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カテゴリ:たかが映画、されど映画( 87 )

DVDドキュメンタリー映画「はんなり」を観る

4/15(月) 快晴の月曜日。ワイフのランチ会の送迎をかね古田台を経由してLECTまで出る。レア本に特化した蔦屋書店の定点観測である。
事前学習本「奈良大和路編最新版」を購入。小冊子ながら豊富な写真と図版で最新情報を網羅した詳細なロングセラー出版物である。低価格なうえコンパクトで携帯にも良い。




それはさておき、帰宅後コーヒーを淹れ、DVD映画「はんなり」を観る。

来週からの京都探訪の事前学習のつもりでレンタルしたドキュメンタリー映画である。


《京文化・祗園》京都花街 ~ 芸妓、舞妓の世界




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幽玄な香りを今に伝える京都五花街。祇園甲部、祇園東、宮川町、先斗町、上七軒・・・そして古き町並みを遺す嶋原。

京都の町のエッセンスともいうべき花街の魅力、ミステリアスな芸妓や舞妓の世界の本質に迫った、という売り文句の「アート・ドキュメンタリー映画」である。

芸妓、舞妓の美しくも厳しい姿や、その努力、花街を支える職人の技を丁寧に記録している。





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市井に生きる日本の伝統文化を海外に伝えるという趣旨で制作され、日米で公開。
ハリウッドでも話題を集めた作品のDVD化であり、美しい映像と印象的な音楽が京都の魅力を伝えている。


監督は、数々のハリウッド作品に出演する女優・曽原三友紀。





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京都・祇園の裏町まで入り込み、本当の日本文化、京都の空気、芸者のリアルな姿と努力を丁寧に紡ぎ出している。






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撮影監督は、二本松昭彦、デービッド・ワルドマン。音楽はエミー賞受賞者・石川孝子が担当している。











☆☆☆GGのつぶやき
「一見さんおことわり」という京都五花街特有の「しきたり」。
客を守る伝統的なシステムであり、客への「おもいやり」の極意とも語る。
舞子の「舞い」には、男が女に求める「夢」であり「期待感」なのだと舞いの師匠は語る。
さらに、女は以外にもドライで男は以外にも女々しく脆く感性の襞に囚われやすいとも。
芸子、舞子を育てる先人たちが「行き着いた言葉」の深さに官能が騒いだ。














































by my8686 | 2019-04-15 20:20 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

傑作SF映画「プリデスティネーション」「12モンキーズ」DVD×2本を観る

4/13(土) 昨夕は、レンタルしたSF映画2本を観る。

今はネットでいくらでも見放題サービスがあるのだが、その画質に満足できずにいる。タブレットでたまに観ることもあるが、その小さなサイズには集中も感情移入も満足のいくレベルには達しない。昔ながらのT屋店頭で検索機器を併用してブルーレイ版中心にレンタルしている。

そんな中、今回レンタルした映画は「プリデスティネーション」と「12モンキーズ」の2本。いずれもSFタイムトラベル物の傑作といわれる作品である。




■プリデスティネーション

2014年のオーストラリアのSF映画。 ロバート・A・ハインラインによる短編小説『輪廻の蛇』を原作とする本作は、『デイブレイカー』のマイケル&ピーター・スピエリッグ兄弟が監督を務めている。日本では2015年2月に公開された。





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1970年、ニューヨーク。とあるバーを訪れた青年ジョン(セーラ・スヌーク)は、バーテンダー(イーサン・ホーク)に自身が歩んだ人生を語る。

それは女性として生まれて孤児院で育ち、付き合っていた流れ者との子を宿すも彼に去られ、さらに赤ん坊を何者かに誘拐されたという壮絶なものだった。

それを機に男性として生きることを選んだジョンに、バーテンダーは未来からやって来た時空警察のエージェントだと明かす。
驚く彼を自分の後継者に選んだバーテンダーは、装備を託すとともに宿敵である爆弾魔との対決に臨んでいくのだが・・・。

1975年3月、バーテンダーはフィズル・ボマーの居どころを知り、銃を持ってその場所に行く。そこには、たび重なるタイムスリップにより精神を病み、今ではフィズル・ボマーとなったバーテンダー自身がいた。

フィズル・ボマーとなったバーテンダーは、バーテンダーに「俺を殺せば、お前が俺になる。それがそのあと起こる事だ」と言う。しかし、バーテンダーは未来の自分を撃ち殺す。ジェーン、ジョン、バーテンダー、フィズル・ボマーは、閉じた時空に存在する一人の人間だった。バーテンダーは時標変換キットを見つめ、狂気の宿った顔を上げる。

ギリシャ神話の“ウロボロスの蛇”になぞらえた無限なる時間の輪の映像化作品である。タイムパラドックスの重層的推理に酔える傑作といってよい。



ジョンとジェーン役のサラ・スヌークが魅せる「理知的な妖艶さ」に惹かれる。




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■12モンキーズ

1995年のアメリカ映画。時間旅行と陰謀論をモチーフにしたSF映画。監督はモンティ・パイソンのメンバーのテリー・ギリアム。
フランスの映像作家クリス・マルケルの短編映画 『ラ・ジュテ』(La Jetée) にインスパイアされて作られた「時間と記憶」がテーマの映画。

「未来世紀ブラジル」のT・ギリアムが、クリス・マルケルの短編映画「ラ・ジュテ」(62)を基に作り上げた時空SFの異色作である。

1996年に発生した謎のウィルスにより、全人類の約99パーセントが死滅。そして2035年、地下に住んでいた人間たちはその原因を探るため、一人の囚人を過去へと送り出す。

糸口はたったひとつ、“12モンキーズ”という謎の言葉のみだった……。





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『ブレードランナー』の脚本を改稿して名を挙げたデヴィッド・ピープルズが脚本を手がけている。

主演はブルース・ウィリスで主人公のジェームズ・コールを、マデリーン・ストウがジェームズを助ける精神科医キャサリン・ライリーを演じる。ブラッド・ピットが物語のキーマンとなるジェフリー・ゴインズを演じ、強烈な印象を残している。

キャサリンがボルティモア大学で講義したのは「災害のはびこる時には予言が氾濫する」という内容。この中で「カサンドラ異常心理」と「ヨハネ黙示録」が引用される。

カサンドラ異常心理とは、ギリシャ神話に登場する悲劇の予言者カサンドラの名から取られた心理学用語。神に予言の能力を与えられながらも、神の怒りに触れたため誰にもその言葉を信じてもらえない境遇に陥ったという逸話。ジェームズの境遇を暗示するかのような設定である。

ヨハネ黙示録からの引用は「4頭の獣の1頭は神の怒りに満ちた金の鉢を7人の天使に渡した」というもの。ヨハネ黙示録は世界の終末を予言した予言書として有名。これらの引用はフィラデルフィアの路上で予言を語る男も口走っており、ジェームズに「仲間か?」と声をかけている。『12モンキーズ』では「予言」というキーワードが多用され、様々な時代に送られた「ボランティア」たちがまるで予言者のように扱われ展開していく。






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空港で射殺されたジェームズ・コールが地下社会から過去に送りこまれるという「ストーリー矛盾」が随所に散見されるのだが、話自体が重層化されてしまい観客も錯覚錯乱状態に置かれるという難解にして不思議な「矛盾律」映画となっている。


ラストシーンで真犯人が飛行機に乗り込み隣の乗客に「人類の終わりは近い」と語る。その隣の客こそがコールを過去に送り出した未来の科学者でありながら、自らを「救済保険業者」と名乗る。

この一言がこの映画の「矛盾スパイラル」を生み出していることに誰も気づかないという「不思議な矛盾律」のSF映画となっている。









☆☆☆GGのつぶやき
「タイムトラベル」という概念そのものが語義矛盾であり「矛盾律」とも定義できる。
トートロジーはトートロジーであり、トートロジー以外の何物でもない。
過去にも未来にも移動することは「自己矛盾」を発生する。
だがらこそ、人間の叶えられぬ「夢」としてそこに「夢」を見たいという「矛盾律」が生まれるのであろう。




























































by my8686 | 2019-04-13 17:33 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「破門 ふたりのヤクビョーガミ」を観る

昨夕は、レンタルしたDVD映画「破門 ふたりのヤクビョーガミ」を観る。





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レンタル動機は、第151回直木賞受賞作の映画化、黒川博行原作「後妻業」からの「繋がり」の2点。
メイキング映像をネット動画で観て興味を抱いたという理由も追加しておこう。

鑑賞後の感想としては、「後妻業」ほどの「えぐさ」と衝撃性は少ない。おちゃらけ過ぎというか、こうしたドタバタ感が好みではないだけなのだが。
もう少し重厚感がほしい気がする。「孤狼の血」くらいの「重さ」があれば、さらに映画としての風格が出たと思える題材だと感じるのだが。





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建設現場での暴力団対策の仕事を通じてヤクザの桑原保彦(佐々木蔵之介)と知り合った建設コンサルタントの二宮啓之(横山裕)は、ある日桑原のいる二蝶会に映画製作企画を仲介する。





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しかし企画を持ち込んだ映画プロデューサーの小清水(橋爪功)は、二蝶会が用意した出資金を持ったまま姿をくらます。






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桑原は二宮を巻き込んで小清水を追い、関西からマカオまで資金回収に奔走するのだが……。







☆☆☆GGのつぶやき
どうもこの手の映画にジャニーズ系の若手タレントが出てくると「感情移入」できない。
観客動員のための企画条件なのだろうが、生理的に違和感が拭いきれないのである。







































by my8686 | 2019-03-20 10:52 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「後妻業の女」を観る

先週土曜日の夜は、仮眠のあとレンタルしたDVD映画「後妻業の女」を観る。

レンタル動機は、現在放映されているテレビ版を観るうちに「ネタばれ」が先に知りたくなったのである。




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あらためて、あらすじから読み解いてみよう。



直木賞作家・黒川博行の「後妻業」を、大竹しのぶと豊川悦司の共演で映画化したものである。

「愛の流刑地」「源氏物語 千年の謎」の鶴橋康夫監督がメガホンをとり、資産を持つ独身男性の後妻に収まり、多額の金品を貢がせる「後妻業」を生業とする女の姿を描く。

結婚相談所主催のパーティで知り合い、結婚した小夜子と耕造。2年後に耕造は死去するが、娘の朋美と尚子は、小夜子が全財産を受け継ぐという遺言証明書を突きつけられる。

小夜子は、裕福な独身男性の後妻となり、財産を奪う「後妻業の女」で、その背後には結婚相談所所長の柏木の存在があった。
一方、父親が殺害されたと考える朋美は、裏社会の探偵・本多を雇い、小夜子と柏木を追いつめていく。

小夜子役を大竹、柏木役を豊川が演じ、尾野真千子、長谷川京子、永瀬正敏らが共演する。






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あらためて、各役者人の演技のアクの強さに見入ってしまった。

大竹の「根性悪の大阪のおばちゃんぶり」が良い。特に「年増の妖艶さ」と「意地汚さ」の豹変ぶりが観ていて痛快でもある。
トヨエツの悪役ぶりもなかなか「大阪っぽい甘さとアクの強さ」がうまく演じられていて良い。






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永瀬正敏の元刑事役も「何かいいたげな重みのある寡黙さ」が良い。正義感ぶった中に脅迫ネタを探る「強かでミステリアスな雰囲気」がうまく表現されている。

映画自体のラストシーンは、もっと他の表現の仕方があったのではないかと思う。本当の遺言状が仏壇の隅から出てくるという捻りとしてはやや「軽すぎる」。

ノミネートされた映画だけに残念でもある。





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☆☆☆GGのつぶやき
予告編を映画館で観た時は、その「えげつなさ」が鼻についたが、役者の演技力を観察する作品としては、おもしろいと感じた。


















































by my8686 | 2019-03-11 16:56 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「2012年版 トータル・リコール」を観る

金曜の夕方は、レンタルしたDVD映画「2012年版 トータル・リコール」を観る。

レンタル動機は、コリン・ファレル主演作、1990年SF作品のリメイク版という2点。





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原作はアーノルド・シュワルツェネッガー主演の1990年の映画『トータル・リコール』と同一であるフィリップ・K・ディックのSF小説『追憶売ります』だが、より原作に忠実なプロットとなっている。

1990年版へのオマージュとして「検問所で滞在期間を聞かれて2週間と答える女性」や「乳房が3つある娼婦」が登場する。






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1世紀末の世界大戦により人類は大量の化学兵器を使用した。その結果地上の大半は居住不可能となり富裕層はヨーロッパを中心としたブリテン連邦(the United Federation of Britain、通称UFB)に住み、貧困層は反対側のオーストラリアを中心としたコロニーに居住する事になる。

コロニーの住民はUFBの労働力の為にザ・フォールと呼ばれる巨大なエレベーターに乗りUFBに通勤し働いていた。やがてUFBからの独立と解放を目的とするリーダーのマサイアスを中心としたレジスタンスと呼ばれる反体制派のテロ活動が盛んになる。






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UFB代表のコーヘイゲンはロボット警官のシンセティックの増産を唱えない。

コロニーで暮すダグラス・クエイドは、このシンセティックの生産を行う労働者であり、貧しいながら美人の妻ローリーと平和に暮らしていたが、ダグラスはいつの頃からか夢の中で見知らぬ女性と病院を脱出し警官に追われる夢を見る様になる。






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その夢の事が気になりつつ、ある日リコール社の宣伝に興味を持つ。友人であり同僚のハリーからは脳障害になるから行くなと忠告されるが、ダグラスの足はリコール社へと向かっていた。
リコール社でサービスを受けている最中にトラブルが発生し、ダグラスは急に追われる身になる。








☆☆☆GGのつぶやき
未来都市コロニーの表現が「ブレードランナー」を彷彿とさせるが、オマージュのつものなのだろうか。
UFBとコロニーの比較がよく理解できなかったが、CGの巧みさをたっぷりと堪能できる作品に仕上がっている。


















































by my8686 | 2019-03-10 17:50 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

第91回アカデミー賞作品賞受賞「グリーンブック」を読み解く

昨日にひき続き、第91回アカデミー賞の作品賞を観てみよう。

2018年のアメリカのコメディ映画「グリーンブック」が作品賞の他に助演男優賞と脚本賞の三部門を受賞した。




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あらためて、そのストーリーから読み解いてみよう。


舞台は、人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部。黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を、実話をもとに描かれている。

ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。

クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。







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黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。

出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。




トニー役に「イースタン・プロミス」のビゴ・モーテンセン。





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ドクター・シャーリー役に「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ。





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トニー・リップ(本名トニー・バレロンガ)の実の息子であるニック・バレロンガが製作・脚本を手がけ、父とドクター・シャーリーの友情の物語を映画化した。

監督は、「メリーに首ったけ」などコメディ映画を得意としてきたファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリー。




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アカデミー賞では全5部門でノミネートされ、作品賞のほか脚本賞、助演男優賞を受賞した。


舞台となった1960年代は、「ジム・クロウ法」の真っただ中。1876年から1964年にかけて存在した、人種差別的内容を含むアメリカ合衆国南部諸州の州法の総称である。

主に黒人の、一般公共施設の利用を禁止制限した法律を総称していうが、この対象となる人種は「アフリカ系黒人」だけでなく、「黒人の血が混じっているものはすべて黒人とみなす」という人種差別法の「一滴規定(ワンドロップ・ルール)」に基づいており、黒人との混血者に対してだけでなく、インディアン、ブラック・インディアン(インディアンと黒人の混血)、黄色人種などの、白人以外の「有色人種」(Colored)をも含んでいる。日本人も「イエロー」として差別されていた。


「ジム・クロウ」という名は、ミンストレル・ショー(Minstrel Show、白人が黒人に扮して歌うコメディ)の1828年のヒット曲、『ジャンプ・ジム・クロウ』(Jump Jim Crow)に由来する。





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コメディアンの“ダディ”トーマス・ダートマス・ライス(Thomas Dartmouth "Daddy" Rice)が演じて人気を博し、顔を黒塗りして黒人に扮するブラックフェイス・パフォーマンスを全米に広めた。

ジム・クロウは田舎のみすぼらしい黒人を戯画化したキャラクターであり、着飾った都会の黒人であるジップ・クーン(Zip Coon)とともにミンストレル・ショーの定番キャラクターとなった。1837年までに、ジム・クロウは黒人隔離を指す言葉としても使われるようになっている。







☆☆☆GGのつぶやき
1990年に初めて米国に飛んだあの時代においても、溝の襞に引っかかったような汚物のような人種差別の「名残り」を垣間見た。
特に南部を旅していて感じるあの「特殊な違和感」は、あの国から完全に抹消することはできまい。
この映画を観る時は、忌まわしき皮膚感覚が理解できなければ「深さ」も理解できない。














































by my8686 | 2019-02-26 22:22 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

第91回アカデミー賞主演女優賞授賞「女王陛下のお気に入り」を読み解く

第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンが主演女優賞を初受賞した。





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あらためて、その内容を読み解いてみよう。


18世紀イングランドの王室を舞台にした愛憎劇で、コールマンは絶対的権力を握りながら、過食による痛風に悩まされるアン王女を演じた。

わがままで高圧的な態度と、気まぐれな無慈悲さ。その裏にある孤独をときにユーモラス、ときにグロテスクに表現した演技は、映画の公開直後から高く評価されていたという。






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第75回ヴェネチア国際映画祭の女優賞を皮切りに、全米映画批評家協会賞、ロンドン映画批評家協会賞、英国アカデミー賞の主演女優賞、第76回ゴールデン・グローブ賞(ミュージカル・コメディ部門)の女優賞にも輝き、終始オスカーレースの先頭を走り続けた。“貫録”の初受賞だという。

第89回アカデミー賞の脚本賞にノミネートされた『ロブスター』で一躍脚光を浴びたギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督の最新作。






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コールマン演じる“女王陛下”の寵愛をめぐって、アン王女の政治顧問を務め実権を握るレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)、サラの従妹で、貴族の地位に返り咲く機会を狙うアビゲイル(エマ・ストーン)が熾烈な女のバトルを繰り広げる。






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第91回アカデミー賞では作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演女優賞(レイチェル・ワイズ、エマ・ストーン)、撮影賞、衣装デザイン賞、編集賞、美術賞の計9部門(10ノミネート)で候補に挙がっている。








☆☆☆GGのつぶやき
映画タイトルは、正直興味を惹くものではないが、ギリシャの鬼才と呼ばれる監督「ヨルゴス・ランティモス」作品ということに興味が沸いた。
カンヌ映画祭 審査員賞『ロブスター』、カンヌ映画祭 脚本賞受賞『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は観たいと官能が反応した。






















































by my8686 | 2019-02-25 16:44 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を読み解く

2/24(日) 金曜夕刻は、レンタルしたDVD映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を観る。





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レンタル動機は、第90回アカデミー賞ノミネート作品ということと、日本人初の特殊メイクアカデミー賞受賞という2点。
作品のストーリーや背景についての予備知識はない。
 
原題は、Darkest Hour。2017年のイギリス映画である。



第二次世界大戦初期の1940年5月10日、ドイツ、イタリアに対し宥和政策をとったネヴィル・チェンバレンはその失策により辞任し、新たに成立した保守党と労働党による挙国一致内閣の首相として就任したのが主戦派のウィンストン・チャーチルであった。





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しかし、それは有事の際の貧乏くじのような人事で、国王ジョージ6世のチャーチルを迎える立場も冷たいものだった。

あくまでもナチス・ドイツらへの徹底した抵抗を訴えるチャーチルだが、チェンバレンとハリファックス子爵を中心とする保守党は、ヨーロッパを侵攻し、拡大するアドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツの危機に対して講和の道を探り、チャーチルと対抗する。

しかし、事態が進行し、ついにはフランスがナチス・ドイツに敗北する事態になり、ヨーロッパ大陸に展開するイギリス軍も全滅の危機を迎える。






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更には講和の道を探るか、さもなくば大臣を辞任するというハリファックス子爵とチェンバレンが要求する事態になり、チャーチルは選択を迫られる。






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最終的には「戦い抜く」ことをチャーチルが宣言し、政治家も国民も一丸となって戦争を続けていくわけだが、決断までのドラマが感情を高揚させる作りになっている。



この手の戦争映画を観ると、いつも「複雑な感慨」が襲ってくる。
「無条件降伏」してしまった日本国民にとって、やはり「やり場のない複雑な思い」のする映画なのである。



この映画の「重要な教え」は、米英中の三国からポツダム宣言を突き付けられた当時の「日本政府の動き」である。

A級戦犯「東条英機」が処刑された翌日、同じくA級戦犯とされた岸信介、児玉誉士夫、笹川良一が「米国のエージェント」になることを条件に釈放され、岸はその後、瞬く間に戦犯から総理大臣となり、戦後の日本を支配し、米国の間接統治の基礎を作り上げ、その系統は、「清和会」として連綿と「売国政策」による日本支配を続けたことなどは、教科書からは抹消された事実である。





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しかし、岸の最大の犯罪は、なんといっても東条の関東軍、特務機関、日産鮎川達がグルとなり、自分達の中国の阿片利権のために、戦前日本をコントロールし、日本を日中戦争の泥沼に引きずり込んだ「罪」であろう。

阿片利権で得た「汚い金」で、東条を総理大臣にまで押し上げ、中国の阿片利権を恣にし、敗戦が色濃くなると、商務相辞任という形で東条内閣を倒閣し、東条を「切り捨てた」ことである。

岸達の私利私欲のために何百万人もの尊い人命が失われ、日本の国土は灰燼と帰したことは、記憶に新しい。
戦争暴利、満州アヘン密売、これを主導したのが安倍祖父の当時商工大臣だった岸信介である。




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当時、岸は富を戻し分配するなどという綺麗事を言っていたが、実際には、半強制的に差し押さえられ、強制的に「M1」に富を上納していたのである。
光の銀河連邦と呼ばれた産業から上がる莫大な利益確保のため、「核の脅威」を世界に示す必要があったと言う歴史認識を今こそ日本国民が持つ時であろう。

さらに重要なことは、このような立場におかれた天皇に戦争責任をあえて問わず、「WWⅡ」は東条英機以下軍部が全ての責任を負うというかたちで「東京裁判」で「決着」させたという忌まわしい事実である。









☆☆☆GGのつぶやき
岸信介から連綿と続く安倍政権の売国政策に未来を託してよいのか。
そんな感慨を覚える映画であった。















































































by my8686 | 2019-02-24 23:59 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「ローマンという名の男 信念の行方」を観る

2/20(水) 昨夕は、マイルスの「異質で不気味な光彩を放つ異常空間」を体験した後、気持ちを鎮める意味で、レンタルしたDVD映画を観る。

2017年制作の米国ドラマ映画「ローマンという名の男 信念の行方」である。日本国内では劇場未公開作品となる。





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レンタル動機は、主演デンゼル・ワシントンの第90回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされたサスペンスドラマという一点。
作品の背景、内容については一切の予備知識はない。


デンゼル・ワシントンが約18キロ増量するなど、徹底的な役作りで主人公を熱演。有能だが見た目の冴えない人権弁護士ローマン・J・イズラエルを演じている。

実在のモデルがいるのかと思わせる役づくりで、法のもとに正義を実現するべく長年にわたって奔走してきた人権弁護士を演じる。






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ある日、一緒に法律事務所を構えるウィリアムが倒れたことをきっかけに帳簿を調べはじめた彼は、事務所の資金調達に不正があったことに気づき、信念を大きく揺さぶられる。
そんな中、敏腕弁護士ピアスからの依頼で殺人事件を担当することになったローマンは、その裁判で不正が行われていることを知る。

しかし、早急に資金を調達する必要に迫られたため、彼に苦悩している余裕はなかった。イズラエルは必死に顧客を獲得しようとしたが、慣れない営業の仕事に悪戦苦闘させられる。






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窮地に陥ったイズラエルの下にある取り引きを持ちかけてきた人物がいたが、その取り引きに応じることは職業倫理に反することであった。
しかし、取り引きに応じれば10万ドルを入手することができ、一気に事態を好転させることができるのも事実であったのだが・・・。






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監督は「ナイトクローラー」のダン・ギルロイ。共演に「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」のコリン・ファレル、「グローリー 明日への行進」のカルメン・イジョゴ。






☆☆☆GGのつぶやき
不条理な現実と人権に関わる正義を貫くことの難しさを考えさせられる映画である。
「同時矛盾的行動」を通して描かれたテーマ性は評価したい。

この作品の鑑賞後に辿り着いたのがゲノム解析ベンチャーの代表取締役女史のブログである。
その中に、フェスティンガーの「認知的不協和」について語った一節が気にかかった。

「主観と事実の認識に矛盾が出ると、事実の認識を変更してしまう」というのは、イソップ物語で、葡萄を食べられなかったキツネが、その葡萄は酸っぱかったはずだという事実認識をすることで自己防衛をするようなものだという話なのだが、それは「矛盾は存在せず、複数の主観的思考枠の視点が存在するだけ」だという。

複数の思考枠を認識するためには、左を見ながら同時に右を見ることは不可能に思えるが、「適切な距離」を置いて全体を見ることで、「世界を純粋にまっすぐに見る」ことができる。
「あらゆる思考枠の視点を持つことを純粋に受容すること」が肝要だという言葉である。この意見にあえて抗う気持ちはない。






























































by my8686 | 2019-02-20 15:55 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「ザ・シークレットマン」を観る

昨夕は、レンタルしたDVD映画「ザ・シークレットマン」を観る。

レンタル動機は、準新作の2017年制作アメリカ合衆国映画。リーアム・ニーソン主演のサスペンス作品。
ただし、作品内容についての予備知識はない。




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ウォーターゲート事件を題材とした作品。1972年6月17日にワシントンD.C.の民主党本部で起きた盗聴侵入事件に始まったアメリカの政治スキャンダルである。

1974年8月9日にリチャード・ニクソン大統領が辞任するまでの盗聴、侵入、裁判、もみ消し、司法妨害、証拠隠滅、事件報道、上院特別調査委員会、録音テープ、特別検察官解任、大統領弾劾発議、大統領辞任のすべての経過を総称して「ウォーターゲート事件」と呼ばれる。

この事件を調査報道した『ワシントン・ポスト』のボブ・ウッドワード記者に指導する形で情報を示した、当時のニクソン政権内部の重要な情報源の人物を指して「ディープ・スロート」と呼んだが、長い間正体は不明であった。





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しかし、事件から33年後の2005年5月に、事件当時のFBI副長官だったマーク・フェルトが自分が「ディープ・スロート」であったことを公表して正体が判明した。

一般には「ディープ・スロート」は、ウォーターゲート事件の真相を知っていたが、何らかの理由で自ら告発者となることが出来なかったと考えられていた。ニクソン政権幹部で、事件の隠蔽工作を行ったとされるフレッド・ラルーや、ジョージ・H・W・ブッシュ、ヘンリー・キッシンジャーらの名が噂された。






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また、レン・コロドニーとロバート・ゲトリンの著書『静かなるクーデター』では、ペンタゴンからニクソン政権に送り込まれた大統領特別補佐官アレクサンダー・ヘイグ准将以外ではありえないと論じられた。

そして2005年5月31日、事件当時のFBI副長官だったマーク・フェルトが自分が「ディープ・スロート」であったことを、雑誌『バニティ・フェア』の記事をきっかけとして、公表した。

『ワシントン・ポスト』で、ウォーターゲート事件を取材したウッドワードも、フェルトが「ディープ・スロート」であったことを認め、ウッドワードはその年の秋に、内幕を明かした『ディープ・スロート 大統領を葬った男』を刊行。フェルトは2008年12月18日、カリフォルニア州サンタローザ市内の自宅で95歳で死去した。






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ただし、1972年10月にウッドワードとフェルトが初めて「密会」してから数日をおかずに、ワシントン・ポストに情報を入れたのはマーク・フェルトだったとハリー・ロビンス・ハルデマン補佐官がニクソンに報告している。この報告の時期と内容は、後に大統領執務室の録音テープから明らかになったことである。

後にウッドワードは、その著作の中で「ハルデマンからニクソンへの報告の情報源」は、ワシントン・ポスト内の誰かであったと書いている。








☆☆☆GGのつぶやき
実話に基づいたサスペンス映画を観る際は、やはりその事件の背景について予備知識を得た方が良い。
特に、日本国内で詳細が報道されない政治事件は注意がいる。
今更ながらにも本作ではじめて「ウォーターゲート事件」と「ディープ・スロート」の裏構造が理解できたのである。




































































by my8686 | 2019-02-06 15:09 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)