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米市場、マイナス金利好感 NY株2%超上昇、円急落

日本銀行のマイナス金利政策の導入決定を受け、29日の米株式市場は大幅に値上がりし、外国為替市場では円安が進んだという。
年明けから続く金融市場の動揺はひとまず収まったかにみえるが、まだ先行きは不安だらけだ。




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日曜日の休日は、この気になる市場の動向をみてみよう。


「日銀のサプライズ政策に尽きる。市場にかなりのマグニチュードを与えたようだ」。
米経済専門テレビCNBCは、専門家のこんな解説を放送した。





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ダウ工業株平均の終値は1万6466・30ドルと前日より2・47%上昇し、約5カ月ぶりの上げ幅。
ニューヨーク外国為替市場の円相場は一時1ドル=121円70銭まで急落し、約1カ月半ぶりの円安ドル高水準をつけた。




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サマーズ元米財務長官は29日の講演で「日本はインフレよりデフレのリスクが大きい。政策はおおむね妥当だ」と評価。
一方、メディアからは「新たな通貨安競争の懸念につながりかねない」(英紙フィナンシャル・タイムズ)。
「日銀の黒田総裁はサプライズを使い果たし、安倍政権の構造改革は時間切れ」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)との指摘も出た。





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29日の東京市場では、日経平均株価は大きく上昇したが、大手行の株価は軒並み下落。
銀行が日銀に預けるお金の一部に付く金利がマイナスになり、収益が圧迫されることが警戒された。
日本経済研究センターの試算では、マイナス金利幅0・1%で、銀行の収益は年間最大2256億円減るという。





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新生銀行の工藤英之社長は29日の記者会見で、「金利が下がるということは、必ずしも金融機関の収益にいいとは限らない」と不安をのぞかせた。

産業界でも期待と懐疑の声が漏れる。
金利低下で長めの借入資金の負担が減らせるため、鉄鋼大手JFEホールディングスの岡田伸一副社長は「我々にとって非常にうれしい」。
一方で、東京ガスの中島功・常務執行役員は「すでに長期金利は底に張り付いている。効果は限定的かもしれない」と冷静にみる。





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日本商工会議所の三村明夫会頭は「(日銀の手の内に)ある材料をさらけ出したということではないか」と話し、市場が再び動揺した時の「次の一手」があるのかを心配する。

(2016.01.31朝日新聞より抜粋)






☆☆☆やんジーのつぷやき
手持ちカードをすべて見せてしまった感の日銀政策だが、はたして逃げ道は確保されているのか。

























































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by my8686 | 2016-01-31 12:24 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

オノマトペ 建築「十和田市民交流プラザ」

日銀が初めて「マイナス金利政策」の導入を決めた。
昨日発表すると株式市場や外国為替市場に大きな驚きが広がったという。

日経平均株価は瞬間的に大きく上昇し瞬時に前日の終値水準を割るまで下落しそして再び上昇。
ジェットコースターなみの乱高下だ。

マイナス金利政策とはそもそも民間銀行が日銀の当座預金に預けた金に支払う金利をマイナスにするということ。
金利はふつうプラスだが、マイナスにすると預けた銀行側が日銀に金利を払うことになる。
いわば口座の管理手数料のようなものだ。

導入するのは、銀行が日銀の当座預金に滞留させている金を企業へ貸し出しに回すように促すためだが、いまこの超低金利のもとで銀行が貸し出しを増やさないのは、企業の資金需要が乏しいからだ。その根本的な問題がマイナス金利の導入によって解消するわけはなかろう。
いったい全体なにを考えているのか・・・。


ぐじゃぐじゃと擦れあう日本政府のふがいなさに、朝からキリキリと歯ぎしりしてしまいそうな土曜休日の朝。



気をとりなおして、本日も「オノマトペ 建築」をみてみよう。







青森にある交流施設「十和田市民交流プラザ」である。



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オノマトペ「ぎざぎざ」。



日本、青森
2015年1月
交流施設
1.800㎡





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市民交流プラザはRC造平屋建て約1650㎡。
建物全体に交流イベントができる「みちの広場」を設け、市民活動支援やたまり場・社会福祉、子育て、市民活動支援の各ゾーンに自由に行き来できる動線計画とされた。

外観は、独特のリズムを持つ小さな屋根型を連続させることで、街並みのスケールに調和したデザイン。
工事費は6億円(同)以内。




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建設地は同市稲生123ほか。
建設されるのは、いずれも市の施設「市民交流プラザ」、「教育プラザ」。
基本設計を公募型プロポーザル方式で募集された。




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交流プラザに24件、教育プラザに28件の提案がった。
隈研吾建築都市設計事務所と安藤忠雄建築研究所が最優秀者に選ばれた。




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交流プラザは、現在の中央公民館や老人福祉センターに代わる施設として国道102号沿いの稲生町に建設。
公民館としての市民の活動拠点や子育て支援機能、市民のたまり場機能などを備える。
面積は5781平方メートル、事業費は6億円以内。



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隈事務所は「みちの広場 にぎわいを繋ぐ、市民交流空間」がテーマ。
102号沿いのアーケードと一体型になった施設を提案。
耐震壁で囲まれ、災害時には避難場所にもなるような「みちの広場」や、現代美術館と連動したアートワーク空間などを盛り込んだ。
「日本の道百選」にも選ばれている官庁街通りの景観にあわせ、既存のサクラ並木の古木などを取り込みながら、サンルーム空間や桜の園、防災用地下備蓄倉庫などを配置。




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■隈研吾の設計コンセプト

十和田市の中心部に、木でできた市民のための交流施設をつくった。




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小さな屋根が反復するファサードによって、小さな住宅が並ぶ既存の町並みとの融合をはかった。





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地元の木材(杉)のハメ板を、スキマをあけて外壁に貼ることによって、暖かく軽やかな印象を、北国のストリートに与えることができた。




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前面のストリートを内部にも延長させた「みちの広場」は長い冬の間の交流の場となり、この「みちの広場」に面して、子供たちのためのプレイルームや料理教室、和室などが配置されている。




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☆☆☆やんジーのつぶやき
反復するファサード。
そのリズミカルな造形に不思議に官能が反応していた。







































































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by my8686 | 2016-01-30 08:06 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

オノマトペ 建築 「ちょっ蔵広場」

甘利明経済再生相が28日、辞任の意向を表明した。
現金授受疑惑を受け、自らの秘書の監督責任と国会審議に支障を来しかねないといった理由だという。
後任は石原伸晃元自民党幹事長を充てるという。
政権の屋台骨を支える重要閣僚に「政治とカネ」をめぐる問題浮上。
昔ながらの金権体質に舞い戻りしつつあるのか。
自民党独裁の負の膿の部分が透けてみえる。



さて本日も「オノマトペ 建築」をみてみよう。


栃木にある集会場「ちょっ蔵広場」。



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オノマトペ「ぎざぎざ」。






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栃木県塩谷郡高根沢町大字宝積寺2374-1
2006.03
集会場、展示場
607.66㎡



栃木県の宇都宮市から北、那須烏山市へとつながる県道十号(宇都宮烏山線)を有する高根沢町。
人々の活況も市街地から県道沿いの郊外に移りつつあるこの町の一角で、大きな変化が起きた。
それは町役場近くのJR宝積寺駅周辺地区。
環境整備が遅れ、しばし発展が滞っていた昔ながらの市街地。




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JR宝積寺駅周辺地区は、線路により東西に分断されてしまっており、さらに駅舎は駅西側のみだった。
駅東側の住民が駅を利用するには、駅より数百メートル南の踏切を渡らなければならない。
このままでは東西の発展の格差が埋まらず、市街地全体の盛況がきわめて難しいと言われていた。





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平成十六年、その危機的状況を解消すべく、建築家 隈研吾を監修にJR宝積寺駅周辺地区の再生整備計画がスタート。
線路を跨ぎ東西にコンコース(連絡橋)を通し、橋上駅舎にすることで、東西に回遊性の高い人の流れを創出。
また駅東側は、なかば放置されていた大谷石の米蔵のスペースを「ちょっ蔵広場」と呼ばれる公共広場にリノベーションを計画。
市民の交流促進と景観を整備、そして駅東側ロータリーから大通りまで抜ける車道を敷設することで、市街地の拡張性を高める計画が進められることとなった。





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そして平成二十年、百年以上の歴史を持つ駅東側と宝積寺駅は完全に生まれ変わった。
駅東西からの高いアクセシビリティを実現することで、駅舎の利便性が向上することは、結果人の動きも活性化される。
また駅東部から宝積寺周辺へのアクセスが容易となり、そこからさらなる市街地の発展が期待できる。
歴史ある宝積寺ならではの大谷石蔵のある伝統的風景と、世界的建築家によるシャープでモダンなデザインが両立。
そのシンボリックな広場ができることで、地元に誇りを感じる気運が一層高まった。





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さらに、隈研吾の計画コンセプトに注目してみよう。


大谷石を積んで作った古い石蔵を保存し、それを核としながら、コミュニティーの活動の中心となる、新しい駅前広場を創造した。




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新たに建設した商業施設には、広場を囲い込むような形で解体した石蔵の大谷石を再利用し、鉄板を組み合わせたユニークな構造システムに挑戦することで、半透明な石の壁を作った。





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地元の蔵の素材として親しまれてきた大谷石の独特の素材感を生かしながら、透明性を達成し、従来の石の建築には達成できなかったオープンな公共空間の形成を行った。





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☆☆☆やんジーのつぶやき
地元の素材にとことんこだわり新しいリノベーションを生む。
「ぎざぎざ」とした半透明の石の壁に官能が反応して行く。
シンボリックな広場が誕生することで、地元に誇りを感じる気運が高まったことは奇跡に近い。






























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by my8686 | 2016-01-29 08:06 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

オノマトペ 建築 「アントルボ マクドナルド」

トヨタ自動車が国内の小型車メーカー2社との間で、新たな業務提携や資本関係の強化を検討しているという。
新興国市場の開拓に向け、スズキと幅広い分野での協業を模索する。
さらに、傘下のダイハツ工業を完全子会社にする方向で調整中だという。
日本メーカー同士の新たな提携が実現すれば、自動車産業の勢力図にも影響を与えそうだという。



さて本日の「オノマトペ 建築」は、パリにある「マクドナルド大通り倉庫跡複合公共施設」をみてみよう。




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オノマトペ「ぱたぱた」。



オランダの設計事務所OMAがマスタープランを作成するパリ市の旧マクドナルド大通り倉庫地区の開発計画の1つ。
集合住宅をオディール・デック、オフィス棟をクリスチャン・ド・ポルザンパルクなどの設計で建設中。





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隈研吾建築都市設計事務所が担当するのは、幼稚園と学校、体育館、職員用住居などからなる複合施設。
2009年の設計コンペを経て、隈事務所が当選。





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鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造で、地下1階・地上6階建て。
延べ面積1万6744.77m2のうち、6018.89m2は改修部分。
新築部分には、複数の異なった施設の上部を折り紙状の大屋根が覆う。






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パリのこのプロジェクトでは、折り紙状の大屋根を木と亜鉛鋼板で架ける。






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大屋根の幾何学的なフォルムは長く単調なファサードのリズムを壊す役目を持つ。





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また、中庭側(校庭)のファサードは折り紙屋根の延長として亜鉛鋼板を縦方向に使ったダブルスキンとなっており、各々の傾きが音響効果や日除け効果、風向調節効果などを併せ持つ。






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☆☆☆やんジーのつぶやき
折り紙状の大屋根を木と亜鉛鋼板で架けた造形に官能が反応する。
「ぱたぱた」としたダブルスキンファサードの造形も官能を心地よく刺激する。
この傾きで音響効果や日除け効果、さらに風向調節もおこなうというアイデアもユニークだ。






































































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by my8686 | 2016-01-28 08:06 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

オノマトペ 建築「アオーレ長岡」

両陛下、激戦地慰霊へ 戦後71年、フィリピン訪問。

亡くなった父もこのフィリピン戦線に通信兵として70年前に徴兵された。
終戦間際、いちはやく日本降伏の暗号を傍受解読した父。
上官に報告したあとの顛末談。
マラリアと飢餓で死んでいった同胞たちの姿。
高熱に魘され続けた悪夢の日々。

少年の頃、暑い夏の夜に寝言のように魘される父の口から聞かされたことを思いだす。
父の体内に深く絡みついた毒のような記憶は、死ぬまで剥ぎ落すことは出来なかった。

「戦没した同胞の霊を弔う碑に詣でます」
天皇の御言葉の深さをいまいちど噛みしめたい。



さて、本日も「オノマトペ 建築」を見てみよう。


新潟の複合型市役所。




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オノマトペ「ぱたぱた」。





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新潟県長岡市大手町1-4-10
2012.3
市役所本庁舎、集会所、自動車車庫、店舗・飲食店、銀行支店、屋根付き広場
12073.44㎡





地方都市の中心街に、地球の新しい核となる複合型の市役所を提案した。
中心部は屋根付きのナカドマと呼ばれる中庭を配置し、取り囲む市役所、アリーナ、NPOのための多目的ルームらの活動が、この中庭に溢れ出るような計画とした。





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ナカドマでは、通常の市役所では考えられないほどの多くの市民で朝から夜までにぎわっている。
外装内装には地元の素材(越後杉、雪さらしの和紙、栃尾ツムギ)を多用して、従来の公共建築にはない、やさしさと暖かさを与えることができた。





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さらに、隈研吾自身が語る「アオーレ長岡」の実現プロセスにも注目してみよう。

新潟県長岡市に2012年4月に開館したアオーレ長岡。
大屋根に覆われた広場「ナカドマ」が話題となっている複合施設だ。
ナカドマには、市役所やホールの入り口と並んで、ガラス張りになった議場の一部が顔を出す。
「市が目指した市民協働型の市庁舎を象徴する存在として、ナカドマに面した1階に議場を置くプランを提案した」と隈研吾氏(隈研吾建築都市設計事務所)は振り返る。





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議場の向かい側にはコンビニエンスストアがあり、テーブル席で人々が飲み物片手に談笑する。
庁舎設計の常識から大きく外れたこのプランは、議会の反対意見を乗り越えて実現したものだ。

隈氏は翌08年4月、基本設計案を市に提示する。
その案では、最上階にあった議場を1階に移した。
「基本設計を進めながらコンセプトを詰めていくと、市民が集うナカドマに面して議場を配置するのが自然だ」(隈氏)と思えたからだ。
とはいうものの、「そのときには、実現にこれほど苦労するとは思っていなかった」。





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議場を1階に置いた基本設計案は、議会で波紋を呼んだ。
自治体の議場は、庁舎の最上階に位置しているのが一般的。
コンペ案の選定前に、市議会の委員会が出した「1階を市民利用スペースとし、議場は中高層部に配置する」という提言にも反していた。
市の職員は先例を調べたが、同規模以上の自治体で1階に議場がある例は見つからなかった。


なぜ1階に議場なのか。
隈氏は08年5月、議員協議会で生まれて初めての“喚問”を受けた。
市民に向けて説明する機会には慣れていた隈氏も、名前を呼ばれるまで発言が許されないなど独特の雰囲気のなかで、「さすがに緊張した」と振り返る。


それでも隈氏は、計画に託した思いをいつもどおりに述べた。
「ナカドマに面したガラス張りの議場は、“開かれた議会”の象徴になる。これは、議会にとっても市民にとっても重要な意味を持つ。もともと長岡市議会は開かれた議会を標榜していたので、目指す方向に違いはないという自信はあった」




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しかし、喚問は1回では終わらなかった。
同年9月に再び議員協議会へ。
森民夫市長の支持もあって、2度目の喚問でも隈氏から妥協案を示すことはしなかった。
議場を2階に配置した場合と比較しながら1階配置案のメリットを説明。
2階配置案に比べて3階にある議会関係諸室のセキュリティーが向上すること、1階ナカドマの面積が広くなることなどを挙げた。


同時に、海外の先例も紹介した。
吹き抜けを巡るらせん階段から議場を見下ろせるロンドン市庁舎や、ガラスのドーム状になったドイツ連邦議会などだ。
「前例の少ないことには誰しも不安を抱く。世界の建築が向かう方向を指し示し、その流れに沿った計画であることを伝えれば相手も安心できる」(隈氏)






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議員協議会の後、隈氏は待った。
当初の予定では、実施設計を同年10月から始めなければならない。
事務所スタッフはジリジリしながらも、できる範囲の設計作業を前倒しで進めた。
「何事もその場ですぐ決まるとは限らない。思いのたけを伝えた後は、相手に考える時間を与え、じっと待つことも大切だ」


議会への説明と並行して、市民ワークショップも開いた。
08年4月初頭には、地元の大学の建築学科学生を集めて縮尺50分の1の建築模型を製作。
4月下旬には市民を対象に、この模型を用いて空間の使い方を考えるワークショップを実施した。





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ワークショップには隈氏も顔を出し、参加者たちに気軽に声をかけた。
「小さな接点でいいから幅広い市民が関われる機会をつくり、一人でも多くの市民に当事者意識を持ってもらうことが大切。そして、そういう場には本人が顔を出すことが重要だ」

ワークショップには、市議会議員も様子を見に来ていた。
「狙ったわけではないが、市民と設計者がわいわいと仲良く話している光景は、市議会に対する何らかのアピールになったのかもしれない」





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やがて動きが出た。
その年の暮れ、議員の有志十数人が東京・港区にある隈研吾建築都市設計事務所を訪ねてきた。
事務所で何時間か議論した後、夜は居酒屋へ場所を移して話を続けた。
特別な出来事があったわけではないが、腹を割って話をした。
このとき、「いけるかなという空気の変化」を隈氏は感じた。

09年1月8日の議員評議会で、議場1階に配置した基本設計案が正式承認された。












☆☆☆やんジーのつぶやき
前例のない新しいことをやるとき必ず抵抗するモーメントが働く。
その力に容易く押し流されてしまう計画案には感動を呼び起こすものはない。
建築家の強い信念に触れるとき、官能が蠢きはじめる。
















































































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by my8686 | 2016-01-27 08:06 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

オノマトペ 建築「浅草文化観光センター」

昨日の大渋滞が嘘のような火曜日の「寒梅忌」。
寒梅は、冬がきわまる季節に一輪、二輪と開く紅白にどこか人を励ます潔さと温かみがあるという。



さて、本日の「オノマトペ 建築」は、「浅草文化観光センター」。




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オノマトペ「ぱたぱた」。





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東京都台東区雷門2-18-9
観光案内所・事務所・展示場・飲食店
2159.52 m2

Architect
隈研吾建築都市設計事務所
場所
2-18-9 Kaminarimon, Taito-city, Tokyo, Japan
東京



雷門の向い側の角地、わずか326㎡の敷地に、観光案内所、会議室、多目的ホール、展示室といった多様なプログラムが求められた。





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浅草の町並みが持つ界隈性を垂直方向に延長し、アクティビティを包み込む「屋根」を積み重ねることで、多様なプログラムに対応しつつ、今までの積層建築では存在しなかった「新しい断面」を作り出した。





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屋根と床の間には斜めに切り込まれた隙間が生まれ、その隙間をミニマムな設備スペースとすることで、通常の中高層建築と同等の階高でありながら、大きな気積を持つ空間を獲得することができた。





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また、屋根は建築を8つの平屋へと分節するだけではなく、各階の室内をそれぞれに規定している。






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吹抜けと内部階段のある1・2階では、同時にふたつの屋根の勾配を感じられる連続的なシークエンスを作り出し、6階では、屋根の傾斜を利用することで、中間階でありながら、階段状の床を持つホールを設けることができた。






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雷門通り側に傾斜する屋根の角度と、地面からの高さが各階で異なるため、外部環境との関係性も各階で変化し、それぞれの空間に個性を与えている。






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☆☆☆やんジーのつぶやき
浅草のあの独特の雰囲気が好きだった。
地方出身者にとっては妙に懐かしく落ち着ける場所でもあった。
そんな場所に今までの積層建築では存在しなかった「新しい断面」を作り出したという浅草文化観光センター。
なにやら「ぱたぱた」と楽しげな音が聴こえてきそうな建築だ。

































































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by my8686 | 2016-01-26 08:06 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

オノマトペ 建築 「ナンチャンナンチャン」

列島寒波で大渋滞の月曜日の朝。
通常1時間の道のりが約3時間近くもかかってしまった。
ノーマルタイヤでトロトロ走るのだけは止めていただきたい。


気をとりなおして本日も「オノマトペ 建築」をみてみよう。


韓国光州で行われた光州デザインビエンナーレのためのインスタレーション。
「勢いよく揺れる」という意味の韓国語「ナンチャンナンチャン」と名づけられたインスタレーションである。



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オノマトペ「ぐるぐる」。

光州、韓国
2013.9
光州デザインビエンナーレのためのインスタレーション
長さ15m、幅4.5m





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隈研吾の設計意図とともにみてみよう。



私は建築と身体とを、再びつなぎなおそうとしている。

たとえば衣服のことを考えてみよう。
衣服と身体は、しっかりとつながっている。
衣服は身体がどんなに激しく動こうと、それに対して柔軟にresponseするし、汗をかけば、それを吸収してくれるし、寒い日には身体をあたためてくれる。






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そういう様々な仕方で身体と衣服とはつながっている。
身体は衣服を必要としているし、衣服は身体を必要としている。
そのような幸福な一体感を、身体と建築との間に取り戻すことが私の目標である。





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ビエンナーレの「以心伝心」展に出展した竹の作品の目的も、身体と建築をつなぎ直すことである。





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竹はコンクリートよりも柔軟であり、やわらかい。





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中国の「竹の家」で、竹の可能性に挑戦し、竹を建築に使うことで、建築と身体とをつなぎなおそうとした。
しかし、「竹の家」で使った竹は直径6㎝で、簡単には曲がらない、しならない。






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今回のビエンナーレでは用いた竹は、竹を幅3㎝にさいたもので、簡単にしなり、曲がる。
竹を細くさくことで、その細い竹で作った建築は、より衣服に近づいた。






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☆☆☆やんジーのつぶやき
幸福な一体感を、身体と建築との間に取り戻すこと。
隈の脳細胞の一部を覗き見たような気がした。
優美にしなった竹の湾曲ラインの集積に官能が不思議に反応しはじめた。





















































































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by my8686 | 2016-01-25 08:06 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

オノマトペ 建築 「新津 知・芸術館」

待ちに待った寒気団到来!!
生暖かい冬はやはり気分が鈍りがちだ。
雪道ドリフトに官能がヒリヒリと昂ぶって静まる気配のない日曜の朝。

降りしきる雪をながめつつ気分を鎮めるが一番。
ひきつづき、オノマトペ 建築をみてみよう。


オノマトペ「ぐるぐる」。

中国にある隈作品「新津 知・芸術館」。



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中国四川省成都市
新津
知・芸術館





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道教の聖地、新津老君山の麓にある芸術館である。





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ファサードでは瓦を使う。





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瓦は当地の素材を、地元の工場で伝統工法で作られるもので、自然、均衡を重んじる道教に敬意を払っている。




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同時に、それをワイヤーで吊るし、浮かばせることで、瓦はそれがもつ重さから開放され、軽快さを獲得する。





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建築は粒子からなる呼吸するファサードをまとい、周りの自然と溶け合う。





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建築内部は、暗から明へと導くらせん状の展示空間からなっている。





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上層の展示スペースからは、老君山の雄大な風景を望むことができる。





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直射日光は瓦にさえぎられる。





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建築内部は柔らかなひかりで包まれ、魅力的な粒子状の影ができる。











☆☆☆やんジーのつぶやき
道教の聖地、新津老君山の姿には魂がうたれる。
まさに水墨画にみる禅の世界に近い。
ワイヤーで吊るされた瓦のリズム感が不思議に官能を刺激する。








































































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by my8686 | 2016-01-24 08:06 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

オノマトペ 建築 「Water/Cherry」

土曜休日の朝、日経平均株価の想定以上の上昇幅に驚愕しつつ、想定外の原油安に揺れ惑うロシアの動揺ぶりに98年危機の再来かと瞠目。
まずは心落ちつけて今日もオノマトペ建築をみてみよう。

オノマトペ「さらさら」。


東日本にある「Water/Cherry」。
太平洋を見下ろす崖の上に立つ、分離型のヴィラ。



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Water/Cherry
設計 隈研吾建築都市設計事務所
施工 大成建設 中村外二工務店
所在地 東日本




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分離(多嶋海)スタイルを採用することで、それぞれの棟に、茶室のようなヒューマンスケールと暖かさとを与えることができた。




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外壁にも室内にも「ヤマト貼り」と呼ばれる板を互い違いに貼る、日本の伝統のディテールを多用して、ディテールにおいても「小ささ」を追求した。




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“水桜の家”は、自然のままの敷地環境の中に、折り重なる動きの複雑な繊細さを映し出している。
4cm幅の杉材を使用したファサードは、京都の桂離宮を同じディテールで建造された。





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切妻屋根の各住宅棟は、水の流れを象徴するかのような幾つかの外廊廊下によって繋がっている。
非常に細い金属フレームで出来た柱と渡り廊下は、その繊細な構造により、家そのものが海に浮いているような錯覚をもたらす。





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さらに、隈研吾の設計コンセプトをみてみよう。



■粒子が浮遊する状態をつくる

大きなボリュームを、どのようにして砕くかに関心がある。
たとえば台東区の浅草文化観光センターでは、高さ40mの塔を8つの「木造平屋」へと分解した。
アオーレ長岡では、35.000㎡の建築の「外観」を消去して、地元の材料でつくられた180㎝×90㎝パネルが、内臓的空間の中を飛散する状態をつくった。





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この太平洋を見下ろす崖の上にも、粒子が浮遊する状態をつくろうと考えた。
軒を低くすることで、ボリュームを小さく感じさせ、さらに徹底した分棟スタイルを取ってボリュームを分解し、しかも建築を構成するエレメントを可能な限り小さく粒子化しようとした結果、世間から「数寄屋風」に似たところがあると言われるかもしれないが、当方はそもそも「数寄屋風」などには何の関心もない。




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庭のCherry(サクラ)の木の花びらが、その粒子のモデルとなったので、プロジェクトの名称をそう名付けた。




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具体的には、屋根は800mの幅のアルミ板でつくられた粒子の集合体とした。


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屋根を、のぺっとした重たいボリュームとせずに、パリパリとしたクリスピーな粒子の集合体とする手法は既に根津美術館の2.600m幅の鉄板で試みているが、今回はそれを徹底させた。




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外壁は40㎜幅のスギの「棒」の乾いた集合体とし、特に最初に突き当たる妻面は、棒をデコボコに並べて陰影をつけることで、粒子の浮遊性を高めた。


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桂離宮の妻側でも、同じ処理が施されている。



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インテリアでは250㎜幅の木製の板を、魚のウロコのように、デコボコに配慮した。




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通称、大和貼りと呼ばれるディテールで、重たく大きな物質を粒子の集合体へと転換するための伝統的ディテールである。

個人住宅でも、長岡や浅草のような公共建築でも、粒子の浮遊した状態によって、身体と環境とを再接続させる可能性に挑んだ。










☆☆☆やんジーのつぶやき
大きなボリュームを、どのようにして砕くか。
庭のCherry(サクラ)の木の花びらが、その粒子のモデルとなったという。
「さらさら」と粒子が浮遊するとき官能が反応しはじめる。
こんな住空間で思いっきりJAZZ三昧に耽りたいと思った。































































































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by my8686 | 2016-01-23 08:06 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

オノマトペ 建築「風檜」

金銭授受疑惑を指摘された甘利明経済再生相が国会で終日釈明に追われたり、原油安が底なし沼状態で26ドル台になり1年半で4分の1水準で産油国の財政難に経済危機が叫ばれたり、SMAPが解散するとかしないとか・・・。

なにやら騒がしい金曜の朝ではある。

さて、本日も隈作品「オノマトペ 建築」をみてみよう。




台湾にある隈作品「風檜」。




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台湾 新竹縣
2013年11月~2015年1月
パビリオン
180㎡





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あらためて、隈研吾の設計コメントとともにみてみよう。

人にやさしく、自然にやさしい台湾の新しい生活文化の創造を目的とする、森の中の小ホテル「The one南国」の庭にたてられた多目的パビリオン。





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木(ヒノキ)でオルガニックな形態をもつ骨組みを作り、その上に極力金属を用いずにETFEの透明な膜をかぶせることで、ヒノキの森の中にいるような、空間体験を作り出すことができた。





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地面がゆっくりと隆起してパビリオンになったような形態を生成するため、木のユニット同士はすべて異なる角度でジョイントされた。





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基本的にアーチ構造によって支えられているが、小さな粒子が木の枝のように無駄に集合して、曖昧でゆるい全体を生成しているような空間感覚を創造するため、ユニット同士をすべて少しずらしながら接合していった。





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この接点をずらしたジョイントの方法は、ユニットの小さな動きを許容するためにも効果的であり結果として力を吸収して逃がす「やわらかな」構造システムができあがった。





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隈研吾自身もThe One南園に宿泊した経験があるそうだ。
庭に建てられた多目的パビリオン「風檜」は新竹に吹く風「九降風」と南園の土地との対話を表現しているという。





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30年前に漢寶德によって造られた南園のヒノキ建築群とヒノキで造られた新たなパビリオン「風檜」もまたヒノキの新旧対話のようだ。





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738本のヒノキはすべて異なる角度でつなぎ合わせられており、17層にもなる。
2mの高さの入口からゆっくりと6mの高さにまでなる流動的な建築物。





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ここでは夜に演奏会などが開催され周りには水の浮力で身体を支えるウォーターソファーが置かれている。
水滴のようなウォーターソファーに座りながら風檜を見ることができるという。





さらに「The one南国」についてみてみよう。

台湾建築の父「漢寶德」氏がデザインして作り上げた「南園」。
1985年に台湾の伝統ある有力紙「聯合報」の創始者「王惕吾」氏の隠居生活の場として作られたという。




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風水を元に、「江南庭園」「閩南式建築」「洋館」のスタイルを融合させ、100名にも及ぶ木工師や各方面の技師による細やかな手技を施し、台湾でもっとも貴重なヒノキ建築群だと言われている。
27ヘクタールにも及び、四方を山に囲まれている南園。





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台湾の重鎮方はもちろん、サッチャー元首相、ゴルバチョフ元大統領など世界的な大物も迎えたことがあるという。





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☆☆☆やんジーのつぶやき
小さな粒子が木の枝のように無駄に集合した曖昧でゆるい空間。
こすれあう世界のなかでこの空間だけは心落ちつける場所のように想える。
機会があれば「The one南国」を探訪したいと官能が疼いた。



















































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by my8686 | 2016-01-22 08:06 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)