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「フリン米大統領補佐官辞任」を読み解く

トランプ米大統領の最側近で、国家安全保障担当のマイケル・フリン大統領補佐官が、政権発足から1カ月足らずで辞任に追い込まれた。
大統領令をめぐる逆風を受ける中での辞任劇は、政権の混乱ぶりの象徴として大きな打撃となる。とくに対ロシア、対日本でフリン氏が果たした役割は大きく、外交関係にも影響を与える可能性があるという。




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あらためて、この内容を読み解いてみよう。



■対ロ制裁協議否定一転、釈明

「次期安全保障担当アドバイザーとしての義務のなかで、数多くの外国の閣僚や大使から電話を受けていた。円滑な政権移行を促進し、外国の指導者とトランプ氏の間に必要な関係を構築するためのものだ」
フリン氏が13日にホワイトハウスを通じて公表した辞任の声明の冒頭にはこう書かれていた。トランプ氏の最側近としての自負と無念さがにじみ出ていた。





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発端は、昨年12月29日。オバマ前大統領が、大統領選中にロシアが民主党などにサイバー攻撃を仕掛けて介入した問題で、ロシア外交官35人を米国から追放するなどの制裁措置を発表した。
フリン氏は直後から、セルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と複数回、電話で話していた。

米メディアは、フリン氏がトランプ政権が発足したら制裁の内容を見直す方針をロシア側に伝えていたとの疑いを報じた。

米国では、1799年に制定されたローガン法により、政府からの権限のない民間人が外国政府との外交協議を行うことで、政府の外交を妨害・干渉することは禁じられている。フリン氏はこの時、まだ大統領補佐官になっていない民間人の立場で、同法違反の可能性が指摘されている。






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フリン氏は報道を否定。ペンス副大統領も「フリン氏と話したが、その時の会話は制裁とは何の関係もなかった」と擁護した。
しかし9日、米紙ワシントン・ポストの報道で潮目が変わる。現政権やオバマ前政権の幹部ら計9人の話として、フリン氏の電話の中で「制裁について話題に上っていた」と証言する内容が報じられたのだ。録音記録もあり、司法省が政権に、フリン氏がロシアから脅迫を受ける危険があると警告までしていたという。

これに対し、フリン氏は報道担当者を通じて「制裁について、議題に出なかったかは確かではない」と述べ、一転、制裁を協議した可能性を示唆した。

トランプ政権内で、フリン氏を守ろうとする雰囲気は急速に消えた。政治ニュースサイト「ポリティコ」によると、トランプ氏は、ペンス氏らに本当のことを話さなかったフリン氏に、不満を漏らしていたという。

コンウェイ大統領顧問は13日、記者団に「フリン氏はトランプ大統領の全面的な信頼を得ている」とかばった。だが、直後の記者会見でホワイトハウスのスパイサー報道官は大統領の姿勢について軌道修正した。
「大統領は、この国の安全保障は最も重要な問題ととらえており、状況を見極めている」





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さらに、モスクワ支局からのレポートをみてみよう。


安倍政権にとって、フリン氏は早い段階からトランプ氏への「窓口」的な役割を果たしてきた。菅義偉官房長官は昨年10月の大統領選中、来日したフリン氏と接触。
大統領就任前の1月初旬に訪米した河井克行首相補佐官も、フリン氏と1時間会談した。せっかく信頼関係を培った人脈だけに、ある官邸幹部は「残念だ」と漏らす。






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一方、フリン氏の辞任が日米関係に与える影響は少ないとの見方もある。すでに安倍首相がトランプ氏と10時間以上に及ぶ時間を過ごしたばかり。ペンス氏と麻生太郎副総理との協議の枠組みも作られた。

また、米国の外務・防衛当局内では「異端」とされるフリン氏より、正統派のマティス国防長官との関係を優先させた方が良いとの声も日本政府内には根強くある。ある政府関係者は「米国の安全保障政策がマティス路線へと一本化されるだろう。それは良い結果を生むと思う」とも語る。






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☆☆☆やんジーのつぶやき
米国の安全保障政策をマティス路線に一本化する筋書には、大いに賛成である。
異端視されたフリン補佐官の矛盾に満ちた経歴と戦略的思考能力の欠如は致命的である。












































































by my8686 | 2017-02-15 11:36 | メーク・イン・アメリカの行方 | Trackback | Comments(0)