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Stained glass of Gerhard Richter

「ギリシャ・ショック」がまた世界の金融市場を駆け巡った。
29日は日本だけでなく上海や欧米でも株価が大きく下落。
為替相場はユーロ安が進んだ。
市場では大きく相場が崩れるとの見方は少ないが、ギリシャの国民投票が予定される7月5日までは不安定な値動きが続きそうだという。


それはさておき、ゲルハルト・リヒターデザインによるケルン大聖堂の窓をみてみよう。

2007年8月26日より大聖堂の南の窓が公開されている。


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第二次世界大戦中の爆撃によって大聖堂の南の窓が破壊されると、一旦はWilhelm Teuwen氏がデザインした窓が取り付けられたが、この窓は透過する光の眩しさのため機能不十分だと考えられた。
ケルン大聖堂中央建築協会総会は新しいデザインに20世紀のカトリック殉教者の具象的な肖像を希望し、この仕事に2001年に最初に着手したリヒターは国家社会主義の犠牲者の処刑シーンを映した古い写真に基づく2つの小さなデザインを考案した。

しかしリヒターはこの非常に残酷なシーンはモチーフとして不適切であり他の歴史的なモチーフは時代にそぐわないと考えはじめた。
新たに考案されたリヒターのデザインは中世の数学的意匠による抽象的な模様と彼自身の用いた幾何学的な構成とを結合するものであった。



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新たな窓はそれぞれが9.6平方センチメートルの色のついた正方形のガラス11500枚から成り、複雑な直角の格子模様を生み出している。
またリヒターが選んだ72色は、大聖堂の中世のガラスにも使われており、新しい窓を教会の内装の配色に調和させると思われた。



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ステンドグラスの各部分を分けるのに伝統的に用いられた鉛の桟は2mmあまりの黒のシリコーンに置き換えられている。
色の配置はMike Karstens氏の開発したコンピューターの乱数発生プログラムによりランダムに決定された。
この配置はランダムでありながら最大限の無秩序を生み出すために慎重に組織されている。
それゆえ壮大かつ豊富な色の印象を与えるが、同時に厳格に直角な格子模様がカラフルな混沌に高度な調和を添えている。
この色配置の法則は1966年から1974年に製作されたリヒターの商業カラーチャートに基づいた初期のパネル絵にさかのぼる。



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彼のデザインはとくにケルンの聖職者たちの間で論争の主題となった。
反対派の中では彼のデザインはしばしば過度に現代的、抽象的であり、ゆえに大聖堂には合わないと考えれ、具象的で物語的な描写が推奨された。



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しかし伝統的にはステンドグラス窓が必ずしも具象的なシンボルを描写をする必要はなかった。

ケルン大聖堂は19世紀20世紀に製作された窓のほかに、1260年から1562年に製作された43のステンドグラス窓を有している。
これらは計4100枚のガラスから成り、そのうち1500枚が具象的なモチーフを表現しているが、残りのガラスは程度の差こそあるが装飾的なものであり、植物をモチーフにしたものや抽象的で幾何学的なパターンを用いているものがある。



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また注目すべきは、内陣の南と北の3つの採光用窓である。
これらの頂点近くにはリヒターのデザインに類似した小さな四角からなる格子模様の丸窓があしらわれているのが見られる。
これらは1300年くらいに製作されたものであるが、この点にリヒターは気づいてなかったという。




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リヒターのデザインした窓について、2006年にケルン大聖堂主席司祭であるNorbert Feldhoff氏は「生命を吹き込み、活気付け、瞑想を促進し、わたしたちに宗教を受容する空気を作る」と述べている。




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☆☆☆やんジーのつぶやき
混沌と厳格。
リヒターが選んだ72色に興味が湧く。
生命を吹き込み、活気付け、瞑想を促進し、宗教を受容させる空間に官能を委ねてみよう。































































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by my8686 | 2015-06-30 11:48 | ぶらぶらアート観賞 | Trackback | Comments(0)

ギリシャ、資本規制を導入 29日から銀行休業

ギリシャのチプラス首相は28日夜、国民向けにテレビ演説し、29日から銀行を休業させ、資本規制を導入すると発表した。
欧州中央銀行(ECB)が28日に資金繰り支援見送りを決めたことで、首相は「ギリシャ中銀が銀行を休業させ、預金の引き出しを制限するよう要請してきた」と明らかにした。
いつまで続けるかの期間や、資本規制の具体的な内容には触れなかった。


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一方で、7月5日に予定する国民投票までの間、欧州連合(EU)やECBに支援プログラムを継続するよう改めて要請したことを明らかにした。
首相は「私は民主主義に基づいた声への(債権者側の)答えを待っている」と語った。



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ギリシャの銀行は預金流出が加速しているうえ、景気低迷で不良債権は増え、資産内容は急速に悪化している。
28日に欧州中央銀行(ECB)が資金供給の上限枠は引き上げないと決めたことで、流動性が細り、企業への資金供給機能がマヒする可能性もある。



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銀行の預金残高は1月にチプラス政権が発足した後、減少傾向を続けている。
ギリシャ中央銀行によると、2014年12月から15年5月までに預金全体の約2割にあたる約300億ユーロが流出。
5月末の残高は約1300億ユーロと、過去10年で最低水準に落ち込んだ。
債権団との交渉に不透明感が増した6月後半から流出ペースが加速している。



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年内は不良債権が増え続けるとの見方がもっぱらだ。大手行は多額のギリシャ国債を保有している。
仮に将来、ECBがギリシャ債の担保価値引き下げや不良債権処理を迫れば、銀行が多額の損失を計上して融資継続が困難になり、国内企業が連鎖倒産する事態も現実になりかねない。




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(20150629 http://www.nikkei.comより抜粋)










☆☆☆やんジーのつぶやき
ユーロ圏崩壊の前兆とみるべきだろう。
ギリシャは一刻も早くユーロを離脱し蘇生の道をみつけるべきだ。
賽はすでに投げられた。



















































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by my8686 | 2015-06-29 09:44 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

いなしの智恵

日曜の早朝、ドリップコーヒーを飲みながら録りためたTV番組を観る。

五木寛之の対談番組「風のcafe」。
ゲストは、涌井雅之氏。


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造園家。ランドスケープアーキテクト。東京都市大学環境学部教授。
1945年、神奈川県生まれ。東京農業大学農学部造園学科出身。
造園会社「石勝エクステリア」設立。
2005年「愛・地球博」会場の総合演出プロデューサー、2010年「国連生物多様性の10年日本委員会」委員長代理を務める。
現在、東京都市大学環境学部教授の他、岐阜県立森林文化アカデミー学長、中部大学客員教授等要職多数。
TBSテレビ『サンデーモーニング』、毎日放送『ちちんぷいぷい』等のコメンテーターとしても出演、活躍している。


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話題は、五木の「下山の思想」から涌井の「いなしの智慧」へ。


あらためて、いなしの智恵 日本社会は「自然と寄り添い」発展する (ベスト新書)のカスタマーレビューを読んでみよう。


■逃げて、いなして、分かるほんとうの豊かさ

TBS日曜朝のニュース番組『サンデーモーニング』を欠かさず観ています。
出演者は週替わりのようですが、なかに「造園家・大学教授」というユニークな肩書きを持つコメンテーターがいらっしゃいます。
それが本書の著者涌井雅之氏です。

「自然」というものは女性と同様、美しいが、つき合い方は非常に難しい――」。
冒頭から得意の比喩が披露されます。
しかし読み進めていくとそれは単なる比喩で終わらず、見事な「日本人論」として展開されていきます。


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日本は豊かな自然に恵まれているが自然災害も多い。
急峻な地形の自然は美しいがときには牙をむいて人間社会に襲いかかってくる。
だから日本人は、自然の脅威を上手くかわしながら、自然とともに生きる術を模索してきた。

それは気性の荒い自然を「いなす」という方法だ。
その「いなし」の智恵は、洪水などの災害対策だけでなく、五重塔や東京スカイツリーといった建築物にも生かされ、さらに里山のような循環型の生活システムを作りあげた。


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そして(ちょっといい加減なところはあるものの)しなやかで強靱な精神を持つ「日本人」を育んでいった……。



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具体的な例を挙げながら展開される「いなし」の話はどれも興味深く、うなづかされることが多い。



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例えば、雨水をコントロールするために造られた「棚田」は素晴らしい農村風景を作り上げ、それが「田毎(たごと)の月」という風情あることばを生み、それを芭蕉や一茶が俳句に詠んだ……というくだりなどを読むと、荒れ地を開墾し、水田風景を文化遺産にまで高めていったいにしえ人が愛おしく思えてきます。




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江戸の町の話も面白い。
張り巡らされた水路を使い汚穢船が下肥を集めて廻る。
それを近郊農家に運びこむ。
その下肥で育った新鮮な野菜を帰り船に乗せ、江戸の町に戻ってくる。
「大家は店子の糞で持ち」といった川柳も紹介されていますが、江戸は循環型の「自然共生都市」として完成された町だったというのがこの例でもよく分かります。


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「坂の上の雲」を目指してきた日本は、登りつめた頂から山を下りる時代にある。
そのことは本書でも再三指摘されています。
分かってはいても経済大国実現を目指して必死に闘ってきた世代にとって「下りる」という言葉はつらく響くことでしょう。
でも、それを「ひと休み」「成熟へ」「日本人らしい生き方へ」といった言葉に置き換えてみたらどうでしょう。
それは誤魔化しではないはずです。
「どのようにして豊かに生きるか」を模索する道程なのですから。
それも「いなし」の智恵と言っていいのではないでしょうか。
日本人ってけっこうやるじゃん! 
これが読後の感想。






☆☆☆やんジーのつぶやき
道理の通らぬ強い力には真正面から向き合わない。
想像を絶する強い力は、いなす。
うまく自然と共存し生きてゆく智慧なのだろう。




































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by my8686 | 2015-06-28 19:27 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

映画『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』(原題:Locke)

土曜の早朝、気になる映画情報が目にとまった。





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『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』(原題:Locke)。




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スティーヴン・ナイト監督・脚本による2013年のイギリスのドラマ映画。



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映画評論家・秋山登のコメントをみてみよう。


極めて特異な形式の作品である。
スクリーンに登場するのはたった1人、あとは何人かの声のみ。
しかも映し出されるのはほぼ、夜のハイウェイを急ぐ車の運転席に限られている。

この実験的な野心作が殊の外面白い。
一介の市井人の話なのに。カーチェイスも銃撃戦もないのに。






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大手建設会社の現場監督ロック(トム・ハーディ)は、その夜、翌朝に控える大仕事の準備を放り出し、妻と2人の息子とのサッカー観戦の約束を破り、ロンドンへ向かうハイウェイを愛車で突っ走る。

脚本、監督はスティーヴン・ナイト。
物語は、自動車電話で、ほとんどリアルタイムで展開される。

ロックは、彼の仕事の代理を部下に言いつける。
そして、妻に事情を打ち明ける。先のロンドン出張である女性と一夜の過ちを犯したこと、これから彼女の出産に立ち会うことを。

ナイトの語り口は実に鮮やかだ。
時に、息苦しいほどの緊迫感を漂わせ、時に、にじむ街の灯、車のライトに詩趣を醸す。







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わけても見事なのは、声だけの人物の表情や行動を如実に観客の脳裏に焼きつけることである。
夫の告白にトイレで吐き、閉じこもる妻、愛の一言をと男に迫る孤独な妊婦、大役の重圧に酒に手を出す部下……。

ハーディが渋い。
沈着で堅実で責任感の強い男。その潔さにほれぼれする。

いや、待てよ。
果たして彼はヒーローなのか。
彼は、「正しいこと」をして、職も家庭も失う。
この時、彼の妻は夫を、息子たちは父を失う。
人生とは何と皮肉なものか――。

これは〈喪失〉について考えさせる作品である。







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第16回英国インディペンデント映画賞脚本賞(スティーヴン・ナイト)
第40回ロサンゼルス映画批評家協会賞主演男優賞(トム・ハーディ)
第27回ヨーロッパ映画賞編集賞(ジャスティン・ライト)






あらためて、あらすじをみてみよう。

バーミンガムで建設工事の現場監督を務めるアイヴァン・ロックは、7か月前に一夜限りの関係を持った同僚のベサンが早期分娩の危機にあることを知る。
翌日にはコンクリートの大量搬入が予定され、自宅では妻と息子たちがサッカー観戦のために彼の帰宅を待ちわびているが、ベサンの出産に立ち会うため、ロックはロンドンへ向かう。






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子供の頃に父に見捨てられ、いまだに父を許していないロックは、自分は父と同じ過ちを犯すまい、と心に決めている。

ロンドンへ向かう2時間のドライヴの最中、後部座席に父を幻視したロックは、しばし彼と言葉を交わす。
また、元同僚のドナルには翌日に控えた仕事の手順を電話で教えるが、上司はロックに解雇を告げる。







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さらに、ロックの不倫を知った妻は彼を家から追い出すという。
やがて、病院が間近に迫る中、ロックはベサンが無事に娘を出産したことを知る。












☆☆☆やんジーのつぶやき
若い時に感じた沢山の喪失感。
その繰り返しの人生だったような気がする。
だからこそ・・・今あるこの充実感がとても貴重だと思える。





















































































































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by my8686 | 2015-06-27 08:06 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

Aston Martin DB9 GT

2014年度の国の一般会計の税収額が、約54兆円にのぼることが25日、明らかになった。
消費税率を8%に引き上げて税収が増えたうえ、企業業績が好調で法人税収も増えた。
54・1兆円を記録したバブル崩壊後の1993年度以来、21年ぶりの高水準になる。

税収額は財務省が今年1月時点で見積もった51・7兆円を上回り、消費税率を5%に上げた97年度(53・9兆円)も超えた。

13年度と比べると7兆円の税収増で、半分強は消費税率引き上げによるもの。
さらに円安で企業収益が上向き、法人税収は1月時点で見積もった10・5兆円から上ぶれした。
株式市場の活況を背景に、個人による株式売買や配当で得たもうけにかかる所得税収入も増えた。
今年1月の相続税の増税を前に「駆け込み」で財産の贈与をした人が増えたことも税収を押し上げた。

政府は20年度までの財政健全化の目標を盛り込んだ「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)を今月末に閣議決定する。
足元の税収増はプラス材料だが、一方で歳出削減が進まなくなるおそれも指摘される。
(2015.06.26朝日新聞より抜粋)


まことに景気の良い話である。

それはさておき、アストンマーティンGTクーペ「DB9」のハイパワーモデル「DB9 GT」についてみてみよう。

アストンマーティンは、GTクーペ「DB9」のハイパワーモデル「DB9 GT」を、まもなく開催されるグッドウッド フェスティバル オブ スピードで公開することをあきらかにした。
あわせて既存モデルにも2016年モデルとして改良がくわえられる。


■V12エンジンに改良をほどこし30psアップ

今週開催されるグッドウッド フェスティバル オブ スピードにおいて、2012年のパリモーターショーで登場した現行「DB9」の上級モデル「DB9 GT」がワールドプレミアをはたす。


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DB9 GTは、リファインされたオールアロイ製の6.0リッターV12エンジンを搭載。
最高出力はDB9より30psアップの547ps/6,750rpm、最大トルクはかわらず620Nm/5,500rpmを発揮し、6段ATであるタッチロトニックIIが組み合わされる。
0-62mph(およそ99.7km/h)の加速性能4.5秒、最高速度は183mph(およそ310km/h)を誇る。


外観上DB9とおおきな変更はないようにみえるが、ブラックのスプリッターやディフューザー、リデザインされたヘッドライトとテールランプ、新意匠の10本スポークのアロイホイール、ブラックの酸化コーティングされたブレーキ キャリパーなど、細かい点でDBとDB9 GTの差別化がはかられている。


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また、リアにGTバッジがあしらわれ、給油口キャップにはGTマークが刻まれる。


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インテリアにおいては、インフォテイメントシステムとして新型の「AMi II」タッチセンサー式が採用された。





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これは「ヴァンキッシュ」の登場とともにデビューした「AMi」に改良をくわえた最新式のシステム。
車両データをリアルタイムにビジュアル表示ができる機能や、USBポート、Bluetoothオーディオストリーミングに対応するなど、モダイナイズされている。




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2+2シーターという設計はそのままだが、シートには特別に“GT”の刺繍がほどこされ、イリジウム トリム パッケージとアルカンターラ巻きのステアリング ホイール(クーペのみ)がそなわる。
また、インテリアにかんするオプションは豊富に用意。




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たとえば、アイスモカとカッパーのセンターコンソール フィニッシュ、デュオトーンのレザーシート、限定モデル「one-77」から発想を得たデザインのステアリングホイールを選ぶこともできる。



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DB9 GTは世界中で受注が開始され、英国での価格は14万ポンド、ドイツでは18万7,000ユーロ、アメリカでは19万9,950ドル。
日本円になおすとおよそ2,500-2,700万円前後という設定だ。


Aston Martin DB9 GT|アストンマーティン DB9 GT
ボディサイズ|全長 4,720 × 全幅 2,061(ミラー含む) × 全高 1,282 mm
ホイールベース|2,740 mm
重量|(クーペ)1,785 kg   (ヴォランテ)1,890 kg
エンジン|5,935 cc V型12気筒 48バルブ
最高出力| 540 bhp(547 ps)/ 6,750 rpm
最大トルク|620 Nm/ 5,500 rpm
トランスミッション|6段オートマチック(Touchtronic II)
駆動方式|FR
サスペンション 前|ダブルウィッシュボーン
サスペンション 後|ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前|φ398mm ベンチレーテッドディスク
ブレーキ 後|φ360mm ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後|245/35R20 / 295/30R20
0-100km/h加速|4.5 秒
最高速度|295 km/h?
燃費(NEDC)|14.3 ?/100km(およそ7.0km/?)
CO2排出量|333 g/km?
価格|14万ポンド以上







☆☆☆やんジーのつぶやき
アストンマーチンの佇まいが好きだ。
成熟した大人のためのスポーツカー。
健全なる身体に健全なる魂が宿る。

















































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by my8686 | 2015-06-26 13:09 | スポーツカーが、やっぱり好きだ。 | Trackback | Comments(0)

Beyeler Foundation Museum of Richter Exhibition

世の中、27年3カ月ぶりに10営業日続けて値上がりした日経平均株価の話題で大盛り上がりしている。
堅調な企業業績と円安を好感して買い注文が膨らみ、バブル期以来の「10連騰」となった。

相場が盛り上がった13年初めからの累計で、2億円弱をもうけた「億り人」も続出。
「アベノミクスに乗り遅れず、投資家として生き延びられた。」と複雑な安堵感と悦びに浸る。

欲を出し過ぎて倒けぬようご注意あれ。


さてそれはさておき、ドイツ人画家ゲルハルト・リヒターの展覧会がバーゼル・バイエラー財団美術館で昨年開催された。
リヒター展はこれまでにも数多く行われてきたが、この展覧会はひと味違った。
有名なキュレーター、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト氏の企画は、巨匠の創作の「分裂症的」側面に光を当て、これこそがリヒターの成功の鍵ではないかと示唆した。


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あらためて、キュレーターを務めたオブリスト氏とリヒターの対話をふりかえりながら作品を見直してみよう。


50年以上も活動してきたリヒターのように、用いる技法や作風が極めて多岐にわたるアーティストというものは「混乱」を招きやすい。



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一見、統一性がないように見えることさえある。
しかも、リヒターの評価が高まったのは「フォト・ペインティング」や、グレーの濃淡からなるモノクローム絵画、ぼやけた線、絵の具をなすりつける手法などによってで、いわゆる「偉大な芸術」とは違っていた。


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「質の高いものには全て、時代を超越したところがある」と、2011年にロンドン・テート美術館で催された展覧会でリヒターは語った。
「そこにないものを見せるのが絵画だ」



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リヒターのトレードマークと言える不鮮明でぼやけた輪郭は、一種の切迫感を表している。
それはまるで、人物たちの姿を消しつつ、時間を溶解させようとしているかのようだ。




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美術市場の頂点に立つアーティストにしては珍しく、リヒターは現代美術に対して辛口だ。
ある記者会見では「アートは変わりつつある」と語り、「出回っているものの7割はゴミだ」と付け加えた。



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傑作かどうかを判断する基準はもはや存在しないとリヒターは説明した。モナリザのように、芸術作品の質を判断する基準となる、これまでのような規範がなくなってしまったからだ。




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「分裂症的」とさえ呼ばれかねないリヒターの探求心が、彼を美術界の英雄の地位に押し上げた。
ひょっとすると、(アートにおける)新時代の規範とはそういうものなのかもしれない。つまり、芸術家が時代の鏡となり、新たな技術の持つ可能性をいつまでも受け止め続ける能力だ。




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バーゼルではリヒターに対し、自分の絵画に付けられた桁外れの値段についてどう思うかという質問が寄せられた。
リヒターは「嬉しい」と答え、愉快そうにこう付け加えた。
「大金持ちもやがては死ぬ。彼らの買った絵もそのうち美術館に収められ、誰でも見られるようになるかもしれない」


キュレーションは芸術を追いかける。
それはいつの時代も変わらないと思う。
確かヨーゼフ・ボイスが、現代は芸術の概念が拡大していると言ったことがある。
それは、キュレーションの概念の拡大にもつながる。
私にとっては、芸術と文学や音楽との関連性を示す形で展覧会を企画することが重要だし、そこに興味がある。
私が非常に刺激を受けた人物に、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の創始者であるセルゲイ・ディアギレフというロシア人興行師がいる。
ディアギレフは最初のうち絵画の展覧会のキュレーションを行っていたが、やがてバレエ・リュスを率い、作曲家ストラヴィンスキーや、芸術家ピカソ、そして当時の名ダンサーや振付師を集めた。
それが私の展覧会の多くに影響を与えている。
常に変わることがないのは芸術家との対話だ。
全てはこの対話から始まる。







☆☆☆やんジーのつぶやき
2013年5月、オークションで絵画「ミラノのドゥオーモ広場/Domplatz, Mailand」(1968年)が3700万ドルで落札され、リヒターは自らの記録を更新した。
83歳のドイツ人画家リヒターの生き様こそ、やんジーの鏡だ。





















































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by my8686 | 2015-06-25 15:34 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

新国立競技場

紆余曲折した新国立競技場建設に最終結論が出たようだ。

2020年東京五輪・パラリンピックで主会場となる新国立競技場の建設で、文部科学省が、屋根を支える2本の巨大なアーチを残すなど現行のデザインのまま、大手ゼネコン2社と今月末にも契約を結ぶ方針を固めたことが23日分かった。
総工費は基本設計時の1625億円から900億円ほど膨らむ見通しだという。



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文科省や事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は、7月に業者への発注を始め、10月に着工、19年春完成と、同年秋のラグビー・ワールドカップに間に合わせる現行計画通りの工程を見込む。
関係者によると、総工費は昨年5月の基本設計時から大幅に膨らみ、2500億円台前半で2社と最終調整している。

現行のデザインは3年前の国際コンペで選ばれた建築家のザハ・ハディド氏の作品が基。



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しかし総工費が3千億円に膨らむとの試算が出て、基本設計の段階で延べ床面積を約2割縮小した。
2本のアーチが長さ400メートル近くあるため、一部の専門家からは技術的に難しく、建設費が膨らんで工期が延びるとして、見直しを求める声が出ていた。



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だが政府関係者によると、コンペで選ばれたことや、デザインを見直すと目標の19年春に間に合わないことから、巨大アーチの維持を決めたという。
一方、工期を短縮するため、開閉式屋根の設置は五輪後に先送りし、常設席も8万席から6万5千席に減らす。


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文科省やJSCは、大会組織委員会の森喜朗会長、舛添要一東京都知事らが集まる29日の組織委の調整会議でこの件を報告する。
費用負担を留保している都に対しては契約締結後に改めて協議したいとしている。
(2015.06.24朝日新聞より抜粋)


2012年7月13日に、国立競技場将来構想有識者会議が国際コンペの実施を決定。
同年、「新国立競技場基本構想国際デザインコンクール」と題したコンペティションを開催。

周辺に明治神宮野球場や東京体育館、秩父宮ラグビー場といったスポーツ施設が乱立する明治神宮外苑の狭いスペースに8万人収容スペックのキャパシティーを無理なくかつ立体的におさめること。
スポーツだけでなくコンサートや災害時の緊急広域避難所、また地球環境に配慮した設計を兼ね備えること。
また2019年ラグビーワールドカップ日本大会の開催にも備える必要もあり、それのスケジュールに合わせて建設することを条件とした。



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安藤忠雄を審査員長として世界各地の建築家からデザイン作品を募った。
応募総数は46件。その中から書類選考により11件に絞り、同11月に最終審査を行い、イギリスのザハ・ハディドの作品をグランプリ(最優秀)として採用した。



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☆☆☆やんジーのつぶやき
国際コンペで問題を起こしたデザインほど魅力的なものはない。
喧々諤々、紆余曲折。
議論を重ねることで真の創造はおこる。













































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by my8686 | 2015-06-24 11:37 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

Rem Koolhaas: Kind of Architect DVD

世界を挑発し続ける現代建築の巨匠レム・コールハース。

昨日に続き、コールハースの刺激的な考察、理論、構造の核心に迫るDVDについてみてみよう。


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コールハース自身が幼少期や建築家としての人生を選んだ理由、独自の思想などについて熱く語る一方、彼を取り巻く人々のインタビューを通じて多角的に建築界の異端児の人物像に迫る。




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また、OMAとはなにか、AMOとはなにか、これまでどのような建物を手がけてきたか、などコールハース初心者にもわかりやすい内容となっているという。



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以下はアマゾンカスタマーレビューより。


もともと脚本家としてスタートした、オランダの建築家:レム・コールハースは、建築家の祖父と作家である父との素質を兼ね備えているのだろう。




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どの知的好奇心の範囲は非常に幅広く、建築という枠を超えて、あらゆる分野に関心が及び、そうした想いが、AMOの創設にも表れている。



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レムの場合、その作品よりも人間(考え方)が非常に興味深く、あくまで建築は表現手段の一つである。




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そんな異才な建築家の作品と本人へのインタビューを通じて、その核心に迫る作品。




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特に、ディルク・ベッカーとの対談は、非常に充実した内容になっている。




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その鋭い思考を通じて、建築の可能性と限界を意識しつつ、活動しているのが印象的だ。




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☆☆☆やんジーのつぶやき
思想家としてのコールハースと対峙する時、その刺激的な考察、理論、構造が官能を刺激する。
















































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by my8686 | 2015-06-23 14:33 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

行動主義―レム・コールハースドキュメント

土曜の休日、図書館で借りたもう一冊の本。
11年前に発行された「行動主義―レム・コールハースドキュメント」。

今回「S,M,L,XL+: 現代都市をめぐるエッセイ (ちくま学芸文庫) 文庫」の発行にともない読み返してみたいと思った。
当時購入したはずの本だが、手許にないことに気がついてリクエストしたものだ。





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書評には「世界中でプロジェクトを展開し、建築家の枠を越え、世界の経済、社会に大きな影響を与えているレム・コールハースを、ジャーナリストの瀧口範子が密着取材。」
「その発想、論理、建築観を明らかにする。また、彼とともに走るブレーン11人へのインタビューも収録。」とある。



本の内容を覗いてみよう。

■目次
・プロローグ

・レム・コールハース略歴

1 ドキュメント

2 インタビュー コールハースとともに走る11人

クリス・アンダーソン(「ワイアード」誌編集長)

マーク・レナード(「フォーリン・ポリシー・センター」ディレクター)

セシル・バルモンド(構造エンジニア)

ポール・ナカザワ(経営コンサルタント)

サンフォード・クインター(建築評論家、出版者)

ハンス・ウルリッヒ・オブリスト(キュレーター、美術評論家)

マイケル・ロック(ライター、デザイナー)

ジェフリー・イナバ(AMOプリンシパル)

ヴィンセント・デ・ライク(模型制作者)

伊東豊雄(建築家)









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3 レム・コールハース インタビュー

・エピローグ

・著者略歴






さらに、当時AXIS誌に掲載されたデザイナー深澤直人の書評を読み返してみた。




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「走るように読む、追っかけの記録」

 「この人物はすさまじい知性のもち主で、それがまた何かこれまでとはものすごく違ったことをしようとしている、と僕は直観した。当時の建築家たちが美人コンテストのように審美的価値を追い求めていたのに対して、彼は社会的、政治的コンテキストから思考していたのです」。
建築家レム・コールハースの会社、AMO設立時にディレクターを務めていたポール・ナカザワにこの本の著者、瀧口範子がインタビューしたときの抜粋である。

これは瀧口がレム・コールハースを「追っかけ」たその全記録である。
瀧口は言っている。
「体力はかなりある方だと思っているが、この取材で必要とされるのはそれよりも“臨機応変さ”だ。(中略)ちょっとした空気の変化を目と耳とその独特の受容機で感じ取るコールハースを相手にするのなら、最初に決めたことに縛られず、あくまでもオープンエンドに対処しなくてはならない」。
異端の建築家レム・コールハースの行動や思考は掴みどころがなく理解が易しくない。
一般的に建築家の名前は建物と重なって記憶されていくから、その名前を聞けば建築のかたちが思い浮かぶのは当然のようであるが、コールハースの名前=建物のイメージという風には浮かんでこない。
その難解な天才思想家の行動に興味を持ち、走るように付きまといながら取材した記録は何カ所かを抜粋してもフューチャーしきれるものではないくらい全部面白い。
走るように取材したものを走るように読む感じだ。

取材はロッテルダムやニューヨークのオフィスやそこでのミーティングの様子、レクチャーやその前後、9.11直後のマンハッタンを移動中の車の中や、エレベーターの中、北京のCCTV(中国中央電視台本社ビル)をコンペで勝ち取った発表セレモニーへと、目まぐるしく場を変えて行われている。
建築家もデザイナーもデザインしながら仕事のやり方を創造していくものだが、それにしても20余りのプロジェクトが同時に進行する状況において、それを推進する力やエナジーは並外れているようだ。








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ミーティングにおいて、「コールハースのコメントは、論議を進め論議の流れを変える。
彼は読書魔として知られるが、その膨大な知識の中からテーブル上で起こっている議論に向かっていろいろな矢を飛ばす。
その矢によって、これまで思いもよらなかったようなアイデアが出てきたり、議論がかき回されたり、脱線したりする。
(中略)一見仲間内の気のおけないおしゃべりのようにも見えるが、彼の圧倒的な知識量と、その知識の間を自在に飛び回るダイナミズムが、彼をスタッフが足元にも及ばない存在にしている」(文中より)。

後半の彼の11人のブレーンへのインタビュー「コールハースとともに走る11人」もいい。
「レムは、言葉がページの上で花火や爆弾のように迫力をもって訴えかけることを知っていて、結局は多くの書き手の中で最も優れていた」、クリス・アンダーソン(ワイアード編集長)。








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「レムが面白いのは、言葉と物理的な世界の両方で幸せに存在できることです」、マーク・レナード(トニー・ブレアのブレーンのひとり)。






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瀧口はテクノロジーとビジネスや建築について、誰もが知りたくても知り得ない情報を自分の足で掴み取ってきている。
その好奇心と感度は自らに備わった触手によるものだろうが、彼女の驚きや感動は冷めないままの熱い情報の固まりとなって飛んでくる。
これは取材ではなくてまさに「追っかけ」の記録なのだ。(AXIS 110号 2004年5・6月より)










☆☆☆やんジーのつぶやき
異端の建築家レム・コールハースの行動や思考になぜこうまで人々は虜になるのか。
卓越した臨機応変さ。
研ぎ澄まされたエナジーに官能が反応していく。
























































































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by my8686 | 2015-06-22 16:42 | 気になる本 | Trackback | Comments(0)

Project Japan, Metabolism Talks...

昨日土曜の昼過ぎ、久しぶりに図書館に出向く。
リクエストした本の入荷連絡のメールがあったからだ。

最近はとても便利になったものだ。
県内の全図書館の蔵書からネット検索して予約貸出ができてしまう。

貸出したのは、『Project Japan: Metabolism Talks...』(Taschen、2011)。
レム・コールハース、ハンス・ウルリッヒ・オブリストと彼らの編集チームがメタボリズムについてまとめた本である。

コールハースの『S,M,L,XL』と『Harvard Project on the City』のような研究書と同様、威圧感さえ与えるような厚さとページ数を持つ。
いや、この2冊と比べても『プロジェクト・ジャパン』は、徹頭徹尾、中身がぎっしり詰まっているといえるだろう。






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あらためて、この本の書評を読んでみよう。
以下は、ハンス・イベリングス(建築史家、建築批評家)による特別寄稿文からの抜粋である。


『Project Japan』は、メタボリズムの中心人物たちへのインタヴューをコアに、メタボリズム的な構成を持ち、すべてのインタヴューに対して、上へ下へと註が付され、韻を踏むように図版が添えられ、話題は脇へ逸れ、逸脱し、暴露され、連想を呼び、代謝(metabolism)が豊かなコンテクストを与える。

コールハースとオブリストは、豊富な図版に彩られたインタヴューから得られた事実と主張の海に、20世紀後半の日本の建築における「最後の前衛」を描きだし、このムーヴメントの微妙な差異を浮かび上がらせる。







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インタヴューのあいだには9つの章が編まれる。
法規に則って地上に建てられたものだけでなく、海上、空中に計画されたメタボリズム建築群の紹介、そして黒川紀章を筆頭にしたこのムーヴメントにおけるメディア進出と表現の分析、さらにメタボリストの運営と事業をつなぐコネクションについても概括できる。







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総じて本書は3つの特徴をもつ。

ひとつは、口述史として、すべてのメタボリズムの代表者とのインタヴューを行なった点にある。
ただし、ひとりを欠く。
この運動の中心人物であり、ゴッドファーザーであり、煽動者である丹下健三はインタヴューが始まる前に亡くなってしまった。
インタヴュアーのひとりは世界的に有名な建築家であり、もうひとりはインタヴューに精通し、現代美術と建築界におよぶ包括的な年代記を書き上げる方法論を打ち立てた人物であったため、この口述史はふたつとなくおもしろいものとなった。
彼らは、インタヴューを受ける人々の大多数が驚くべき率直さをもって語りだすことを知っているのである。







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第2に、魅惑的なメタボリズム前史を紹介している点だ。
平坦でまっさら、白紙状態(タブラ・ラサ)にあった満州への日本の進出は、大いなる建築的、都市的な実験機会となった。
そしてこの実験は、戦後日本の代謝の活力を準備したのだ。







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第3に、中東やアジアに拡大したメタボリズムのポストヒストリーが語られている点だ。
70年代、とくに第一次オイル・ショックの後は日本のプロジェクトは実現性を失いはじめ、メタボリズムの活動はしばしばタブーとみなされることさえあった。

なにを隠そう、本書でインタヴューされた彼らが語ったメタボリズムの物語のほとんどが、1960年、東京における「世界デザイン会議」での船出から、1970年の「大阪万博」というクライマックス、つまり60年代の10年間で一致した。







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何度も何度も繰り返されるその10年のあいだの物語は、ときどき航路を外れるとはいえ、読者に徹底的に示される。
またしばしばインタヴューと同じ内容が、歴史のテキストやキャプション、さまざまな挿話に入り込む。
それを気にしない読者でいられれば、あなたは、菊竹清訓は地主という立場を追われたからこそ建築家として輝いたというような、真珠のような物語たちと出会うだろう。
菊竹は、大地から離れ、空中へと向かって歌うメタボリズム建築の歩みは、もっぱら空間不足を解消するための戦略から始まったのではなく、むしろ一族が受けた剥奪に対する抗議活動だったと言うのだ。







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この本の強みのひとつは、菊竹清訓、黒川紀章、槇文彦、磯崎新[編集註:本書では磯崎は自他ともに傍観者として語られる]のようなよく知られたメタボリストだけではなく、たいていのメタボリズムに関する建築書では言及されてこなかった、1953年にGKデザイン機構を設立した栄久庵憲司のインタヴューがあるところだと言ってよい。
加えて、メタボリズムの中心人物たちに舞台裏で指示を与え、きわめて重要な役割を果たしていた「創造的官僚」下河辺淳の登場についても同様のことが言える。






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720頁に及ぶこの『Project Japan』を読みこなすのは容易ではないが、それは重さや値段のためではなく──インタヴューはしばしばとてもおもしろく、収められた図版を見るのは大きな喜びである──、内容の大部分がある高みに達しているからである。







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私にとってコールハースの本はどれも、マルセル・プルーストやレイモンド・カーヴァーの読書感以上を与えてくれる。
彼の書くものはどれも「Less is More」には当てはまらないし、なかでも『Project Japan』は出版されたもののうちでは疑いなく彼の仕事のハイライトである。






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逆説的に聞こえるかもしれないが、それは著者の存在がいくぶんか控えめであるためだ。
コールハースのほかの本では、自信過剰、そして確信と修辞学的誇張によって読者はやがては疲れてしまい、ときにここから去ってゆく。

さらに、歴史を主題にもつ彼のほかの本、『錯乱のニューヨーク』のようにパーソナル・ヒストリーがどうありえたのかという仮説の高度な構築ではなく、実際の歴史である点も、ハイライトな印象を高めている。






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彼のこれまでの仕事と評価を振り返れば、『Project Japan』は『錯乱のニューヨーク』ほど名声は得ないかもしれない。
また、『S,M,L,XL』ほどの反響もないだろう。
だが、私にとって、また多くの人にとってよりよい本だと言いたい一冊だ。






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(http://10plus1.jp/monthly/2011/10/project-japan-metabolism-talks.phpより抜粋)









☆☆☆やんジーのつぶやき
官能を震わせる本である。
威圧感さえ与えるような厚さとページ数を持つ。
図版の緻密さと豊富さに度胆を抜かれ官能が痺れてしまった。















































































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by my8686 | 2015-06-21 08:06 | 気になる本 | Trackback | Comments(0)