駅前の焼き鳥屋「てっちゃん」が、新店舗に移ることになった。
若者に愛される「てっちゃん」。
古い2階建ての木造家屋を、焼き鳥屋へとリノベーションするに際して、いかにしたら元々の駅前の焼き鳥屋の持っていた、空気感、粒子感、ノイズを保存するかに挑戦したという。
あらためて、隈研吾のコメントを読み解いてみよう。
まず既存の木造家屋の外壁に既製品のアルミサッシをランダムに取り付けた。
既製品のチープなアルミサッシをアセンブリすることで、日本の都市を覆いつくしていた、「普通」の木造家屋の発するノイズを、アンプリファイしたようなファサードを作った。
アルミサッシは、日本の家をだめしたと感じていたが、今となってみると、その発するノイズはなかなか面白い。
インテリアは、木造建築の骨組みをすべてむき出しにし、その上に、古いスキー板、スノーボードを用いて、雲のようでもあり、ゴミのようでもある階段を作った。
このスキー板とスノーボードでできた階段が、空間の中にダイナミックな渦を作り、この渦が、焼き鳥屋の熱気をおびて回転し続ける。
こんなノイジーな焼き鳥屋に立ち寄るときは、お気に入りのWTAPSで身を包みたい。
店内に流れる音は、ノイジーなジャズがお似合いだが、時には1960年代のマイルスも聴きたい。
背中でリズムを刻みながら、焼き鳥の煙に包まれるのも一興。
☆☆☆GGのつぷやき
こんな若者に愛される店に入る時は、やはりWTAPSで身を包むのが良い。
それも汗と泥でエイジングされた、日焼けした肌のようなものが好きだ。