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「年金運用黒字、6四半期連続 最長記録に並ぶ」を読み解く

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2日、昨年10~12月期の公的年金の積立金の運用益が6兆549億円だったと発表した。




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あらためて、この内容を読み解いてみよう。



黒字は6四半期連続で、過去最長の黒字期間に並んだ。12月末時点の運用資産額は162兆6723億円で過去最高を更新した。

GPIFによると、企業業績の好調が続いているのを受け、主に国内外の株式運用がプラスに働いた。
黒字額は四半期ベースで過去4番目だった。6四半期連続の黒字は、12年7~9月期から13年10~12月期以来で、市場運用を始めた01年度以降で3回目という。




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積立金の運用資産別の構成割合(12月末時点)では、国内債券が比較可能な08年度以降で最低の27・67%となった。

一方、国内株式(26・05%)、外国株式(25・08%)、外国債券(14・13%)はいずれも最高になった。

GPIFの高橋則広理事長は「世界的な株高基調が継続し、為替市場も安定的に推移した」とのコメントを出した。




■年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)

厚生労働省の外郭団体。
厚生労働省からの寄託を受けた厚生年金や国民年金の積立金約130兆円を運用する。

基本的な資産構成は国内債券が60%、国内株は12%などと定められているが、国内株の割合を増やす方向で、すでに運用比率の上下限を定めたルールを停止している。




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自営業者や会社員が払う保険料を原資とした積立金を株式や債券などで運用する。2014年10月に運用基準を見直し、債券から株式の割合を増やした。

株価に資産残高が左右されやすく、株安が進んだ15年度は運用成績が約5兆円の赤字に。
2016年9月末現在の運用資産額は132兆751億円で世界最大級。同年7〜9月期の運用は、株価の回復を受けて黒字に転じた。





さらに、一般国民を対象とする年金である厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っており、当社株の最大の資金拠出者でもある。昨今ではESG投資を開始したことが話題になっている。



■ESG投資

環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別して行う投資。

環境では二酸化炭素の排出量削減や化学物質の管理、社会では人権問題への対応や地域社会での貢献活動、企業統治ではコンプライアンスのあり方、社外取締役の独立性、情報開示などを重視する。

国際連合が2006年、投資家がとるべき行動として責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)を打ち出し、ESGの観点から投資するよう提唱したため、欧米の機関投資家を中心に企業の投資価値を測る新しい評価項目として関心を集めるようになった。





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従来の社会的責任投資(SRI)が環境保護などに優れた企業を投資家が応援しようという発想だったのに対し、ESG投資は環境、社会、企業統治を重視することが結局は企業の持続的成長や中長期的収益につながり、財務諸表などからはみえにくいリスクを排除できるとの発想がある。

ESG投資の代表的手法には、ESG評価の高い企業を投資対象に組み込む「ポジティブ・スクリーニング」と、反社会的活動にかかわったり、環境を破壊したりしている企業を投資対象から外す「ネガティブ・スクリーニング」がある。

類似のものとして議決権行使などで投資先企業の行動に影響を与える「エンゲージメント」や、慈善事業などの社会貢献と経済的利益の両方をねらう「インパクト投資」といった手法もある。




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国連の責任投資原則に署名した資産運用機関は2012年12月時点で1100を超えており(日本は24)、その運用資産は32兆ドルに達している。
また、ESGに適合した企業かどうかを指標化するスコアリング基準づくりも進んでいる。





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☆☆☆GGのつぶやき
GPIFの存在を知らない輩が以外と多いのに驚く。
雇用継続ながら年金生活に入った今、やはり厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用には神経質になる。その資産規模はなんと130兆円にも達している。
これは、米国社会保障年金信託基金に次ぐ世界第2位の規模になる。「世界最大の機関投資家」でもある。
黒字運用ならば言うことはないが、いつ赤字に豹変するかは、誰にもわからない。
























































































by my8686 | 2018-02-05 10:35 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)