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「ランボルギーニ スーパーSUV ウルス」 試乗記を読み解く

12/28(金)朝から小雪が降り積もる。やっと冬らしくなってきた。雪景色を愉しむ気持ちの「ゆとり」を噛みしめつつ、今夜は大阪から帰省する長男夫婦たちと「鴨鍋」でもつつこう。




それはさておき、ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」の試乗記を読み解いてみよう。




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「アヴェンタドール」「ウラカン」につづくランボルギーニ第3のモデルとして2017年12月にデビューし、今年より日本へのデリバリーが開始された。

開発の基点となったのは、1970年代後半にランボルギーニ社内で軍事用ハイパフォーマンス オフローダーとして開発が始まったモデル「チーター」。
しかし、残念ながら量産には至らず1981年に進化版である「LM001」が開発される。これを民生用に仕立て直したのが「LM002」で、1986年から1992年にかけて合計300台が生産されている。つまり、ウルスはLM002に続く「ランボルギーニ第二のSUV」ということになる。







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ただし30年近い歳月を隔てているLM002と「ウルス」の間に技術的な意味での関連性はなく、あるのは、ランボルギーニの名と、オフロード走行が可能なハイパフォーマンスカーという点だけだという。

現代に蘇ったスーパーSUVのウルスは、650psと860Nmを生み出すV8・4.0リッター ツインターボエンジンをフロントに搭載。8段ATとトルセン式センターデフを介して4輪を駆動する。

前後の足回りはマルチリンク式をベースにしたエアサスペンションで、これにアクティブ スタビライザーと4輪操舵を組み合わせ、さまざまな路面で理想のトラクション性能とハンドリング特性を実現している。






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ウルスはオンロード性能にも妥協をせず、空力的なデザインとともにアルミを多用した軽量ボディとして、3.6秒の0-100km/h加速と305km/hの最高速度を実現。スーパーSUVとしてのパフォーマンスを発揮する。

市街地ではタンブーロドライブセレクターで公道用のストラーダを選択することでエアサスペンションとダンパーは適度にしなやかな設定となり、荒れた路面でも不快なショックを伝えない。

基本的にはソリッドな足回りながら、強靱なボディがタイヤからの入力をしっかりと受け止め、無駄な振動を抑え込んでしまうという。

ランボルギーニ初のターボエンジンもエグゾーストノイズは控えめで、しかも中低速域から十分なトルクを生み出しレスポンスも良好だという。
加減速を小刻みに繰り返すシティドライビングでも、もどかしさはなく、むしろ俊敏なハンドリングと引き締まった足回りのおかけで、全長が5.1メートル、全幅が2.0メートルもあることが信じられないくらい軽快で俊敏な走りをみせる。

しかし、ウルスが本領を発揮するのは、やはり交通量の少ないワインディングロードでドライブセレクターのスポルトを選んだときだという。






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スポルト走行で驚くのが、ロールの少なさ。どれほどペースを上げてもボディはほとんど傾かず、どちらかといえば水平な姿勢を保ったまま深く沈み込んでいくような安定感とスタンスを保つ。

着座位置の高いSUVでもまったく恐怖感はなく、タイヤとじっくり対話しながらのコーナリングが楽しめる。しかも、ステアリング特性はSUVにありがちのアンダーステアではなくほぼ完璧なニュートラルステアで、荷重移動とスロットルワークが完璧にあえば弱オーバーステアさえ引き出せそうな感触だという。

エンジン反応は、ターボエンジンゆえに中低速域のトルクが十分なことはもちろんだが、完璧なフラットトルクというよりは回転の上昇に伴ってトルク感を増す自然吸気に近いフィーリングだという。さらに、トルクの不用意な沸起感はなくコントロールはいたって容易。こうした特性もハードコーナリングを楽しむ際には強力な武器になるという。

しかし残念ながらマニア垂涎のV8ターボ「ランボミュージック」を堪能することはできないらしい。V12エンジンを積む「アヴェンタドール」、そしてV10エンジンを積む「ウラカン」が自然吸気のマルチシリンダーらしい高精度なメカニカルノイズと弾けるような排気音を響かせるのに対し、「ウルス」のそのサウンドはいたってエレガントだという。

とりわけ印象的なのが、トップエンドまで引っ張ったときの流れるような音色。アヴェンタドールやウラカンがシリンダー内で起きる爆発のひとつひとつが聞き取れるくらい歯切れのいいエグゾーストノイズを聞かせるのと違い、ウルスはもっとスムーズな連続音でマルチシリンダーの精緻な印象は伝統的なランボルギーニサウンドとは異なるものの「新しい快感」を響かせるという。

エクステリアは、カウンタックに端を発するランボルギーニのワンフォルムデザインをSUVにアレンジしたもので、実に魅力的である。






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インテリアは、ウラカンと共通のデザイン言語で仕上げられており、リアシートはベンチタイプが標準で、セパレートタイプはオプションとなる。ちなみに後席のスペースは頭上こそ3cmほどの余裕しかないが、身長172cmの男性でもひざ周りには30cm近い空間が残ったという。セパレートタイプシートの掛け心地を含め、長距離ドライブでも苦にならない居住性だという。






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SUVならではの広々とした視界と室内空間、そしてスーパースポーツカーの特権ともいうべきパフォーマンスを手に入れた「ウルス」は、まさにランボルギーニらしいスーパーSUVといえそうである。





Lamborghini Urus|ランボルギーニ ウルス
ボディ|全長 5,112 × 全幅 2,016 × 全高 1,638 mm
ホイールベース|3,003 mm
トレッド 前/後|1,695 / 1,710 mm
車輛重量|2,200 kg
エンジン|3,996cc V型8気筒ツインスクロールツインターボ
最高出力| 478 kW(650 ps)/6,000 rpm
最大トルク|850 Nm/6,800 rpm
トランスミッション|8段AT
駆動方式|4WD
サスペンション 前/後|マルチリンク(アダプティブ エア)
タイヤ 前|285/45R21
タイヤ 後|315/40R21
ブレーキ 前|カーボンセラミックディスク φ440 × 40 mm
ブレーキ 後|カーボンセラミックディスク φ370 × 30 mm
最高速度|305 km/h
0-100km/h加速|3.6 秒
0-200km/h加速|12.8 秒
100-0km/h制動|33.7メートル
燃費(EC値)|12.7 ℓ/100 km(およそ7.9km/ℓ)
CO2排出量|290 g/km
最低地上高|150 – 248 mm
最小回転半径|5.9メートル
トランク容量|616 – 1,596 リッター
価格(消費税込み)|2,779万9,200円








☆☆☆GGのつぶやき
マニア垂涎のV8ターボ「ランボミュージック」を奏でないまでも回転の上昇に伴ってトルク感を増す自然吸気に近い野生音はイメージできる。
愛車86の奏でるNA音に官能が震える身としては、その気持ちが手に取るようにわかるのである。


























































by my8686 | 2018-12-28 17:31 | 気になるクルマの話題 | Trackback | Comments(0)