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マイルス洗礼アルバム「A TRIBUTE TO JACK JOHNSON」を聴きながら

2/13(水) 気持ちよく晴れた水曜日。陽ざしが気持ち良い。ランチのあとは、庭で軽く木刀の素振りで身体を慣らす。


それはさておき、本日も引き続きマイコレクション音源から「マイルス・デイヴィス」の軌跡を辿ってみよう。

マイルスサウンドの初体験がこの「A TRIBUTE TO JACK JOHNSON」であった。




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大学に入学した年、たまたま立ち寄った駅前のレコード店の店主と話すうちに「これを聴け!!」と勧められたのがこのアルバムである。

間違ってもジャケ買いするアルバムではない。正直「なんじゃ~こりゃ~」と思ったのである。
黒人と数名の女性が乗った黄色いクラシックカー。そのダサさに感性は萎え切ってしまったことを思い出す。

学生寮にもどり、そのレコードに針を落とした瞬間、ロックビートに乗ったエレキギターのリズムに官能が沸騰。
リズム・カッティングのあまりのかっこ良さに感動したことを思い出す。




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マイルス・デイヴィスのこのエレクトリック・サウンドに触れることで「ジャズの道」が拓けた瞬間である。

このアルバムの背景については、まったくの無知状態でジャケットの黒人がそのジャック・ジョンソンその人であることを後から知ることになる。




■マイルスがライナーノーツに寄稿したコメント

「1908年、ジャック・ジョンソンがヘビー級の世界最高峰に上り詰めたことがきかっけで、白人の嫉妬は爆発した。どういうことだか解るか? 勿論、アメリカに黒人として生まれたやつならば・・・? 誰でもそれがどんなことか知っている。1912年、ジョンソンがタイトルを防衛したジム・フリン戦の前日は、こんな手紙が届いたそうだ。「明日はリングに倒れろ、さもないと首吊りだぞ ーーー クー・クラックス・クランより」だとさ!」





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黒人が平然と迫害されていたアメリカ社会で、酒も女も放埒に自由に振る舞まった黒人ボクサー「ジョンソン」。
身体だけでなくすべてに対して強さと偉大さをアピールしたチャンピオンを描いた映画のサントラである。

クールで知的なジョン・マクラフリンのギター、ビリー・コブハムのロックなドラム。さらにマイルスの完璧なメロディーTPソロ。





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1曲目「RIGHT OFF」は、アップテンポの攻撃的な曲で最初から最後まで完璧に決めている。18分30秒過ぎ「歴史的フレーズ」が飛び出す。
中山康樹流に言えば、スライ&ファミストの「Sing A Simple Song」が元ネタだったというのだが、このアルバムで昇華、熟成されたと捉えれば、それでヨシ!

マクラフリン、ヘンダーソン、コブハムによる伝説的なフレーズはマイルスも官能が沸騰したのか、これ以降幾度となく演奏に登場している。

2曲目「YESTERNOW」は、一気に静寂感ただようトーンに切り替わる。『イン・ア・サイレント・ウエイ』のフレーズが出てくることでも有名だが、マイルスはこの時期、頻繁にレコーディングを繰り返していたので、その音源をテオ・マセロが魔術的に編集したのであろう。マイルスが作曲クレジットに「T.Macero」と入れていることでも頷ける。

このアルバムは、マイルスサウンドの中でもかなりストレートにシンプルなまでにロックィングされた完成度の高いサウンドとなっている。
これ以降、同じコンセプトのものは決して作らなかったと言われる。

マイルスとしては、さらなる進化と新しい音への創造欲求が噴出していた時期だったのであろう。









☆☆☆GGのつぶやき
出会うべくして出会ったのか。
1970年代のあの熱く燃え盛る時代に生きれたことに改めて感謝したい。




















































by my8686 | 2019-02-13 16:42 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)