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ドイツヘ /「ブラザー・クラウス野外礼拝堂」

2021年2月17日、水曜日。

雪が深々と降る朝、春前の寒の戻りなのか。
初春最後の寒暖差なのかと思案しつつ、それを愉しんでいる。



コロナ禍の今年も、旅をシュミレーションすることで、日常とは別の扉を開き、共振現象を誘発しつつ、琴線へとアクセスする。
宗教学者・釈撤宗氏の言葉に導かれ、「新しい扉」を開く旅は今年も続く。

この旅の基因は、2020年の映画「TENET」。
この映画の華やかな舞台に刺激され、「シミュレーション・ドライブ」の旅に出た。

スタート地点は、映画の舞台「アマルフィ」。
そこから、ナポリ~ポンペイ~ローマ~フィレンツェを経てヴェネツィアへ。
さらに、ミラノ~ニース~アンティーブ~イエール~マルセイユ~エクス・アン・プロバンス~アルルへ。
さらに、リヨン~ロンシャン~パリ~スイス~オーストリア~ノルウェーへ、そしてドイツに飛ぶ。

この旅の選択軸は、真に自分の感性が突き動かされる「共振現象」。
この旅へ誘う根源は、アーキタイプ(元型)の「賦活化の余韻」のなにものでもない。

スイス入りを機に、建築家「ピーター・ズントー」の作品との対峙が続く。


昨日は、オスロ空港からヴァドーソー空港に飛び、バルデにある「魔女裁判の犠牲者達のための記念館」を探訪する。

職人的建築家ズントーの「感性暴発」のメモリアル施設。
鎮魂のメモリアルとしての賦活化に共振現象が起きていた。


さて本日は、ドイツまで飛び「ブラザー・クラウス野外礼拝堂」まで行ってみよう。

ブァード空港からケルン・ボン空港に飛ぶ。フライト時間は約22時間30分。
空港からは車で約50分の場所にある。


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ケルン到着。
ドイツも2年ぶりとなる。


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空港からA59に進み、1-Kreuz Köln-Gremberg で Aachen方面/A4に入る。



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A4から555/L150を経由し、553/A1からL11に進み、Rißdorfer Wegに入る。



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畑以外は何もないが、贅沢な自然が沢山ある。



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教会専用の駐車場に停め、教会まで歩く。



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未舗装の「あぜ道」をたどって行く先に、四角いコンクリートの「物体」が建っている。


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三角形の扉の上にミニマルアートのような十字架が「教会」であることを指し示している。


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金属の扉の「ただならぬ存在感」が単なる箱ではないことを静に語っている。


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扉止め金具の繊細なディテールにズントーの感性が伺われる。


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ガラス玉の埋め込まれた穴を外から覗くと、蝋燭の火が透けて見えるのもズントー流の遊び心か。


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建立意図が刻印された金物にも「味」を感じる。


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竣工と案内を知らせるプレート類にもズントーの感性が漂う。


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■「ブラザー・クラウス野外礼拝堂」Bruder Klaus Field Chapel


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このチャペルは、ズントーが無償で設計監理を請けたという「男気」の結晶でもある。


扉の開き角度にもズントー流のこだわりがある。


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開閉時間によって繊細に光の表情が変わる。


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正午過ぎ、光が美しい三角形を形づくる。
この光を観た瞬間「賦活化」を意識せざるおえない。


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この空間がどういう過程で創られたかを知る時、そこに「共振現象」が起きる。


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内部は円錐形で、天井には穴が開いている。
雨が降るば水たまりができる。
その水も「神」の恵みと感じるだろう。


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小さな空間だが、大きな魂に抱かれるような感覚になる。


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この空間内で祈人がどう光と対峙するのか。


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綿密に計画されていることに気づく。


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この空間は、丸太を円錐に組み、外側にコンクリートを流し込んで作られている。


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コンクリートが完全に固まった後に丸太が焼かれ、取り除かれて礼拝堂の空間がつくられている。


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コンクリートの壁にはガラス玉が封じ込められており、外部の光が入るようになっている。



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完成は2007年。
民間主導で作られたこの礼拝堂は、コンクリートを50cmずつ流し込んでは乾かし、また流し込む作業が繰り返されて1年がかりで作られている。



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農作業の途中でも「神様に祈りを捧げることができるように」との思いを込めて出来上がった野外礼拝堂である。


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無機質な外観だが、内部は素朴で官能に響く礼拝堂空間となっている。


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地元住民の真摯な信仰心から生まれた「祈りの結晶」なのである。



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ズントーも自ら職人として施工に参加している。


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一般のRC造建築では、板材の型枠を組んでそこにコンクリートを流し込む。
しかし、この建物は内部の型枠として112本の丸太をテント状に組みあげ、外側の型枠とのスキマにコンクリートを流し込んで作られている。
そして最後に内部の木材を3週間かけて燻し、収縮させてコンクリートからとり外されている。



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コンクリートは、合計12mを50cm毎に版築(締固めて積み上げる工法)のようにして、月に2回、1年かけて24回に分けて打設されている。
外観に現れる地層のような模様は、普通の打ち放し建築では現れない素材感が表出している。


骨材の砂利もこの地域で取れたものが使用されている。



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屋根はなく、床は近所の鉛工場の助けで硬鉛が流し込んである。
施工は、施主とボランティアによってセルフビルドで作られている。



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memo

■ズントーの言葉

「生命との感覚的なつながりを持つ建物を設計するためには、形や構造をはるかに超えた方法で考える必要があります。」

ブルーダークラウスフィールドチャペルは、その物質的なプロセスを通じて、誠実さまたは「美しい沈黙」の状態に到達するという考えを利用している。
周囲の素材の使い方とその作り方のストーリーが最終作品に埋め込まれ、光、温度、感覚環境のアイデアが伝わる。
建物は、議題や表現を厳密に決定するのではなく、観察者の経験にその意味を残している。
建物は、その内部の細部と、より広い環境とのつながりの両方を備えている。





☆☆☆GGのつぶやき
ズントーの「祈りの空間」に対する真摯さにあらためて共振現象が起きていた。


















by my8686 | 2021-02-17 17:17 | 気になる建築&空間 | Trackback