「トランプ米大統領、アサド政権軍を攻撃」を読み解く

トランプ米大統領は6日(日本時間7日午前)、シリアでアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、アサド政権軍の空軍基地を攻撃したと発表した。

アサド政権を支援するロシアは「主権国家に対する侵略だ」と激しく反発。一時は関係改善を目指した米ロ関係に亀裂が走り、シリア情勢がさらに混迷するのは必至とみられる。


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アサドの煽りに迂闊に反応してしまったトランプのようだが、事の重大さをどこまで認識できているのか、一抹の不安が過る。

あらためて、詳細を読み解いてみよう。



トランプ米大統領は6日夜、フロリダ州パームビーチで、中国の習近平国家主席との夕食会後に演説し、「化学兵器による攻撃をしたシリアの航空施設に標的を定めた軍事攻撃を命じた」と明らかにした。アサド政権軍が同国北西部イドリブ県で4日に化学兵器を使った攻撃への対抗措置であり、限定的な攻撃であるとした。




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トランプ米大統領は「化学兵器の拡散と使用を防ぐことは、米国の安全保障にとって絶対的に不可欠な利益」とし、米国を守る個別的自衛権の行使であることを示唆。
「シリアにおける虐殺と流血を止めるため、米国(の行動)に加わるよう求める」とも述べ、国際社会の理解と協力を求めた。

米国防総省によると、攻撃開始は6日午後8時40分(米東部時間)、地中海東部に展開する駆逐艦から59発の巡航ミサイル「トマホーク」を、シリア中部ホムス近郊のシュアイラート空軍基地に向けて発射した。




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ロシア国防省によると、59発中23発が着弾。シリア軍が保有するミグ23戦闘機6機のほか、軍事物資の倉庫が破壊されたという。

シリア大統領府は7日、「極悪、無謀、無責任で、政治的、軍事的に現実から目を背けた行為だ」と非難した。




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米側は、基地には化学兵器が貯蔵されていたと指摘。米情報当局の分析として、この基地が拠点となってアサド政権軍が4日の化学兵器を使った攻撃をしたと断定した。
米軍の今回の作戦は、アサド政権が再度、化学兵器を使用するのを防ぐためだったとした。攻撃に際し、ロシアに事前通告したとしている。

米軍は、過激派組織「イスラム国」(IS)を掃討するための空爆はしているが、米軍がアサド政権に対して直接攻撃するのは初めて。
対シリア政策を大きく転換させたことになる。

国連安全保障理事会は、今回の米国のシリア攻撃に関する会合を開き、グテーレス事務総長は声明で「激化する恐れに留意しており、シリアの人々の苦しみをさらに深めるようないかなる行いをも慎むよう求める」と訴え、紛争当事者や関係国に和平協議に取り組むよう求めたという。




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しかし、すでに事は遅しの感あり。ロシアのプーチン大統領の反応をどこまで推し量っていたのかが、気にかかる。

シリアのアサド政権を軍事面で支援するロシアのプーチン大統領は7日、米国による攻撃に激しく反発した。
ペスコフ大統領報道官は「大統領は『主権国家に対する侵略であり、国際法違反だ』と考えている」と述べ、米国を厳しく批判した。

今回の攻撃で、プーチン氏が目指してきたトランプ政権との関係改善への期待は完全に裏切られた。米国のティラーソン国務長官が11、12日にロシアを訪問し、ラブロフ外相らと会談する予定だが、激しいやり取りが予想される。

ロシア外務省は7日、シリア上空で米ロ両軍の安全を確保するための合意について、効力を停止すると発表。
2015年10月以降続いた両国による飛行計画などの情報交換が中止される。両軍の偶発的な衝突の恐れも出てきた。




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プーチン氏は化学兵器使用が報じられた後も、アサド政権を擁護する姿勢を鮮明にしていたという。



さらに、日本の反応をみてみよう。


安倍首相は7日、米トランプ政権によるシリアのアサド政権軍へのミサイル攻撃について、「化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を日本政府は支持する」と語った。
シリアで化学兵器により多くの一般人が犠牲になっていると指摘した上で、「これ以上の事態の深刻化を防ぐための措置と理解している」とも述べた。

トランプ政権の「決意」は支持しつつ、武力行使そのものへの評価は避けた形だが、首相は北朝鮮による核・ミサイル開発を念頭に「東アジアでも大量破壊兵器の脅威は深刻さを増している。国際秩序の維持と、世界の平和と安全に対するトランプ大統領の強いコミットメントを日本は評価する」と強調。




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菅官房長官も記者会見で「大量破壊兵器の拡散と使用の脅威はシリアだけの問題ではない。北朝鮮など東アジアにおいても起きうる」と指摘し、今回の攻撃が北朝鮮への抑止力となることに期待感を示した。




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日本政府は7日、国家安全保障会議(NSC)4大臣会合を官邸で開き、米国による軍事行動への対応を協議したという。







☆☆☆やんジーのつぶやき
いよいよ直接戦争の火ぶたが切られてしまうのか。トランプにはケネディのような忍耐力と知性はない。

今あらためて、ケネディの言葉を思い起こしたい。
「将軍たちに任せておくには、戦争は重要すぎる」とクレマンソーの言葉を引用しつつ、過ちや誤解、伝達ミスが予想外の事態を引き起こし、多くの国が結果の予測もつかないうちに戦争に突入した第一次世界大戦への道筋を描いた「八月の砲声」(バーバラ・タックマン)を読み、自分が「十月の砲声を演じる気はない」と語っている。





































































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by my8686 | 2017-04-08 10:09 | メーク・イン・アメリカの行方 | Trackback | Comments(0)

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