隈研吾の最新作「1HOTEL PARIS」を見てみよう。
設計コメントはなく、ホテルの情報もない。
これからの計画案であろう。
このデザインを見た瞬間、中国の山水画にみる絶景を思いおこしていた。
久しぶりに漢詩と共に読み解いていこう。
国破山河在 国破れて山河在り
城春草木深 城春にして草木深し
感時花濺涙 時に感じては花にも涙を濺ぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火連三月 烽火三月に連なり
家書抵萬金 家書萬金に抵る
白頭掻更短 白頭掻かけば更に短く
渾欲不勝簪 渾べて簪に勝えざらんと欲す
千里鶯啼緑映紅 千里鶯啼いて緑紅に映ず
水村山郭酒旗風 水村山郭 酒旗の風
南朝四百八十寺 南朝 四百八十寺
多少楼台煙雨中 多少の楼台 煙雨の中
送元二使安西 元二の安西に使するを送る
渭城朝雨潤輕塵 渭城の朝雨 軽塵を潤し
客舎青青柳色新 客舎青青柳色新たなり
勧君更盡一杯酒 君に勧む更に盡くせ一杯の酒
西出陽關無故人 西のかた陽關を出ずれば故人無からん
春眠不覺曉 春眠曉を覺えず
處處聞啼鳥 處處啼鳥を聞く
夜來風雨聲 夜來風雨の聲
花落知多少 花落つること知りぬ多少ぞ
白日依山盡 白日山に依りて尽き
黄河入海流 黄河海に入って流る
欲窮千里目 千里の目を窮めんと欲して
更上一層樓 更に上る一層の楼
牀前看月光 牀前月光を看る
疑是地上霜 疑うらくは是地上の霜かと
擧頭望山月 頭を挙げて山月を望み
低頭思故郷 頭を低れて故郷を思う
玉階生白露 玉階に白露生じ
夜久侵羅襪 夜久しくして羅襪を侵す
却下水精簾 却下す水精の簾
玲瓏望秋月 玲瓏として秋月を望む
美人巻珠簾 美人 珠簾を巻き
深坐蛾眉 深く坐して蛾眉をヒソむ
但見涙痕濕 但見る涙痕の濕うを
不知心恨誰 知らず心に誰をか恨む
☆☆☆やんジーのつぶやき
中国の絶景に官能が反応していた。
白日山に依りて尽き、黄河海に入って流る。
千里の目を窮めんと欲して、更に上る一層の楼。
漢詩の世界に遊ぶもまたよし。
ホテル完成の暁には、パリをめざそう。