記録的豪雨被害の影響で、幹線道路は大渋滞を起こした。
通勤時間に2時間も要した9日の月曜日である。
停滞した梅雨前線の影響による記録的な豪雨の被害を受けた西日本各地は、天候は回復し、救助や捜索が行われている。
大雨特別警報はすべて解除となったが、確認される被害者の数が増え続け、13府県で96人が死亡、行方不明や連絡が取れない者は82人となった。
神の逆鱗に触れてしまったとしか、言いようがない。
こうした災害が起こる度に思い出すのが、バックミンスター・フラーの「富の概念」であり「地球の名言」である。
フラーは独特の富の概念を公言し、一般的な概念である貨幣ではなく人間の生命を維持・保護・成長させるものとした。
それらを達成するための衣・食・住・エネルギーを、そして究極的にはより効率的に成し遂げるための形而上的なものであるノウハウの体系であるテクノロジー、それ自体が更に発展し続ける、それこそが「富」の本質であるとした。
「自分の時間をより有効な探査的な投資に解放すれば、それは自分の富を増やすことになる」
この言葉にも彼の独特の富の概念が現れている。
権力闘争や戦争は、人類が宇宙や地球との調和を見出せない段階で、生き残りや独占を求める未熟な発想から生まれたもので、人類が宇宙との調和の手段を発見できれば、政治は不用だ、として政治や権威を嫌悪した。
「生き残りではなく包摂を」、「攻撃ではなく陳腐化による更新を」、「剣を鍬の刃に」。
こうしたフラーの態度は、既存の組織や業界やアカデミズムから徹底的に無視される結果を生んだ。
しかしながら、意外にもというべきか、やはりというべきか、こうした権威に頼らないフラーの独立不羈の姿勢や地球規模の構えの大きい発想は、1960年代のカウンター・カルチャーの時代になって大いに注目を集めた。
カウンター・カルチャーのバイブル的存在の雑誌『ホール・アースカタログ』は、スチュアート・ブランドが、バックミンスター・フラーの講演を聴いたことがきっかけになって作られている。
フラーはなぜ失敗し続けたのか。それは人類が宇宙との調和など真剣に必要としていなかったから、とも言えるかもしれない。
「政治はいつも最終的には軍備に頼ることになる」
「原子爆弾の次にもっとも危険なのは、組織化された宗教である」
「所有はしだいに負担になり、不経済になり、それゆえ時代遅れになりつつある」
「私たちの人生の目的は、現在、そして未来の世代の人々のために新たな貢献をすることである。」
「全体的に思考して、局所的に行動せよ。」
「最小限を行使しつつ、最大限を達成せよ。」
「力と戦ってはならない、力を使いこなしなさい。」
「他人の利益を考えて、自分の時間を捧げれば、肝心なときには、必ず、天が味方してくれる。」
「何事も挑戦と失敗の繰り返しがあってこそ、身につくものだ。」
「人間はあやまちからしか学ぶことができない。」
「誰もが生まれた時は天才であるが、生きる過程でそれを失ってしまう。」
「躁急と軽率は、事業を破壊する暴風となる。」
☆☆☆GGのつぶやき
バックミンスター・フラーの言葉が、今、かつて以上に抜き差しならない調子を帯びて響くということは、どういうことなのか。
われわれは深く考えてみる必要があろう。