2021年8月8日、日曜日。
台風がダブルで接近する中、今日で五輪が終了する。
どうやら9号が明日の朝方から通過するようだ。
コロナ禍の今、「シミュレーション・ドライブ」の旅は続く。
この旅の基因は、宗教学者・釈撤宗氏のこの言葉。
「日常とは別の扉を開き、共振現象を誘発しつつ、琴線へとアクセスする。」
映画「TENET」の舞台「アマルフィ」を旅の基点にして、ナポリ~ローマ~フィレンツェ~ヴェネツィアを経て、ミラノ~パリ~スイス~ドイツ~英国へ渡り、SCOの「ノース・コースト500」に刺激され「ルート66」が走りたくなり米国まで飛んできた。
サンタモニカから「NY」までの逆ルートを走り、今は「NY」を楽しんでいる。
定宿にしたのは、マンハッタンのど真ん中にある「Parker New York」。
さて本日は、「Apple Store, Fifth Avenue」まで歩いてみよう。
ホテルを左に出てトランプタワーまでW 56th Stを歩く。
最初の通りを左折して6th AveをPulitzer Fountainのある通りまで歩くと右手に見えてくる。
■Apple Store, Fifth Avenue
アップルの旗艦店の1つ。
広場の中央にある透明なキューブに目が釘づけになる。
非日常的であり、SF的であり、儀式的である。
「降下の儀式」に共振現象を誘発する仕掛けとわかる。
あらためてこのデザインに至るヒストリーを読み解いてみよう。
この場所は、5番街の49番街と60番街の間の高級ショッピング地区になる。
1968年に建てられたゼネラルモーターズビルのそばの公共広場の上と下に位置する。
このプラザは、1990年代までは緑の人工芝と閉鎖された小売スペースがあり「十分に活用されていない、魅力のない荒涼とした場所」と評価されていた。
このガラスキューブの基本案を思いついたのは、不動産開発者および投資家のハリーB.マックローである。
そのアイデアを基に設計を行ったのが「ボーリン・サイウィンスキー・ジャクソン」で、彼等はサスティナブルデザインの初期の提唱者であり、米国建築家協会の環境委員会から賞を受賞している。ソーホー地区を中心とした多くのApple店舗の設計を担当していた。
その後、2011年の改修で構造を構成する元の90枚のパネルからデザインを合理化し、シームレスのガラスパネルに改修された。
この改修については、フォスター+パートナーズとAppleのチーフデザインオフィサーのジョニーズアイブが関わっている。
Foster + Partnersについては、Appleのマイアミ、シカゴ、マカオ、東京の店舗を設計している。
ハリーB.マックローは、2003年にゼネラルモーターズビルを購入。
彼の資産を変更する最初の計画の1つは、5番街にあるこの「荒涼とした大きな広場」を現金化することだった。
建築家や業界関係者は、それが貴重な通りの存在感と未使用の地下室を備えた大きな閉鎖スペースであったことを考慮し、それを「問題のある広場」と呼んでいた。
ハリーB.マックローは、この場所を新進気鋭のApple Inc.のために「理想的なスペース」として売り込むことを画策する。
彼は、2005年のニューヨークタイムズの記事に掲載された「ルーブルピラミッド」に触発され、そのピラミッドの設計者であるIMPeiにアイデアを求めたという。
そこで「ガラスキューブによるパビリオン」のアイデアを煮詰め、Appleの最高経営責任者(CEO)に会い、そのアイデアを提案し続けたという。
この提案は、このスペースで24時間年中無休で営業する旗艦店のアイデアとして確立されていく。
ある日、ハリーB.マックローはJobsが提案した40フィート(12 m)の立方体はサイトには大きすぎ、ゾーニング制限に違反し、GMビルの規模と調和せず、不明瞭になると考えた。
この時、視覚的な証拠なしにはジョブズを説得できないだろうと考えた彼は、40フィートのモックアップを深夜の広場に建てさせたという。
そして、アップル幹部は午前2時にこの構造を見て、立方体が大きすぎることに同意したという。
その後、マックローは構造物を解体し、30フィートにすることを提案。
その後、秘密裏に開発されたプロトタイプモデルがカリフォルニア州クパチーノのアップルキャンパス近くの倉庫に静かに建てられたという。
2006年5月19日、アップルの147店舗目としてこのガラスキューブがオープンする。
それはすぐに顧客の列を生み、初年度の店舗の平均売上高は1日あたり100万ドルとなった。
ハリーB.マックローの不動産弁護士は、収益が当初の予想をはるかに上回っていたため、Appleの家賃の割合を「ひどく低く」固定することに同意したことを遺憾に思ったという。
2011年6月、Appleは店舗の5か月間の改装を開始し、費用は670万ドルだった。
改装により、店舗のガラスキューブの入り口が簡素化され、その構造が90枚のガラスパネルから15枚に削減された。
この改装には、周囲の広場への小さな変更も含まれていた。
2017年から2019年にかけて、店舗は閉鎖され、そして再建された。
Appleは、改修中にGMビル内の一時的なスペースに移動し、24時間年中無休の稼働時間を維持した。
以前はFAOシュワルツが占めていたスペースは、家賃が問題だったが、2016年頃にAppleStoreの別館として検討された。
改装には、フォスター・アンド・パートナーズの計画に基づいて新たに開始され、以前の店舗の解体が含まれていた。
新しい計画では、店舗のスペースがほぼ2倍になり、地面を深く掘り下げることで天井が大幅に上がった。
2019年9月上旬、店舗が再開する前の数週間、新しい外観が明らかになった。
それは、虹の虹色を持っていた。そして、それはガラスの立方体の周りのフィルムラップによって作成されていた。
2019年9月20日のリニューアルオープンと「iPhone 11シリーズ」&「Appleウォッチシリーズ5」の発表が同時リリースされた。
NY観光の「おのぼりさん」たちの人気観光ルートになったことは想像にかたくない。
☆☆☆GGのつぶやき
スマホには特別な「こだわり」はない。
どちらかといえばアンチアップル派といってよい。ただ単にその陳腐化戦略が気にくわないだけであるのだが。
Qualcomm® Snapdragon™ 720G搭載のAndroid™ 10のキャンペーンモデルを端末ツールがわりに使用している。
「Apple」に関しては、デザイン戦略の系譜を客観的に眺めて愉しむにとどめている。