トヨタ自動車が中国・広州に年産20万台規模の新工場の建設を計画しているという。現地自動車メーカー、広州汽車との合弁拠点を拡充し、既存の広州工場に新たな建屋をつくり、EVなどの導入を促す中国政府の環境規制策に対応するという。
あらためて、この内容を読み解いてみよう。
■トヨタ、中国生産2割増めざす 欧米ライバル社追う
中国政府が2019年から一定の生産・輸入を義務づけるEVやPHVを含む新型車をつくるとみられる。広州工場は既に、生産を年12万台増やす方針を固めている。
トヨタは別の現地メーカーと協業する天津工場でも生産能力を年12万台増やす考えで、一連の増強策を合計すると年間40万台超になる。トヨタの中国での生産能力(年間125万台)が、35%程度増えることになる。
中国は年間3千万台近い車が売れる世界最大の市場。ただ、トヨタの17年の販売は129万台にとどまり、400万台規模の独フォルクスワーゲンや米ゼネラル・モーターズに後れをとっている。巻き返すため、トヨタは20年代前半に現地生産を現在の約2倍にあたる200万台規模とする検討を進めているという。
40年前、中国が外国の投資や技術を受け入れて経済を振興させる「改革開放」を1978年に始めた。
世界2位の経済大国にのし上げた政策を語る時、日本企業が果たした役割は計り知れない。中でも切っても切り離せないのがパナソニックである。ただ、その立場は教える側から追いつき追い越される側へと変わった。さらに今、中国で挑む側に変わろうとしている。
☆☆☆GGのつぶやき
トヨタの中国での戦況は芳しくない。
その要因は、「トヨタは井戸を掘れなかったからだ──」と明言する中国関係者は多い。
販売台数129万台という成績は、日系で最初に進出したホンダや、経営危機で出遅れた日産自動車の後塵を拝す。
SUVの波に乗れなかった商品戦略、現地合弁会社のマネジメント体制など、その時々のトヨタの戦術に全く問題がなかったとはいえまい。これからのトヨタの動き次第では、日本経済の明暗が分かれよう。