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オノマトペ 建築「風檜」

金銭授受疑惑を指摘された甘利明経済再生相が国会で終日釈明に追われたり、原油安が底なし沼状態で26ドル台になり1年半で4分の1水準で産油国の財政難に経済危機が叫ばれたり、SMAPが解散するとかしないとか・・・。

なにやら騒がしい金曜の朝ではある。

さて、本日も隈作品「オノマトペ 建築」をみてみよう。




台湾にある隈作品「風檜」。




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台湾 新竹縣
2013年11月~2015年1月
パビリオン
180㎡





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あらためて、隈研吾の設計コメントとともにみてみよう。

人にやさしく、自然にやさしい台湾の新しい生活文化の創造を目的とする、森の中の小ホテル「The one南国」の庭にたてられた多目的パビリオン。





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木(ヒノキ)でオルガニックな形態をもつ骨組みを作り、その上に極力金属を用いずにETFEの透明な膜をかぶせることで、ヒノキの森の中にいるような、空間体験を作り出すことができた。





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地面がゆっくりと隆起してパビリオンになったような形態を生成するため、木のユニット同士はすべて異なる角度でジョイントされた。





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基本的にアーチ構造によって支えられているが、小さな粒子が木の枝のように無駄に集合して、曖昧でゆるい全体を生成しているような空間感覚を創造するため、ユニット同士をすべて少しずらしながら接合していった。





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この接点をずらしたジョイントの方法は、ユニットの小さな動きを許容するためにも効果的であり結果として力を吸収して逃がす「やわらかな」構造システムができあがった。





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隈研吾自身もThe One南園に宿泊した経験があるそうだ。
庭に建てられた多目的パビリオン「風檜」は新竹に吹く風「九降風」と南園の土地との対話を表現しているという。





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30年前に漢寶德によって造られた南園のヒノキ建築群とヒノキで造られた新たなパビリオン「風檜」もまたヒノキの新旧対話のようだ。





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738本のヒノキはすべて異なる角度でつなぎ合わせられており、17層にもなる。
2mの高さの入口からゆっくりと6mの高さにまでなる流動的な建築物。





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ここでは夜に演奏会などが開催され周りには水の浮力で身体を支えるウォーターソファーが置かれている。
水滴のようなウォーターソファーに座りながら風檜を見ることができるという。





さらに「The one南国」についてみてみよう。

台湾建築の父「漢寶德」氏がデザインして作り上げた「南園」。
1985年に台湾の伝統ある有力紙「聯合報」の創始者「王惕吾」氏の隠居生活の場として作られたという。




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風水を元に、「江南庭園」「閩南式建築」「洋館」のスタイルを融合させ、100名にも及ぶ木工師や各方面の技師による細やかな手技を施し、台湾でもっとも貴重なヒノキ建築群だと言われている。
27ヘクタールにも及び、四方を山に囲まれている南園。





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台湾の重鎮方はもちろん、サッチャー元首相、ゴルバチョフ元大統領など世界的な大物も迎えたことがあるという。





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☆☆☆やんジーのつぶやき
小さな粒子が木の枝のように無駄に集合した曖昧でゆるい空間。
こすれあう世界のなかでこの空間だけは心落ちつける場所のように想える。
機会があれば「The one南国」を探訪したいと官能が疼いた。



















































by my8686 | 2016-01-22 08:06 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)