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2019年 08月 18日 ( 1 )

追悼「ピーター・フォンダ死去」

米俳優ピーター・フォンダが亡くなった。享年79歳。

冥福を祈りたい。




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映画『イージー・ライダー』を観たのは、1970年の大学一年の時だったと記憶する。
当時、「アメリカン・ニューシネマ」という反体制を色濃く投影した「新世代の映画」として大きく取り上げられた。






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当時は、劇場の総入れ替えというシステムはなく、いつも映画の途中またはエンドロール手前位から入ることになるのだが、「イージー・ライダー」については、チョッパーにまたがった二人の青年が、トラックの農夫風の男に突然ライフルでぶっ放されるラストシーンから目撃することになる。意味がわからぬまま、ただ唖然とした気分で観た記憶がある。

印象に残ったのは、初めて見るチョッパーの「普通でないカッコよさ」と「気ままに旅する自由さ」、ヒッピーコミューンでの「奇怪な連中たち」。

その当時は意味がわからなかった、ラストシーン。指をおっ立てた瞬間、ライフル銃で野良犬のように次々と撃ち殺されしまう二人。映画は、燃え盛るバイクを俯瞰しながら静かに終わって行く。

なんとも後味の悪い、「陰惨」で「暗い矛盾感」が残されたままになる。






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時代は、ベトナム戦争が泥沼化し、若者を中心に反戦運動が盛んになって行った時である。中華人民共和国で文化大革命が起き、毛沢東の指導体制の下で大混乱をもたらしていた時期でもある。

ビートルズが世界的な社会現象を巻き起こし、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランも大活躍し、世界の若者に大きな影響を与えていた。

アメリカやヨーロッパを中心に、カウンターカルチャーが花開き、英国ではモッズ、ビート・グループ、ブルース・ロックが社会現象になり、ジャマイカではスカやロック・ステディが誕生し、米国を中心にヒッピー文化が流行となっていた。

これらの元凶は、政治の腐敗というところに帰結し、アメリカの各地で糾弾運動が巻き起こっていた。

アメリカン・ニューシネマは、こうした当時のアメリカの世相を投影し、1967年12月8日付『タイム』は、『俺たちに明日はない』を大特集し、「ニューシネマ 暴力…セックス…芸術! 自由に目覚めたハリウッド映画」という派手な見出しの記事の中で、この新しい米国映画の動向をレポートしている。

反体制的なヒーローが体制に敢然と闘いを挑む、もしくは刹那的な出来事に情熱を傾けるなどするのだが、最後には体制側に圧殺されるか、あるいは個人の無力さを思い知らされ、幕を閉じるという傾向に進んでいた。






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アンチ・ヒーロー、アンチ・ハッピーエンドが一連の作品の特徴となっていく。

鬱屈した世相を反映し、映画だけでなく小説や演劇の世界でも、サルトルの提唱する実存主義を理論的な背景として「不条理感」が蔓延して行った時代でもある。

今あらためて振り返ると、社会的束縛を逃れ自由な旅を続ける若者たちが直面する「社会の不条理」と無残な最期に「矛盾感をともなう美学」に酔った時代なのであろう。








☆☆☆GGのつぶやき
父のヘンリー・フォンダ、姉のジェーン・フォンダ、スクリーンで魅入ったあの時代が懐かしい。
















































by my8686 | 2019-08-18 23:59 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)