5月5日、こどもの日。
教育業界で「ビッグデータ」が注目されている。
紙からデジタルへとIT化が進む教育現場で、子どもたちの膨大な学習記録を情報端末を通じて集め、残せるようになってきたからだという。
総務省が昨年度から3年計画で始めた「先導的教育システム実証事業」。
今年度までに計約10億円の予算をかけ整備を進める全国の学校向けのクラウドサーバーには、デジタル教材を通じて集まる子どもの学習記録を保管する機能も備わる。
各地の学校と協力して効果を検証する計画だという。
子どものデータを誰がどう管理し、何に使うのか。
データを使うと成績は上がるのか。
教育現場で新たな論点が浮上しているという。
それはさておき、気になるフリージャズの鬼才エバン·パーカーをみてみよう。
エバン·パーカー (1944年4月5日生まれ、 イングランド )英国出身のマルチフォニック奏者。
3つから4つの音が同時に聴こえてくるノンブレス奏法、超スタッカートを実現するタンギング。
サックス奏者。
緊張感が持続する無機的で硬質的でストイックなセッションのように最初は聴こえてくる。
しかし、黒人ジャズのスピリチュアル表現の延長とは一線を画するポリ・モードに聴こえてくる。
ジャズの歴史が音楽的な制約から開放へ向かう歴史であるなら、フリージャズは、音楽における構造との対決であり、リズムからの脱却であり、方向や意義を削ぎ落としていくことで素の音源に近づいていく。
広大な音の原風景の中に真のフリーを見出すのか。
かつてポスト・フリーの時代には、フリー・ジャズがただ既成の概念を否定していたのに対し、既成の概念を否定しつつ新しい秩序を模索するという試みが始まった。
フリー・ジャズで一度否定されたコードやモードを、新しい秩序の中で利用する工夫が行われている。
ドミナント・モーションを持たないコード進行を主体とするスタイル。
自由に頻繁な転調を行ったり、コード進行に12音技法を用いたり、分数コードを用いたりする。
旋法の手法をさらに発展させたスタイル。
コンポジット・モードと呼ばれる新しいモードを創作したり、モーダル・フレージングを発展(アッパー・ストラクチャ・トライアドの応用やペンタトニック・スケールの応用など)させたり、複旋法(ポリ・モード)を使用したりする。
ポスト・フリーは音楽的にはクラシックの現代音楽と同じ精神を持っている。
当時、彼の編み出した奏法は「ノン・ブレス」という言葉で語られていた。
通常の息継ぎをしないのでそういう表現になったのだと想像するが、今考えるとおかしな言葉である。
実際に彼が行っていたのは循環呼吸法とマルチフォニック奏法を組み合わせたものだ。
いずれもそれ自体は既にあった奏法で、循環呼吸法はトラディッショナル音楽で、マルチフォニックス奏法も他の木管楽器、クラリネットやオーボエ、フルート、バスーンでは用いられていた。
それらを組み合わせた独自の奏法を用いることで、即興演奏を倍音やノイズ成分を含めた音響的な側面からも試行錯誤のあとがうかがえる。
そして、サックスによる演奏表現の領域を大きく広げたのである。
彼はジャズだけではなく、若い頃から初期の電子音楽にも興味をもっていた。
そのような音楽的嗜好があったからこそフリージャズからの大きな転換が可能だったといえよう。
☆☆☆やんジーのつぶやき
ポストフリー。
破壊と創造の狭間に漂う、官能的刺激音。
その洪水の中に身を任せるのも一興。