「東証、21年ぶり高値 海外経済が堅調 終値2万881円」を読み解く

11日の東京株式市場で日経平均株価は7営業日連続で値上がりした。




c0352790_13341243.jpg



終値は前日比57円76銭(0・28%)高の2万0881円27銭と、2012年12月に第2次安倍政権が発足してからの高値を上回った。

1996年12月5日(2万0943円90銭)以来、約20年10カ月ぶりの高値水準だ。証券業界は今後の株価上昇に期待するが、北朝鮮情勢など先行きのリスクは多い。



c0352790_13342998.jpg




安倍政権発足後のこれまでの高値は、2015年6月24日の2万0868円03銭だった。


日経平均は昨秋の米大統領選でトランプ氏が勝利し、円安ドル高となってから上昇基調。海外経済の堅調で上向きな企業業績も株高を支える。最近は北朝鮮の核・ミサイル疑惑で伸び悩んだが、ややリスクは後退している。

証券会社トップは11日、「中長期的に2万5千円を目指す展開」(野村ホールディングスの永井浩二最高経営責任者)などと強気のコメントを出した。



c0352790_13344577.jpg



しかし、日本銀行が日経平均などに連動する上場投資信託(ETF)を買い、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株式投資比率を引き上げるなど、公的な資金が株価を支える面も大きい。

総選挙後の政治情勢は見通せず、北朝鮮問題も解決の糸口は見えない。「市場が不安定になる可能性は残る」(大手証券)との声は根強い。




c0352790_13345990.jpg




96年12月は、バブル崩壊後、金融危機に向かう中だった。野村証券の伊藤高志氏は「20年前は、バブル崩壊の90年ごろから始まった株安局面の通過点だった」と話す。

日経平均はその後の上昇とリーマン・ショック、東日本大震災や超円高での低迷を経て、日銀の異次元緩和の効果などで再び上がってきた。

しかし国内外の政治情勢が不安定で、緩和効果にも限界が出てきた中、上昇が続くかどうかは見通せない。





さらに、21年ぶりの高値となった主要因を読み解いてみよう。


「ファーストリテイリングなどの大型株に海外勢の買いが入った」。国内証券トレーダーは強調する。
外国為替市場では対ドルでの円安の勢いこそ一服したが、前日の米株高を背景に投資家心理が強気に傾いて幅広い銘柄が買われた。11日前場終値は前日比0.2%高の2万870円だった。




c0352790_13353084.jpg



9月中旬以降、日経平均の上昇ピッチが速まった理由は大きく3つある。


1つ目は、世界経済の順調な成長。

国際通貨基金(IMF)は10日公表の世界経済見通しで2017年の経済成長率を上方修正した。日本も国内景気の拡大が8月で57カ月間となり、長さは1965年から70年までの「いざなぎ景気」に並んだ。
内閣府が11日朝に発表した8月の機械受注統計も好調な内容だった。企業の収益力向上への期待が高まっており、「10月下旬以降の決算シーズンを控えて物色が活発化している」。

日経平均の構成銘柄で昨年末比の騰落率を見ると、上昇率上位にはタイヤ原料を手掛ける東海カーボンや産業用ロボットの安川電機、半導体製造装置の東京エレクトロンなどが並ぶ。
市場の拡大に乗って稼ぐ力を高めてきた成長銘柄に国内外の投資マネーが集まっている。



c0352790_13355019.jpg




2つ目は、日米の政治動向。

22日投開票の衆院選では自民党が優勢を保っており、海外投資家の多くはアベノミクスが続くと予想している。日銀による大規模な金融緩和の継続が見込まれ、円安期待が膨らんでいることも株価を下支えしている。
米国では連邦法人税の税率を引き下げる議論が進む。減税による景気回復期待で米金利が上昇しており、日本株に追い風となっている。



c0352790_13361796.jpg




3つ目は、北朝鮮リスクが後退していること。

10日の朝鮮労働党の創建記念日に合わせて北朝鮮は新たな挑発行動に出る可能性があった。ただ、今のところ目立った行動はなく、投資家が運用リスクを取りやすくなっている。

ただ、日経平均の2016年末からの上昇率は約9%にすぎない。米国やドイツ、インド、台湾など世界の主要市場に比べると見劣りする。市場では一段と上値を追うためには「消費増税撤回や金融所得課税などの減税が求められる」(JPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジスト)との指摘がある。




c0352790_13363825.jpg







☆☆☆GGのつぶやき
消費増税撤回や金融所得課税などの減税を新政党がどこまで実現できるのか。
お手並み拝見といこう。


















































































[PR]

# by my8686 | 2017-10-12 13:37 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

國分功一郎著『中動態の世界 意志と責任の考古学』を読み解く

10月としては異例の暑さとなった水曜日。
午後から府中へ出役し、検品業務終了後は直帰とする。

夕刊を斜め読みするなかで、気になる本の広告に出くわす。
國分功一郎著の『中動態の世界 意志と責任の考古学』。(医学書院2000円)



c0352790_11420079.jpg



我々は強い意志を持って行動し、その責任を取る自己を求められる。だが、我々が生きる世界はそれほど明確に成り立っているわけではなく、私はそれほど自由な主体ではないのではないか。

なにか息苦しく、言葉が違うように感じてしまう。この違和感は、思考の可能性を過去に遡って検討する哲学の考古学が解明してくれるはずだというもの。





あらためて、その内容を読み解いてみよう。



解明の鍵は「中動態」にある。古典ギリシア語の文法では能動態・受動態と並ぶもう一つの態があり、例えば「打つ」と「打たれる」の中間には「自らの胸を打つ」があって哀悼などの状態を示す。




c0352790_11422575.jpg




日本語の「偲しのばれる」といった自発の表現に対応する。中動態は言語学的にはおそらくより先にあったものだが、そこから受動態が分かれ出てやがて形態としては消えてしまった。

著者は、言語学者バンヴェニストらの研究を活用しながら、この失われた言語の「態」とそれが可能にする思考を発掘していく。





c0352790_11424218.jpg



言語学の知見は、私たちのものの見方にどんな光を当ててくれるのか。
古代ギリシアに「意志」という概念はなかった。中動態の動詞「生まれる、望む、思われる、現れる」は、自由な意志による主体的な行為ではない。

能動と受動の対で割り切ろうとする思考が抑圧した可能性が明らかにされる。

スピノザを読み解き、ハイデッガー、アレント、ドゥルーズ、デリダ、アガンベンらを批判的に検討しながら、著者は彼らがこだわった中動態の哲学的意義を論じ、読者を新しい思考へと誘いざなう。




c0352790_11425962.jpg



シリーズ「ケアをひらく」の一冊に入った本書で、看護が正面から論じられる場面はほとんどない。

だが、私たちが生きる現場を根底から見据える視点を、哲学から与えてくれる。私たちが生きているのは、自己の責任だけでは割り切れない、出来事が自おのずから現れる、そんな自由な、中動態の世界なのかもしれない。


國分功一郎
1974年生まれ。高崎経済大准教授(哲学)







☆☆☆GGのつぶやき
第16回の小林秀雄賞に輝く本書。
一般人には難解だが、インド・ヨーロッパ語に広く存在していた「中動態」を切り口に、現代人の意志や行動などについて考察した良書である。
國分の主な著作に『暇と退屈の倫理学 増補新版』『スピノザの方法』『ドゥルーズの哲学原理』などがある。


































































































[PR]

# by my8686 | 2017-10-11 23:11 | 気になる本 | Trackback | Comments(0)

「ノーベル経済学賞、セイラー教授の受賞理由」を読み解く

2017年のノーベル経済学賞は、米シカゴ大のリチャード・セイラー(Richard H. Thaler)教授の受賞となった。




c0352790_10534200.jpg



セイラーは行動経済学の権威で、経済学の意思決定の分析に心理学に基づく現実的な仮定を組み込んだことで知られる。


行動経済学者の受賞としては、2002年のダニエル・カーネマンに続くものだが、2013年のロバート・シラーも受賞理由は「資産価格の実証分析に関する功績」であるものの、研究活動の柱は行動経済学だった。

標準的な経済学は、精緻な数学的モデルを築くために大胆な仮定を多数置いている。その代表例が、経済主体は財やサービスの効用などについてすべての情報を知っているという「情報の完全性」と、経済主体は常に自己利益を合理的に最大化させて意思決定するという「合理的経済人」だという。



c0352790_10540738.jpg






あらためて、この内容を読み解いてみよう。


「合理的経済人」の仮定に異議を唱える

このような大胆な仮定の下では、アダム・スミスの「神の見えざる手」のごとく、市場にすべてを任せれば、市場が解決してくれるという経済学の結論にたどり着く。
ただ現実には、こうした仮定が成り立たない領域は少なくない。昨今のノーベル経済学賞では、非現実的な仮定を現実的なものに置き換えたときに、どんなことが言えるかを研究したものが受賞するケースが多い。

昨年の受賞者であるオリバー・ハートは、当事者同士が将来のことがわからない状況下(情報の不完全性)では、「契約」はどのような落とし穴に陥るのか、そしてそのための処方箋は何かを明らかにした。
1996年受賞のジェームズ・マーリーズとウィリアム・ヴィックリー、2001年受賞のジョージ・アカロフ、マイケル・スペンス、ジョセフ・スティグリッツも情報の不完全性の下での市場分析が受賞理由だ。




c0352790_10542589.jpg



これに対して、カーネマンやセイラーに代表される行動経済学は「人はみな自己利益のために完全に合理的に意思決定する」という合理的経済人の仮定そのものに異議を唱えたものだという。

セイラーは、経済的意思決定に体系的に影響を与える、以下の3つの心理的特性を明らかにしたと、スウェーデン王立科学アカデミーはその功績をたたえた。



それは、①限定合理性 ②社会的選好 ③自制心の欠如の3つだという。

①「限定合理性」という概念は、ハーバート・サイモン(1978年ノーベル経済学賞受賞)が生み出したもので、人間は認知能力の限界から完全に合理的であることはできないというもの。
セイラーは、その例として、金銭に関する意思決定で人間が無意識に行う心理的な操作を「メンタルアカウンティング(心の家計簿)」として理論化した。




c0352790_10545285.jpg


それによると、人々は心の中で家計費や娯楽費といった具合に勘定項目を設定することにより金銭に関する意思決定を単純化する。
合理的に全体の資産の中での効果を考えるのではなく、狭い勘定項目の中でのやりくりで判断する。

たとえば、資産形成の勘定科目から、短期的に必要な支出におカネを回すことは敬遠されるため、全体の資産には余裕があっても余計な金利コストを払ってローンを組んでで支出することがあるという。




②「社会的選好」は、標準的経済学が仮定するように、人々は自己利益だけを考えて意思決定するのではなく、公平性や他者の利益も考えて選好することを指す。

セイラーは、被験者を使った大規模なゲーム実験で、人々は匿名性の下でも他者に対して公平に振る舞い、他者に不公平に振る舞った人に処罰を与えるためには自分のコストを払うこともいとわない傾向があることを明らかにした。
社会的選好は、労働市場での賃金設定にも影響を与えていると言われる。




c0352790_10550991.jpg






③「自制心の欠如」は、新年の決意はなぜ維持するのが難しいのかという問題を扱う。
今年こそはタバコをやめて健康な体を手に入れると決意したが、目先のタバコについつい手が出てしまうというような経験は誰にでもあるだろう。

経済学はこのような問題を異時点間の選択と言い、割引率を使って計算するが、セイラーは心理学を基としたゲーム実験を行い、現実的な割引率の構造を明らかにした。




c0352790_10552204.jpg




行動経済学の世界には、「ナッジ(nudge)」(ひじで軽くつつくという意)という概念がある。
心理的特性をテコにして人々によい行動を取らせるという意味だが、セイラーがその発案者だ。実際、行動経済学の知見を基に労働者の貯蓄行動を改善させることに成功し、現実の政策にも大きな影響を与えた。

もともと経済学はアダム・スミスの時代から、心理的特性を重視した人間の研究という側面が強かった。
それが戦後、自然科学のような「ハードな科学」の地位を目指して高度な数学モデルの世界に移行してしまった。複雑な人間心理を含め、理論の仮定を現実的なものに置き換えていく研究は今後も重要度を増しそうだという。








☆☆☆GGのつぶやき
現在の日本型社会主義こそ、旧ソ連や、支那、北朝鮮等が「理想」として推進し、そして挫折した「社会主義」そのものである。
日本の「半統制経済」こそ、言ってみれば自己矛盾や経済的破綻や国家崩壊の憂き目を回避した理想的経済といえなくもない。




































































































































[PR]

# by my8686 | 2017-10-10 10:56 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

2018年春夏NYコレクション開幕!

米国で開催されたニューヨーク・ファッションウィーク2018春夏コレクション。

ファッショニスタ待望のコレクションシーズンが到来! NY、ロンドン、ミラノ、パリという4大都市のトップバッターとなる、ニューヨーク・ファッション・ウィークが、9月開幕された。




c0352790_09495293.jpg



今季の注目ブランドは、いかに。

体育の日の午前中は、“攻めた装い”のスナップショットをみていこう。



c0352790_09501426.jpg


c0352790_09502245.jpg



c0352790_09503589.jpg



c0352790_09504242.jpg




c0352790_09505488.jpg




c0352790_09510560.jpg




c0352790_09511894.jpg




c0352790_09512416.jpg




c0352790_09513391.jpg







☆☆☆GGのつぶやき
攻めの装いで攻めちゃえ!!


















































































[PR]

# by my8686 | 2017-10-09 09:52 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store」を読み解く

三連休中日の日曜日。
ほったらかしにしていた旧自宅の庭木を伐採した。俄かに購入した電動のこぎりが結構役に立つ。
切り倒した小枝や幹の後始末に、終日格闘する。
自然界にできたものは自然に返してやりたいのだが、今では不法投棄になってしまうご時勢である。


それはさておき、徳島県上勝町に誕生した気になる店を覗いてみよう。
マイクロ・ブリュワリー「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store 」という店。



c0352790_07431328.jpg



徳島県上勝町は、ゼロ・ウェイスト宣言をした町、葉っぱビジネスで有名になった町である。




c0352790_07433013.jpg




マイクロ・ブリュワリー(クラフトビールの醸造所)、テイスティング・スタンド、BBQ ガーデン、量り売りのジェネラルストアから構成されるこの施設は、プロデュース&プロジェクトマネジメントをTRANSITが手がけ、建築設計を中村拓志&NAP建築設計事務所が行なった。





c0352790_07435112.jpg



中村拓志&NAP建築設計事務所は、隈研吾の事務所から独立し、「ランバン ブテイック(銀座)」「Dancing trees,Singing birds-(目黒)」などを手がけた人気建築家の中村拓志とそのNAP建築設計事務所である。




c0352790_07440939.jpg






あらためて、その内容を読み解いてみよう。



マイクロ・ブリュワリーは、廃棄される前の上勝特産の柑橘のゆこうの皮をつかったクラフトビールを繰り返し使えるリターナブル・ボトルで飲めるブリュワリーである。



c0352790_07443437.jpg




人口約1700人の上勝町は美しい景観を守りながら自立的で持続的な循環型社会を目指して「ゼロ・ウェイスト運動」を推進している。





c0352790_07445113.jpg




ゴミ焼却所を持たず、ゴミを34分別することで再資源化を8割達成するなど、全国や海外からも視察に来るほど注目を集めている地域である。





c0352790_07450896.jpg



高い山と深い谷の隙間に展開する棚田に現れたこの施設は、これからの上勝町を象徴するような場所になるように作られている。




c0352790_07452298.jpg




町内産の杉板の端材をリユースし、柿渋など自然由来の塗装を施した外壁。





c0352790_07454222.jpg




町内の廃材となった建具を再利用しパッチワークのように組み込まれた高さ8.1mのファサード。





c0352790_07455618.jpg



上勝町が真剣に取り組む「リサイクル」「リデュース」「リユース」の3R 推進の情熱を各界のクリエイティブチームの協力の元、ついに完成した。
また、今後、上勝町では、「持続可能な社会と我々の行動責任」というテーマに、町の文化やゼロ・ウェイストの理念を結びつけた新プロジェクトも検討されている。




c0352790_07461322.jpg



楽しい、嬉しい、美味しいことからまず、理解してもらう。
ゴミをどうするかではなく、ゴミをどう出さないか。





c0352790_07462846.jpg



物を愛して、クリエイティブに使っていく。
おいしいビールとBBQを味わい、美しい棚田の景色を見ながらゴミについて考えるきっかけにしていければ嬉しいという。



正式名称 : RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store
住所 : 〒771-4501 徳島県勝浦郡上勝町大字正木平間237-2 
営業時間 :  土日祝10:00-21:00 / 平日11:00-21:00
定休日 :   不定休
公式サイト : http://kamikatz.jp

PRODUCE & PROJECT MANAGEMENT : TRANSIT GENERAL OFFICE 中村 貞裕 / 岡田 光
ARCHITECT : Hiroshi Nakamura & NAP Co.,Ltd./中村拓志
GRAPHIC DESIGN : DIAGRAM/鈴木直之
BREWING DIRCTION : Ryan Jones
FURNITURE : WRAP建築設計事務所/今瀬健太
BBQ TOOL : 株式会社釜浅商店/熊澤大介
CONSTRUCTION : 株式会社大創
BUSINESS OPERATION : SPEC Bio Laboratory inc.
SPECIAL THANKS : 藤巻 幸夫







☆☆☆GGのつぶやき
ラフな店づくりがいい。
気持ちが楽に楽しくなる気配がいい。
昔、アメリカのTVドラマで見た西部劇に出てくるような店づくりがいい。
それにしても、人気建築家の中村拓志とそのNAP建築設計事務所の仕事がいい。
今度あらためて、彼等の仕事を読み解いてみたいと思った。











































































































[PR]

# by my8686 | 2017-10-08 22:22 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)