「米大使館の移転指示へ トランプ、エルサレム首都承認」を読み解く

トランプ米大統領は6日午後、エルサレムをイスラエルの首都と承認し、商都テルアビブにある米大使館をエルサレムに移転する手続きを始めるよう指示したという。



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「約70年にわたる米外交政策の転換」で、イスラエルとパレスチナの中東和平交渉の早期再開が困難になるだけでなく、地域を不安定化させる危険性をはらんでいることは否めない。



この状況を読み解いてみよう。


エルサレムの帰属問題は、東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置付けるパレスチナとの間で、高度に敏感な問題だった。トランプ氏の決定について米政府高官は5日、「歴史的な現実と、いまの現実を追認するためだ」と語った。




具体的には、
①エルサレムは古代からユダヤ人の首都だった
②イスラエルの官庁、立法府、最高裁はエルサレムにある
③首都の承認を遅らせてきた過去の政策は和平に結びつかなかった、というものだ。



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トランプ氏は昨年の大統領選で、エルサレムの首都承認と大使館移転を公約に掲げた。一方で中東和平の仲介に意欲を見せているが、パレスチナ側の反発で和平が遠のくのは必至だ。

米国では1995年、大使館の移転法案が可決。歴代大統領は安全保障上の理由で移転を先送りしてきた。トランプ氏は6日に国務省に移転先用地の調査など準備を指示する一方、現状では移転先の候補も決まっていないことから、先送りを認める署名をする。




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パレスチナ自治政府のアッバス議長は5日、トランプ氏から電話で意向を説明された際、「地域と世界の安定と安全に重大な結果を招く」と警告。パレスチナ自治区ガザでは6日、数千人が米国に抗議するデモを始めた。




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近くペンス副大統領を中東に派遣し、各国首脳と過激主義の打倒に向けて協調を確認する考えを明らかにした。今回の決定に関してアラブ諸国に「意見の相違や不満はあるだろう」としながらも「最終的にはこの不一致を乗り越えられる」と理解を求めた。





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在エルサレム米総領事館は5日、米政府職員や家族にエルサレム旧市街やヨルダン川西岸地区の訪問を禁止し、米市民には群衆が集まる場所を避けるように呼びかけた。




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あらためて、その火種となっている「宗教とエルサレム」についてみてみよう。


エルサレムは単に地理的に要所であるのではなく、アブラハムの宗教全ての聖地であることが最大の問題である。このことがエルサレムの帰属をめぐる紛争の火種となっており、パレスチナ問題の解決を一層困難にしている。

ユダヤ教にとっては、エルサレムはその信仰を集めていたエルサレム神殿が置かれていた聖地であり、ユダ王国の首都であった場所でもある。現在でも幾つかの神聖とされる場所が残っている。

中でも嘆きの壁は有名で、これは70年にローマ帝国がエルサレム神殿を破壊したときに外壁の一部が残されたものである。




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キリスト教にとっては、エルサレムはイエス・キリストが教えを述べ、そして処刑され、埋葬され、復活したとされる場所である。それらの場所には、現在はそれぞれ教会が建っている。ゼカリヤ書12章では「地のすべての国々はエルサレムに集まって来る」とある。



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イスラム教にとっては、エルサレムはムハンマドが一夜のうちに昇天する旅を体験した場所とされる。
コーランは、メディナに居住していた時代のムハンマドが、神の意志により「聖なるモスク」すなわちメッカのカアバ神殿から一夜のうちに「遠隔の礼拝堂」すなわちエルサレム神殿までの旅をしたと語っている(17章1節)。

伝承によると、このときムハンマドはエルサレムの神殿上の岩から天馬に乗って昇天し、神の御前に至ったのだという。この伝承は、ムハンマドの死後から早い時期にはすでにイスラム教徒の間では事実とみなされており、神殿の丘におけるムハンマドが昇天したとされる場所にはウマイヤ朝の時代に岩のドームが築かれた。



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また、丘の上には「遠隔の礼拝堂」を記念するアル=アクサー・モスクが建設され、聖なる場所と見なされている。しかし、エルサレムは、メッカ及びメディナと同格の聖地ではない。なぜならメッカとメディナは、「禁域」とされ、異教徒の立ち入りや、樹木の伐採や狩猟などが禁止されているからである。

一方、エルサレムは、ムハンマドの時代には東ローマ帝国の支配下にあり、「禁域」とならなかった。第2代のカリフであるウマルの時代に征服されたのちも、キリスト教徒とユダヤ教徒、ムスリムが共存する異教徒禁制とは無縁な国際的な宗教都市であり続けたのである。




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☆☆☆GGのつぶやき
宗教上の聖地紛争にいらぬ横やりを入れたものである。
無考えとしか思われぬトランプ流の決断なのか。
首都認定について、過去の米大統領が選挙公約にしてきたが「実行してこなかった」と批判。
「私は実行に移す」と力説し、実行力をアピールしたつもりなのであろう。
トランプが聖人ではなく、単なる米国雑民の狂ったボス猿である限り、「新しいアプローチ」がさらなる泥沼化を招き、中東情勢をさらなる緊迫状況に追い込む結果とならぬことを祈る。


















































































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# by my8686 | 2017-12-07 09:55 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「スパコン業界の異端児、 助成金4.3億円詐取容疑事件」を読み解く

新技術を開発する業界の「異端児」が巨額の助成金詐取容疑で逮捕された。



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小雪舞う早朝の出勤となった水曜日の朝。
あらためて、この記事を読み解いてみよう。


東京地検特捜部が5日、詐欺容疑で逮捕したスーパーコンピューター開発会社社長斉藤元章容疑者(49)は、巨額の開発費を要するスパコンの分野で20人程度の精鋭を率い、次々と新技術を開発する業界の「異端児」だった。近くNHKでも特集番組が予定されるなど、注目を集めていたという。

「我々日本人こそが次世代スパコンを開発し、新世界を創出しなくてはならない」。斉藤容疑者は2014年に出した自著にこう記し、スパコン開発にかける強い意欲を示していた。

自著などによると、斉藤容疑者は新潟大医学部などを経て、東大医学部付属病院に医師として勤務。97年には米国で医療システム開発法人を設立した。




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帰国後、2010年に資本金500万円でスパコン開発会社「PEZY Computing」を立ち上げると、次々と新技術を開発。
自著では「実質的にはわずか7カ月間で、ほぼゼロからスパコンを独自に開発した」と紹介した。




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斉藤容疑者を知る関係者は、スパコンの熱を液体で冷やすなどの画期的なアイデアに驚いたと振り返り、「会社では、大金をつぎ込んだ少数の若い技術者がほとんど寝ずに、スピード重視で開発に当たっていた」。

文部科学省直轄の国立試験研究機関などからたびたび表彰され、今月11日放送のNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも「スパコン開発者」として登場する予定だった。




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一方、スパコン業界に詳しい斉藤容疑者の知人は「ビジネスとしてはあまりうまくいっていなかったようだ」。

斉藤容疑者のスパコンは実用性が低く、販売実績はほとんどなかったという。「スピードや省エネ性能など、数字に出る部分ばかりを気にしていた。異端児として疎まれる側面もあった」と話す。

大手メーカーによると、スパコンは数十年先を見据えて開発するため、開発には巨額の費用を要する。投資額に比べ、短期的な利益を得るのが難しいとされる。

スパコン業界に詳しい別の関係者は独立行政法人によっては、実績のある経営者がいれば、比較的容易に助成金を出すと指摘。「今回はそれが悪用された可能性がある」と話した。

NHKは事件を受けて「孤高の開発者」などと紹介していたウェブサイトの内容を削除。広報によると、放送の見送りを決めたという。




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☆☆☆GGのつぶやき
NHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」は、好きなドキュメンタリー番組である。
しかし、あまりにも美的でカッコ良すぎるのが気にはなっていたのだが・・・。
異端児の脳裏までもは、映しだせなかったのは残念である。








































































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# by my8686 | 2017-12-06 14:23 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

京都の紅葉を愉しむ

先週の土曜日は、京都の紅葉を堪能する。




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八坂通りから二寧坂にあるスタバを経由して高台寺を訪れる。





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方丈前庭、勅使門の枯山水。
心を落ち着かせ半眼にて思考すれば、太洋の波動にまで思いが拡がる。





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境内東側には偃月池・臥龍池の2つの池が庭園に広がる。





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時雨亭(重要文化財) 傘亭の南隣にあり、傘亭との間は屋根付きの土間廊下でつながれている。
珍しい2階建ての茶室で、2階南側の上段の間は柱間に壁や建具を設けない吹き放しとする。
傘亭同様伏見城からの移築され、これも千利休好みと伝えられている。
伏見城「御学問所」に擬する説もあるという。






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烏丸のホテルまで約2時間歩きつつ夜の京都を愉しむ。






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☆☆☆GGのつぶやき
数年ぶりの京都。
二寧坂のスタバの繁盛ぶりには学ぶべきものあり。
京都の華やかな紅葉に官能が疼いた。































































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# by my8686 | 2017-12-03 14:00 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

京都散策「COCON KARASUMA」を読み解く

12月に入った土曜日。久しぶりの快晴。
太陽のあるうちに、定例コースをロードバイクランする。そのあとは、いつものサウナ&スパを堪能。


それはさておき、先週訪れた京都の「COCON KARASUMA」を振り返ってみよう。



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京都市下京区烏丸通四条水銀屋町にある、複合商業施設である。




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もともとは京都丸紅本社屋として1936年(昭和11年)3月12日起工され、1938年(昭和13年)1月30日竣工。

設計監督は長谷部竹腰建築事務所(現・日建設計)。呉服を取り扱う、丸紅系の各社が入居した。
戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)に接収され事務所として使われていたものである。





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その後、丸紅の手に戻り京都丸紅の事務所兼倉庫として使用されていた。
関連子会社は、京都丸紅サービス(運送、保険)、紅寿苑である。


近年、京都丸紅の事務所が烏丸五条北西角の新社屋へ移転することになったため、建築家の隈研吾の手により複合商業施設として再生され、2004年(平成16年)12月4日開業した。




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☆☆☆GGのつぶやき
再生されて13年。ビルそのものは戦前からのものだけに、古さは否めない。
しかし、ファサードと楓の葉が初冬の光を浴びて活き活きとしていた。
ここの地下で妻とふたりでランチする。
久しぶりの京都であった。





























































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# by my8686 | 2017-12-02 23:00 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

「NYダウ、史上初2万4千ドル突破」を読み解く

11月30日のニューヨーク株式市場は、米税制改革の実現が近づいたとの見方から、大企業でつくるダウ工業株平均が大幅に上昇し、終値で史上初めて2万4000ドルの節目を超えたという。



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NYダウの高騰ぶりをどう読み解くか。

あらためて、経緯をみてみよう。



前日比331・67ドル(1・39%)高い2万4272・35ドルで取引を終えた。

ダウ平均の上げ幅は今年最大で、史上最高値の更新は3日連続。10月18日に終値で2万3000ドル台に乗せてから1カ月半で再び大台を突破。

米議会上院が法人減税を盛り込んだ税制改革法案の採決に動きだし、これまで反対姿勢だった共和党重鎮のマケイン議員が賛成に回ると伝わり、法案の早期成立への期待が一気に高まった。




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米連邦準備制度理事会(FRB)がパウエル次期議長のもとで緩やか利上げを進めるとの見通しや、金融規制緩和への期待などから、ゴールドマン・サックスなどの金融株が大きく上昇した。年末商戦への期待から小売り株も買われた。





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ハイテク株中心のナスダック市場の総合指数も上昇し、同49・63ドル(0・73%)高い6873・97で取引を終えた。


11月21日には、ニューヨーク株式市場は、この週から本格化する年末商戦への期待などからアップルなどハイテク株が買われ、大企業でつくるダウ工業株平均が続伸、9営業日ぶりに史上最高値を更新。終値は前日比160・50ドル(0・69%)高い2万3590・83ドルだった。

ハイテク株中心のナスダック市場の総合指数も続伸し、同71・77ポイント(1・06%)高い6862・48と過去最高値を塗り替えた。年末商戦を目前に控えてアップル、マイクロソフトなどが大きく値を上げた。世界的な株高傾向も投資家心理を支えた。





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11月9日には、ニューヨーク株式市場は、トランプ米政権が進める税制改革に不透明感が出てきたとの見方から、大企業でつくるダウ工業株平均が8営業日ぶりに反落し、前日より101・42ドル(0・43%)安い2万3461・94ドルで引けた。




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米上院共和党が発表した税制改革案をめぐり、法人減税の実施時期が下院案の2018年から1年先送りされる方向だと事前に報じられ、失望感から売り注文が広がった。ダウ平均の下げ幅は一時、250ドルを超えた。





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ハイテク株の比率が高いナスダック市場の総合指数も反落し、同39・07ポイント(0・58%)低い6750・05で取引を終えた。









☆☆☆GGのつぶやき
アメリカ・トランプ政権が、ティラーソン国務長官を近く更迭させる計画を検討していると、地元メディアが伝えている。トランプ大統領本人が、更迭を承認したかは不明だが、外交政策を担う看板閣僚の更迭となれば、政権の混乱拡大は必至。
まだまだ予断を許さない状況下なのである。





































































 

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# by my8686 | 2017-12-01 10:33 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)