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DVD映画『エル ELLE』を観る

今週末は生憎の雨模様。体調も風邪の治りかけということもあり安静を保つ。
そんなわけで、雨の日曜日は、昨日土曜早朝に観たDVD映画を読み解いてみよう。

レンタルチョイスしたのは、2016年にフランス、ベルギー、ドイツで製作されたエロティックサスペンス映画「 ELLE」である。




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原題もElle、フランス語で「彼女」を意味する。「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」の原作者フィリップ・ディジャンの小説「oh...」を実写映画化した作品である。

監督は、「氷の微笑」「ロボコップ」「トータル・リコール」などで知られるポール・バーホーベン。まさにバーホーベン節炸裂といった作品である。





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主演は「ピアニスト」のイザベル・ユペール。第74回ゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞に輝くフランスの大女優である。

この作品で当時63歳とは思えぬ艶やかさで第89回アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされている。




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あらすじは、ゲーム会社のCEOを務める女性ミシェルは、ある日突然、自宅に侵入してきた覆面男に襲われてしまう。何事もなかったかのように今まで通りの生活を送ろうとするミシェルだったが、襲われた時の記憶がフラッシュバックするようになっていく。

犯人が身近にいることに気づいたミシェルはその正体を突き止めようとするが、自分自身に潜んでいた欲望や衝動に突き動かされて思わぬ行動に出る。

バーホーベンの滑稽なほどのえげつなさとタブーを蹴散らす大胆さときわどいユーモアでフランスのブルジョワ的スノビズム、背徳性や偽善をあくまでソフィスティケイトに描いて魅せる手腕は評価できよう。





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レイプシーンから始まる本作なのだが、どこか醒めた視点で静観させつつ、内面に潜む屈折した暗部を炙りだして行く。





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ユペール演じるフランス熟女の威厳に包まれた裏側にある複雑な感情がうまく演じられている。
悪女映画の歴史を塗り替える新しいヒロイン像といってもよかろう。





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☆☆☆GGのつぶやき
久しぶりのヨーロッパ映画である。ユベールのフランス語を聴いていると、学生時代に良く観たフェリーニ、ゴダール、ヴィスコンティ、パゾリーニ、メルヴィルなどが懐かしく思い出されてならない。なにがあんなに官能をくすぐっていたのか。理由などはない、ただ観たいから観ていたのである。














































































by my8686 | 2018-09-09 15:01 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)