「ウォルマート去り、取り残された街 米南東部、買い物の場も雇用も消えた」を読み解く

全米に5千を超える店舗ネットワークを持つ小売り最大手ウォルマート・ストアーズの不採算店の撤退が進んでいるという。




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あらためて、その内容を読み解いてみよう。


規模の大きさから「巨人」とも呼ばれるが、急拡大が続くネット通販に押され、不採算店の撤退が進む。商店街が廃れた地方での存在感は大きく、ウォルマートが去った街は大きく揺れている。

人口3300人の南東部サウスカロライナ州ウィンズボロ。1年半ほど前、この街が揺れた。住民が毎日の買い物で使うウォルマート店舗が突然、閉鎖されたからだ。

 「子ども服や学校用品、私の母が服用している薬もすべてウォルマートで買っていた。それができず毎日困っている」と住人のひとりが話す。一番近い食料雑貨店は車で20分ほど離れた場所にあり、買い物自体が負担になった。

小規模の雑貨店からスタートしたウォルマートは、1962年に創業地である南部アーカンソー州に大型店の「1号店」を開いてから、ブルドーザーのような勢いで全米展開した。「毎日安売り」という宣伝文句を掲げて米国の消費行動を大きく変え、米小売業界のトップに立った。
ウィンズボロにウォルマートが開店したのは約20年前。「とうとうウォルマートが来た」と住民の間で話題を呼んだ。「一つの店で欲しいモノが全部そろう大きさに驚かされた」と住民は話す。




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出店は、地元経済にじわりと変化をもたらした。
街の中心部には数百メートルの大通りがある。50店舗以上の個人商店が軒を連ねていたが、品ぞろえが豊富で価格が安いウォルマートに客が流れた。
その結果、半分ほどの店が閉店。ウォルマート進出から1年後には、地元で70年間愛されたデパートも店じまいを決めた。当時、デパートで勤務していた女性は「客足が遠のくのがはっきりと分かった」。

しかし、ウォルマートは地元で嫌われたわけではなかった。

店舗では150人以上の地元住民が雇われ、「地域最大の雇用主」になった。多額の税金もウォルマート関連が多く、ウィンズボロ地域の売上税の3分の2はウォルマートからもたらされた。

地元の61歳の住人は「仕事が少なく、若い人がどんどん街を離れるなか、進出したウォルマートが雇用の支えだった」と振り返る。「それだけに、撤退は街にとって痛手だった」

地元育ちの前州上院議員は、地域の住民が必要なモノをどう手に入れるか心配している。「私の母親は89歳。30マイル(約48キロ)離れた別のウォルマートまで車で出かければよい、とは言えない」




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■「不便」見限る富裕層 アマゾン攻勢、異例の撤退 

ウォルマートの撤退は、ウィンズボロに限らない。昨年1月、全米154店を一気に閉じる計画を発表。同社の本拠地である米国で大規模閉店を断行するのは極めて異例だ。

「巨人」をここまで追い詰めたのは、ネット通販最大手アマゾン。
急成長が続き、ウォルマートの客を確実に奪っている。ウォルマートの年間売上高はアマゾンの4倍近く。会社規模でみれば、ウォルマートは米小売業界トップの座を譲っていない。

しかし、問題は売上高の伸び率だ。過去5年ほど、アマゾンは毎年2けたの伸びをみせているが、ウォルマートは数%にとどまる。2015年には企業価値を示す株式時価総額でウォルマートはアマゾンに逆転された。投資家はネット通販の成長性に軍配を上げ、実店舗の販売が中心のウォルマートの成長性に疑問を抱いている。

ウォルマートのウィンズボロ店が去った跡地は別の小売店が入る予定もない。大通りの商店街では割れたショーウィンドーに壊れたマネキンが放置され、色あせたカーテンが汚れた床に落ちたまま。営業するのは一部の飲食店と地元の金融機関だけだ。「さびれるだけで明るい話題はない」と軽食店経営者は話す。

買い物にも困るため、裕福な白人層は街を見限るようになった。ウィンズボロと周辺地域では、裕福な人々が去ることで黒人の貧困層の割合が徐々に高まっている。黒人の比率は約6割にのぼり、州全体の2倍以上だ。





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■小規模店に客、かすかな希望

一方で、かすかな希望も見える。地元の小規模店に少しずつ客が戻ってきているのだ。
20年以上、地元で薬局を営む72歳の経営者は「ウォルマートが閉店して客が増え、売り上げが伸びている。大規模店が去り、私たちのような小さな家族経営の店を改めて大事にしようという思いが、お客に生まれたのでしょうか」。

危機感を抱いた地元商工会議所も商店街への出店を呼びかける。まだ成果は出ておらず、通りが活気を取り戻したとは言い難い。ただ、オフィス用品や食品スーパーなどの出店計画の話が持ち上がるようになってきた。
その薬局に来ていた客は、「ウォルマート撤退はたしかに打撃だったが、地元の商店街が活気を取り戻すきっかけになると信じたい」と話した。





☆☆☆やんジーのつぶやき
米国の深刻な負の部分を垣間見た気のした衝撃的なニュースである。
栄枯趨勢は世の習いとはいえ、取り残される世代はたまったものではあるまい。

































































































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by my8686 | 2017-06-01 17:01 | メーク・イン・アメリカの行方 | Trackback | Comments(0)

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