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DVD 映画「歌行燈」を観る

盆休6日目。明け方、借りていたDVD「歌行燈」を観る。

泉鏡花が1910年に発表した小説の映画化である。
1960年、衣笠貞之助監督、市川雷蔵、山本富士子主演で再度映画化されたものである。




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重厚にして衣笠貞之助監督の映像美が官能を刺激する。
やはり、山本富士子の美貌が秀逸であり官能を始終魅了する。






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恩地喜多八は能のシテ方宗家の甥であったが、謡の師匠宗山と腕比べを行い自殺に追い込んだために勘当される。
宗山には娘お三重がいたが、親の死によって芸者となっていた。






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肺を病み流浪する喜多八は偶々お三重と会い、二度と能をしないとの禁令を破ってお袖に舞と謡を教える。

クライマックスは、喜多八の父と知らず、お袖が“玉の段”を舞った時、その見事さに源三郎は地の謡を、雪叟は鼓をつとめた。
鼓の音に魅入られたように、喜多八の姿が近づき、かたくだき合ったお袖と喜多八の体に傍の白梅が散る。





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鏡花は元来能に深い造詣があったという。深夜に響く鼓と謡、舞と海音に深い静けさを表出させている。







☆☆☆GGのつぶやき
創り込まれた古き良き時代の映画が、やっと理解できる年齢となった。
雷蔵作品も今一度見直してみるのもよかろう。





by my8686 | 2018-08-16 20:16 | たかが映画、されど映画 | Trackback