収賄などの容疑で31日、韓国の朴槿恵(パククネ)前大統領が逮捕された。
大統領経験者としては、3人目の逮捕者だという。
あらためて、この内容をみてみよう。
韓国歴代大統領の多くは自身が逮捕されなくとも、亡命や暗殺、家族の逮捕と、悲劇的な末路をたどってきた。
不正政治献金事件で1995年11月に最初の逮捕者となったのは盧泰愚(ノテウ)氏(在任1988~93年)。
翌月には、前任の全斗煥(チョンドゥファン)氏(同80~88年)が79年のクーデターに絡む内乱容疑などで検察に出頭を求められた。
全氏は「政治的捜査だ」として拒み、故郷に戻ったところで逮捕された。
盧、全両氏はそれぞれ懲役17年と無期懲役の判決が確定。後に特赦された。
盧武鉉(ムヒョン)氏(同2003~08年、04年3~5月弾劾訴追で権限停止)も退任後の2009年に収賄容疑で取り調べられたが、検察が逮捕状請求を検討中に自殺した。
初代大統領の李承晩(イスンマン)氏(同1948~60年)は1960年、不正選挙をきっかにデモが拡大。李氏は辞任を受け入れ、亡命先の米ハワイで病死した。
朴氏の父、朴正煕(チョンヒ)氏(同63~79年)は79年に側近に暗殺された。
金泳三(キムヨンサム)氏(同93~98年)や金大中(デジュン)氏(同98~2003年)も任期後半に息子らが収賄容疑などで逮捕されている。
朴槿恵氏の前任の李明博(ミョンバク)氏(同08~13年)は兄が逮捕された。
前職大統領やその家族が捜査を受けることが絶えない状況に、韓国紙、朝鮮日報は社説で、大統領に強大な権力が集中する現行の大統領制は「もう寿命だ」とし、改憲の必要性を強調する。
「今の枠組みのままでは、大統領の悲劇と大統領経験者の検察出頭が今後も繰り返されるだろう」と論評した。
検察側は、容疑が極めて重大で証拠隠滅の恐れがあるなどと強調し、朴氏側はサムスン電子副会長らから巨額の賄賂を受け取ったなどとされる一連の容疑を否認したとみられる。
審査は30日午前10時半に始まり、非公開で行われ、朴氏に対する審問は、2回の休憩を挟んで午後7時10分まで続き、審問の前後、報道陣の前では終始無言を貫いた。終了後、朴氏はソウル中央地検の留置施設に移されていたという。
朴氏の支援者チェ・スンシル被告(60)の国政介入などをめぐる事件では、計39人が起訴されている。
起訴内容によると、収賄や機密文書流出のほかに、財団の設立資金として企業に計774億ウォン(約77億円)の拠出を強要したり、朴政権に批判的な芸術家らの「ブラックリスト」を作って政府の支援対象から外したりしたなど、計13件で朴氏はチェ被告らと共謀したとされる。
☆☆☆やんジーのつぶやき
極悪な支援者に唆されたのか、同類の共謀劇だったのか。
真実を詳らかにするとともに現行の大統領制の改革を望む。