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「ベーシックインカム、富の再分配問い直す」を読み解く

フリープログラマーTの「職場」は長野県松本市の自宅。平日は2社から請け負うプログラミングの仕事に充て、週末は趣味のスノーボードに費やす。「色々な仕事ができるとやる気も上がる」。仕事はネットで完結。月収60万円が目標だ。

30年後、こんな働き方が普通になるかもしれないという。

副業、兼業を含めた広義のフリーランスは日本に1119万人いるといわれ、労働力人口の17%にあたる。人材サービスの米アップワークなどは、米国で2027年に広義のフリーランスが労働力人口の半分を占めると予想する。

経済学者のジョン・メイナード・ケインズは「労働時間は1日3時間になるだろう」と未来を予想したが、そんな時代が近づいているのだろうか。





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現実は厳しい。電話通訳1件100円、テープ起こし1時間1500円。フリーの仕事を見つけるサイトでは、機械化の可能性がある仕事の賃金下落が激しい。

会社勤めは手厚い福利厚生を期待できるがフリーはそれもない。生活は不安定になるかもしれない。安全網はどうあるべきなのか。

「おかげで生活は充実しているわ」。

フィンランドの首都ヘルシンキで、カフェを運営するS嬢は「赤十字でのボランティアにも打ち込めている」と話す。政府からベーシックインカム(基礎所得)を月約7万2千円受け取っているためだ。

同国は17年、2千人の失業者に対し、収入の有無に関係なく最低限の所得としてもらえるベーシックインカムの実験を始めた。S嬢はこの取り組みで一定の収入が確保できたため、仕事をやめてカフェの起業に一念発起した。





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ばらまきといわれかねないベーシックインカムだが、ネット革命の最先端の経営者が賛同し始めている。米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は「新しいことに挑戦できる考え方として検討すべきだ」と話す。

27兆円。GAFA4社の手元資金の総額はこの3年で7割増えた。余るお金は、米アップルの巨額の自社株買いのように株主に流れる。





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20世紀型の製造業なら投資して工場を建設し、従業員も多く雇った。だが、知識集約型のデジタル経済を担う企業ではかつてほど投資や雇用を必要としなくなっている。経済全体に富が配分されるメカニズムが働きにくくなっているからだ。

先進国で労働分配率が低迷している現実と、デジタル経済の進展に伴う富の集中はコインの裏表である。

取り残された中間層のいらだちがポピュリズムのかたちで政治を揺らし、いずれは自分たちにも跳ね返ってくる。こんなリスクを感じるからこそ、IT企業の経営者がベーシックインカムの議論に傾いている。






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富の集中の行き過ぎを解消する答えがベーシックインカムなのかはわからない。ただ、世界のあちこちで再分配を巡る議論が始まっている意味を、問い直す時期に来ているのかもしれない。


トマ・ピケティは「格差を縮小させるには、累進課税が重要であり、富裕層に対する所得税・相続税の引き上げが欠かせない。課税逃れを防ぐために、国際的に協調して透明性のある金融システムを作ることが必要である」と指摘している。

さらに、全世界で累進的に最低年0.1%、大富豪の資産には最大で10%の課税を主張している。また、約50万ドル(約5100万円)以上の所得に対しては、80%の課税も示唆している。








☆☆☆GGのつぶやき
現在の日本の制度では、税金だけで再配分政策を行っていけば、かえって貧困層の所得が減ってしまうという指摘もある。はたして、何が正解となるのか。富の再分配の名解答を待つとしよう。















































































by my8686 | 2018-11-07 13:14 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)