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本の値引き、仁義なき攻防 アマゾン「脱再販・直取引を」 書店は締め付け、出版社戸惑い

ネット通販大手のアマゾンが、刊行から一定期間を過ぎた一部の本の値引き販売を始めたという。



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あらためて、この内容をみてみよう。


本は再販売価格維持制度に基づく定価販売が普通だが、出版社から“要望”のあった本の値引き販売は認められている。
ただ、参加するのは1社のみ。
出版界の慣行を揺さぶる「黒船」への警戒感は根強いという。

参加するのは筑摩書房。
「フローベール全集」など8タイトルで、当面は来年1月中旬ごろまで定価の2割を値引きする。
アマゾンの値引き販売は6月に続いて2回目だが、5社の計約110タイトルだった前回から大幅に減った。
しかも筑摩は約100の一般書店でも同様の取り組みを始めており、アマゾン単独の値引き販売に参加する出版社は今のところゼロだ。




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「今回は参加できない」

前回参加した出版社の社長は11月にアマゾンから誘いを受け、そう漏らした。
前回の販売初日、大手書店から「説明に来て欲しい」と電話がかかってきた。
書店役員らが居並ぶ部屋で謝罪を求められ、他の一般書店からも続々と返本されてきた。
「ここまでたたかれるとは思わなかった」

一般書店側の強烈な締め付けが出版社の参加を阻んだ形だが、アマゾンが攻勢を緩める気配はない。
10月、東京・目黒のアマゾンジャパン本社ビルに、大手・中堅出版社の社長と営業担当者らが集められ、2週にわたって計約40社が“懇談会”に参加した。





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「出版がこれほど低落した原因は?」
「アマゾンに期待することは?」

立て続けに質問され、社長らは渡されたスケッチブックに「コンテンツの魅力を増すのを怠った」「長く本を置いてもらいたい」などと書き込んで見せた。

最後に直取引を持ちかけられた。
アマゾンも日本出版販売(日販)などの取次会社を通して仕入れてきた。
だが、取次の在庫に欠品が出た際に出版社から直接仕入れられれば、顧客に届けるまでの時間を短縮できる。
ただ、アマゾンは直取引の場合の仕入れ値を低く設定するため、出版社の利幅は薄い。
中小出版社で組織する日本出版者協議会は16日、「直取引の拡大は書店・取次の廃業につながる」との声明を出した。





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アマゾンには「カート外し」という“技”もあるとされる。
サイトのショッピングカートを外す=商品を扱わないという意味だ。
複数の中小出版社が今春、アマゾンから「マーケティングプログラム」への参加を呼びかけられた。
アマゾンのサイトへの露出を増やすなどの代わりに、そこでの全売り上げから一定割合を支払う仕組み。
ある出版社は「提案に乗らなければ取り扱わない商品も出る」と説明されたという。
「乗るしか選択肢はなかった」





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出版市場は1996年の2兆6500億円をピークに縮み続け、2014年は1兆6千億円。
出版流通に詳しい関係者は「アマゾンなしではやっていけない出版社もある」と危機感を募らす。
専修大学の植村八潮教授(出版学)は「フランスでは値引きした本の無料配送を禁止する『反アマゾン法』と呼ばれる法律もできた。
日本のネット書店で一強状態のアマゾンに流通網を握られるのは、出版文化の危機だ」と指摘する。





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■再販、システム的に疲弊 アマゾンジャパン書籍担当・村井氏

アマゾンジャパンの村井良二バイスプレジデント(書籍事業本部担当)の話 
出版業界は再販制度によって競争原理が働かず、システム的に疲弊している。
値引き販売で硬直した業界に刺激を与え、底上げできないかと思った。
6月に値引き販売したときは前後1カ月と比べ2倍売れた。





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今後も値引き販売は続ける。出版社との直取引は今年に入って増え、書籍の約3分の1を占める。
売り上げも上がっている。
品ぞろえを増やし、配送スピードを上げ、顧客の利便性を高めることを愚直に進めたい。
それが、業界全体の底上げにもつながる。
(2015.12.24朝日新聞より抜粋)









☆☆☆やんジーのつぶやき
ワンクリックすれば早いもので翌日には宅配されるネット書籍販売。
欲しいテーマ関連の書籍も一発で検索できてしまう。
その利便性に慣れてしまうと書店にわざわざ脚を運ぶ機会も減る。
たまの休日にウォーキングをかね気分転換に書店を探訪することはあるが購入にまではいたらない。
黒船到来後の書店のあり方が問われている。

























































by my8686 | 2015-12-24 11:34 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)