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アルチュール・ランボー「イリュミナシオン」を読み解く

ランボーの『地獄の季節』の一節に、今ふたたび感性が反応していた。




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見つかった

何が? ―〈永遠〉

太陽と一緒に行った

海のことだよ


見張り番する魂よ

そっと本音を語ろうよ

こんなにはかない夜のこと

炎と燃える昼のことを


世間並みの判断からも

通俗的な衝動からも

おまえは自分を解き放つ

そして自由に飛んでいく







純粋な少年が抱く献身的な「抗い」であり「青春の蹉跌」である。

古希を前にした今、なぜまたふたたび「感性の襞」に刺さるのか。





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アルベール・カミュが、ランボーのことを「反抗的で最高な詩人である」と賞賛している。

その影響力は、文学や芸術の範囲のみに限らず、政治の範囲にも影響が及び、アメリカ、イタリア、ロシア、ドイツの反合理主義革命の動機付けになったとされる。






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ミュージシャンのボブ・ディランやルイス・アルベルト・スピネッタ、作家のオクタビオ・パスやクリストファー・ハンプトンらにも現れている。





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ランボーが『イリュミナシオン』で一貫して表現した明確なテーマは「抗議」である。

現代の都市に対する魅惑と恐怖を同時に表現しながら、苦悶、恍惚、変質、自然、歩みと旅、創造と破壊が語られている。






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1873年にイギリスのレディングを出発してから、1875年にシャルルヴィル=メジエールとシュトゥットガルトにたどり着くまでの長旅の間に綴られた散文詩と自由詩である。

音楽では、ベンジャミン・ブリテンが本作中の10編による管弦楽伴奏のための歌曲『イリュミナシオン』作品18を1939年に作曲している。






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☆☆☆GGのつぶやき
「青春の蹉跌」、懐かしい言葉に感性の襞が震えた。
ランボーからゴダールへ。
ブランキズムの矛盾に満ちたパリ5月革命の残像が鈍く光る。














































by my8686 | 2019-07-20 15:06 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)