は前日比0.2%高の2万870円だった。




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9月中旬以降、日経平均の上昇ピッチが速まった理由は大きく3つある。


1つ目は、世界経済の順調な成長。

国際通貨基金(IMF)は10日公表の世界経済見通しで2017年の経済成長率を上方修正した。日本も国内景気の拡大が8月で57カ月間となり、長さは1965年から70年までの「いざなぎ景気」に並んだ。
内閣府が11日朝に発表した8月の機械受注統計も好調な内容だった。企業の収益力向上への期待が高まっており、「10月下旬以降の決算シーズンを控えて物色が活発化している」。

日経平均の構成銘柄で昨年末比の騰落率を見ると、上昇率上位にはタイヤ原料を手掛ける東海カーボンや産業用ロボットの安川電機、半導体製造装置の東京エレクトロンなどが並ぶ。
市場の拡大に乗って稼ぐ力を高めてきた成長銘柄に国内外の投資マネーが集まっている。



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2つ目は、日米の政治動向。

22日投開票の衆院選では自民党が優勢を保っており、海外投資家の多くはアベノミクスが続くと予想している。日銀による大規模な金融緩和の継続が見込まれ、円安期待が膨らんでいることも株価を下支えしている。
米国では連邦法人税の税率を引き下げる議論が進む。減税による景気回復期待で米金利が上昇しており、日本株に追い風となっている。



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3つ目は、北朝鮮リスクが後退していること。

10日の朝鮮労働党の創建記念日に合わせて北朝鮮は新たな挑発行動に出る可能性があった。ただ、今のところ目立った行動はなく、投資家が運用リスクを取りやすくなっている。

ただ、日経平均の2016年末からの上昇率は約9%にすぎない。米国やドイツ、インド、台湾など世界の主要市場に比べると見劣りする。市場では一段と上値を追うためには「消費増税撤回や金融所得課税などの減税が求められる」(JPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジスト)との指摘がある。




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☆☆☆GGのつぶやき
消費増税撤回や金融所得課税などの減税を新政党がどこまで実現できるのか。
お手並み拝見といこう。


















































































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by my8686 | 2017-10-12 13:37 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「ノーベル経済学賞、セイラー教授の受賞理由」を読み解く

2017年のノーベル経済学賞は、米シカゴ大のリチャード・セイラー(Richard H. Thaler)教授の受賞となった。




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セイラーは行動経済学の権威で、経済学の意思決定の分析に心理学に基づく現実的な仮定を組み込んだことで知られる。


行動経済学者の受賞としては、2002年のダニエル・カーネマンに続くものだが、2013年のロバート・シラーも受賞理由は「資産価格の実証分析に関する功績」であるものの、研究活動の柱は行動経済学だった。

標準的な経済学は、精緻な数学的モデルを築くために大胆な仮定を多数置いている。その代表例が、経済主体は財やサービスの効用などについてすべての情報を知っているという「情報の完全性」と、経済主体は常に自己利益を合理的に最大化させて意思決定するという「合理的経済人」だという。



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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


「合理的経済人」の仮定に異議を唱える

このような大胆な仮定の下では、アダム・スミスの「神の見えざる手」のごとく、市場にすべてを任せれば、市場が解決してくれるという経済学の結論にたどり着く。
ただ現実には、こうした仮定が成り立たない領域は少なくない。昨今のノーベル経済学賞では、非現実的な仮定を現実的なものに置き換えたときに、どんなことが言えるかを研究したものが受賞するケースが多い。

昨年の受賞者であるオリバー・ハートは、当事者同士が将来のことがわからない状況下(情報の不完全性)では、「契約」はどのような落とし穴に陥るのか、そしてそのための処方箋は何かを明らかにした。
1996年受賞のジェームズ・マーリーズとウィリアム・ヴィックリー、2001年受賞のジョージ・アカロフ、マイケル・スペンス、ジョセフ・スティグリッツも情報の不完全性の下での市場分析が受賞理由だ。




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これに対して、カーネマンやセイラーに代表される行動経済学は「人はみな自己利益のために完全に合理的に意思決定する」という合理的経済人の仮定そのものに異議を唱えたものだという。

セイラーは、経済的意思決定に体系的に影響を与える、以下の3つの心理的特性を明らかにしたと、スウェーデン王立科学アカデミーはその功績をたたえた。



それは、①限定合理性 ②社会的選好 ③自制心の欠如の3つだという。

①「限定合理性」という概念は、ハーバート・サイモン(1978年ノーベル経済学賞受賞)が生み出したもので、人間は認知能力の限界から完全に合理的であることはできないというもの。
セイラーは、その例として、金銭に関する意思決定で人間が無意識に行う心理的な操作を「メンタルアカウンティング(心の家計簿)」として理論化した。




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それによると、人々は心の中で家計費や娯楽費といった具合に勘定項目を設定することにより金銭に関する意思決定を単純化する。
合理的に全体の資産の中での効果を考えるのではなく、狭い勘定項目の中でのやりくりで判断する。

たとえば、資産形成の勘定科目から、短期的に必要な支出におカネを回すことは敬遠されるため、全体の資産には余裕があっても余計な金利コストを払ってローンを組んでで支出することがあるという。




②「社会的選好」は、標準的経済学が仮定するように、人々は自己利益だけを考えて意思決定するのではなく、公平性や他者の利益も考えて選好することを指す。

セイラーは、被験者を使った大規模なゲーム実験で、人々は匿名性の下でも他者に対して公平に振る舞い、他者に不公平に振る舞った人に処罰を与えるためには自分のコストを払うこともいとわない傾向があることを明らかにした。
社会的選好は、労働市場での賃金設定にも影響を与えていると言われる。




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③「自制心の欠如」は、新年の決意はなぜ維持するのが難しいのかという問題を扱う。
今年こそはタバコをやめて健康な体を手に入れると決意したが、目先のタバコについつい手が出てしまうというような経験は誰にでもあるだろう。

経済学はこのような問題を異時点間の選択と言い、割引率を使って計算するが、セイラーは心理学を基としたゲーム実験を行い、現実的な割引率の構造を明らかにした。




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行動経済学の世界には、「ナッジ(nudge)」(ひじで軽くつつくという意)という概念がある。
心理的特性をテコにして人々によい行動を取らせるという意味だが、セイラーがその発案者だ。実際、行動経済学の知見を基に労働者の貯蓄行動を改善させることに成功し、現実の政策にも大きな影響を与えた。

もともと経済学はアダム・スミスの時代から、心理的特性を重視した人間の研究という側面が強かった。
それが戦後、自然科学のような「ハードな科学」の地位を目指して高度な数学モデルの世界に移行してしまった。複雑な人間心理を含め、理論の仮定を現実的なものに置き換えていく研究は今後も重要度を増しそうだという。








☆☆☆GGのつぶやき
現在の日本型社会主義こそ、旧ソ連や、支那、北朝鮮等が「理想」として推進し、そして挫折した「社会主義」そのものである。
日本の「半統制経済」こそ、言ってみれば自己矛盾や経済的破綻や国家崩壊の憂き目を回避した理想的経済といえなくもない。




































































































































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by my8686 | 2017-10-10 10:56 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

中国の「ゾンビ企業」が日本の「鉄冷え」の要因 鉄が白菜より安い?

中国の大量輸出でアジア全体の鋼材価格が下落しているという。

中国の2015年の粗鋼生産量は約8億トン、鋼材輸出は前年比2割増で1億1240万トン。1億トン超えは初めてのことで、世界2位の日本の粗鋼生産量を上回ったことになる。



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日本の15年度の国内粗鋼生産量は前年度より4%ほど少ない1億500万トン程度にとどまった。

原因は輸出環境の悪化によるものだが、中国による大量輸出はアジア全体の鋼材価格を下げているという。



日本の鉄鋼大手3社の2016年3月期連結決算を見れば、神戸製鋼所の最終損益が3年ぶりの赤字に転落だし、新日鉄住金、JFEホールディングスも大幅減益となっている。原因は、中国メーカーの過剰生産による安値攻勢の打撃をまともに受けたからだ。




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海外経済の減速で需要が落ち込んでいたとしても、中国側に言わせれば、鋼材の安売りは、企業努力の結果。市場競争上、やむを得ないこととなるのだが、実態は構造改革の遅れが生んだ異常現象といえるだろう。

破たんを逃れて生き延びている「ゾンビ企業」を整理できないまま、鉄鋼業界のリストラが進まない。このことから、鋼材のたたき売り状態が続いている。

それが日本に影響、最終損益は神戸製鋼が215億円の赤字。新日鉄住金は32.1%減の1454億円、JFEが75.8%減の336億円にもなる。

中国の粗鋼生産量は2015年は約8億トンだが、2000年初めから見ると約8倍となっており、世界粗鋼生産量の半分を中国が占める。



こうした鋼不況の病巣は根深い問題があるという。


中国では、経済成長の鈍化により、鋼材が余り、爆安価格で爆売りを始めているのだが、その分メーカーの経営はかなり悪化しているといわれる。

ところが政府による手厚い補助金のおかげで、破たんを逃れてきたゾンビ企業の存在が、実は深刻な国内問題となり、公正な市場競争を歪めているのだ。

OECDは4月、鋼材の供給過剰問題を約30カ国代表で話し合ったが、実のある合意はできなかった。




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ロイター通信によれば、「中国政府が具体的な対策に着手しない限り、根本的な問題は解決はされない」と批判した上で、各国政府では、国内産業、労働者の不利益回避の措置を取らざるを得なくなったと警告した。

しかし中国側は、「さらなる削減を計画している」と反論。各国の声明発表にも難色を示している。中国政府から言わせれば、経済安定化に向け構造改革を進めている最中との主張は譲れないだろうが、政府の方針がどこまで実効力を伴っているかが問題だという。



鉄が白菜より安いという信じられぬ現実がある。

過剰生産を続ける安価な鋼材は、国際的な紛争に発展しかねない状況で、材料価格は5年間で半値以下となり、鉄鋼メーカーが多く集まる河北省では、「今や鉄は白菜より安い」と、よく耳にする言葉となっているという。

「つくればつくるほど赤字が膨らむ」と嘆きながらも過剰生産を招いた原因を振り返ると、2008年のリーマン・ショックを受けたことにより、政府による大規模な景気対策に行き着く。



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政府からの命令で不動産市場は開発ブームとなり、それに伴い、鉄鋼需要も急増。各社は設備増強を急いだが、開発ブームが一段落すると、中小メーカーは出稼ぎ労働者を解雇し、減産した。

大手国有企業は、社会不安を恐れ雇用維持を優先した。その結果、需要を無視した生産が国内では鉄鋼であふれかえった。

政府は赤字メーカーを整理し、生産抑制に努めているが、専門家は「過剰生産の解消には10年以上かかる」と長期化事態を予想しているという。




こうした動きとは裏腹に、高度ニーズに応えた撹拌機に動きがあるという。

化学品の製造を支える装置として、撹拌機の可能性が一段と広がっているという。
困難だった高粘度材料向けの撹拌機などラインアップの強化が進み、各社は引き続き高機能化に力を注ぎ、化学企業の高度化するニーズに応えていくとしている。




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撹拌機は石油化学、ファインケミケル、医薬品、塗料、接着剤、トイレタリー、電気・電子材料などの製造プロセスで使われる。なかでも近年、ファインケミカル製品の開発加速にともない、撹拌機にも高度化要求が強まっている。

とくにハードルとなっているのが高粘度液の撹拌。接着剤、化粧品、トイレタリー製品などの高粘度材料は高温環境で撹拌されるケースが多いが、その際に大きな熱ダメージを受ける。

この課題に対応する撹拌機として、住友重機械プロセス機器は同芯2軸型の「スーパーブレンド」を展開中だという。今年に入り、さらに高レベルの超高粘度液をに対応可能な同芯3軸複合乳化撹拌装置「ナノビスク」も実用化している。

産業用撹拌機メーカー、独エカートの日本法人であるエカートも、高粘度材料に適した最先端の真空プロセスユニット乳化撹拌機「ユニミックス」で日本市場を開拓している。

材料にダメージを与えない独自の数値流体力学(CFD)解析や特殊インペラーを採用。紫外線(UV)微粒子酸化チタン、黒酸化鉄、高分子ポリマー、ファンデーションの分散で展開している。

高速撹拌機を手がけるプライミクスは、インペラー形状を立体化し、S字効果で吸引・吐出が可能な研究用の「レヴィアスタア」をラインアップ。化学品、化粧品、医薬品、食品関連で用途開発を急いでいるという。



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一方、佐竹化学機械工業は、先端領域である動物細胞培養や再生医療用のiPS細胞(人工多能性幹細胞)向け撹拌システムを開発した。

国内でバイオ医薬品への設備投資が活発だが、製造装置である撹拌機は海外製が大半を占める。同社では納期対応に優れる国産の強みを生かし、独自のシステムを提供している。

分析機器メーカーのマウンテックは、独インダック社のインライン連続混練機「ダイナミックミキサー」で国内市場を開拓する。製造プロセスではバッチ式の撹拌機を使用するケースが多いが、インライン連続混練なら生産コストが抑制可能だという。

高粘度液の混合、反応まで連続処理できるプロセスに関心は高く、製造装置と化学品や医薬品などの生産品は、いわば車の両輪。生産品の高い機能・価値も製造装置あってこそといえよう。







☆☆☆GGのつぶやき
利口な漁師は、必要以上の漁獲をしない。
自分で自分の首を絞めるような、馬鹿なことはしないのである。
捨てるほどの過剰生産を誰がさせているのか。
経済の生態系が理解できない愚かな官僚を再教育するしかあるまい。




























































































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by my8686 | 2017-09-25 11:02 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)