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「トヨタ、2年連続減益へ 純利益1.5兆円予想 18年3月期」を読み解く

トヨタ自動車は10日、2017年3月期決算(米国会計基準)が5年ぶりの減益となり、18年3月期も2年連続で減益になりそうだと発表した。
連続減益は同じ基準で比べられる1998年3月期以降は前例がない。円高がさらに進み、主力の米国市場で苦戦すると見込んだという。




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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


2017年3月期決算は、売上高が前年比2・8%減の27兆5971億円、営業利益は30・1%減の1兆9943億円、純利益が20・8%減の1兆8311億円。減収も減益も5年ぶり。東日本大震災が響いた12年3月期以来。

販売台数は1・6%増の1025万台で過去最高を2年ぶりに更新したが、為替が前年より1ドルあたり12円円高の108円になったのが響いた。海外での稼ぎが円ベースで減り、輸出採算も悪化。





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あわせて発表した18年3月期の業績予想は、売上高を前年比0・4%減の27兆5千億円、営業利益を19・8%減の1兆6千億円、純利益を18・1%減の1兆5千億円と見込んだ。

為替は、さらに3円円高の1ドル=105円を想定した。販売台数は前年とほぼ同じ水準を計画するが、市場が頭打ちの米国で、店頭での値引きの原資となる販売奨励金などの費用増が避けられないとみた。




■円高、米国販売に黄信号
トヨタ自動車が2年連続の減益予想を発表し、円高がさらに進むと判断。
伸ばしてきた米国販売には黄信号がともる。日本からの輸出はトランプ政権の保護主義にも直面しており、米国での存在感がリスクになっている。

「自分たちの等身大の姿を真正面から見据え、徹底的に競争力を磨いていくことに尽きる」

円安という追い風がなくなったことを踏まえ、豊田章男社長は10日の記者会見でそう語った。




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トヨタ車は販売の8割が海外で、うち3割が米国。その4分の1強は、日本からの輸出だ。このため対米ドルで1円円高になれば営業利益が400億円減る。17年3月期は前年より12円円高が進み、18年3月期はさらに3円円高を見込んだ。

もう一つの懸念は、米国販売の減速だ。米国の新車市場は16年まで7年連続で成長してきた。
しかし、米調査会社オートデータによると17年1~4月の米市場は前年同期に比べ2・4%減。トヨタの販売は5・9%も少なかった。

原油安を背景に、売れ筋は乗用車から大型SUVやピックアップトラックにシフト。乗用車を得意とするトヨタは、その波をもろにかぶった。

「ワオ! 1500ドル引き」。米ペンシルベニア州のトヨタ販売店は新車の窓にそんな宣伝を書いた。
一部車種では今春から、6年間金利ゼロのローンと1千ドルの現金還元のセットを掲げた。「効果は抜群」(店の販売責任者)というが、1台あたりのトヨタの利幅は縮む。




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一方、米政権からの圧力はやんでいない。3月、トランプ大統領は自動車大手の幹部たちを集め、米経済への貢献を要求。
トヨタのジム・レンツ専務役員にとりわけ強く迫った。

「ここに工場をつくらなければ、ダメだ」





☆☆☆やんジーのつぶやき
5年ぶりの減益。今までがあまりにも儲け過ぎた感は否めまい。
独り勝ちがいつまでも続くわけがない。
トヨタが今後こうした軋轢にどう対応していくのか。
トヨタの真骨頂を期待したい。
















































































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by my8686 | 2017-05-11 15:29 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「黒田緩和、見えぬ[出口] 5年目に物価上昇見通せず」を読み解く

日本銀行が黒田総裁の就任後に始めた大規模な金融緩和は4日、5年目に入った。
大量の国債買い入れやマイナス金利など、世界でも異例の政策を打ち出したが、「物価上昇率2%」の目標は、来年4月までの総裁任期中の達成は事実上断念。
出口が見えない政策が続き、低金利を背景に政府の財政が拡張し続けるリスクが膨らんでいるという。




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あらためて、この内容を読み解いてみよう。



4日、東京都江東区のあるスーパー。女性客が1パック300円の塩鮭を手にとった。切り身より2割ほど安い鮭カマで、女性は「いろんな物の値段が上がっていて年金暮らしには厳しい。これは安くておいしいから助かる」。
スーパー店長は「卵でも小さいサイズ、魚なら安い部位が売れる。お客さんの節約志向は強まっている」と話す。

日銀の大規模緩和は、銀行などから国債を買って、代わりに市場に流し込む金の量を「常識を超える極めて巨額なもの」(黒田総裁)とするものだった。金利を下げ、円安や株高を呼び、「景気はこれから良くなる」という認識を世間に広め、実際に物価や賃金の上昇にもつなげる戦略だ。
日銀内でも「かなり挑戦的」(幹部)とされた「2年で物価上昇率2%」の目標を打ち出したのも、景気浮揚への本気度を示し、投資や消費を活発化させる効果を狙ったものだった。





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それから4年。円安や株高は進み、企業収益は改善し、人手不足で失業率は下がった。
しかし、賃金は期待したほど伸びず、消費税や社会保障費の負担も増えている。企業収益増が実感として人々に行き渡っていない。

円安・株高は、リーマン・ショック後の世界経済回復の流れで起きた面もあり、「運とタイミングに恵まれ、どこまでが金融政策の成果かはわからない」(生命保険チーフエコノミスト)との評価も多い。




■将来のリスク棚上げ

物価上昇率は14年に1%台半ばに上がった。日銀内では黒田総裁の政策に懐疑的だった幹部からも「このまま上がるかも」との声が出た。しかし14年4月の消費増税後、落ち込んだ消費はなかなか戻らなかった。

同年10月の追加緩和で手を打ったが、海外経済の減速もあって景気は伸び悩む。16年1月のマイナス金利政策の導入では、想定外の金利の急低下で年金運用が悪化し、かえって消費者心理を悪化させる結果にもなった。同年9月には抜本的に政策を見直し、金利の急低下を防ぐ長期金利操作に踏み切った。

しかし物価上昇率はなおゼロ%前後にとどまる。2%の達成時期の見通しは「18年度ごろ」となり、黒田総裁の任期が切れる18年4月までの達成は事実上断念した。





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巨額の国債買い入れを続けた結果、日銀の国債保有残高は3月20日時点で423兆円と、発行残高全体の約4割を占める。将来、政策目標の達成後に保有する国債を売るなどして減らすのは難しくなっている。金利が跳ね上がりかねず、日銀が国債の売却損を被りかねないからだ。

黒田総裁は「出口戦略を議論するのは時期尚早だ」と、将来のリスクへの言及を避け続けている。みずほ証券の上野泰也チーフエコノミストは「後戻りできないような金融緩和を、やめる道筋もつけないまま続けているのは無責任だ」と指摘する。




■打開策に財政拡大も

金融政策が手詰まりになりつつあるなか、財政政策で状況を打開しようという声が強まっている。

その急先鋒が、4日にも安倍首相と面会した経済ブレーンで内閣官房参与の浜田宏一・米エール大名誉教授だ。

大胆な金融緩和によるデフレ脱却を進言してきたが、最近はクリストファー・シムズ米プリンストン大教授の「シムズ理論」に着目。
同理論は物価が上がるまで財政も大胆に拡大するべきだとするもので、浜田氏は、物価目標達成までは消費増税を凍結し、財政支出を増やすべきだと訴えている。





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与党内では、教育無償化のため「教育国債」を発行する案も浮上。財政健全化は一層遠のいている。
膨らむリスクに、野党には追及を強める動きも出てきた。

民進党は4日、異次元緩和のリスクを検証し、「出口」戦略を話し合う作業部会を発足させた。この日の初会合で、座長の古川元久・元経済財政相は「これだけ借金しても何も起こらない、日銀が(国債を)引き受ければ大丈夫と言われているが、そんな打ち出の小づちみたいなことはあり得ない」と安倍政権を批判した。




さらに、「シムズ理論」についてみてみよう。

この「シムズ理論」の核心は、政府の「いい加減さ」にあり、国債も全部は償還できない、財政赤字を増税などで穴埋めもしない、と言って国民を不安に陥れることにある。
そして2017年度予算が通り、歳出が97兆4500億円、税収は57兆7100億円で、前年に比べて税収が1000億円増加する一方、歳出は7000億円増加。まさに「いい加減さ」を露呈してしまった。




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ところが、この2017年度予算に対して、財務省幹部は「管理された財政拡張」つまり、歳出増大によって借金は増えるが、まだ財政当局のコントロール下にある、と発言。
これは、ある意味では「シムズ理論」の「邪魔」になり、国民を不安視させるのが「シムズ理論」のミソなのか。






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そうなると、将来の増税、歳出削減などを国民が予想し、結果的にデフレになる、とシムズ教授自らが指摘する。日本はこれまでさんざん財政赤字を拡大し、世界の主要国の間でも最もGDP比で債務残高が大きな国となった。
それでもインフレにならない理由として、シムズ教授は「いずれ増税で穴埋めされる」との期待がデフレをもたらしていると説明している。









☆☆☆やんジーのつぶやき
理論の実態がわかれば、日本では「シムズ理論」は国民が受け入れまい。
インフレにして財政の実質負担を軽くすることは、汗水たらして蓄えた貯蓄の価値がインフレで減少することの裏返しである。
国民を犠牲にした財政再建で、それに使われる「シムズ理論」は「悪魔の経済学」とも言えよう。
それよりも、国民にとっては今のインフレ・ゼロの方がはるかにましであろう。


































































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by my8686 | 2017-04-05 10:10 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「米政策の期待後退、NY円一時110円台 東証は400円超下げ」を読み解く

22日の東京金融市場では、トランプ米大統領の経済政策への期待がいったん後退して円高・株安が進んだ。
対ドル円相場は一時、1ドル=111円32銭と約4カ月ぶりの円高水準となり、日経平均株価は400円超も値下がりして昨年11月以来の下げ幅を記録した。




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続く22日のニューヨーク外国為替市場では円買いドル売りが一段と強まり、円相場は一時1ドル=110円台後半に上昇した。110円台をつけるのは約4カ月ぶりだという。




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あらためて、その内容をみてみよう。

円高・株安のきっかけは、トランプ氏が掲げる医療保険制度改革について、米国の与党共和党内で意見が対立したことだ。
与党内の足並みの乱れに、市場では「トランプ氏が掲げる減税やインフラ投資についても、実現が遅れたり規模が小さくなったりするのではないか」との見方が広がった。





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前日のニューヨーク株式市場では失望売りが広がり、大企業で構成するダウ工業株平均は200ドル超下落。下げ幅は、米大統領選でのトランプ氏勝利以降で最大となった。

東京市場もこの流れを引き継ぎ、午前中から円高・株安傾向が続いた。株式市場は、円高で採算悪化が懸念される輸出関連株に加え、米国の金利低下を受けて銀行株や保険株が大きく下落し、全面安の展開となった。終値は前日より414円50銭(2・13%)安い1万9041円38銭。





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市場では、今後もトランプ政権の動向に左右される相場展開が続くとみる専門家が多い。
松井証券の窪田朋一郎氏は「トランプ氏の経済政策がなかなか進まないことに投資家がしびれを切らし、株安につながった。すぐに期待が回復するとは見込めず、調整局面が長引く可能性がある」と話す。




さらに、日銀の審議委員のコメントもみてみよう。


日本銀行の布野幸利審議委員は22日、静岡市での記者会見で、日銀が長期金利の操作目標をいまの「ゼロ%程度」から引き上げるとの市場の観測について、「物価目標の2%と照らすと現状は非常に低い。長期金利の調整のレベル感を転換する状況にはない」と述べ、否定的な考えを示した。




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昨年11月の米大統領選以降、米国経済が拡大するとの見方から米国の長期金利が上昇。日本の長期金利にも上昇圧力がかかり、市場では近い将来に引き上げに踏み切るとの見方が浮上していた。
布野氏は「(引き上げの条件を)事前に示すのは難しい。実体経済の動きを伝える様々な指標を注目し、その都度金融政策決定会合に臨みたい」と話した。





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今春闘で大手企業が4年連続でベースアップ(ベア)に応じた点については、「非常に前向きにとらえていい」と評価した。布野氏はトヨタ自動車出身。








☆☆☆やんジーのつぶやき
トランプ大統領への沸騰した期待感が鎮静化され、いよいよ調整局面に入った感のある米国。
実体経済の動きに注視しつつ種々な指標分析が必要となろう。
しかし、経済は生き物。飲み込まれぬように注意するが肝要。












































































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by my8686 | 2017-03-23 09:38 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「黒田日銀、5年目の難局 物価2%なお遠く 金利政策、綱渡り」を読み解く

日銀は16日の金融政策決定会合で政策の「現状維持」を決めたという。



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あらためて、その内容をみてみよう。


黒田総裁が就任して20日で丸4年。
様々な緩和策を繰り出したが「物価上昇率2%」は達成できず、利上げを続けるFRBとの違いは大きい。残り1年の任期で目標に近づけるか、正念場を迎えている。

「(物価の基調は)このところ一進一退だ。目標を早期実現するため、強力な金融緩和をしっかり推進していく」。黒田総裁は会合後の記者会見で強調した。

昨年9月に導入した長期金利を「ゼロ%程度」に操作する政策は世界でも例がない。
日銀はすでに大量の国債を買って長期金利を押し下げており、目標の水準を定めて操作することも可能だと判断した。




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ただ、昨年11月、米大統領選でトランプ氏が勝利を収めて様相は変わった。
米国経済が拡大するとの期待から、米国の長期金利が急上昇。日本でも長期金利が上がったため、日銀は金利上昇時の「奥の手」としている、無制限に国債を買う「指し値オペレーション」をすでに2度も使った。





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市場では、0・1%程度が日銀の容認する上限だとみられているが、最近は何度もその水準に迫っている。
「上昇圧力が強まる長期金利を抑えられるか、懸念が残る」(野村証券担当者)との声もある。

前年比で原油価格が上がり物価上昇率もわずかにプラスで、日銀が金利操作目標を引き上げるとの観測も出ている。
ただ、住宅ローンや企業の借入金利の上昇で景気を冷やしかねない。

16日の会見で黒田総裁は「(物価上昇率など)何かの指標がある数字になれば機械的に(目標の金利を)変更するものではない」と語った。


国内の景気は回復基調だが、トランプ政権への期待で続く円安・株高頼みの側面が大きい。
何らかの経済的なショックで、対応を迫られたときの追加緩和策ははっきりしない。
黒田総裁は「経済物価の下ぶれリスクが大きく減少したとはいえない」とも述べた。綱渡りの政策運営が続きそうだ。





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さらに、各界の話を見てみよう。



■財政悪化が心配

・東短リサーチチーフエコノミストの話

世界経済の改善が続けば、日本経済は緩やかな回復が続くだろう。追い風があるうちに長期金利の誘導目標を上げ、金利水準の正常化を少しでも進めたほうがいい。
逆風となった時の備えになるからだ。しかし、2%の物価目標にこだわる現体制では金利引き上げは望めそうにない。

黒田総裁が続投する可能性はある。物価目標の達成は難しく、緩和策が続いて低金利が維持されることは、財政赤字が続く政府にとっても都合がいいからだ。
続投しない場合、今の路線を引き継ぐ人を政府は選ぶだろう。心配なのは、財政への危機意識が薄れ、赤字が膨らみ続けることだ。

今の緩和策を5年の任期の間続けるのは厳しい。現実に合わせて政策を見直す必要が出てくるだろう。




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■政策正しかった

・コロンビア大学教授の話

これまでの緩和策の成果が実ろうとしている。米国でトランプ政権が財政出動すれば金利が上がり、日本は円安となりやすい。
人手不足による賃金上昇もあり、物価は目標の2%に向けて上がっていく可能性が高い。

ただ、米国の金利が急に上がると、日銀が長期金利をゼロ%程度に抑えるのは難しくなる。
そこで国債の買い入れ額を増やすか、ゼロ%からの上ぶれを許容するか、難しい判断を迫られる。急な円安ドル高になれば、トランプ政権に攻撃されるリスクもある。

物価目標が達成できていないのは、原油安や円高など仕方のない面もある。
黒田総裁の政策は正しかったと思う。ただ、マイナス金利の導入は市場へのサプライズが行き過ぎだった。今後も市場との丁寧な対話が必要だろう。




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☆☆☆やんジーのつぶやき
国会の稚拙な混乱に加え、世界的にも稀有な長期金利「ゼロ%程度」というとんでもない綱渡り操作。
日本国民に真の明日はあるのか。
FXでぼろ儲けしたと錯覚してしまっている連中には「経済物価の下ぶれリスク」の現実は、見えてはいまい。
















































































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by my8686 | 2017-03-17 10:25 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「米の貿易赤字、日本が2位に 2016年」を読み解く

米商務省が7日発表した2016年の貿易統計によると、モノとサービスの取引を合わせた貿易赤字は、国際収支ベース(季節調整後)で5023億ドル(約56兆円)となり、前年より0・4%増えたという。
日本とのモノの取引の赤字額は689億ドル。貿易赤字相手国では日本がドイツを抜き、中国に次いで2位となった。






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あらためて、この内容をみてみよう。


トランプ大統領は貿易赤字を問題視しており、10日の日米首脳会談でも議論される見通しだという。
米国の貿易赤字は3年連続で増え、主な貿易赤字相手国では、前年首位の中国と2位のドイツは赤字額が減ったが、日本はほぼ横ばいだった。





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■季節調整
月ごとや四半期ごとの統計で、季節によって特定の動きをする場合に、その影響を除いて分析するための統計処理。
季節の影響の要因には天候や社会習慣などがある。

例えば、百貨店業界では7月や12月の中元、歳末商戦で売上高が大きく伸び、そのままの数字を前月と単純に比較するのは難しいため、季節調整を加え分析しやすくする。
通常、季節調整していない「原数値」は前年の同じ時期と比べる。






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■貿易赤字
双子の赤字
財政収支(政府の歳入・歳出の帳尻)と、経常収支(輸出入など対外取引の帳尻)が、ともに赤字になっている状態。
米国では80年代のレーガン政権下で大問題となり、その後も一時期を除いて歴代政権の構造的な課題とされ、他国からも是正を求められている。

米国の財政赤字は、かつてのブッシュ政権下でイラク戦争の経費や景気刺激策の減税で膨れあがり、08会計年度には5千億ドル(約50兆円)に迫って過去最大に。
経常赤字の主因である貿易赤字は、06年まで5年連続で過去最大を更新したが、07年はやや減少に転じて7116億ドル(約71兆円)となった。




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さらに、トランプ政権の「ドル安志向、年末100円割れも視野に」を読み解いてみよう。


榊原英資氏・青山学院大学教授(元財務官)は6日、ロイターとのインタビューでトランプ政権がドル安を志向しているため、米利上げは今年、2─3回程度にとどまりそうだとの見方を示した。

一方で日銀の積極的な金融緩和が終了しつつあるとの見方が市場で広がっており、ドル/円<JPY=EBS>は緩やかに円高に振れ、年末までに100円割れもあり得るとの見方を示した。





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榊原氏は、これまでのドル高路線から転換し、トランプ新大統領がドル安を志向しているため、米FRB(連邦準備理事会)による今年の利上げも「昨年予想されたような4─5回から2─3回にとどまる」との見通しを示した。

日銀の金融政策については「日銀はさらに緩和できるとしており、現時点で利上げは視野に入っていないが、市場はこれまでのようなアグレッシブな緩和はそろそろ終局とみなし始めている」と指摘。こうした点から、緩やかな円高が進むと分析した。

ドル/円が100円程度まで円高になっても「米国は過度のドル安は望んでおらず、一気に90円までは行かない」「100円程度であれば、日本の輸出企業は相当現地生産しており、日本にマイナスでない」と述べた。

為替介入については「日米両国の合意がないとできない」ため、「できない」との認識を示した。口先介入も「強烈な介入の直後でないと効果はない」と指摘した。

円安については「日銀のアグレッシブな緩和の副産物」だとしつつ、金融緩和の結果、通貨安が生じたのはリーマンショック後の米国と同様とし「一国の根幹である金融政策で、米国にどうこう言われることはあり得ない」と言い切った。






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10日に予定されている日米首脳会談では「日銀の金融緩和は国内経済のためだと堂々と主張すべき」と強調した。

日米首脳会談では、トランプ氏が批判する日本車を巡っても議論される可能性があるが、「妥協する必要ない。日本車市場に外国車が入っていなければともかく、ドイツ車が多数走っており反論できる」と指摘した。

もっとも「米国は大統領が交代すると貿易赤字解消を議題にしがちだ。本命は対中国だが、日本で小手調べをしている」と述べ、貿易赤字解消のため「かつての日米構造協議のようなフォーラムを提案される可能性があるのではないか」との見方を示した。










☆☆☆やんジーのつぶやき
米国TPP離脱後の2国間協議でトランプから何を求められるのか。
堂々と主張すべきところはし、なんら臆することもなく、安易な妥協などする必要もあるまい。
中国交渉前の予行演習にされては、たまったものではない。











































































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by my8686 | 2017-02-08 11:56 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「トヨタ+スズキ 業務提携に加速」を読み解く

トヨタとスズキがエコカー、安全、情報の技術や商品補完で連携するという。交渉本格化から4カ月。世界環境の変化にどう対応しようとしているのか。





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あらためて、その内容を読み解いてみよう。



トヨタ自動車とスズキは6日、業務提携に向けた覚書を結んだと発表した。エコカー、安全、情報の技術や商品補完で連携する。
交渉本格化から4カ月。自動運転や次世代エコカーをめぐる競争を単独で乗り切るのは難しいとみたスズキの要請を、仲間を増やしたいトヨタが受け入れた。資本提携はなお検討していく。

スズキの原山保人副会長はこの日の決算会見で「熱意をこめて協議に臨み、応じてもらった」と述べた。





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スズキの研究開発費は年1300億~1400億円ほどでトヨタの8分の1にとどまる。40年近くスズキを率いてきた鈴木修会長も87歳。昨秋の会見で「良品廉価な車づくりだけでは行き詰まる」と話していた。
2008年まで出資を仰いだ米ゼネラル・モーターズ、15年に資本業務提携を解消した独フォルクスワーゲンにかわる相手を求めていた。

一方のトヨタ。早川茂取締役専務役員は「業界内外での仲間づくり、ルールづくりが従来以上に必要」と話した。
世界的な環境規制の強化で需要が高まる次世代エコカーや、自動運転の開発・普及をめぐる競争では、さまざまな分野で業界標準を握り、関連インフラの整備を各国に求める力がいる。有力な仲間を増やせば、そうした力は大きくなる。






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年間販売が約1千万台で世界首位を争うトヨタが、年300万台近くで10位前後のスズキを自陣営に迎える意義は大きい。

協力は、すでに始まっている。今年1月、車とスマートフォンを連動させて使う技術の普及に向けた企業連合をトヨタと米フォード・モーターが設立。トヨタが大株主の富士重工業、15年にトヨタとの提携を強化したマツダのほか、スズキも参加している。
今後の焦点は資本提携にまで踏み込むのかどうか。トヨタの早川氏は「ゆっくり考える」。スズキの原山氏は口をそろえた上で「資本関係も協議していくことになると思う」と述べた。






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ハードルになるのが独占禁止法だ。国内の軽自動車市場で、トヨタ子会社のダイハツ工業とスズキは首位を争い、シェアの合計は6割を超える。

ある経済官庁幹部は「一体となって価格を引き上げたりすることがないよう、情報を遮断する体制などが必要」と指摘する。

独禁法に詳しい法律事務所の弁護士は「先進性の高い技術開発の分野では競争事業者間でも提携は認められやすいが、どれだけ消費者にメリットが出せるかがポイントになる」と話す。




さらに、トヨタの対トランプ対策をみてみよう。



トヨタ自動車は6日、2017年3月期の純利益見通しを上方修正した。1兆5500億円(前年比33・0%減)から1兆7千億円(26・5%減)に引き上げた。昨秋の米大統領選でトランプ氏が勝利して以降の円安の効果で、減益幅が縮小した。
売上高の見通しは26兆円から26兆5千億円(前年比6・7%減)に、営業利益は1兆7千億円から1兆8500億円(35・2%減)に引き上げた。

主な理由は円安だ。トヨタは17年3月期の想定為替レートを1ドル=103円から107円に見直した。輸出採算が改善し、円換算した海外の利益も膨らむ。





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ただ、トランプ氏は対米輸出が多い日本の自動車業界をやり玉に挙げている。円安を背景にした業績改善は、新たな攻撃のきっかけを与えかねない。大竹哲也常務役員は記者会見で「トランプ政権の影響は現時点では見通せない。引き続き見守りたい」と述べた。

1970年代からの日米自動車摩擦を、トヨタは現地生産の拡大で乗り切ってきた。しかし、米国市場はかつてのような急成長の局面にはない。米国での販売を大幅に伸ばすのは難しい中で現地生産を無理に増やせば日本から米国への輸出を減らざるを得ない。「国内の雇用に影響が及びかねない」とある幹部は話す。






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同日発表した16年4~12月期決算は、売上高が前年同期比6・0%減の20兆1547億円。営業利益は32・5%減の1兆5554億円、純利益は24・0%減の1兆4327億円だった。









☆☆☆やんジーのつぶやき
日本の自動車業界も違う意味で試練の時期を迎える。
トヨタも1800万台連合の御旗のもと、生き残るための熾烈な合併、離合劇がいよいよ幕を開ける。










































































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by my8686 | 2017-02-07 15:55 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「NY株、初の2万ドル突破 経済政策に期待感」を読み解く

25日午前のニューヨーク株式市場は上昇して取引が始まり、大企業で構成するダウ工業株平均が一時、史上初めて2万ドルの大台を突破した。
トランプ米大統領が掲げる経済政策への期待感で株価が上がる「トランプ相場」が続いているというが、はたしてその真相は・・・。




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あらためて、その内容を読み解いてみよう。




ダウ平均は、取引が始まった直後に2万ドルを突破。

午前10時45分(日本時間26日午前0時45分)時点は、前日の終値に比べて150・42ドル(0・76%)高い2万0063・13ドル。

トランプ大統領はすぐさま「すばらしい! ダウが2万ドル到達だ」とツイッターに投稿し、新政権の成果を強調した。

トランプが掲げるインフラ投資や規制緩和、大型減税などの経済政策が実際に動き出すと、米国の経済成長が加速するという期待感が広がり、投資家が積極的に株を買っている。新興国に向けて投じられていた投資資金も米国に流入し、米株式市場の活況につながっている。





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トランプは大統領選の勝利後に経済政策の詳細を語らず、最近は失望売りも出て、2万ドルを目前にして足踏みしていた。
しかし、24日にオバマ前政権が環境保護などの理由から建設を却下していた大規模なパイプライン計画を認める大統領令に署名。公約通りに景気刺激に本腰を入れるとの観測から、再び投資マネーを呼び込んだ。

ただ、経済政策には不透明な要素も多い。市場では「期待先行の株高」(日系証券会社)との指摘がある。当面は、トランプ政権の動きに一喜一憂する値動きとなりそうだ。

ダウ平均は2014年12月に1万8000ドル台に到達し、16年11月下旬に1万9000ドルを超えた。トランプ氏の大統領選の勝利が11月9日に判明してからの上げ幅は1700ドルに達した。




関連するNY市場サマリーを見てみよう。


[25日 ロイター]

<為替>
保護貿易主義色の強いトランプ米大統領の就任演説を受けて軟調だったドルが、円とユーロに対して反発した。米国の経済見通しが欧州や日本よりも依然として良好とみられることが背景。

SEIインベストメンツ(フィラデルフィア)のグローバルポートフォリオ戦略部門を率いる関係者は「新たな財政出動策の実施時期と効果をめぐっては依然として不透明感が強い。だが、米連邦準備理事会(FRB)は2017年に2回もしくは3回の利上げを実施する公算が大きい一方、他の中央銀行は金融緩和モードを解除せず、金融政策の方向性は今後も開き続けると確信している」と説明。こうした状況が、ドル高の幅広い傾向を支えるはずだと主張した。

テンパス・コンサルティング(ワシントン)の為替トレーダーは、市場には今なお大きな不安要素があると指摘。
「市場は依然として変動が激しくなっている」と述べ、投資家は特にトランプ大統領の北米自由貿易協定(NAFTA)を再交渉する計画と環太平洋連携協定(TPP)からの離脱について懸念していると付け加えた。





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米財務長官に指名されたスティーブン・ムニューチン氏とトランプ大統領がドル安の必要性を指摘したことも懸念材料となっている。
またスコシアバンク(トロント)の通貨ストラテジスト、エリック・セオレト氏は「日米の2年債利回りスプレッドが140ベーシスポイントへ向かうなか、金利差がドル/円を若干下支えしている」と話した。
一方、ポンド/ドル<GBP=D4>は0.2%安の1.2503ドル。英最高裁判所は、同国の欧州連合(EU)離脱手続きの開始には議会の承認が必要との判断を下した。





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<債券>
国債利回りが上昇した。企業業績見通しの改善を受け株式市場に資金がシフトするなか、安全資産とされる米国債に対する需要が低減した。

米財務省は今週は総額880億ドルの国債入札を実施。その第1弾となったこの日の260億ドルの2年債入札では応札倍率が2.68倍と、2008年12月以来の低水準となった前回の2.44倍からは上昇したものの、需要は平均的な水準にとどまった。 
TD証券(ニューヨーク)の金利ストラテジストは「財政面で何らかの明確性が示されるまで様子見状態となっている」としている。 





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この日はまた、英最高裁判所が政府による欧州連合(EU)離脱手続きの開始には議会の承認が必要との判断を下した。これを受け、米国債利回りは欧州の国債利回り上昇に歩調を合わせ上向いていた。







<株式>
反発して引けた。ハイテク株や金融株を中心に買いが広がり、S&P総合500種とナスダック総合の終値はともに過去最高値を更新した。 
トランプ大統領の経済政策への投資家の期待が相場を支えている。トランプ氏は24日、オバマ前政権が環境への懸念から承認を保留していた2つのパイプライン建設計画を許可する大統領令に署名した。 

テーミス・トレーディングのトレーディング共同マネジャーは「トランプ氏は力強いスタートを切り、やると発言してきたことの多くを実行に移している。その上に10─12月期企業決算はこれまでのところ、それほどひどくはない。だとすれば、レンジにとどまっていた相場が一段の高値に向かわない理由はない」と話した。
トムソン・ロイター・エスティメーツによると、S&P500種企業の10─12月期利益は6.7%増と2年ぶりの大幅増益になると見込まれている。 

ハイテク銘柄ではIBM<IBM.N>が2.8%、インテル<INTC.O>が2.3%ぞれぞれ上昇してS&P総合500種を押し上げた。金融株<.SPSY>は1.2%上げた。
自動車株はゼネラル・モーターズ<GM.N>が1%高、フォード<F.N>が2.4%高、フィアット・クライスラー<FCAU.N>が5.8%高と軒並み堅調。トランプ氏はこれら3社の経営トップと会談し、米国での生産と雇用の拡大を要請した。





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<金先物>
対ユーロでのドル高を受けて売られ、3日ぶり反落した。中心限月2月物の清算値は前日比4.80ドル安の1オンス=1210.80ドルとなった。





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<米原油先物>
主要産油国の協調減産が履行されていることを確認した安心感から買いが広がり、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値は、前日比0.43ドル(0.82)高の1バレル=53.18ドル。4月物の清算値は0.36ドル高の53.86ドルとなった。

石油輸出国機関(OPEC)加盟・非加盟国のエネルギー担当相は22日、今月1日から協調減産が粛々と履行されており、削減目標である日量約180万バレルのうち既に150万バレルが減産されたことを確認した。
 




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☆☆☆やんジーのつぶやき
25日の東京外国為替市場のドル円相場は、午後5時時点で1ドル=113円52銭前後と、前日午後5時時点に比べ20銭弱のドル高・円安となった。
ドル円相場は欧州時間に入っても底堅い動きで、午後4時過ぎには一時113円70銭台に上昇。

日経平均株価が大幅高となったことや、時間外取引でNYダウ先物が堅調に推移していることがドルの支援材料となっている。
ただ、朝方の上昇局面で114円ラインに届かなかったことから上値の重さも意識されており、買い一巡後は一服商状となっている。

ユーロは対円で1ユーロ=121円61銭前後と同10銭程度のユーロ安・円高。
対ドルでは1ユーロ=1.0712ドル前後と同0.0020ドル強のユーロ安・ドル高で推移している。

史上初の2万ドル大台突破のトランプイリュージョンに惑わされぬよう、ここは静観が寛容であろう。


























































































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by my8686 | 2017-01-26 14:06 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「トランプ相場、日銀綱渡り 景気判断、1年7カ月ぶり引き上げたが…」を読み解く

日銀が20日の金融政策決定会合で政策の「現状維持」を決め、景気の基調判断を1年7カ月ぶりに引き上げた。
海外経済の好転が国内に波及しているためだという。

一方、短期間で長期金利が上がり、日銀は様々な手法で抑え込んでいる。トランプ米次期政権の世界経済への影響は不透明で、今後も綱渡りの政策運営が続きそうだという。





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あらためて、その内容をみてみよう。



■物価目標、遠い達成

「世界経済は上向きつつあり、わが国経済も輸出、生産の持ち直しが明確になっている」。記者会見した黒田日銀総裁は、景気判断を上向かせた理由をこう説明した。

日銀は定例では年内最後となる20日の会合で、景気判断を「緩やかな回復基調を続けている」とした。
従来の「輸出・生産面に鈍さがみられる」との表現を削り、景気判断をわずかに上方修正させた。

米国や中国で景気が上向いたことが国内経済にも波及し、「個人消費でも持ち直しを示唆する指標が増えている」(黒田総裁)。
金融市場では米大統領選でのトランプ氏勝利後、同氏の経済政策への期待による円安・株高が続く。






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このため、金融政策は従来通りで据え置いた。長期金利の操作目標は「ゼロ%程度」で、金融機関が日銀に預けるお金の一部に0・1%のマイナス金利をつける。
国債の買い増し額は「年80兆円をめど」とする。

ただ、最近の物価上昇率は10月もマイナス0・4%で、日銀の目指す「2%」からは遠い。

今後は、海外経済効果で企業の業績が上向き、賃金にも波及するかがカギになる。
焦点は来年の春闘での賃上げだ。黒田総裁は「賃金が上昇する環境は高まっている。(来年の)春闘の動きは注目している」と語った。



■金利操作、限界懸念

海外経済の持ち直しで一息ついた形の日銀の政策運営だが、気がかりな動きも市場で出ている。
最近の長期金利の上昇だ。

「トランプ相場」で株価が値上がりしたため、国債から株式へ資金が流れ、国債価格は下落し、長期金利が上がっている。
指標となる新発10年物国債の流通利回りは16日に一時0・1%ちょうどと、10カ月半ぶりの高水準に上昇した。





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黒田総裁は「金利操作付き緩和は機能している。適切なイールドカーブ(様々な満期の国債利回りの水準)が形成されている」という。
日銀は11月17日に国債を指定した利回りで買う「指し値オペレーション(オペ)」を初めて行った。
今月14日には、満期までの期間が長い国債の買い入れ額を増やすなど、金利の抑制策を次々に繰り出した。

日銀は長期金利を「ゼロ%程度」に事実上固定するとしており、市場では「日銀が許容する金利変動の範囲はプラス0・1~マイナス0・1%」とみられている。
黒田総裁は「きっちりゼロ%でなくてはいけないとか、プラスマイナス0・1%を超えてはいけないとかはあまり意味のある議論ではない」「目標を引き上げることは全く考えてない」として、「ゼロ%程度」に定めた金利目標を当面は変えない考えだ。





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円安・株高が今後も続けば、「プラス0・1%」の壁はいつ突破してもおかしくない。
金利を抑えるためにさらなる国債の買い増しを迫られる可能性もあるが、「国債購入量を増やし続けると国債が買えなくなる『限界』を早める」との懸念もある。

黒田総裁は「金融政策には壁のようにこれ以上は進めなくなるという限界があるとは思っていない」というが、今後も難しい政策運営を迫られるという。


さらに、出回る札が100兆円の大台に乗ったという。


マイナス金利を背景として、世の中に出回る札の総額が初めて100兆円を超える見通しだという。
日銀のマイナス金利政策で預金金利が低下し、現金自動出入機(ATM)の時間外手数料が上がるなどしたため、「タンス預金」として手元に現金を持つ人が増えているという。

日銀によると、世の中に出回る札の総額は、今月19日時点で99兆9857億円。11月末の97兆4298億円から約2・5兆円増え、近く100兆円を超える見通し。
年末年始は年越しの現金の必要性から、銀行から引き出す人が多いため、出回る札の増加ペースが速い。昨年12月末時点は98兆4299億円だった。





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出回る札の額は、2014年は前年比3・6%増、15年は同4・9%増。16年は毎月、前年同月比で5~6%程度の伸びが続いており、「現金志向」が高まっているという。








☆☆☆やんジーのつぶやき
100兆円もの現ナマが増産されながらも、停滞感はいまだに拭い切れない。
トランプ関連株の沸騰期待もあって株投資へ煽る週刊誌記事も目にするが、不透明感は拭い切れない。
欲の皮をはらぬことである。
























































































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by my8686 | 2016-12-21 13:52 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「次期アメリカ分断衆国大統領トランプがマサを称賛」を読み解く

ソフトバンクグループの孫正義社長は6日午後(日本時間7日未明)、トランプ次期米大統領とニューヨークのトランプ・タワーで会談。
会談後、トランプ氏は「マサ(孫社長)は米国のビジネスに500億ドル(約5兆7千億円)を投資し、5万人の新規雇用をつくることで合意した」とツイッターに投稿したという。




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あらためて、この内容をみてみよう。


約45分間の会談を終え、トランプ氏と孫氏はそろってトランプ・タワーのロビーに姿を見せ、トランプは孫を「すばらしい男だ」と称賛したという。





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気になるのは、孫のこのトランプ詣にたいしてソフトバンクがトランプ銘柄にどう変化したのか、さらに見ていこう。

トランプ次期米大統領と孫正義社長との6日の会談を受け、7日午前の東京株式市場ではこんな見方が急浮上した。

ソフトバンク株の大幅高は個人を中心に投資家心理を明るくし、午前の日経平均株価は前日比73円高の1万8433円と続伸。投資家はトランプ氏の打ち出す政策で恩恵を受ける銘柄を発掘しようと躍起になっている。
ソフトバンクは買い気配で始まり一時5%上昇。売買代金は773億円と前日日通し分(478億円)を上回り、東証1部で首位となった。





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トランプ・孫会談では、米国のベンチャー企業を中心にソフトバンクによる総額500億ドル(約5兆7000億円)の投資が明らかになった。
「オバマ政権で頓挫した傘下の米通信4位スプリントによる同3位のTモバイル買収が、認められるのではないか」(SMBC日興証券シニアアナリスト)との期待が高まった。






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楽天証券経済研究所のシニアマーケットアナリストは「ソフトバンクは出遅れ銘柄からトランプ銘柄になった」とみる。楽天証券経由の売買注文は、午前9時半時点で買い越しだったという。
巨額のベンチャー投資に絡み、人工知能(AI)やロボットなどに買いが入る可能性を指摘する声もある。






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傘下に米地銀のMUFGユニオンバンクを持ち、米金融機関への規制緩和の恩恵を受けると期待される三菱UFJは一時約2%上昇。
米国に塩化ビニール樹脂の製造・販売子会社を持つ信越化もインフラ投資で需要が増えるとの期待から、年初来高値を更新した。





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東証の投資部門別売買動向によると、個人は米大統領選があった11月7~11日の週から11月21~25日までの週に合計で1兆2939億円を売り越した。
「個人は11月に現金化した待機資金を、長期的な成長期待がふくらみ、機関投資家の買いも期待できるソフトバンクに振り向けているのではないか」との見方も出ている。

「これまで動きが鈍かった年金など国内機関投資家も買い材料を探し始めた」との声もある。トランプ氏はいままで動かなかった国内マネーを動かす可能性が高まってきた。





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米タイム誌は7日、年末恒例の「今年の人」に、次期米大統領に決まったドナルド・トランプ氏(70)を選んだと発表した。
表紙にはアメリカ合衆国ならぬ「アメリカ分断衆国(The Divided States of America)の大統領」と記し、大統領選を通じて浮かび上がった国内の分断の象徴だと位置づけた。






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米NBCの番組に出演した同誌のナンシー・ギブス編集長は「1人の個人が型破りな行動で、年間の出来事にこれほど影響した例はないのではないか」と話し、選出が容易だったと説明。トランプ氏も同じ番組に電話で出演し、「大変な栄誉だ」と語った。

昨年にドイツのメルケル首相が選ばれた際、トランプ氏はツイッターで「タイム誌は絶対に私を選ばないと言ってきた。ドイツをダメにしている人を選んだ」と発信していた。





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「今年の人」は1927年から続いている。今年はトランプ氏のほか、大統領選を争ったクリントン氏や、ロシアのプーチン大統領らが最終候補となっていた。
オンラインの読者投票では、インドのモディ首相が選ばれていた。








☆☆☆やんジーのつぶやき
3年前の買収失敗劇に尻尾を巻いたマサの先手のつもりか。
大盤振る舞いのトップ交渉を繰り広げるマサの姿は、やはり恥を知る日本人にはできない芸当である。
ただ、トランプの経済政策であるTPP反対でFTAをやり玉に挙げている姿勢には変わりはない。
「内向き」感は想像以上に強い。
安全保障に直結する通信で、日本企業が米2強を脅かす事態をやすやすとあのトランプがスルーするはずはないとみるが、いかに。













































































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by my8686 | 2016-12-08 12:08 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

「トヨタホームがミサワを子会社化」について読み解く

トヨタホームは、ミサワホームの保有株式を27.84%から51%に引き上げて、子会社化する。





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ミサワホームが連結対象となったことでトヨタ自動車の住宅部門売上高は単純合計で5664億円となり、レオパレス21、積水化学工業を抜いて住宅業界7位の規模となる。





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あらためて、この内容をみてみよう。


トヨタホームとミサワホームは11月22日に資本業務提携契約を結び、28日からミサワホームの普通株式を公開買い付けするとともに、第三者割当増資を引き受けて、株式保有率を51%とすることで合意した。
ミサワホームの上場は維持し、戸建て住宅事業では鉄骨ユニット工法のトヨタホーム(2015年度の実績は約3150戸)、ツーバイフォー工法のトヨタウッドユーホーム(同約700戸)、木質パネル工法のミサワホーム(同約7550戸)の3ブランド体制で事業展開していく。







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今回の資本提携は、企業規模を拡大して経営基盤を強化し、新たな成長戦略を実現するのが狙いだ。住宅新設着工戸数はリーマンショック後の09年度に年間100万戸の大台を割り込んだ後、最近は年90万戸前後で推移している。

賃貸住宅は需要が比較的好調だが、ミサワホームとトヨタホームが得意とする戸建て注文住宅の持ち家需要は年30万戸を割り込んだ状態が続いており、今後の人口減少で需要が一段と縮小する懸念がある。

ミサワホームでは、15年4月にミサワエムアールディーに不動産関連事業を統合して「ミサワホーム不動産」に社名を改めた。不動産仲介、買取再販、不動産投資事業などを強化するとともに、10月にディーラー体制を見直して直販化を進める構造改革を推進してきた。

今年4月に発売した初の5階建て重量鉄骨造住宅では、躯体部分の鉄骨部材の生産をトヨタホームが担当。10月に販売開始した千葉ニュータウンでの戸建て分譲事業もトヨタホームと共同で行うなど連携を強めていた。

両社は来年4月からスタートする予定の中期経営計画の策定を進め、今後の成長戦略を具体化していく。国内ではトヨタ自動車の資金力を生かして、自動車ディーラー店舗などの跡地を活用した不動産開発事業を本格化させるとみられる。

海外事業はトヨタホーム、ミサワホームともに大きく出遅れていたが、今後はトヨタ自動車の強力な海外ネットワークを生かし、トヨタブランドを前面に事業拡大に取り組むことが予想される。





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トヨタ自動車を創業した豊田家では、現・章男社長の曽祖父である佐吉氏が紡織機、祖父の喜一郎氏が自動車、父の章一郎氏が住宅を新規事業として立ち上げてきた。紡織機、自動車では大成功を納めただけに、1975年に社内事業部から立ち上げた住宅でも成功間違いなしと言われてきたが、予想に反して苦戦。長い間、社内事業部のままトヨタ本体から独立できない状態が続き、悲願の成功に向けてM&A(買収・合併)などの新たな起爆剤を求めていた。





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一方、ミサワホームは62年に創業して81年に東証一部に上場。積水ハウス、大和ハウス工業と並んでプレハブ御三家の地位を確立したが、80年代後半のバブル期にゴルフ場やリゾート開発など多角化を推進し、巨額の有利子負債を抱えて経営が悪化した。

90年代末に金融機関の不良債権処理が本格化すると、ミサワホームでも債務免除などの金融支援を得て2003年に持ち株会社ミサワホームホールディングス(現・ミサワホーム)を設立して経営再建を進めた。しかし、04年に産業再生機構入りが決定。機構による債権買取決定に合わせて05年4月にトヨタ自動車、あいおい損保(現・あいおいニッセイ同和損保)などがミサワホームに33.4%出資した。

トヨタ自動車では、ミサワホームへの関与を深める過程で、03年にトヨタホームを設立。その後にミサワの株式をトヨタホームに譲渡し、資材の調達・物流分野を中心に協力関係を深めていた。






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住宅業界では、国内需要の減少に備えて経営基盤を強化する動きが相次いでいる。戸建て分譲の一建設、飯田産業など6社が2013年11月に経営統合して飯田グループホールディングスが設立した。






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大和ハウス工業も13年にゼネコンのフジタ、マンション専業のコスモスイニシアを子会社化して売上高は3兆円を突破。積水ハウスも15年にゼネコンの鴻池組と資本提携した。

今年に入って、旭化成ホームズが25年度に売上高1兆円を目指す中期経営計画を発表し、関西系ゼネコン森組との資本提携、6階建てまでの中高層ビルを商品化するなど事業領域を拡大している。

パナホームも、リフォーム子会社にパナソニックが出資して共同事業を始めるなど、協力関係を強めている。






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引き続き、住宅業界では国内需要の動向をにらみながら、合従連衡で生き残りを図る動きが広がると予想される。








☆☆☆やんジーのつぶやき
どの業界にも波及する合従連衡。
生き残りを賭けた熾烈な鬩ぎ合いの末にみえるものとは。
今しばらく、動向に注目していこう。












































































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by my8686 | 2016-11-30 11:30 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)