2/20(水) 昨夕は、マイルスの「異質で不気味な光彩を放つ異常空間」を体験した後、気持ちを鎮める意味で、レンタルしたDVD映画を観る。
2017年制作の米国ドラマ映画「ローマンという名の男 信念の行方」である。日本国内では劇場未公開作品となる。
レンタル動機は、主演デンゼル・ワシントンの第90回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされたサスペンスドラマという一点。
作品の背景、内容については一切の予備知識はない。
デンゼル・ワシントンが約18キロ増量するなど、徹底的な役作りで主人公を熱演。有能だが見た目の冴えない人権弁護士ローマン・J・イズラエルを演じている。
実在のモデルがいるのかと思わせる役づくりで、法のもとに正義を実現するべく長年にわたって奔走してきた人権弁護士を演じる。
ある日、一緒に法律事務所を構えるウィリアムが倒れたことをきっかけに帳簿を調べはじめた彼は、事務所の資金調達に不正があったことに気づき、信念を大きく揺さぶられる。
そんな中、敏腕弁護士ピアスからの依頼で殺人事件を担当することになったローマンは、その裁判で不正が行われていることを知る。
しかし、早急に資金を調達する必要に迫られたため、彼に苦悩している余裕はなかった。イズラエルは必死に顧客を獲得しようとしたが、慣れない営業の仕事に悪戦苦闘させられる。
窮地に陥ったイズラエルの下にある取り引きを持ちかけてきた人物がいたが、その取り引きに応じることは職業倫理に反することであった。
しかし、取り引きに応じれば10万ドルを入手することができ、一気に事態を好転させることができるのも事実であったのだが・・・。
監督は「ナイトクローラー」のダン・ギルロイ。共演に「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」のコリン・ファレル、「グローリー 明日への行進」のカルメン・イジョゴ。
☆☆☆GGのつぶやき
不条理な現実と人権に関わる正義を貫くことの難しさを考えさせられる映画である。
「同時矛盾的行動」を通して描かれたテーマ性は評価したい。
この作品の鑑賞後に辿り着いたのがゲノム解析ベンチャーの代表取締役女史のブログである。
その中に、フェスティンガーの「認知的不協和」について語った一節が気にかかった。
「主観と事実の認識に矛盾が出ると、事実の認識を変更してしまう」というのは、イソップ物語で、葡萄を食べられなかったキツネが、その葡萄は酸っぱかったはずだという事実認識をすることで自己防衛をするようなものだという話なのだが、それは「矛盾は存在せず、複数の主観的思考枠の視点が存在するだけ」だという。
複数の思考枠を認識するためには、左を見ながら同時に右を見ることは不可能に思えるが、「適切な距離」を置いて全体を見ることで、「世界を純粋にまっすぐに見る」ことができる。
「あらゆる思考枠の視点を持つことを純粋に受容すること」が肝要だという言葉である。この意見にあえて抗う気持ちはない。