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ノーベル医学生理学賞「京大 本庶特別教授」受賞

スウェーデンのカロリンスカ医科大は1日、ノーベル医学生理学賞を京都大の本庶佑特別教授と米テキサス大MDアンダーソンがんセンターのジェームズ・アリソン教授に贈ると発表した。

2人は、免疫をがんの治療に生かす手がかりを見つけ、新しいタイプの治療薬の開発につながり、がん治療に革命をもたらした。日本のノーベル賞受賞は、16年の医学生理学賞の大隅良典・東京工業大栄誉教授に続き26人目となる。




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あらためて、その内容を読み解いてみよう。


本庶氏の成果は、「オプジーボ」などの免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる薬に結びついた。
体内では通常、免疫が働いてがん細胞を異物とみなして排除する。しかし、免疫細胞には自身の働きを抑えるブレーキ役の分子があるため、がん細胞はこれを使って攻撃を避け、がんは進行してしまうという。

2人はそれぞれブレーキ役の分子の役割を発見し、この働きを抑えてがんへの攻撃を続けさせる新しい治療を提案した。
がん治療は従来、外科手術、放射線、抗がん剤が中心だったが、「免疫でがんを治す」という第4の道をひらいた功績は大きい。




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本庶氏のグループが見つけたブレーキは「PD―1」という分子。

京都大医学部教授だった1992年、マウスの細胞を使った実験で新しい分子として発表。さらに、PD―1分子の働きを妨げる抗体をマウスに注射し、がんを治療する効果があることを2002年に報告した。

PD―1の働きを抑える薬は、末期のがん患者でも進行をほぼ抑え、生存できることがあり、世界中に衝撃を与えた。





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薬は「オプジーボ」と名付けられて14年、世界に先駆けて日本で皮膚がんの悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として承認された。肺がんや胃がんなどでも効果が確認され、現在は60カ国以上で承認されている。

ジェームズ・アリソン教授は90年代半ば、PD―1とは別の「CTLA―4」という分子が、免疫のブレーキ役を果たしていることを解明。この分子の働きを妨げることで免疫を活性化し、がん細胞を攻撃できると証明した。

CTLA―4については、「ヤーボイ」というメラノーマの治療薬として60カ国以上で承認されている。





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MEMO
「PD-1」(Programmed cell death 1)
活性化T細胞の表面に発現する受容体(又はその遺伝子を指す)。 PDCD1遺伝子にエンコードされるタンパク質。

PD-1にはPD-L1とPD-L2と呼ばれる2つのリガンドが存在し、PD-1は主に免疫細胞で発現、PD-L1はがん細胞、PD-L2は主に樹状細胞でそれぞれ発現する。

T細胞を抑制させ自己への攻撃を抑制する役割を担っているが、一部の癌細胞では同じものを表面に発現する場合があり免疫による癌細胞への攻撃を回避させてしまう。

PD-1かPD-L1のどちらかを人工的に作った抗体で蓋をしてしまうことで結合を阻害し、T細胞を抑制させない薬が承認されたが、副作用として自己への攻撃が起こる場合がある。

「本庶佑(ほんじょ・たすく)」
1942年、京都市生まれ。66年に京都大医学部を卒業。
米国立保健研究所(NIH)客員研究員、東京大医学部助手、大阪大医学部教授、京都大医学部教授、静岡県公立大学法人理事長などを経て、2017年から京都大高等研究院特別教授。82年に朝日賞、13年に文化勲章、16年に京都賞などを受賞。







☆☆☆GGのつぶやき
「免疫力」は最近とみに意識してきた言葉である。
風邪をひきかけた時、薬や注射をすぐ処方する医者は信用しない。
葫入りの熱いものを胃に入れ、体温を上げ、とにかく身体を休めて眠るのが主義。
要は、自然の治癒力を信じきる意志力が必要なのである。
今回の本庶特別教授の「免疫でがんを治す」という発想には驚愕するとともに賛同する。
ただし、副作用としての「自己への攻撃」がどこまで制御できるのか、一抹の不安は拭えない。






































































































by my8686 | 2018-10-02 11:00 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)