カテゴリ:ヘビーな話は、謹んで( 133 )

「首都宣言しパンドラの箱を開けてしまったトランプ」を読み解く

トランプ米大統領が、エルサレムをイスラエルの首都と宣言する「パンドラの箱」を開けてしまった。




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パレスチナとの和平進展に向けた新たなアプローチだと主張するも、その道筋や具体策は一切示さずじまい。イスラエル寄りの姿勢は鮮明で、パレスチナ側は6~8日を「怒りの日」に設定し、住民の怒りに火がつきつつあるという。


「エルサレムはパレスチナの永遠の首都だ! イスラエルとの和平交渉はこれで終わりだ!」


7日午後、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の中心都市ラマラ。トランプのエルサレム「首都」宣言に憤るパレスチナ人1千人以上が市中心部に集まり、米国旗を燃やして抗議した。




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「米国が宣言を撤回しなければ、我々の怒りが爆発し、対イスラエル民衆蜂起が起きる」。


パレスチナ自治政府のアッバス議長は6日、「和平達成への全ての努力を台無しにした」とトランプを非難した。
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの最高幹部、ハニヤ政治局長は7日、対イスラエル民衆蜂起を呼びかけた。





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パレスチナ各派は6~8日、パレスチナ全域で抗議行動を呼びかけている。
8日の金曜日は、エルサレムや西岸各地でイスラム教礼拝所(モスク)礼拝後に大規模抗議デモが予定されており、治安当局との激しい衝突が懸念される。

一方、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地が集中するエルサレムの旧市街では、小銃を携えた警官が厳戒態勢を敷いていた。





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イスラエルは67年以降、パレスチナ人が将来の独立国家の首都と主張する東エルサレムへの入植を進め、現在の入植者は約21万人に上る。同地でパン屋を営むパレスチナ人民は、40年以上前、ユダヤ人入植者に家を追われた。

「エルサレムは神がパレスチナ人に与えた土地だ。トランプはイスラエルだけを代弁しており、もう中東和平を仲介できない」




さらに、ニューズウィークの見解を読み解いてみよう。


今回の発表で、選挙公約を本気で実現するトランプの真摯さと信頼感をアピールできると、トランプ政権の関係者は主張した。まったくの見当違いだ。

国際社会から見れば、トランプが公約に掲げたエルサレムへの米大使館移転は、もともとアメリカ国内向けの票稼ぎにしか映っていなかったからだ。




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残念だが、トランプ政権は目の前にあったチャンスを逃した。一度限りの爆弾発表をして中東和平交渉の再開を不可能にするくらいなら、きちんとした手順を踏んでエルサレムをイスラエルの首都と認め、広範な和平プロセスの一環として大使館を移転することが、トランプにはできたはずだ。和平の条件とその範囲を提示し、和平交渉再開の土台にする方法もあった。

イスラエルとパレスチナの双方がそれらを受け入れるよう説得していれば、和平実現に近づく大胆で有意義な一歩だったろう。その過程で大使館移転も実現できたはずだ。
また、双方の首都にもできたはずである。

具体的にはこうだ。まずどんな和平合意もイスラエルの国家安全保障上の懸念に配慮し、パレスチナ難民の大量流入を招く解決策にはしないと、和平条件に明記する。

パレスチナに対しては、1967年の第3次中東戦争前にヨルダンとエジプトが支配していた領土を割譲し、その代わりにヨルダン川西岸のユダヤ人入植者が集中する土地をイスラエルに併合する「土地交換」で合意を図る。





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エルサレムは、パレスチナとイスラエル双方の首都だと認める。和平に向けた外交努力の一環として、アメリカはエルサレムを双方の首都として承認すると発表することもトランプにはできた。

そうすればアメリカはエルサレムにイスラエル大使館を新設し、現在エルサレムにある米総領事館(これまではパレスチナ人向けの大使館のような役割を担ってきた)を在イスラエルの大使館に格上げできただろう。

こうした微妙なバランス感覚のあるアプローチを追求するどころか、トランプは火に油を注いでしまった。現時点で、誰も今後の見通しは分からない。

クシュナーが準備を進めていた和平交渉再開が吹き飛ぶにしても、最良のシナリオは、数日間の抗議デモが終わった後、中東諸国の怒りの嵐が収まることだ。
最悪のシナリオは、中東で新たな紛争の火の手が上がることだ。





☆☆☆GGのつぶやき
トランプの新たな首都宣言に状況がどう変化していくのか。
遅々としてすすまなかった中東紛争に光が射すのか、新たな火の手があがるのか。
怒りの嵐の行方を冷静に見て行こう。
























































































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by my8686 | 2017-12-08 11:31 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「米大使館の移転指示へ トランプ、エルサレム首都承認」を読み解く

トランプ米大統領は6日午後、エルサレムをイスラエルの首都と承認し、商都テルアビブにある米大使館をエルサレムに移転する手続きを始めるよう指示したという。



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「約70年にわたる米外交政策の転換」で、イスラエルとパレスチナの中東和平交渉の早期再開が困難になるだけでなく、地域を不安定化させる危険性をはらんでいることは否めない。



この状況を読み解いてみよう。


エルサレムの帰属問題は、東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置付けるパレスチナとの間で、高度に敏感な問題だった。トランプ氏の決定について米政府高官は5日、「歴史的な現実と、いまの現実を追認するためだ」と語った。




具体的には、
①エルサレムは古代からユダヤ人の首都だった
②イスラエルの官庁、立法府、最高裁はエルサレムにある
③首都の承認を遅らせてきた過去の政策は和平に結びつかなかった、というものだ。



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トランプ氏は昨年の大統領選で、エルサレムの首都承認と大使館移転を公約に掲げた。一方で中東和平の仲介に意欲を見せているが、パレスチナ側の反発で和平が遠のくのは必至だ。

米国では1995年、大使館の移転法案が可決。歴代大統領は安全保障上の理由で移転を先送りしてきた。トランプ氏は6日に国務省に移転先用地の調査など準備を指示する一方、現状では移転先の候補も決まっていないことから、先送りを認める署名をする。




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パレスチナ自治政府のアッバス議長は5日、トランプ氏から電話で意向を説明された際、「地域と世界の安定と安全に重大な結果を招く」と警告。パレスチナ自治区ガザでは6日、数千人が米国に抗議するデモを始めた。




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近くペンス副大統領を中東に派遣し、各国首脳と過激主義の打倒に向けて協調を確認する考えを明らかにした。今回の決定に関してアラブ諸国に「意見の相違や不満はあるだろう」としながらも「最終的にはこの不一致を乗り越えられる」と理解を求めた。





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在エルサレム米総領事館は5日、米政府職員や家族にエルサレム旧市街やヨルダン川西岸地区の訪問を禁止し、米市民には群衆が集まる場所を避けるように呼びかけた。




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あらためて、その火種となっている「宗教とエルサレム」についてみてみよう。


エルサレムは単に地理的に要所であるのではなく、アブラハムの宗教全ての聖地であることが最大の問題である。このことがエルサレムの帰属をめぐる紛争の火種となっており、パレスチナ問題の解決を一層困難にしている。

ユダヤ教にとっては、エルサレムはその信仰を集めていたエルサレム神殿が置かれていた聖地であり、ユダ王国の首都であった場所でもある。現在でも幾つかの神聖とされる場所が残っている。

中でも嘆きの壁は有名で、これは70年にローマ帝国がエルサレム神殿を破壊したときに外壁の一部が残されたものである。




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キリスト教にとっては、エルサレムはイエス・キリストが教えを述べ、そして処刑され、埋葬され、復活したとされる場所である。それらの場所には、現在はそれぞれ教会が建っている。ゼカリヤ書12章では「地のすべての国々はエルサレムに集まって来る」とある。



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イスラム教にとっては、エルサレムはムハンマドが一夜のうちに昇天する旅を体験した場所とされる。
コーランは、メディナに居住していた時代のムハンマドが、神の意志により「聖なるモスク」すなわちメッカのカアバ神殿から一夜のうちに「遠隔の礼拝堂」すなわちエルサレム神殿までの旅をしたと語っている(17章1節)。

伝承によると、このときムハンマドはエルサレムの神殿上の岩から天馬に乗って昇天し、神の御前に至ったのだという。この伝承は、ムハンマドの死後から早い時期にはすでにイスラム教徒の間では事実とみなされており、神殿の丘におけるムハンマドが昇天したとされる場所にはウマイヤ朝の時代に岩のドームが築かれた。



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また、丘の上には「遠隔の礼拝堂」を記念するアル=アクサー・モスクが建設され、聖なる場所と見なされている。しかし、エルサレムは、メッカ及びメディナと同格の聖地ではない。なぜならメッカとメディナは、「禁域」とされ、異教徒の立ち入りや、樹木の伐採や狩猟などが禁止されているからである。

一方、エルサレムは、ムハンマドの時代には東ローマ帝国の支配下にあり、「禁域」とならなかった。第2代のカリフであるウマルの時代に征服されたのちも、キリスト教徒とユダヤ教徒、ムスリムが共存する異教徒禁制とは無縁な国際的な宗教都市であり続けたのである。




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☆☆☆GGのつぶやき
宗教上の聖地紛争にいらぬ横やりを入れたものである。
無考えとしか思われぬトランプ流の決断なのか。
首都認定について、過去の米大統領が選挙公約にしてきたが「実行してこなかった」と批判。
「私は実行に移す」と力説し、実行力をアピールしたつもりなのであろう。
トランプが聖人ではなく、単なる米国雑民の狂ったボス猿である限り、「新しいアプローチ」がさらなる泥沼化を招き、中東情勢をさらなる緊迫状況に追い込む結果とならぬことを祈る。


















































































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by my8686 | 2017-12-07 09:55 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「北朝鮮 ICBM “火星15” 発射」を読み解く

北朝鮮が約2カ月半ぶりに、弾道ミサイル発射に踏み切った。




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米首都を含む全土を射程に収める能力を示し、金正恩・朝鮮労働党委員長は「歴史的偉業」と誇示してみせた。米政権は圧力を強める方針だが、脅威が深刻化するなか、議会に強硬論も出ているという。



あらためて、この内容を読み解いてみよう。


北朝鮮は9月15日以降、弾道ミサイルを発射してこなかった。米軍戦略兵器の相次ぐ朝鮮半島派遣に脅威を感じていたほか、11月の米中首脳会談の結果などを見極めたい思惑があったとみられる。ミサイル開発で技術的課題を抱えていたとの指摘もある。

そんな中、正恩氏は29日、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)15」発射について「国家核戦力完成の歴史的大業、ミサイル強国偉業が実現した」と宣言。

北朝鮮は「米本土を攻撃できる超大型重量級核弾頭の搭載が可能」とした。そのためには、米東海岸に届く射程、ミサイルに搭載可能にする核弾頭の小型化、大気圏に再突入後に正確に爆発させる技術などが必要になる。




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火星15は、距離を縮めるため高角度で発射するロフテッド軌道で打ち上げられた。専門家は通常角度で飛ばせば、飛行距離は米東海岸に届く1万3千キロ以上に達するとみる。

韓国軍合同参謀本部は、ICBM「火星14」(射程約1万3千キロ)の系列とする。北朝鮮は3月、新型の液体燃料型エンジンを開発。単段式の中距離弾道ミサイル「火星12」(射程4500~5千キロ)や2段式の火星14に使ってきた。
ただ、米中ロのICBMは3段式が大半。火星14から更に飛距離を伸ばすため、北朝鮮も3段式の新型ミサイルを開発するとの見方が出ていた。

だが、韓国・世宗研究所の金振武(キムジンム)客員研究員によれば、新型エンジンは直径が大きい。ミサイルを3段式にすると、移動発射台に搭載できないと指摘する。2段式のまま米本土を攻撃しようとすれば、更に弾頭を軽くする必要に迫られる。北朝鮮は中ロのICBMの弾頭重量と同等の500~600キロまで小型化した可能性があるが、更なる小型化は簡単ではない。




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大気圏に再突入した弾頭を正確に爆発させる技術を保有しているかどうかについて、分析は分かれる。ロフテッド軌道は通常角度で発射する場合と比べ、落下速度や大気圏に突入する角度の調整などに違いが出る。最終的には通常角度で発射することが必要になるとの指摘が出ている。金研究員は今回の発射の目的について「ワシントンを攻撃できる射程を誇示するのが最優先で、その他の技術の確認は依然残っている」と語った。



■配備現実味、米に危機感

「これだけは言おう。我々が(北朝鮮の脅威に)対処する」。ミサイル発射から2時間余りたったホワイトハウス。トランプ米大統領は議員らとの会合の冒頭、こう切り出した。




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この日は、ミサイル発射の一報を受け、マティス国防長官を呼んで対応を協議。この会合に出席したマティス氏はミサイルがICBMだったことを明らかにし、「北朝鮮の研究開発の結果であり、世界中を脅かしている」と語った。

今回、米軍は事前にミサイル発射の兆候をつかんで周到な準備を進めていたようだ。弾道ミサイルが落下して数十分後には、国防総省高官は記者団に、最高高度が約4500キロに達したことを明らかにした。

米民間団体「憂慮する科学者同盟」のミサイル技術専門家、デービッド・ライト氏が、今回のICBMを通常の角度で発射した場合で試算したところ、飛距離が1万3千キロを超えることがわかった。米首都を十分に射程に収め、「重い核弾頭を搭載しても米西海岸に到達できるだろう」と分析する。

米政権は、北朝鮮が早ければ来年にも米本土を狙うICBMを実戦配備するとみており、これを食い止めたい考えだ。トランプ氏は会合で、北朝鮮への対応について「何も変わらない」と強調。安倍晋三首相とも電話協議し、「北朝鮮への圧力を最大限まで高めていく」ことで一致した。

今月のアジア歴訪で、中国からも対北朝鮮の圧力強化で一定の協力を取り付けており、中国が制裁を強めることを求めていく方針。ティラーソン国務長官は28日、「国際社会は、北朝鮮との海上を通じた物資の移動を禁止するなどの追加措置を取るべきだ」との声明を発表するなど、さらに制裁を強化していく考えだ。




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ただ北朝鮮の急速な核・ミサイル開発を前に「時間が無くなろうとしている」(マクマスター大統領補佐官)のも事実。米本土に届く核搭載ICBMの配備が現実味を帯びる中、議会には強硬論も出ている。

「状況が変わらなければ、戦争に突き進むことになる」。トランプ氏と28日朝に話した共和党重鎮、グラム上院議員はCNNに出演し、北朝鮮を強く牽制した。




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多大な犠牲を伴う戦争は避けたいとしつつも、トランプ氏の考えをこう代弁した。
「大統領は北朝鮮の体制と米本土の破壊の選択を迫られたら、体制破壊を選ぶということを北朝鮮側が理解することを望む」







☆☆☆GGのつぶやき
チキンレースも最終戦に入ってきたのか。
愚劣なリーダー達の闘争劇に巻き込まれる国民は、たまったものではない。
北朝鮮の体制破壊後の場外乱闘の惨劇が透けて見えてくる。
くりかえすな、ヒロシマ!!


















































































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by my8686 | 2017-11-30 13:31 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「ゴーン流経営、ほころび 日米向け増産が裏目 無資格検査」を読み解く

倒産寸前だった日産自動車をV字回復させた実績をテコに、業績の数字を追い続けてきた「ゴーン流」の経営。

そのひずみが生産現場にたまり、無資格検査問題として噴き出した。きっかけは、世界首位を目前にした米国と日本市場での攻勢だったという。



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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


「工場を将来どうするかは、品質向上とコスト削減にどれだけ真剣に取り組んでいるかによる」。

2016年10月24日。日産社長だったカルロス・ゴーン氏は、小型車「ノート」のハイブリッド車(HV)の生産を機に追浜工場(神奈川県横須賀市)を訪れ、そう強調した。

仏ルノーも含めた工場間でコスト削減を競わせ、安い工場でつくるのがゴーン流。追浜も主力車種をタイに移され、閑散とした時期が続いた。




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潮目が変わったのが15年末のノートの移管決定だ。
日産経営陣は、SUVの人気で伸びる米新車市場での勝ち残りをかけ、米国向けの増産を決定。

16年、日産九州(福岡県苅田町)でSUV「ローグ」の生産を始め、日産車体九州(同)でSUV「アルマーダ」の増産に入った。日産九州のノートは追浜に移し、国内各工場から日産車体九州へ応援の人手を出すよう求めた。





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ノートには「打倒トヨタ」の戦略も込めていた。

日産はトヨタ自動車が強いHVで引き離され、国内販売では5位が定着。HVを追加したノートで巻き返しを図り、増産を進めた。

こうした戦略は当たったかに見えた。ノートは16年11月、月間の国内販売で日産車として約30年ぶりに首位に立つ。燃費不正問題を機に傘下に収めた三菱自動車を加え、日産三菱・ルノー連合は17年上半期の世界販売でも頂点に立った。





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■効率優先、現場に負担

しかし、日産が国土交通省に提出する最終報告書で明らかにしたのは、本社が数字を頼りに決めた効率最優先の生産計画が、現場に負担を強いていた実態だ。

日産は増産に向け16年6月、期間従業員も正規の「完成検査員」に任命できるよう規定を改めた。追浜工場などでは多数の期間従業員を雇ったが、それでも間に合わず、完成検査員の不足が常態化していった。





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期間従業員を完成検査員にするには相当の期間、つきっきりの指導が必要で、先輩格の従業員に負担がかかる。

栃木工場(栃木県上三川町)では、団塊世代の退職でベテランが少なくなっていたこともあり、このころから完成検査員になる試験でのカンニング行為が横行し始めた。

工場では、無資格検査について「現場限りの話にすればいい」(日産九州)などと内輪で判断し、同じ工場の管理層すら把握していなかった。

17年4月から社長に就いた西川広人氏や、会長として留任したゴーン氏ら経営陣は第三者調査に対し、いずれも「知らなかった」と説明。




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それでも、「現場が本社からあらゆる意味で遠く離れていた」(第三者報告)組織を生んだ経営陣の責任は重い。拡大路線は、17年からの米国市場の減速で勢いが落ちた。売り上げの割にもうけが増えない局面ともなっている。

無資格検査問題で国内販売も大きく落ち込む。V字回復の「神話」を支えとしてきたゴーン流経営は転機を迎えつつある。






☆☆☆GGのつぶやき
成果主義の顛末が透けて見えてくる。
右肩上がりの業績結果が最優先される企業体質には、必ず落とし穴が待ち受けている。
製造現場を熟知した経営者ならば、こうした変化に極端に敏感に反応する。
現場を四六時中嗅ぎまわっていると、動物的勘が研ぎ澄まされていくのである。
ゴーンには、数字しか頭になかったとしか思えない。
名車を生み出してきた「ニッサン」を潰してしまうのも、このゴーン流経営であろう。
また、ひとつ日本の誇りである宝が消えていくのは、辛い。






































































































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by my8686 | 2017-11-17 11:23 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「パラダイス文書 ナイキ・租税回避地とパイプ “ロゴ使用料”3年で4400億円・ペーパーカンパニーへ」を読み解く

パラダイス文書が公表されたことで各地に激震が走っている。


地球環境に優しいイノベーションへの取り組みを謳い、ビジネスのやり方を根本から変えたという「Nike」。
そればかりでなく、ポリシー、プロセス、製品など、ビジネス全体にチャンスをもたらすとまで言い切った「Nike」。
アスリート、企業、世界に利益をもたらす新しいソリューションの開発に、取り組んでいくとまで宣言した「Nike」。




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その米ナイキ社に国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が手がけた「パラダイス文書」の取材で、税逃れの疑惑が浮上した。

巨額のマネーが流れ込むスポーツ界。そのビジネスも、タックスヘイブンと深くつながっていたという事実に愕然とする。



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米スポーツ用品大手のナイキ社が、スニーカーや帽子など同社製品にあしらうロゴ「スウッシュ」の商標権をタックスヘイブンに置くことで、欧州での販売収益への課税を逃れていた疑いがあるという。

ナイキ製品の象徴である「スウッシュ」は、1971年に商標権が米国で登録された。パラダイス文書などの記録などによると、同社は英領バミューダ諸島に、欧州での販売に使う商標権を所有する子会社を設置。

2005年から10年間、この子会社にロゴの所有権を持たせ、欧州の販売収益を「ロゴ使用料」として、この子会社に移していた。




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欧州での商品販売はオランダにあるナイキの欧州本社が担っている。ここに集まった収益をタックスヘイブンに移せば、納税額が減る仕組みだ。子会社は、スタッフも事務所もない「ペーパーカンパニー」だった。

全体でどれほどの税を逃れたかは明らかにされていないが、米国の訴訟記録によると、10~12年の3年間だけでも38億6千万ドル(約4400億円)が、欧州本社からバミューダの子会社に移されていたという。





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同社はICIJの取材に「ナイキは規制に完全に従っている」と回答したという。







☆☆☆GGのつぶやき
判明した3年間だけでも約4400億円が、欧州本社からバミューダの子会社に移されていたという。悪質極まりない。地球環境に優しいイノベーションへの取り組みを表では謳いながら、裏であくどい税逃れをしていたとは、許しがたい。
所有しているキャップやウィンドブレーカー、スニーカーにいたるロゴ「スウッシュ」をマジックで消し去りたい衝動にかられる。

















































































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by my8686 | 2017-11-07 10:50 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「パラダイス文書の実態解明」を読み解く

5日に初来日したトランプ米大統領は、到着してすぐに演説し、日本との関係を「宝」とまで持ち上げた。

日米同盟の重要性を何度も強調し、その様がわりぶりが妙にきにかかる。

さらに、米トランプ政権のウィルバー・ロス商務長官が、タックスヘイブン(租税回避地)にある複数の法人を介して、ロシアのプーチン大統領に近いガス会社との取引で利益を得ていたことが、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の調べでわかったという。



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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


ガス会社の主要株主には、プーチンの娘婿や、米国の制裁対象である実業家らが含まれている。商務長官は外国への制裁判断にも影響力を持ち、複数の専門家が「深刻な利益相反の恐れがある」と指摘している。

英領バミューダ諸島などに拠点がある法律事務所「アップルビー」などから流出した膨大な電子ファイル「パラダイス文書」を元に、ICIJがロス氏の資産報告など複数の公文書と合わせて取材した。

「ロシア疑惑」に揺れるトランプ政権にとって、新たな火種となることは必至であろう。



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ウィルバー・ロス商務長官は大富豪として知られる投資家である。2月の商務長官就任時に、米国の法律に従い、保有資産を公開。職務と利益相反になりうるとして大半の資産を手放すことを宣誓し、米上院から承認された。

しかし今回の取材で、タックスヘイブンである英領ケイマン諸島で、長官就任後も株を保有する複数の法人を通じて、海運会社「ナビゲーター」と利害関係を保っていたことがわかった。

ナビ社はロシアのガス石油化学会社「シバー」にガス輸送船を貸し出している。両社の取引が拡大すれば、ロス氏も利益を得る構図だった。

シバー社はロシアの元国営企業で、プーチン氏の娘婿が取締役を務めるなど、同国政府と密接な関係にある。大株主の実業家も米国の制裁対象で、米国企業は取引が禁じられている。

ICIJに対し、米商務省の報道官は「ロス長官は、ロシアなどへの米国の制裁政策を広く支えてきた。高い倫理基準を守っている」などと書面で回答したという。




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さらに新たに判明したパラダイス文書には、英国のエリザベス女王といった数々の著名人や、米アップル社など世界的に事業を展開する多国籍企業の名が載っていたという。

それによると、女王は05年、タックスヘイブンで有名な英領ケイマン諸島のファンドに750万ドル(約8億6千万円)の個人資産を投資。

3年後に36万ドル(約4100万円)の分配金の知らせを受け取った。
女王のお金はこのファンドを通じ、別の会社へ投資された。英国の家具レンタル・販売会社「ブライトハウス」を支配下に置く会社だ。



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ブライト社は、一括払いができない客に年率99・9%の高利を求める手法が、英国議会や消費者団体から批判を浴びていた。女王の資産は、英国内での運用は一部が明らかになっているが、英国外での運用は知られてこなかった。

女王の広報担当はICIJに「ブライト社へ投資されたことは知らなかった。女王は個人資産やその運用で得た所得税を納めている」とコメントした。



ローマ・カトリック教会の聖職者がバミューダ諸島に会社を持っていたことも文書でわかった。

メキシコ出身の故マルシアル・マシエル神父。「キリスト軍団」という修道会を創設し、「カトリック最大の資金貢献者」と称される一方で、神学生への性的虐待容疑で告発された人物だ。カトリック教会は、その資産を運用する団体がマネーロンダリング(資金洗浄)などの不正に長年かかわってきたと指摘されている。




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またヨルダン前国王の妻ヌール王妃は、英王室属領のジャージー島にある二つの信託会社から利益を得ていた。ブラジルの中央銀行総裁も務めたメイレレス財務相は、「慈善目的」でバミューダ諸島に財団を設立していた。




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文書からは「セレブ」の資産運用も垣間見える。米歌手のマドンナ氏は医療用品販売会社の株を持っているほか、ロック歌手ボノ氏は、マルタに登録された会社の株を所有していた。





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米投資家で、ICIJに慈善団体を通じて寄付しているジョージ・ソロス氏もタックスヘイブンに置いた組織の運営に関し、アップルビーを利用していた。
世界最大規模の米ネットオークションサイト「eBay」創設者のピエール・オミディア氏がケイマン諸島の金融商品を所有していることもわかった。




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最貧国の税収になるはずだった金が、グローバル企業の懐に蓄えられる構図も浮かび上がった。

ブルキナファソは世界最貧国の一つで、1人当たりの名目国民総所得は640ドル(約7万3千円)。ICIJの取材では、鉱山の地元の子どもは3人に1人が発育不良だという。地元の住民は「奴隷制度のミニチュア版だ」と話しているという。

パラダイス文書は、このように国境をまたぐネットワークを活用し税逃れする、巨大多国籍企業の実態を明らかにした。




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スポーツ大手ナイキは、世界的に知られる同社のロゴなどの商標権を持つペーパーカンパニーを、バミューダ諸島など米国以外に設立することで税逃れしていた。

米アップルは、アイルランドの子会社に利益を移して数億ドルを税逃れしていたことが13年5月、米議会上院の報告書で判明した。

パラダイス文書では、同社がその後、欧州やカリブ海地域で新たなペーパーカンパニーを作ることを模索していることがわかった。



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コペンハーゲン・ビジネススクールのブルック・ハリントン教授はICIJの取材に「タックスヘイブンが、豊かな人をより豊かに、貧しい人をより貧しくしている。我々が今直面している不平等さと不公平さは、フランス革命期ぐらいに達している」と指摘。

特権階級に対する市民の怒りが爆発した18世紀の革命の時代になぞらえた。







☆☆☆GGのつぶやき
人間の欲深さを垣間見る週初めとなった。
ただ許せないのは、慈善家面した輩や聖職者ぶった輩が裏で私腹を肥やしていることである。資産運用という名の隠れ蓑など、取り払ってしまえ!!



















































































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by my8686 | 2017-11-06 13:50 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「神鋼不正、新たに4件 子会社銅管ではJIS取り消し」を読み解く

日本の品質管理が揺らいでいる。

100年以上にわたり日本のインフラを支えてきた歴史を持つ「神戸製鋼所」。
東証一部上場の大手メーカーにあってはならない不祥事である。

いつから、どうして箍がはずれてしまったのか。



あらためて、この内容を読み解いてみよう。

神戸製鋼所は26日、子会社で生産する鋳物の検査データ改ざんなど新たに4件の不正が見つかったと発表した。
子会社の製品が日本工業規格(JIS)の認証を取り消されたことも公表した。



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これまで不正が判明していた製品の出荷先525社のうち、約8割にあたる437社で安全確認が進んだことも明らかにしたが、安全性の検証は道半ばだ。

新たな不正のうち3件は、子会社の神鋼造機(岐阜県大垣市)がつくる「鋳物」「減速機」と、子会社のコベルコ科研(神戸市)が試作した「合金」。データ改ざんや捏造がおこなわれた。

もう一つは、神鋼の機械事業部門による金属部材の表面加工処理で、加工品の測定データを改ざんした。
出荷先は計約10社。安全性はこれから確認する。さらにこれらとは別に、海外工場が出荷する建材向け鉄鋼製品で不正の疑いが浮上している。



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JIS認証取り消しとなったのは、子会社コベルコマテリアル銅管の秦野工場(神奈川県秦野市)がつくる銅管。
JIS認証を受けた国内外の工場のうち、秦野工場を除く19工場でも認証機関による調査が始まる。





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川崎博也会長兼社長は「(新たな取り消しは)100%ないとは言い切れない」という。
神鋼は昨年、グループ会社の製品でJIS認証を取り消されたばかり。同じグループで2年連続取り消しは初めてだ。

一方、神鋼は、不正製品の出荷先の約8割で、一定の安全性を確認したと発表。製品回収が必要なケースはないという。
だが、製品には出荷先から転売されたものも多い。追跡して確認を急ぐが、完了時期は見通せていない。さらに、確認対象は昨年9月から今年8月に出荷されたものにすぎない。

神鋼は26日付で、松井巌・元福岡高検検事長ら弁護士3人でつくる外部調査委員会を設置した。



さらに、近年の社歴をみてみよう。


2001年(平成13年)に新日本製鐵と鉄鋼事業で包括提携を結び、2002年(平成14年)からは住友金属工業を加えた三社提携戦略を取っている(前述2社は2012年10月に合併し、新日鐵住金となった)。
トップリーグ参加のラグビーチーム・コベルコスティーラーズは国内で屈指の強豪として知られる。



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さらに、社訓をみてみよう。


KOBELCOの3つの約束

神戸製鋼グループの社会に対する約束事であり、グループで共有する価値観。
①信頼される技術、製品、サービスを提供します。
②社員一人ひとりを活かし、グループの和を尊びます。
③たゆまぬ変革により、新たな価値を創造します。



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KOBELCOの6つの誓い

神戸製鋼グループに属する全社員がKOBELCOの3つの約束を果たすための誓い。
①高い倫理観とプロ意識の徹底
②優れた製品・サービスの提供
③働きやすい職場環境の実現
④地域社会との共生
⑤環境への貢献
⑥ステークホルダーの尊重







☆☆☆GGのつぶやき
りっぱな社訓をかかげながら、やっていることは三流以下である。
驕りなのか、隙なのか、箍が外れてしまったことは事実。
データ改ざんや捏造を漫然と繰り返していたことは、驚愕するとともに非常に悪質である。

























































































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by my8686 | 2017-10-27 14:35 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「独裁者とスズメ」を読み解く

日本の安倍一強政治継続が決定した。
中国においても2期目の習近平指導部が25日、発足した。



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中国共産党最高指導部の政治局常務委員(7人)には、これまでの5年間、習体制を支えてきた5人が新たに加わった。
政治局も含めた全体(25人)でみれば「習派」の存在が一層強まり、習氏の意向を反映しやすい態勢が着実に進んだといえる。



あらためて、本日の天声人語「独裁者とスズメ」を読み解いてみよう。


1950年代、中国の全土でスズメ撲滅運動が起きた。



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当時の指導者だった毛沢東の指示により、ネズミ、ハエ、カと並ぶ「四害」とされた。

穀物をついばみ、人間の食糧を減らすというのが理由。
人海戦術で追い回し、殺していった。





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スズメは害虫も退治してくれると、分かっていた科学者はいただろうに。

理不尽な指示でも歯止めがきかなかったのは毛沢東の個人独裁ゆえか。
害虫が大量に発生し、収穫を減らしてしまったという。

同じく毛沢東が率いた文化大革命も人々を混乱に陥れた。個人独裁、個人崇拝の反省の上に、その後の集団指導体制がある。




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そう思っていたら、どうも雲行きが怪しい。

共産党の憲法にあたる規約に、習近平総書記の名を冠した思想が盛り込まれた。
存命中の指導者としては毛沢東以来という。




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腐敗撲滅で人気を得たのは分からぬでもないが、習氏を礼賛する歌が街角で歌われるとなると異様である。
そんな指導者の下、経済も軍事も強国になるという。

昨年の中国出張の際、経済学者に取材を申し込んだが断られた。どうも経済情勢が思わしくないので話をしたくないらしい。

不調の時こそ彼らの出番なのに。外国人記者を避けるだけならまだしも、提言やチェックが全く機能しない社会だとすれば、強さは生まれない。





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貧富の差は米国以上という不思議な社会主義国である。体制維持のために強いリーダーを演出し、強国という愛国心に訴える。隣にいるのは、どこか危うさをはらむ指導者である。








☆☆☆GGのつぶやき
どこか危うさをはらむ指導者は、中国ばかりではあるまい。
安倍政権も毛沢東が歩んだ箍の外れた愚行だけは、避けてもらいたい。

























































































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by my8686 | 2017-10-26 11:13 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「自民、公明両党  定数「3分の2」(310議席)維持、与党大勝」を読み解く

第48回衆院選は22日投開票され、自民、公明両党で定数の「3分の2」(310議席)を維持し、与党が大勝した。

自民党は国会運営を有利に進められる「絶対安定多数」(261議席)を確保し、安倍首相が勝敗ラインとしてきた「自公で過半数維持」を大きく超えたことで、首相は続投する。




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一方、枝野幸男・元官房長官が立ち上げた立憲民主党は公示前勢力の15議席から大きく躍進して野党第1党となった。




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しかし、小池東京都知事率いる「希望の党」は公示前勢力を割り込み失速し、共産党と日本維新の会はともに議席を減らし、社民党は小選挙区で1議席を得た。





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小選挙区の投票率は、戦後最低となった前回2014年衆院選の投票率52・66%に次ぐ低さだという。

一強政治がまたまた繰り返されるのであろうか。


さらに、A新聞社のコラムが胸をついた。
その概要を読んでみよう。

昨夜は、安倍首相には久々の安堵の表情が浮かんだことであろう。「謙虚に向き合う」と語ったが、自信を取り戻したようにも見える。

公示日は別人のようだった。映像を見ると、演説中の目に不安の影がうかがえた。地元産米のおにぎりをほおばる表情もこわばっていた。

吉凶どちらに転ぶか、解散前後の情勢は混沌としていた。夏の都議選で浴びた「辞めろ」のヤジを避けるには、静穏な農村を選ぶほかなかったのであろう。




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近年これほど敵失が勝負を決めた選挙があっただろうか。野球で言えば、安倍投手の防御率は悪化していた。相手は準備不足とみて勝手に試合を始める。

思わぬ強打者が出てきて素振りをするが、打席には入らずじまい。そのうち敵陣で内輪もめが起きる。そんな試合を見せられた気がする。




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思い違いをされないよう首相には念を押したい。勝因は首相ではない。
浮足立った野党に助けられただけである。選挙が終わると急に権高になる首相の癖を有権者は忘れていない。




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☆☆☆GGのつぶやき
大義なき総選挙ながら、野党第1党の選抜戦と化した総選挙であった。





























































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by my8686 | 2017-10-23 13:13 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「2017衆院選-問題だらけの経済政策」を読み解く

安倍首相が衆院を解散すると表明した。その大義が取沙汰される中、消費税の増税で得られる税収の使い道を変え、教育無償化などにあてるという。
臨時国会で森友・加計問題を追及され、支持率が急落した通常国会の再現となるのを回避したと勘繰らざるをえない。




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アベノミクスも、民進党の「All for All」も、中途半端だと説く学者の経済政策のあり方について、耳をかたむけてみよう。



その学者とは、立命館大学教授・松尾匡氏である。

■松尾匡
1964年生まれ。専門は理論経済学。
久留米大学教授を経て現職。著書に「この経済政策が民主主義を救う」「不況は人災です!」など。




彼の一問一答を読み解いてみよう。

 ――安倍首相が解散する意向を表明し、消費税を予定通り増税すると言いました。民進党も、消費税を上げる考えでは、同じ方向を向いています。


自民も民進も間違っています。いま消費税を上げるべきでない。むしろ景気拡大が不十分なら消費税の減税こそが必要です。代わりに法人税や財産所得を含めた所得税の累進率を上げればいい。

消費税は貧しい人ほど、実質的に負担が重くなります。また、ある産業部門に重い税金をかけると、その部門の雇用は縮小します。税金のかけ方で、どの部門の雇用を増やし、どの部門を減らすかを調節できるわけです。
すると消費税増税は、生活に必要な財をつくる部門全体を縮小させる。つまり大衆の生活条件を抑制するのです。それがいいことなのか。


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 ――消費税は国にとっては、税収が安定的なのではないですか。

それは財務省の論理です。税収安定は、財務省にとっては合理的でしょうが、税の経済安定機能を重視する立場からみればおかしい。
本来、税は、景気が良くなれば税収が増え、自動的な増税になって、景気の行き過ぎを抑える。景気が悪くなれば税収が減り、自動的な減税になって景気を浮揚させる。

しかし消費税は景気がよくなると税負担が軽い半面、景気が悪くなると、税負担が重くなって景気の足を引っ張る。税の機能を損ない、景気にもマイナスです。



 ――アベノミクスは首相が5年前に約束したような高い成長を実現できず、低成長です。

安倍政権は、事実上、緊縮財政になっているからです。最初1年くらいは公共事業を増やしていましたが、その後は頭打ちです。
国内総生産(GDP)もほぼ横ばいになってしまった。緩和マネーは銀行にためこまれるだけでした。このお金が有効に使われていれば、景気が拡大し、もっと早くゴールにたどりついたはずです。



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 ――アベノミクスが中途半端だということですか? 財政出動の規模が足りなかった、と。

規模も途中から足らなくなったし、使い道もよくなかった。安倍政権の政府支出は、旧来型の公共事業でした。
今後、東京五輪で首都圏は特需で沸くかもしれませんが、地方には波及しない。少子化が進み、昔と違って地方から都市への労働力移動は少ない。首都圏が大変な人手不足で、地方は失業者が残ることになる。

首都圏の景気が過熱すれば、インフレを抑えるために金融引き締めになるかもしれない。そうなれば地方経済はさらに衰退します。金融政策は全国一律なので、中央と地方の格差に対処できない。たとえれば、EUで起きていることが日本で起きるわけです。首都圏が一人勝ちのドイツで、地方がギリシャになっていく。




 ――しかし、財政出動を増やせば次世代へのつけ回しがさらに増えます。いま国の借金は1千兆円以上。財政再建が必要では。

この間、政府が発行した国債を全部返す必要はないんです。日銀が出すお金が増えていけば、日銀が買って金庫に入れっぱなしにする国債が増えていくことになります。
その国債は満期が来たら借り換えればいいので、返さなくていいのと同じ。いま国債の4割以上を日銀がもっていますから、政府の借金は一般に思われているよりはずっと少ないんです。

返す必要があるのは、民間にある国債と、将来インフレを抑えるために日銀が一部売りに出す国債です。その財源は、将来的に富裕層を中心に増税すればいい。



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 ――ただ、通貨の番人である日銀に負担をおわせ続けると、通貨の信認が失われませんか。円が暴落すれば、物価が急上昇し、結局、経済が破綻してしまいます。

信認が失われるというのは、円や国債価格が暴落するということですが、全くそうなっていない。
北朝鮮のミサイル発射のようなことが起きたとき、円の信認が下がっていれば円安になるはずですが、逆に円高になっている。それくらい信用されているんです。



 ――そもそも、経済政策で本当に成長できるのでしょうか。

長期の成長、つまり経済の天井を上げることは、経済政策の対象になりにくい。しかし、アベノミクスの成長戦略はこの長期の成長を標榜するもの。規制緩和で競争をあおり、供給力を増やすというお話ですが、むしろ労働者に負担を強いてしまいます。




 ――「長期の成長」とはどういうことですか。

成長には、長期と短期の二つがあります。長期的成長は供給能力の拡大です。労働生産性を上げるとか、労働人口が増えるとか、そういう意味での成長ですね。

短期的成長は、需要、すなわちものを買う力の拡大です。需要が増えていけば、それに合わせて生産も雇用も増えていく。

需要を増やし、失業者を減らす短期の成長は可能だし必要です。安倍政権の財政運営は、その課題に背いてきました。




 ――民進党の前原誠司代表とブレーンの井手英策・慶応大教授が掲げる経済政策はどうですか。

経済成長しないという前提に立っているように受け止められているのが大きな問題です。



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 ――日本は人口減と高齢化で、成長は難しくなっているのではないですか。

少子高齢化で成長できないといわれるのは長期の方です。完全雇用で失業者がいなくなると、需要が拡大しても供給をそれ以上増やすことができない。いわば経済の天井にぶつかる。労働人口が減少している以上、長期の成長は難しいという見方はありえる。

他方、短期の成長がないと、格差や貧困が生じ、自殺する人も出る。人の生き死ににかかわることです。短期の成長は何よりも実現しなくてはいけないのですが、前原さんの政策は、それを否定するように受け止められかねない。




 ――民進党は、成長に頼らず、税などの負担増で生活保障を充実させる「脱成長」路線です。

民主党政権下の不況で人々は苦しめられてきました。安倍政権下で雇用は拡大に転じた。たとえ非正規の不安定な雇用であろうと、今まで職がなくて苦しんできた人からすると、仕事につけたことは大変な喜びでしょう。
あの不況の時代には戻りたくない人たちが、安倍政権を支持している。民進党はそこが分かっていない。野党側が成長は求めませんという立場で選挙をしても、GDP600兆円を目標に掲げる政権与党にとても勝てません。





 ――前原さんは「All for All」という理念を掲げ、みんなでみんなを支え合う、というコンセプトです。

長期不況で、かつては中流だった層が没落している。一部の人ではなく、みんなを対象にする福祉や再分配が必要だというのは正しい。しかし、それを『みんなで支える』というのは疑問ですね。




 ――なぜですか。

みんなで助け合いましょうというのは、階級の分断という現実を覆い隠すことになるからです。現実の社会は富裕層とそうではない人に二極分解している。国全体をひとつの共同体と見なすのは、安倍さんが、日本を一つの共同体としてまとめていこうというのと似たところがあると思います。
本来、負担すべきなのは、富裕層であり、大企業です。それでも足りなければ、他の人も負担しましょうという順番であるべきです。

短期の成長、つまり総需要の拡大は、経済政策で十分に実現できます。それによって失業者を減らし、貧困をなくすことができる。
しかし、脱成長をいう人は、総需要拡大政策までも時代遅れのように位置づけてしまう。これでは安倍政権を利するだけです。



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 ――では松尾さんなら、安倍政権へのどんな対案を掲げますか。

緩和マネーを使って、経済のどの部門を中心にして拡大させていくのか。そこのビジョンの違いを安倍政権への対抗軸にしていくべきです。
東京五輪やカジノではなく、福祉や教育、子育てなど、人々の生活の役に立つ部門で雇用が拡大していくようにお金を使っていく。それによって総需要を拡大し、短期の成長を実現する。




 ――自民党も、消費増税分の一部を教育無償化などに振り向けると方針転換しています。

選挙に勝つためとはいえ、安倍さんは国民の望むものをよくわかっていると思います。ただ、消費増税分を財源にするのは矛盾しています。
デフレから脱却していない状態で消費税を上げると、景気が減速する。家計が苦しくなって、子づくりや教育にお金をかける余裕がなくなる。
その状態で国が教育に予算を振り向けても、効果は思ったほど出ないでしょう。








☆☆☆GGのつぶやき
さらに、疑問が湧く。
日銀総裁の黒田総裁は来春で5年の任期を迎え、あと半年に迫る「総裁人事」の行方に注目が集まっている。衆院解散、総選挙に向けて動き出した首相の安倍晋三が、選挙で勝利し、政権基盤が安定化すれば、日銀人事を決めるのは名実ともに安倍ということになる。

市場では、すでに安倍は、黒田を続投させるのではないか、との観測が広がっている。その舞台裏と異次元金融緩和を導入した黒田日銀の罪は深い。 

「企業は、名目賃金が上がった分を製品価格に転嫁することに慎重だ」
「足元の物価や賃金の上昇が、現行政策を導入した時の期待に比べてやや遅れているのは事実」

金融政策決定会合を終えた9月21日の記者会見で、「この1年間で最大の誤算は何か」と問われたことへの黒田総裁の答えだ。黒田総裁の口ぶりは、どことなく投げやりで、表情には疲れがにじんでいた。

日銀は今年7月の「展望レポート」でデフレ脱却の目標として掲げてきた消費者物価上昇率2%の達成時期を「19年度ごろ」と予想し、再び先送りした。デフレ脱却への道筋は視界不良のままなのである。








































































































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by my8686 | 2017-09-27 10:01 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)