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「NYダウ、史上初2万4千ドル突破」を読み解く

11月30日のニューヨーク株式市場は、米税制改革の実現が近づいたとの見方から、大企業でつくるダウ工業株平均が大幅に上昇し、終値で史上初めて2万4000ドルの節目を超えたという。



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NYダウの高騰ぶりをどう読み解くか。

あらためて、経緯をみてみよう。



前日比331・67ドル(1・39%)高い2万4272・35ドルで取引を終えた。

ダウ平均の上げ幅は今年最大で、史上最高値の更新は3日連続。10月18日に終値で2万3000ドル台に乗せてから1カ月半で再び大台を突破。

米議会上院が法人減税を盛り込んだ税制改革法案の採決に動きだし、これまで反対姿勢だった共和党重鎮のマケイン議員が賛成に回ると伝わり、法案の早期成立への期待が一気に高まった。




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米連邦準備制度理事会(FRB)がパウエル次期議長のもとで緩やか利上げを進めるとの見通しや、金融規制緩和への期待などから、ゴールドマン・サックスなどの金融株が大きく上昇した。年末商戦への期待から小売り株も買われた。





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ハイテク株中心のナスダック市場の総合指数も上昇し、同49・63ドル(0・73%)高い6873・97で取引を終えた。


11月21日には、ニューヨーク株式市場は、この週から本格化する年末商戦への期待などからアップルなどハイテク株が買われ、大企業でつくるダウ工業株平均が続伸、9営業日ぶりに史上最高値を更新。終値は前日比160・50ドル(0・69%)高い2万3590・83ドルだった。

ハイテク株中心のナスダック市場の総合指数も続伸し、同71・77ポイント(1・06%)高い6862・48と過去最高値を塗り替えた。年末商戦を目前に控えてアップル、マイクロソフトなどが大きく値を上げた。世界的な株高傾向も投資家心理を支えた。





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11月9日には、ニューヨーク株式市場は、トランプ米政権が進める税制改革に不透明感が出てきたとの見方から、大企業でつくるダウ工業株平均が8営業日ぶりに反落し、前日より101・42ドル(0・43%)安い2万3461・94ドルで引けた。




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米上院共和党が発表した税制改革案をめぐり、法人減税の実施時期が下院案の2018年から1年先送りされる方向だと事前に報じられ、失望感から売り注文が広がった。ダウ平均の下げ幅は一時、250ドルを超えた。





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ハイテク株の比率が高いナスダック市場の総合指数も反落し、同39・07ポイント(0・58%)低い6750・05で取引を終えた。









☆☆☆GGのつぶやき
アメリカ・トランプ政権が、ティラーソン国務長官を近く更迭させる計画を検討していると、地元メディアが伝えている。トランプ大統領本人が、更迭を承認したかは不明だが、外交政策を担う看板閣僚の更迭となれば、政権の混乱拡大は必至。
まだまだ予断を許さない状況下なのである。





































































 

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by my8686 | 2017-12-01 10:33 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「東証、バブル後最高値 終値2万2937円 約26年ぶり」を読み解く

7日、東京株式市場で日経平均株価は389円も上昇し、終値は2万2937円60銭と、バブル崩壊後の高値を更新した。




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株価の上昇が続いている。約26年ぶりの水準だという。
先行き不安が遠のき、好調な企業業績を受けた買いが入る。この勢いはどこまで続くのか。




あらためて、この内容を読み解いてみよう。




■外国人投資家が買い

株価上昇を後押しするのは、売買高の過半を占める外国人投資家だ。
9月上旬以降、北朝鮮の挑発行動は目立たなくなり、10月の衆院選で自民が勝利。先行きの不安要素がひとまずなくなり、安倍政権が金融緩和で株価を押し上げることが明確になった。




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日本株は円相場の影響を受けやすいが、最近は1ドル=113~114円程度で安定している。米国では年末の利上げ観測が強まり、日米の金利差が広がれば円安ドル高になりやすい。10月には史上初の16連騰を記録した。日本株を投資先に組み入れる海外の投資家も本格的に買いに入ったとみられている。

株価はバブル崩壊後いったん上がった時点(1996年6月26日、2万2666円80銭)を超え、92年1月9日(2万3113円64銭)以来、25年10カ月ぶりの高値水準となった。

市場では2万3000円超えも近いとの声が広がり、「日経平均2万4000円も見えてくる」(大和証券グループ本社・中田社長)

「中長期的に2万5000円を目指す展開になる」(野村ホールディングス永井グループ最高経営責任者)との見方も出る。




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だが個人投資家の動きは鈍い。

極東証券の菊池広之会長は「株高でも個人は冷静だ。今回は売りから入り、海外勢が買っている。バブルの時はその逆だった」という。安値で売れなかった株を売るきっかけにする個人が多く、それを外国人が買っている構図だ。

松井証券の松井道夫社長も個人の売買が少ないと言い、「こんな状態は今までにない。『活況』だとはとても言えない」と話す。

独立系投信のファンドマネジャーは「実感がまったくない。漠然とした不安すら感じる」と話す。

「何かのきっかけで2千~3千円下げるのは早いのでは」との声もある。



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■海外と比べて「割安」

約26年ぶりの高値となった株価だが、「(バブル崩壊後の)『失われた20年』をようやく取り戻したに過ぎない」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券マン)。

過去20年余りの主要国の株価は数倍に上がっている。96年時点と比べて、米ダウ工業株平均は4倍、英国の株価指数は2倍、中国・上海の株価指数は4倍だ。




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日本株は割安でさらに上がる余地があるのか。市場では、企業の一株当たりの純利益を株価で割った「株価収益率(PER)」をみて、割安とする見方がある。
PERが高いと株価は割高で、低いと割安とされる。日経平均のPERは15倍程度で、約20年前の50倍超より低い。

約20年前はバブル崩壊後に企業業績が悪化する過程にあった。「バブル経済の余韻が残っていた90年代の方が、株価も今以上に過熱感が残っていた」。




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東京市場では日本銀行が株価指数連動の上場投資信託(ETF)を買い、株価を押し上げる「官製相場」の様相も強い。
株価が実態以上に上がっているのか、好調な企業業績に見合った上昇なのか。

北朝鮮情勢やトランプ米政権の不安定さなどの不安を抱えたまま、当面は上昇基調との見方が市場では多い。






☆☆☆GGのつぶやき
まさに、薄氷を踏む思いとはこのことであろう。
いつ暴落するか、いつまで続くのか。
この高騰に踊らされ、一財産を失う個人投資家も出てこよう。
欲をかかぬことである。


















































































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by my8686 | 2017-11-08 11:33 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「東証、初の15連騰 自民大勝受け大幅上昇」を読み解く

23日の東京株式市場は、衆院選の自民大勝で「アベノミクス」が続くとの期待感から日経平均株価が大幅に上昇。終値は前週末比239円01銭(1・11%)高の2万1696円65銭で、史上初の15営業日連続(2~23日)の値上がりとなった。

最長だった高度成長期の14連騰(1960年12月21日~61年1月11日)を約57年ぶりに更新した。1996年7月以来、約21年ぶりの高値水準だという。



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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


15日間の上昇幅は1340円(6・58%)。9月上旬以降、北朝鮮問題の緊張が和らぎ、景気が堅調な米国は株価が史上最高値圏に突入。

国内企業は中間決算で好業績が見込まれる。好材料がそろう中、衆院選で政権側が大勝。円安・株高をもたらした日本銀行の金融緩和が続く期待が強まった。



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日銀が緩和策で上場投資信託(ETF)を買うなどして支える「官製相場」は長続きしないとの懸念は根強い。しかし海外投資家を中心に買いの勢いが強まり、次の節目の2万2000円への上昇予想も出ている。

15連騰がかかった23日午後、野村証券のトレーディングルームでは静かに取引が終わった。前週末の14連騰で拍手が上がった時とは対照的だ。株価は朝方から大きく上昇し、記録達成は確実視されていた。

「今日は与党勝利の『ご祝儀相場』。これからの政策でまた上がる。連騰は政治が安定しているからでは」。複数銘柄を保有する千葉市の40代男性はそう期待する。



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景気回復の実感がないとの声がある中での連騰記録に、市場では「まさか日本株がこんなことになるとは」(大手証券)の声が上がる。



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楽天証券経済研究所の窪田真之氏は「北朝鮮リスクの後退に衆院選での自民勝利が加わり、安定を好む海外投資家に日本株が評価された」と話す。野村証券のリサーチ部門は年末の日経平均の予想を従来の上限2万1000円から、2万1800円に上方修正した。

市場の過熱感を指摘する声も出ている。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は「政策が予想通りに行かなければ投資家は離れる。北朝鮮リスクもいつ再燃するか分からない。期待先行で、このまま一本調子の上昇とは思えない」という。



■政策運営に懸念も

市場が株高に沸く一方、衆院選では経済政策の議論が盛り上がらず、エコノミストの間では、今後の政策運営に対する懸念もくすぶっている。

各党の論戦では、消費増税の是非は議論されたが、財政拡張方向の主張ばかりが目立った。SMBC日興証券の丸山義正氏は「教育無償化などの歳出拡大で横並びとなり、財政を含む政策論争には発展しなかった」と指摘する。



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社会保障改革や財政再建など痛みを伴う政策の言及はほとんどなかった。第一生命経済研究所の熊野英生氏は「少子高齢化への対応や規制緩和などの成長戦略が後回しにならないか危惧している」と話す。

課題を先送りしているのは、株高を支える日本銀行の大規模緩和も同じだ。選挙前は緩和の悪影響の指摘も与党内にあったが、政権側の大勝で「金融政策の見直しを迫られる可能性は小さくなった」。

来春任期を終える日銀の黒田総裁の後任人事では、「黒田氏の続投か、その路線を継承する人選しか考えにくくなった」等の声が出る。




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大量の国債や上場投資信託(ETF)を買う日銀の緩和策は、「物価上昇率2%」の達成が見通せない一方、相場をゆがめる懸念が強い。明治安田生命保険の小玉祐一氏は「『安倍一強』路線の継続で(緩和を縮小する)『出口』の議論は遠のいたが、見直しを迫られるのは時間の問題だ」と話す。






☆☆☆GGのつぶやき
実感のない好景気という摩訶不思議な社会景気である。
約21年ぶりの高値水準だという。
誰もが笑顔で小躍りした、かつてのバブルとは性質が違う。
ゆがめられた相場が弾けた先が見通せない恐怖感は否めない。



























































































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by my8686 | 2017-10-24 09:44 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「東証、21年ぶり高値 海外経済が堅調 終値2万881円」を読み解く

11日の東京株式市場で日経平均株価は7営業日連続で値上がりした。




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終値は前日比57円76銭(0・28%)高の2万0881円27銭と、2012年12月に第2次安倍政権が発足してからの高値を上回った。

1996年12月5日(2万0943円90銭)以来、約20年10カ月ぶりの高値水準だ。証券業界は今後の株価上昇に期待するが、北朝鮮情勢など先行きのリスクは多い。



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安倍政権発足後のこれまでの高値は、2015年6月24日の2万0868円03銭だった。


日経平均は昨秋の米大統領選でトランプ氏が勝利し、円安ドル高となってから上昇基調。海外経済の堅調で上向きな企業業績も株高を支える。最近は北朝鮮の核・ミサイル疑惑で伸び悩んだが、ややリスクは後退している。

証券会社トップは11日、「中長期的に2万5千円を目指す展開」(野村ホールディングスの永井浩二最高経営責任者)などと強気のコメントを出した。



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しかし、日本銀行が日経平均などに連動する上場投資信託(ETF)を買い、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株式投資比率を引き上げるなど、公的な資金が株価を支える面も大きい。

総選挙後の政治情勢は見通せず、北朝鮮問題も解決の糸口は見えない。「市場が不安定になる可能性は残る」(大手証券)との声は根強い。




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96年12月は、バブル崩壊後、金融危機に向かう中だった。野村証券の伊藤高志氏は「20年前は、バブル崩壊の90年ごろから始まった株安局面の通過点だった」と話す。

日経平均はその後の上昇とリーマン・ショック、東日本大震災や超円高での低迷を経て、日銀の異次元緩和の効果などで再び上がってきた。

しかし国内外の政治情勢が不安定で、緩和効果にも限界が出てきた中、上昇が続くかどうかは見通せない。





さらに、21年ぶりの高値となった主要因を読み解いてみよう。


「ファーストリテイリングなどの大型株に海外勢の買いが入った」。国内証券トレーダーは強調する。
外国為替市場では対ドルでの円安の勢いこそ一服したが、前日の米株高を背景に投資家心理が強気に傾いて幅広い銘柄が買われた。11日前場終値は前日比0.2%高の2万870円だった。




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9月中旬以降、日経平均の上昇ピッチが速まった理由は大きく3つある。


1つ目は、世界経済の順調な成長。

国際通貨基金(IMF)は10日公表の世界経済見通しで2017年の経済成長率を上方修正した。日本も国内景気の拡大が8月で57カ月間となり、長さは1965年から70年までの「いざなぎ景気」に並んだ。
内閣府が11日朝に発表した8月の機械受注統計も好調な内容だった。企業の収益力向上への期待が高まっており、「10月下旬以降の決算シーズンを控えて物色が活発化している」。

日経平均の構成銘柄で昨年末比の騰落率を見ると、上昇率上位にはタイヤ原料を手掛ける東海カーボンや産業用ロボットの安川電機、半導体製造装置の東京エレクトロンなどが並ぶ。
市場の拡大に乗って稼ぐ力を高めてきた成長銘柄に国内外の投資マネーが集まっている。



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2つ目は、日米の政治動向。

22日投開票の衆院選では自民党が優勢を保っており、海外投資家の多くはアベノミクスが続くと予想している。日銀による大規模な金融緩和の継続が見込まれ、円安期待が膨らんでいることも株価を下支えしている。
米国では連邦法人税の税率を引き下げる議論が進む。減税による景気回復期待で米金利が上昇しており、日本株に追い風となっている。



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3つ目は、北朝鮮リスクが後退していること。

10日の朝鮮労働党の創建記念日に合わせて北朝鮮は新たな挑発行動に出る可能性があった。ただ、今のところ目立った行動はなく、投資家が運用リスクを取りやすくなっている。

ただ、日経平均の2016年末からの上昇率は約9%にすぎない。米国やドイツ、インド、台湾など世界の主要市場に比べると見劣りする。市場では一段と上値を追うためには「消費増税撤回や金融所得課税などの減税が求められる」(JPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジスト)との指摘がある。




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☆☆☆GGのつぶやき
消費増税撤回や金融所得課税などの減税を新政党がどこまで実現できるのか。
お手並み拝見といこう。


















































































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by my8686 | 2017-10-12 13:37 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「ノーベル経済学賞、セイラー教授の受賞理由」を読み解く

2017年のノーベル経済学賞は、米シカゴ大のリチャード・セイラー(Richard H. Thaler)教授の受賞となった。




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セイラーは行動経済学の権威で、経済学の意思決定の分析に心理学に基づく現実的な仮定を組み込んだことで知られる。


行動経済学者の受賞としては、2002年のダニエル・カーネマンに続くものだが、2013年のロバート・シラーも受賞理由は「資産価格の実証分析に関する功績」であるものの、研究活動の柱は行動経済学だった。

標準的な経済学は、精緻な数学的モデルを築くために大胆な仮定を多数置いている。その代表例が、経済主体は財やサービスの効用などについてすべての情報を知っているという「情報の完全性」と、経済主体は常に自己利益を合理的に最大化させて意思決定するという「合理的経済人」だという。



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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


「合理的経済人」の仮定に異議を唱える

このような大胆な仮定の下では、アダム・スミスの「神の見えざる手」のごとく、市場にすべてを任せれば、市場が解決してくれるという経済学の結論にたどり着く。
ただ現実には、こうした仮定が成り立たない領域は少なくない。昨今のノーベル経済学賞では、非現実的な仮定を現実的なものに置き換えたときに、どんなことが言えるかを研究したものが受賞するケースが多い。

昨年の受賞者であるオリバー・ハートは、当事者同士が将来のことがわからない状況下(情報の不完全性)では、「契約」はどのような落とし穴に陥るのか、そしてそのための処方箋は何かを明らかにした。
1996年受賞のジェームズ・マーリーズとウィリアム・ヴィックリー、2001年受賞のジョージ・アカロフ、マイケル・スペンス、ジョセフ・スティグリッツも情報の不完全性の下での市場分析が受賞理由だ。




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これに対して、カーネマンやセイラーに代表される行動経済学は「人はみな自己利益のために完全に合理的に意思決定する」という合理的経済人の仮定そのものに異議を唱えたものだという。

セイラーは、経済的意思決定に体系的に影響を与える、以下の3つの心理的特性を明らかにしたと、スウェーデン王立科学アカデミーはその功績をたたえた。



それは、①限定合理性 ②社会的選好 ③自制心の欠如の3つだという。

①「限定合理性」という概念は、ハーバート・サイモン(1978年ノーベル経済学賞受賞)が生み出したもので、人間は認知能力の限界から完全に合理的であることはできないというもの。
セイラーは、その例として、金銭に関する意思決定で人間が無意識に行う心理的な操作を「メンタルアカウンティング(心の家計簿)」として理論化した。




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それによると、人々は心の中で家計費や娯楽費といった具合に勘定項目を設定することにより金銭に関する意思決定を単純化する。
合理的に全体の資産の中での効果を考えるのではなく、狭い勘定項目の中でのやりくりで判断する。

たとえば、資産形成の勘定科目から、短期的に必要な支出におカネを回すことは敬遠されるため、全体の資産には余裕があっても余計な金利コストを払ってローンを組んでで支出することがあるという。




②「社会的選好」は、標準的経済学が仮定するように、人々は自己利益だけを考えて意思決定するのではなく、公平性や他者の利益も考えて選好することを指す。

セイラーは、被験者を使った大規模なゲーム実験で、人々は匿名性の下でも他者に対して公平に振る舞い、他者に不公平に振る舞った人に処罰を与えるためには自分のコストを払うこともいとわない傾向があることを明らかにした。
社会的選好は、労働市場での賃金設定にも影響を与えていると言われる。




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③「自制心の欠如」は、新年の決意はなぜ維持するのが難しいのかという問題を扱う。
今年こそはタバコをやめて健康な体を手に入れると決意したが、目先のタバコについつい手が出てしまうというような経験は誰にでもあるだろう。

経済学はこのような問題を異時点間の選択と言い、割引率を使って計算するが、セイラーは心理学を基としたゲーム実験を行い、現実的な割引率の構造を明らかにした。




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行動経済学の世界には、「ナッジ(nudge)」(ひじで軽くつつくという意)という概念がある。
心理的特性をテコにして人々によい行動を取らせるという意味だが、セイラーがその発案者だ。実際、行動経済学の知見を基に労働者の貯蓄行動を改善させることに成功し、現実の政策にも大きな影響を与えた。

もともと経済学はアダム・スミスの時代から、心理的特性を重視した人間の研究という側面が強かった。
それが戦後、自然科学のような「ハードな科学」の地位を目指して高度な数学モデルの世界に移行してしまった。複雑な人間心理を含め、理論の仮定を現実的なものに置き換えていく研究は今後も重要度を増しそうだという。








☆☆☆GGのつぶやき
現在の日本型社会主義こそ、旧ソ連や、支那、北朝鮮等が「理想」として推進し、そして挫折した「社会主義」そのものである。
日本の「半統制経済」こそ、言ってみれば自己矛盾や経済的破綻や国家崩壊の憂き目を回避した理想的経済といえなくもない。




































































































































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by my8686 | 2017-10-10 10:56 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

中国の「ゾンビ企業」が日本の「鉄冷え」の要因 鉄が白菜より安い?

中国の大量輸出でアジア全体の鋼材価格が下落しているという。

中国の2015年の粗鋼生産量は約8億トン、鋼材輸出は前年比2割増で1億1240万トン。1億トン超えは初めてのことで、世界2位の日本の粗鋼生産量を上回ったことになる。



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日本の15年度の国内粗鋼生産量は前年度より4%ほど少ない1億500万トン程度にとどまった。

原因は輸出環境の悪化によるものだが、中国による大量輸出はアジア全体の鋼材価格を下げているという。



日本の鉄鋼大手3社の2016年3月期連結決算を見れば、神戸製鋼所の最終損益が3年ぶりの赤字に転落だし、新日鉄住金、JFEホールディングスも大幅減益となっている。原因は、中国メーカーの過剰生産による安値攻勢の打撃をまともに受けたからだ。




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海外経済の減速で需要が落ち込んでいたとしても、中国側に言わせれば、鋼材の安売りは、企業努力の結果。市場競争上、やむを得ないこととなるのだが、実態は構造改革の遅れが生んだ異常現象といえるだろう。

破たんを逃れて生き延びている「ゾンビ企業」を整理できないまま、鉄鋼業界のリストラが進まない。このことから、鋼材のたたき売り状態が続いている。

それが日本に影響、最終損益は神戸製鋼が215億円の赤字。新日鉄住金は32.1%減の1454億円、JFEが75.8%減の336億円にもなる。

中国の粗鋼生産量は2015年は約8億トンだが、2000年初めから見ると約8倍となっており、世界粗鋼生産量の半分を中国が占める。



こうした鋼不況の病巣は根深い問題があるという。


中国では、経済成長の鈍化により、鋼材が余り、爆安価格で爆売りを始めているのだが、その分メーカーの経営はかなり悪化しているといわれる。

ところが政府による手厚い補助金のおかげで、破たんを逃れてきたゾンビ企業の存在が、実は深刻な国内問題となり、公正な市場競争を歪めているのだ。

OECDは4月、鋼材の供給過剰問題を約30カ国代表で話し合ったが、実のある合意はできなかった。




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ロイター通信によれば、「中国政府が具体的な対策に着手しない限り、根本的な問題は解決はされない」と批判した上で、各国政府では、国内産業、労働者の不利益回避の措置を取らざるを得なくなったと警告した。

しかし中国側は、「さらなる削減を計画している」と反論。各国の声明発表にも難色を示している。中国政府から言わせれば、経済安定化に向け構造改革を進めている最中との主張は譲れないだろうが、政府の方針がどこまで実効力を伴っているかが問題だという。



鉄が白菜より安いという信じられぬ現実がある。

過剰生産を続ける安価な鋼材は、国際的な紛争に発展しかねない状況で、材料価格は5年間で半値以下となり、鉄鋼メーカーが多く集まる河北省では、「今や鉄は白菜より安い」と、よく耳にする言葉となっているという。

「つくればつくるほど赤字が膨らむ」と嘆きながらも過剰生産を招いた原因を振り返ると、2008年のリーマン・ショックを受けたことにより、政府による大規模な景気対策に行き着く。



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政府からの命令で不動産市場は開発ブームとなり、それに伴い、鉄鋼需要も急増。各社は設備増強を急いだが、開発ブームが一段落すると、中小メーカーは出稼ぎ労働者を解雇し、減産した。

大手国有企業は、社会不安を恐れ雇用維持を優先した。その結果、需要を無視した生産が国内では鉄鋼であふれかえった。

政府は赤字メーカーを整理し、生産抑制に努めているが、専門家は「過剰生産の解消には10年以上かかる」と長期化事態を予想しているという。




こうした動きとは裏腹に、高度ニーズに応えた撹拌機に動きがあるという。

化学品の製造を支える装置として、撹拌機の可能性が一段と広がっているという。
困難だった高粘度材料向けの撹拌機などラインアップの強化が進み、各社は引き続き高機能化に力を注ぎ、化学企業の高度化するニーズに応えていくとしている。




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撹拌機は石油化学、ファインケミケル、医薬品、塗料、接着剤、トイレタリー、電気・電子材料などの製造プロセスで使われる。なかでも近年、ファインケミカル製品の開発加速にともない、撹拌機にも高度化要求が強まっている。

とくにハードルとなっているのが高粘度液の撹拌。接着剤、化粧品、トイレタリー製品などの高粘度材料は高温環境で撹拌されるケースが多いが、その際に大きな熱ダメージを受ける。

この課題に対応する撹拌機として、住友重機械プロセス機器は同芯2軸型の「スーパーブレンド」を展開中だという。今年に入り、さらに高レベルの超高粘度液をに対応可能な同芯3軸複合乳化撹拌装置「ナノビスク」も実用化している。

産業用撹拌機メーカー、独エカートの日本法人であるエカートも、高粘度材料に適した最先端の真空プロセスユニット乳化撹拌機「ユニミックス」で日本市場を開拓している。

材料にダメージを与えない独自の数値流体力学(CFD)解析や特殊インペラーを採用。紫外線(UV)微粒子酸化チタン、黒酸化鉄、高分子ポリマー、ファンデーションの分散で展開している。

高速撹拌機を手がけるプライミクスは、インペラー形状を立体化し、S字効果で吸引・吐出が可能な研究用の「レヴィアスタア」をラインアップ。化学品、化粧品、医薬品、食品関連で用途開発を急いでいるという。



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一方、佐竹化学機械工業は、先端領域である動物細胞培養や再生医療用のiPS細胞(人工多能性幹細胞)向け撹拌システムを開発した。

国内でバイオ医薬品への設備投資が活発だが、製造装置である撹拌機は海外製が大半を占める。同社では納期対応に優れる国産の強みを生かし、独自のシステムを提供している。

分析機器メーカーのマウンテックは、独インダック社のインライン連続混練機「ダイナミックミキサー」で国内市場を開拓する。製造プロセスではバッチ式の撹拌機を使用するケースが多いが、インライン連続混練なら生産コストが抑制可能だという。

高粘度液の混合、反応まで連続処理できるプロセスに関心は高く、製造装置と化学品や医薬品などの生産品は、いわば車の両輪。生産品の高い機能・価値も製造装置あってこそといえよう。







☆☆☆GGのつぶやき
利口な漁師は、必要以上の漁獲をしない。
自分で自分の首を絞めるような、馬鹿なことはしないのである。
捨てるほどの過剰生産を誰がさせているのか。
経済の生態系が理解できない愚かな官僚を再教育するしかあるまい。




























































































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by my8686 | 2017-09-25 11:02 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「アマゾン時価総額、一瞬で4兆円消失」を読み解く

6月9日の米株式市場でアマゾンの時価総額が前日に比べ一瞬で4兆4000億円吹き飛んだという。

米連邦準備理事会(FRB)の再利上げが確実視されるなか、アマゾン・ドット・コムや旧グーグルといった時価総額が巨大な米IT株に試練が近づいている。




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あらためて、この記事を読み解いてみよう。



■米IT8社の時価総額340兆円

一瞬で吹き飛んだ4兆4000億円は、8日時点の時価総額の8%、武田薬品工業1社分に相当する。すぐに半分以上を取り戻したが、「フラッシュ・クラッシュ」と大騒ぎになった。

証券会社のリポートを発端としたアップルの新型スマートフォンの発売延期観測がきっかけとされるが、「水鳥の羽音」にコンピューターのアルゴリズムが反応し、IT株やハイテク株全般に売りが出たのが真相のようだ。





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QUICK・ファクトセットによると、フェイスブックやアマゾン、ネットフリックス、旧グーグルといったいわゆる「FANG」にマイクロソフト、アップル、エヌビディア、テスラの「MANT」を加えたITの巨人8社の時価総額は合計3兆1000億ドル(約342兆円)。

世界全体の時価総額の約4%を占めるまでになっている。うまみのある投資先が少なくなり、世界中のファンドマネジャーが殺到した結果だという。





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似たような投資環境は40年以上前にもあった。成長株50銘柄にマネーが集中した1970年代初頭のニフティ・フィフティ相場である。コカ・コーラやIBM、ファイザー、ポラロイドなどは人気の裏返しでPERが跳ね上がった。

ジェレミー・シーゲル著「株式投資」によれば、「ニフティ・フィフティ銘柄の平均PERは41.9倍でS&P500種の倍以上」だったという。




■群集心理の裏に運用競争

金利上昇とともにニフティ銘柄は暴落した。フェデラル・ファンド金利は72年2月の3.29%を底に、73年7月には10.4%まで上昇した。売りは全般に広がり、その後、米国では株式投資を敬遠する時代が80年まで続いた。





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ニフティ相場の原因を群集心理の一言では片づけられない。背景には年金マネーの膨張と運用競争の激化、そして証券分析が高度化し、市場のゆがみが少なくなった結果、ファンドマネジャーが市場平均には勝てないという「効率的市場仮説」の登場がある。だから誰もが上がった銘柄を買う、買うから上がるというバブルを生んだ。現代と通じる点である。





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70年代との違いはある。低成長で新市場の芽が少なくなり、一部の企業がテクノロジーや利益を独占する寡占化が「FANG・MANT」人気を演出しているという側面である。
そうであれば、潜在成長率の回復がみられない限り、フラッシュ・クラッシュは買いの好機と考える投資家も少なくはなかろう。





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ただし選別眼は必要で、ニフティバブル崩壊以降、ファイザーは米製薬最大手に成長したのに対し、ポラロイドは市場から撤退した。過去1年以上に渡り、ナスダック総合指数が100ポイント以上下落した日は、ほぼ確実に米長期金利が上昇した日だった。

予想PERはアマゾンが147倍、ネットフリックスは151倍だ。近づくFRBの利上げは、IT株をふるいにかける儀式になるかもしれない。








☆☆☆やんジーのつぶやき
栄枯趨勢。どの業界にも構造崩壊の時は必ずやって来る。
そして、フラッシュ・クラッシュもある日突然やって来る。
PERに必要以上踊らされぬことが寛容なり。









































































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by my8686 | 2017-06-13 11:02 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

71年目の経団連:政治に近づく「総本山」を読み解く

今月8日、経団連の正副会長17人全員が、東京・経団連会館に顔をそろえた。月1回の正副会長会議。昼食をはさみ、約3時間に及んだ会議が終わるころ、会長の榊原定征が切り出した。

「総理もおっしゃっているし、憲法について議論したい」




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突然の発言だった。3日の憲法記念日には、首相の安倍晋三が改憲を表明していた。「経済最優先」が口ぐせの榊原が憲法に踏みこんだことに、「驚いた」とある副会長は話す。
約1300社が入る経団連は「軍需産業も抱え、自衛隊が絡む9条の議論には身動きがとりづらい」(他の経済団体幹部)。12年ぶりの憲法議論に「首相が改憲を表明したのに、財界が何もしないわけにはいかない」と周囲は解説する。

「政治と経済は『車の両輪』」。




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榊原は2014年6月、会長に選ばれた総会で政治との連携を強化する考えを示した。前会長の米倉弘昌は、安倍が掲げた金融緩和策に「無鉄砲」と発言し、政権との間に溝ができていた。「政権との連携なしに存在感を発揮できなかった」。当時の事務総長、中村芳夫は振り返る。
榊原は14年9月、各党の政策を評価したうえで、会員企業に政治献金の呼びかけを再開。事実上、評価の高い自民党への献金を促した。同じころ、榊原は政府の経済財政諮問会議の一員に経団連会長として6年ぶりに選ばれている。

いまいくつもの政府の会議に入る榊原と安倍政権の関係は、元会長の奥田碩と元首相の小泉純一郎以来の蜜月ぶりといわれる。





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自民党の長期政権が続いた時代、経団連は集金力を背景に政治への影響力を強めた。関係が崩れたのは自民が初めて下野した1993年。ゼネコン汚職で政治に批判が集まり、当時、会長の平岩外四は、業界ごとに割り当てる政治献金のあっせんを中止した。

経団連主導の政治献金が再開するのは、その11年後、奥田が政策評価とセットで献金するように呼びかけてからだ。民主党政権の誕生で中断したものの、榊原時代に復活した。
だが経済界からも、政治献金のあり方に疑問を投げかける声があがる。

経団連で政治委員長などを務めた昭和電工最高顧問の大橋光夫は「政策による利害は業界によって必ずしも一致しない。経団連が社会貢献の一環で献金の必要性を訴えるのはいいが、献金自体は個別の業界団体に任せるべきだ」と語る。
戦前の首相、浜口雄幸を祖父に持つ大橋は政界にパイプがあり、現在は自民党の政治資金団体、国民政治協会の会長だ。献金を受けとる側だが、「経団連は国民のために活動する姿勢を明確に出さないと、国民の支持を得られない」。





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経団連は終戦直後の46年、財閥支配から解放された製造業を中心に誕生した。会長はほぼメーカーから選ばれ、役員は自動車や鉄鋼、商社などの社長経験者らで構成される。
新興勢力からはどう映るのか。6年前に旗揚げされた国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)にはスーパーや外食など約550社・団体が加わる。


経団連は消費増税に積極的だが、経団連企業も多く入る生団連は慎重だ。会長の小川賢太郎(ゼンショーホールディングス会長兼社長)は「重厚長大の産業が中心の経団連は、いまやGDP(国内総生産)の7割を占める流通サービス業の意見を積極的に吸い上げてこなかった」と話す。
だれのための「車の両輪」か。71年目の経団連に問われている。






☆☆☆やんジーのつぶやき
栄枯趨勢は世の習いとはいえ、いまやGDPの7割を占める流通サービス業の声は真摯に聴くべきであろう。
重厚長大の産業構造が崩壊しつつある今、経団連の改革も必要であろう。












































































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by my8686 | 2017-05-31 11:00 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

緩和「出口」市場が不安視 日銀の2%物価上昇「困難」を読み解く

日本銀行の大規模な金融緩和はいつまで続くのか、不安視する声が強まっている。日銀は目標の「物価上昇率2%」を2018年度にも達成できるとみているが、市場でそうした見方は少ない。目標を変えないまま緩和が長期化し、将来の日銀の財務に悪影響を与えかねないとの懸念が出ている。




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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


「すべてうまくいけば今の緩和策でも物価目標の達成には十分かもしれない」。米国の中央銀行、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ前議長は24日、日銀本店での講演で語った。





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金融緩和に積極的で、リーマン・ショック後に量的緩和拡大を繰り返したバーナンキ氏の発言は、「物価上昇率2%」の旗を掲げ続ける日銀には心強い内容だが、現実の物価上昇率はまだ低い。16年度は4年ぶりのマイナスで、今年4月は0・3%だ。

目標達成が見えない中で、黒田東彦総裁は最近国会に呼ばれ、緩和を続けるリスクについて問われる場面が増えている。一体いつまで国債を買うのか、将来緩和を縮小する「出口」で買うのをやめれば、国債価格が急落し、金利が急上昇して市場が混乱しないか――。そんな疑問が出ている。

 「出口」の議論を拒んできた黒田総裁も、今後の説明を示唆する言葉を漏らし始めている。ただ、詳細な説明は避けたままだ。





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■目標見直し提言も

緩和の懸念が出る中、今は日銀の財務は健全にみえる。29日発表した16年度決算は、純損益にあたる当期剰余金が前期比23%増の5066億円と、2年ぶりの増益となった。引当金などを除いて国に納める納付金は4813億円で、前年度より908億円増えた。
日銀は保有国債の利息収入などを得る一方、日銀にお金を預ける民間銀行に利息(付利)を払う。緩和で保有国債が増えて一定の利息収入がある一方、付利はマイナス金利政策のため今は増えにくい。

ただ、今回の決算で保有国債の平均利回りは、年0・301%と過去最低だった。緩和で金利が低い(価格が高い)国債を買い続けているためだ。国債保有額は前年度末より68兆円多い417兆円だったが、利息収入は前年度比8%減の1兆1869億円で、5年ぶりに前年度を下回った。
多額の国債を持つわりに利息収入は減っており、日銀は将来、財務が悪化しやすいリスクを抱えている。

みずほ総合研究所は今月、出口に向けた提言をまとめた。2%の物価目標の実現が困難な一方、緩和が長びくほど日銀が将来抱える損失は膨らむ。「2%」は長期的な目標に格下げするなどして、海外経済が堅調なうちに出口に向かうべきだ、と提言する内容だという。
日銀の財務悪化は、通貨円の信用低下につながるリスクもある。東短リサーチの加藤出氏は「延々と緩和を続けると何が起きるのか。日銀は収支見通しも含めて納税者に説明すべきだ」と指摘する。






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☆☆☆やんジーのつぶやき
長期化する緩和政策。その行きつく先に透けて見えるものがある。
日銀の誠意ある正しいかじ取りを祈ろう。


























































































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by my8686 | 2017-05-30 16:51 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「トヨタ、2年連続減益へ 純利益1.5兆円予想 18年3月期」を読み解く

トヨタ自動車は10日、2017年3月期決算(米国会計基準)が5年ぶりの減益となり、18年3月期も2年連続で減益になりそうだと発表した。
連続減益は同じ基準で比べられる1998年3月期以降は前例がない。円高がさらに進み、主力の米国市場で苦戦すると見込んだという。




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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


2017年3月期決算は、売上高が前年比2・8%減の27兆5971億円、営業利益は30・1%減の1兆9943億円、純利益が20・8%減の1兆8311億円。減収も減益も5年ぶり。東日本大震災が響いた12年3月期以来。

販売台数は1・6%増の1025万台で過去最高を2年ぶりに更新したが、為替が前年より1ドルあたり12円円高の108円になったのが響いた。海外での稼ぎが円ベースで減り、輸出採算も悪化。





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あわせて発表した18年3月期の業績予想は、売上高を前年比0・4%減の27兆5千億円、営業利益を19・8%減の1兆6千億円、純利益を18・1%減の1兆5千億円と見込んだ。

為替は、さらに3円円高の1ドル=105円を想定した。販売台数は前年とほぼ同じ水準を計画するが、市場が頭打ちの米国で、店頭での値引きの原資となる販売奨励金などの費用増が避けられないとみた。




■円高、米国販売に黄信号
トヨタ自動車が2年連続の減益予想を発表し、円高がさらに進むと判断。
伸ばしてきた米国販売には黄信号がともる。日本からの輸出はトランプ政権の保護主義にも直面しており、米国での存在感がリスクになっている。

「自分たちの等身大の姿を真正面から見据え、徹底的に競争力を磨いていくことに尽きる」

円安という追い風がなくなったことを踏まえ、豊田章男社長は10日の記者会見でそう語った。




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トヨタ車は販売の8割が海外で、うち3割が米国。その4分の1強は、日本からの輸出だ。このため対米ドルで1円円高になれば営業利益が400億円減る。17年3月期は前年より12円円高が進み、18年3月期はさらに3円円高を見込んだ。

もう一つの懸念は、米国販売の減速だ。米国の新車市場は16年まで7年連続で成長してきた。
しかし、米調査会社オートデータによると17年1~4月の米市場は前年同期に比べ2・4%減。トヨタの販売は5・9%も少なかった。

原油安を背景に、売れ筋は乗用車から大型SUVやピックアップトラックにシフト。乗用車を得意とするトヨタは、その波をもろにかぶった。

「ワオ! 1500ドル引き」。米ペンシルベニア州のトヨタ販売店は新車の窓にそんな宣伝を書いた。
一部車種では今春から、6年間金利ゼロのローンと1千ドルの現金還元のセットを掲げた。「効果は抜群」(店の販売責任者)というが、1台あたりのトヨタの利幅は縮む。




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一方、米政権からの圧力はやんでいない。3月、トランプ大統領は自動車大手の幹部たちを集め、米経済への貢献を要求。
トヨタのジム・レンツ専務役員にとりわけ強く迫った。

「ここに工場をつくらなければ、ダメだ」





☆☆☆やんジーのつぶやき
5年ぶりの減益。今までがあまりにも儲け過ぎた感は否めまい。
独り勝ちがいつまでも続くわけがない。
トヨタが今後こうした軋轢にどう対応していくのか。
トヨタの真骨頂を期待したい。
















































































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by my8686 | 2017-05-11 15:29 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)