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F.Y.I 「野生アセンブリ都市・ジャカルタ(インドネシア)」を読み解く

本日のイラン紛争は、米・イスラエル軍の継続的な対イラン攻撃と、イランおよび「抵抗の枢軸」による報復が重なり、地域全体で緊張がさらに高まっている。米・イスラエル側はイランの報復能力を削ぐ作戦を継続し、エスファハーン州ナジャファーバード近郊のミサイル基地では、衛星画像から複数のバンカーバスター弾による損傷が確認された 。

一方イラン側は「True Promise 4」に基づく第11波攻撃を実施し、米軍情報拠点やペルシャ湾の補給施設、イスラエルの通信施設などを標的としたと報じられている 。レバノンや湾岸諸国でもミサイル・ドローン攻撃が続き、空域・交通・市民生活に深刻な混乱が生じている 。紛争は5日目に入り、拡大の兆しが強まる中、停戦の見通しは立っていない。

中国がイラン攻撃を見ても台湾進撃を即断する可能性は低いが、米国が中東で大規模作戦を続けている状況は、中国にとって米軍の注意力が分散した「戦略的好機」と映り得ると専門家は指摘する。中国は即時の軍事行動より、台湾周辺での示威行動や圧力強化といった段階的エスカレーションを選ぶ可能性が高い。つまり、イラン情勢そのものが台湾侵攻の直接トリガーにはならないが、地域の力学を変え、中国の行動計算に影響を与える点は無視できない。

中国が台湾へ進撃した場合、日本は軍事・経済・社会の三正面で深刻な影響を受ける。まず軍事面では、台湾有事は日本の「存立危機事態」と見なされる可能性が高く、自衛隊は南西諸島の防衛強化と米軍支援に直ちに巻き込まれる。中国軍のミサイル射程は日本全域を覆い、在日米軍基地も攻撃対象となるため、国土への直接的リスクが急上昇する。経済面では、中国の対日制裁や海上輸送の混乱により、エネルギー・食料・部品供給が大幅に停滞し、企業活動と生活物資に深刻な影響が及ぶ。社会面では避難・通信・物流の混乱が拡大し、国民生活の安定が揺らぐ。台湾有事は日本にとって「対岸の火事」ではなく、国家の安全保障と経済基盤を同時に揺るがす事態となる。

ジャカルタへの影響は、政治・外交の緊張、経済不安、社会的反応の三点に集約される。インドネシア政府はイラン情勢の悪化を受け、和平関連の協議を一時停止し、国家指導部が緊急的に集まって対応を協議するなど、外交上の負荷が高まっている 。経済面では、ホルムズ海峡の混乱による原油供給不安と価格上昇が懸念され、政府はエネルギー市場の警戒を強めている 。ただし、中東との貿易依存度は高くないため、直接的な経済打撃は限定的とみられている 。社会面では、米・イスラエルの攻撃に対する抗議デモが発生し、国内世論の緊張も高まっている 。







さてそれでは、本日は 「野生アセンブリ都市」としてのジャカルタ(インドネシア)を読み解いてみよう。


ジャカルタ(インドネシア)

リゾーム的特徴
- カンポン(非公式集落)が都市の基盤として機能
- 洪水・地盤沈下などの環境リスクに対し、住民レベルの適応が強い
- 都市が“計画”より“適応”によって成長する

※環境・社会・制度が絡み合う“生態系としての都市”


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最もリゾーム的な場所:Muara Baru
Jalan Muara Baru, Penjaringan, Jakarta Utara 14440


※ムアラ・バルは北ジャカルタの港湾に隣接する水上カンポンで、漁業・市場・物流が密集した非公式経済の拠点。高潮や洪水にさらされながら、住民は高床住宅や自作インフラで日常的に適応し、行政計画より生活実践が都市形態をつくる“リゾーム的都市生態系”が最も濃密に現れる地域。



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ジャカルタはカンポンを基盤とする非公式ネットワークが都市を支え、洪水や地盤沈下といった環境リスクに対して住民が日常的に適応することで成り立つ都市である。計画よりも生活実践が空間を生成し、社会・環境・制度が絡み合う“生態系としての都市”としてリゾーム的に成長している。



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ベネディクト・アンダーソンは『想像の共同体』で知られる政治学者で、民族や国家は自然に存在するのではなく、人々がメディアや言語を通じて“想像”し共有することで成立すると論じた。ナショナリズム、移民、都市の多層性など現代のグローバル状況を読み解く強力な枠組みを提供し、ジャカルタのような非公式性と多様性に満ちた都市を理解する上でも重要な思想家である。


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ベネディクト・アンダーソンの「想像の共同体」は、国家や都市が制度ではなく人々の想像力と日常実践によって形成されると捉える。ジャカルタでは、カンポンの非公式ネットワークや住民の環境適応が都市の基盤をつくり、計画よりも生活実践が空間を生成する。可視化されにくい共同体が都市を支える構造は、まさに“下から想像される都市”としてのリゾーム的成長を示している。



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ドゥルーズ的に言えば、ジャカルタの都市形成は「中心」や「計画」によって統合されるのではなく、無数の局所的実践が横方向に連結しながら都市を生成するリゾーム的プロセスである。



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カンポンの生活実践、非公式ネットワーク、環境への適応行動は、権力の上位構造に従うのではなく、自律的で断片的な“線”が増殖し接続する運動として都市を形づくる。その結果、都市は固定的な形ではなく、下からの想像力と実践が絶えず新たな配置を生み出す“生成変化する場”として成長する。



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memo

「ベネディクト・アンダーソン」(1936–2015)

アイルランド生まれ、米国コーネル大学を拠点とした政治学者で、東南アジア研究、とりわけインドネシア研究の第一人者として知られる。
幼少期を中国・アイルランドで過ごし、多言語環境の中で育ったことが後の比較政治研究の基盤となった。
インドネシア語・ジャワ語に精通し、スハルト政権批判により国外追放されるほど現地政治に深く関わった。
代表作『想像の共同体』では、民族や国家は自然に存在するのではなく、印刷資本主義やメディアを通じて人々が共有する“想像”によって成立すると論じ、ナショナリズム研究を刷新した。
彼の視点は、国家や都市を固定的な構造ではなく、日常実践と表象の積み重ねによって生成される動的な共同体として捉えるもので、現代のグローバル化・移民・都市多層性を理解する上で不可欠な理論的枠組みを提供している。





☆☆☆GGのつぶやき
ジャカルタの都市形成は、中心や計画に従う樹木型ではなく、無数の生活実践が横方向に接続し増殖するリゾーム的運動として理解できる。ムアラ・バルのような水上カンポンでは、非公式経済や環境適応が自律的な“線”として都市を編み直し、行政の計画を超えて空間を生成する。こうした下からの想像力と実践の連鎖こそ、都市を絶えず変化させる生成のプロセスである。



by my8686 | 2026-03-05 05:05 | 気になる建築&空間 | Trackback