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カテゴリ:愛しさとせつなさのJAZZ( 50 )

JAZZとコーヒーの日々

2回目の米朝首脳会談は、想定内の「決裂」に終わった。米朝間の「溝」の深さを改めて認識した昨日である。
そして、トランプの「安易な譲歩」による「最悪のシナリオ」だけは回避できたことに「安堵」したい。

「老朽化した核施設の廃棄案」で「制裁全面解除」を求めた金正恩の「幼稚さ」に苦笑させられてしまったが、次回の交渉までにトランプの首がつながっているのか、懸念するのみである。



それはさておき、3月に入ったこんな日は、落ち着いた場所で旨いコーヒーでも啜りながらお気に入りのジャズでも聴きたいものである。

久しぶりに、最近気になる「カフェ」でもウォッチングしてみよう。





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やはり官能に響くカフェインテリアといえば、シックで重厚感のある黒い扉やコンクリート打ちっぱなしで鉄材を多用した空間。





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カテゴライズすれば「インダストリアル」な感覚。

昔は、煉瓦壁に重厚なウッドが多用された「アンティーク」な空間が多かったが、「都市・工業・近代化」といった感覚言語に振れてきたのであろうか。






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女性客にも受け入れられる「見た目に美しく非日常的気分」になれる「落ち着いた空間」も悪くはない。







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ただし、流れる音楽は、やはり古い「ブルーノートジャズ」に限る。









☆☆☆GGのつぶやき
最近はインスタ映えする本格ラテアートやスイーツが持て囃されるのには、少し抵抗してしまう。
見た目のかわいらしさも大切な時代になってきたのだろう。
本格エスプレッソマシーンで抽出して、バリスタが仕上げるラテアートが人気なのだとか。
センスあるパティシエが作った本格的ケーキの蘊蓄も仕入れておかなくちゃ~♪


















































by my8686 | 2019-03-01 12:00 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)

休ませていた「JBL D130平面バッフル」をセットアップしてみる

デスクの下でしばらく休ませていた「JBL D130 自作平面バッフル」を取り出し、自立させるための裏補強板を固定してみる。

マイルスのコレクション音源を聴きなおしていく中で、無性に鳴らしてみたくなってきたのである。

それもリビングの特等席をリスニング基点として、黄金のトライアングル配置で鳴らしたい、聴きたいという思いが強まっていた。






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神話化されたこのJBLの代表的な「38cmコーン型ワイドレンジスピーカーユニット」の実力を知っているだけに、おいそれと粗末には扱えないのである。

そんな「思い」から、いままで仮置きで壁に立てかけていた平面バッフルに自立可能な脚兼用の補強板を取り付ける。

コーンには軽量タイプで浅型のコーン紙が使用してあり、センターには中高域を受け持つアルミセンタードームが採用されている。ドームキャップは、息子達の少年時代の「悪さ」の傷痕で潰れているが歪みはない。

ボイスコイルには直径10.2cmのアルミリボン線エッジワイズ巻大型ボイスコイルが採用され、磁気回路にはアルニコVマグネットを用いた5.4kgという重量級の磁気回路が採用されている。


フレームにはアルミダイキャストが採用され、その質感が昔から好きなのである。
そのフレームをマウントする専用金具とボルトのデザインがなぜか「お気に入り」なのである。






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特に、六角穴付きボルトの形が、その昔好きだったプローバック式モーゼルガン「M712」を彷彿とさせ、その工作機械のような武骨さが好きでたまらないのである。




マウント完了後、さっそくリビングにセットアップしてみる。







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まずは、スピーカーの試聴音源として選んだのは、マイルスが完成させた「モード・ジャズ」の最高傑作「カインド・オブ・ブルー」。

PC音源をドライブさせるのは「SOUND WARRIOR」の真空管プリメインアンプ。
6BQ5×2本、12AX7×1本といういたってシンプルな構成ながらそのサウンドの豊かさに惚れ込んでいる。






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マイルスのtp、コルトレーンのts、アダレイのas、エバンスのp、チェンバースのb、ジミーのds。

「原音再生」にこだわったJBLの真骨頂というところであろう。
瞑想して音と向き合うと、まさに目の前に各プレーヤーが立ち上がるような臨場感がある。

マイルスのソロに入った瞬間、後ろでコブのシンバルが鳴り響き、静かな湖に広がる波紋のごとく余韻を残して行く。
リスニング距離の関係なのか、このD130と向き合う時は、いつも高音トーンは8時方向まで絞り、低音域を4時方向まで上げるのが「俺流」となる。

中山康樹が語った「これこそ20世紀のジャズが到達しえた最高峰」「ジャズのCDを一枚だけ無人島に持っていくなら、この一枚だけでいい」とまで言わしめた演奏である。







☆☆☆GGのつぶやき
一生これだけあれば遊べる音源とのめぐり逢いに感謝したい。
そして、その音源をいかにリアルに楽しむか、「試行錯誤の楽しさ」にも乾杯したい!!





















































by my8686 | 2019-02-27 16:23 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)

マイルスの1974年ライブ音源「DARK MAGUS」を聴きながらドゥルーズの「狂気と作品」を読む

2/19(火) 雨の火曜日。自作平面バッフルスピーカ―を思いっきり鳴らしたいという欲求に囚われている。
マイミュージックのマイルスコレクションを辿るうちに、官能の襞を激しく揺さぶり始める衝動。
身体の芯にある骨幹を振動させるサウンドなくして、マイルスのエレクトリックジャズはなし、という思いが強くなってきたのである。



それはさておき、本日も引き続きマイコレクション音源から「マイルス・デイヴィス」の軌跡を辿ってみよう。


マイルス長期休養1年半前、1974年3月、NYカーネギーホールでのライブ盤「DARK MAGUS」である。




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図太いファンクリズム、大地を揺るがす強烈なリズムセクション。いままでのマイルスとは異なる「異次元世界」を感じさせる。

中山康樹の言葉を借りれば、「怖いくらいの迫力」「鬼気迫るものが、たしかにある」「異質の不気味な光彩を放つ異常空間」「この濃密な空気感がたまらない」。





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創造的で革新的なサウンドを追究してきたマイルス。当時の精神世界が映し出された迫真のライブ音源と言えよう。







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1 DARK MAGUS:“Moja”and“Will” 50:12
Moja (Part 1) 12:28
Moja (Part 2) 12:40
Will (Part 3) 14:20
Will (Part 2) 10:44


2 DARK MAGUS:“Tatu”and“Nne” 50:49
Tatu (Part1) 18:47
Tatu (Part 2)(“Calypso Frelimo”) 6:29
Nne (Part 3) 15:19
Nne (Part 2) 10:11

All composition by Miles Davis

レーベル:COLUMBIA
録音:1974年3月30日、ニューヨーク、カーネギーホール(ライブ)



Miles Davis : trumpet,organ

Dave Liebman : flute-2,soprano sax-1,tenor sax

Azar Laerence : tenor sax-3

Reggie Lucas : guitar

Pete Cosey : guitar

Dominique Gaumont : guitar

Micheal Henderson : electric bass

Al Foster : drums

Mtume : percussion





このサウンドを浴びていると、ドゥルーズ哲学の「狂気と作品」器官なき身体の問題点の中の「ある言葉」が浮かんでくる。

そもそも彼ら分裂病者はいったい何に対して抗い、彼らを苛む妄想は何に起因しているのか。
アルトーにおいて「糞便性を探求することは、彼の身体のなかへ、社会や精神医学的な権力の介入によって強制されると彼がみなすこの閉塞から、暴力的に抜け出すことであった」と述べている。つまり、分裂病者は、自らの身体や性に対して、「有機的な組織化を強要する社会や権力」に抗うのである。

こうした論点は、言うまでもなく『アンチ・オイディプス』へと継続され、明示的に展開されるものである。
すなわちそこで企図されていたのは、社会集団や精神医学、精神分析といった体制的な組織化に対抗することであった。

マイルスは「反抗心、黒人、一般社会のルールに従わないクールさ、ヒップ、怒り、洗練、クリーン・・・、なんであれ、オレにはそのすべてが揃っていた。」と自己を語る言葉が印象に残る。





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☆☆☆GGのつぶやき
アルバムデザインのカッコ良さに、つい衝動買いしたアルバムである。
就職してしばらくジャズから遠ざかっていた時期に、マイルスサウンドに再会できた嬉しい思いでが甦る。
それにしても45年前のサウンドながら、いまだに官能の襞を震わせてしまう「異常性」が凄い。





















































by my8686 | 2019-02-19 14:44 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)

マイルスの「ON THE CORNER」を聴いていると「六道輪廻図」が脳内に表出してきた

2/18(月) 快晴の月曜日。早朝のラジオニュースで京都の梅の名所が満開だとアナウンスされていた。
「梅は~咲いたか~桜は~まだかいな~♪」寒暖を繰り返しつつ春が近づいてくる。



それはさておき、本日も引き続きマイコレクション音源から「マイルス・デイヴィス」の軌跡を辿ってみよう。


1972年制作アルバム「ON THE CORNER」である。




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マイルスがあえて出演者のクレジットをレコード会社に送らなかったという「曰くつき」のメンバーリストから見てみよう。

Miles Davis:tp、org

Dave Liebman:soprano sax(1)

Carlos Garnett:soprano sax(2),tenor sax(4)

Bennie Maupin:bass clarinet(2)

Cedric Lawson:synth

Lonnie Liston Smith:org

Chick Corea:elp

Herbie Hancock:elp,synth

Harold “Ivory” Williams:organ,synth

Reggie Lucas:elg

John Mclaughlin:elg(1)

David Creamer:elg(2,3,4)

Paul Buckmaster:wah-wah el-cello

Micheal Henderson:elb

Al Foster:ds

Jack Dejohnnette:ds

Billy Hart:ds

Mtume:per

Don Alias:per

Colin Walcott:electric sitar(1,3,4)

Khalil Balakrishna:electric sitar(2)

Badal Roy:tabla





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参加メンバーについては諸説あったが、中山康樹が「まちがいない」と言い切ったメンツである。

ハービー・ハンコックが呼び戻されたのに加え、既にリターン・トゥ・フォーエヴァーを立ち上げていたチック・コリアとマハヴィシュヌ・オーケストラを立ち上げていたジョン・マクラフリンも参加し、一種のオールスター・セッション的な様相を呈している。





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誰がどのパートで演奏しているかなどということは問題ではない。これだけのメンツが入れ替わり立ち代わり、リズムがリズムを呼び起こし、メロディーなりリフなりを形作っていく。

中山康樹曰く「何本もの小さな水の流れがやがてひとつの大河になっていくような、じつに壮大なスケールを誇る音楽」なのである。

多様なリズムが輪廻転生のごとく「襞」となって折り重り、圧倒的なエネルギーの塊になって展開していく。
ソロパートという概念はなく、全体の音の震えが発生し始めるとそれを揃えるかのようにマイルスのソロが楔のごとく打ち込まれる。

ひとつひとつの音とリズムの襞は高度に精緻で、幾重にも折り重なっていく。まるで経糸と緯糸が紡ぎだされるが如くマイルスが完璧に制御していく。




徐々に音とリズムが塊となり官能の「襞」を振動させ震幅の密度をあげていく。





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仏教においては、衆生がその業の結果として輪廻転生する6種の世界のことを「六趣」または「六界」で表現するわけだが、まさにこの空間概念を思わせる。

天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道。

このうち、天道、人間道、修羅道を三善趣(三善道)といい、畜生道、餓鬼道、地獄道を三悪趣(三悪道)という。
ただし修羅道を悪趣に含めて四悪趣(四悪道、四趣)とする場合もあるのだが、六道から修羅道を除いて五道(五悪趣、五趣)とすることもある。

「Helen Butte/Mr. Freedom X (Unedited Master)」23分18秒の混沌の饗宴では、「Black Satin」をテーマとしてセッションが始まり、さらにどす黒いビートが深い底なし沼を成していく。
リズムの暗黒にリスナーを引きずり込みつつ、暴力的なアフロ・ビートが宙を舞い、麻薬的な反復が脳内を駆け巡る。






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瞑想して聴き込んでいくと、六道輪廻図が脳内に表出する。






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全体の「怪物と骸骨」は 無常大鬼。その外周の円環は人の行い(十二因縁)を表し、次の内側円環は 六道(上半分が天道・人道・修羅道の三善趣。下半分が畜生道・餓鬼道・地獄道の三悪趣)

最も内側の円環は人(右半分が悪行により地獄道に落ちる姿、左半分は善行により天道に行く姿)を表す。中心の円は、 貪(鳥)・瞋(蛇)・癡(豚)の三毒を表出する。

混沌とするサウンドの洪水に身体を預けていると「壮大な一曲の構成要素」はどれも不可分の関係となり、すべてのパートは等価され、どのソロも音の洪水に埋もれながら、まるでこの「六道輪廻図」の世界を描いているようである。









☆☆☆GGのつぶやき
47年後の今、この音源を改めて聴いていると輪廻転生図に辿り着く。
なんとも不思議なアルバムである。













































by my8686 | 2019-02-18 19:14 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)

マイルス「Live-Evil」の意味するものを読み解く

2/17(日) 「京都マラソン2019」フルに長男がエントリーして完走したという。ネットタイム04:43:35。順位は10316人中7745位。ランネット応援ナビで応援する。追跡位置情報で走行経過とリアルタイムを見ながら、Google・mapで周辺の景観も確認できるのだから、便利な世の中になったものである。


それはさておき、本日も引き続きマイコレクション音源から「マイルス・デイヴィス」の軌跡を辿ってみよう。


1971年発売の2枚組みアルバム「Live-Evil」である。名門ジャズ・クラブ「The Cellar Door」でのライブ音源4曲とスタジオ録音4曲を、呼び出されたテオのテープ編集でブラッシュ・アップされたものである。

ライブは、1970年12月16日から19日までの4日間。約1時間の演奏を朝夕2セット、4日間で8セット行なわれ、このアルバムでは最終日19日の演奏を中心に構成されている。






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あの「NYフィルモア・イースト」の興奮と同じ火照りを感じたいならば、①④⑦⑧のライブ音源のみに絞って聴いても一向に差支えはない。しかし、テオの編集センスに身を任せたいのならば①から⑧まで順番に聴いてアルバム全体の編曲を味わうことは吝かではない。








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このライブ・セッションのほぼ未編集版『The Cellar Door Sessions』が後年6枚組でリリースされている。本気でマイルスと対峙する勇気と体力のある時にと思っていたが、いよいよその時がやってきたのであろうか。






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そのディープで膨大なボリュームの「実験的」音源と向き合う時間だけはたっぷりとある。筋トレで体力をつけて、今こそ向き合おう。







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SIVAD(M.Davis)15:13
LITTLE CHURCH(H.Pascoal)3:15
MEDLEY:GEMINI(M.Davis)2:57/DOUBLE IMAGE(J.Zawinul)2:57
WHAT I SAY(M.Davis)21:09
NEM UM TALVEZ(M.Davis)4:03
SELIM(M.Davis)2:12
FUNKY TONK(M.Davis)23:26
INAMORATA AND NARRATION BY CONRAD ROBERTS(M.Davis)26:29


〈1〉SIVAD
Miles Davis:trumpet
Gary Bartz:soprano / alto sax
Keith Jarrett:organ,piano
John Mclaughlin:guitar
Michael Henderson:bass guitar
Jack Dejohnnette:drums
Arito Moreira:percussion
レーベル:COLUMBIA
録音:1970年12月19日、ワシントンDC、セラー・ドア(ライブ)


〈2〉LITTLE CHURCH
Miles Davis:trumpet
Steve Grossman:soprano sax
Keith Jarrett:organ
Chick Corea:piano
Herbie Hancock:piano
John Mclaughlin:guitar
Dave Holland:bass guitar
Jack Dejohnnette:drums
Arito Moreira:percussion
Hermeto Pascoal:piano,drums,whistles,performer
録音:1970年1月4日、ニューヨーク、コロンビアスタジオ


〈3〉MEDLEY:GEMINI/DOUBLE IMAGE
Miles Davis:trumpet
Wayne Shorter:soprano sax
Chick Corea:piano
Joe Zawinul:piano
John McLaughlin:guitar
Dave Holland:bass guitar
Billy Cobham:drums
Jack Dejohnette:drums
Arito Moreira:percussion
Khalil Balakrishna:sitar
録音:1970年2月6日、ニューヨーク、コロンビアスタジオ


〈4〉WHAT I SAY
Miles Davis:trumpet
Gary Bartz:alto sax
Keith Jarrett:piano,organ
John Mclaughlin:guitar
Michael Henderson:bass guitar
Jack Dejohnette:drums
Arito Moreira:percussion
録音:1970年12月19日、ワシントンDC、セラー・ドア(ライブ)


〈5〉NEM UM TALVEZ
Miles Davis:trumpet
Steve Grossman:soprano sax
Keith Jarrett:organ
Herbie Hancock:piano
Chick Corea:piano
Ron Carter:bass guitar
Jack Dejohnette:drums
Hermeto Pascoal:vocal,drums
Arito Moreira:percussion
録音:1970年1月3日、ワシントンDC、セラー・ドア(ライブ)


〈6〉SELIM
Miles Davis:trumpet
Steve Grossman:soprano sax
Keith Jarrett:organ
Herbie Hancock:piano
Chick Corea:piano
Ron Carter:bass guitar
Jack Dejohnette:drums
Hermeto Pascoal:vocal,drums
Arito Moreira:percussion
録音:1970年1月3日、ニューヨーク、コロンビアスタジオ


〈7〉 FUNKY TONK
Miles Davis:trumpet
Gary Bartz:soprano / alto sax
Keith Jarrett:organ,piano
John Mclaughlin:guitar
Michael Henderson:bass guitar
Jack Dejohnnette:drums
Arito Moreira:percussion
録音:1970年12月19日、ワシントンDC、セラー・ドア(ライブ)


〈8〉 INAMORATA AND NARRATION BY CONRAD ROBERTS
Miles Davis:trumpet
Gary Bartz:soprano / alto sax
Keith Jarrett:organ,piano
John Mclaughlin:guitar
Michael Henderson:bass guitar
Jack Dejohnnette:drums
Arito Moreira:percussion
録音:1970年12月19日、ワシントンDC、セラー・ドア(ライブ)

Original Recordings Produced by Teo Macero








☆☆☆GGのつぶやき
この時期のライブ音源は、やはり全身で音圧を受けながら「原音」レベルで聴きたい。
完全防音のリスニングルームへの自作欲求が新たに芽生えてつつあるのである。















































by my8686 | 2019-02-17 18:32 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)

「フィルモア・イースト」の7人のサムライを読み解く

1970年6月「NYフィルモア・イースト」に乗り込んだマイルス・デイヴィス率いる7人のサムライ達を読み解いてみよう。


マイルス・デイヴィス、スティーヴ・グロスマン、キース・ジャレット、チック・コリア、デイヴ・ホランド、ジャック・デジョネット、アイアート・モレイラの「7人のサムライ」が70年の夏「フィルモア・イースト」でくり広げた熱い、あまりにも熱い演奏を全身で浴びながら、一人ひとりのその後を見てみよう。



①マイルス・デイヴィス

1970年代に入るとマイルスはファンク色の強い、よりリズムを強調したスタイルへと発展させ、ジャズ界でブームとなりつつあったクロスオーバーとは一線を画する、ハードな音楽を展開する。マイルスのエレクトリック期とは、この時期を指すことが多い。マイルスは、次々にスタイルを変えながらスタジオ録音とライヴを積極的に行ったが、公式発表された音源は必ずしも多くはなく、後に未発表音源を収録した編集盤が多く発売されることになる。

1972年公式に発表した『オン・ザ・コーナー』は、ファンクを取り入れたことが話題となる問題作であった。しかし、クロスオーバー・ブームで、かつてのメンバーのハービー・ハンコックやチック・コリアなどがヒット作を出す一方で、こういったマイルスの音楽はセールス的には成功とはいえなかった。

1973年と1975年に来日。この頃から健康状態も悪化、75年の大阪でのライヴ録音『アガルタ』『パンゲア』を最後に、以降は長い休息期間に入る。




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②スティーヴ・グロスマン

とりわけマイルス・デイヴィスのジャズ・フュージョン・バンドでウェイン・ショーターの入れ替わりだった。その後、1971年-1973年、彼はエルヴィン・ジョーンズのバンドに在籍していた。

1970年、1981年に2度、日野皓正と、1980年11月-1981年1月に菊地雅章と、1970年にチック・コリアと、1974年にディジー・リースと、1990年にルネ・ユルトルジェ (Rene Urtreger) と、1998年にミシェル・ペトルチアーニと、2000年にジョニー・グリフィンと、録音で共演した。

1986年1月、1987年1月、2014年10月の3度に渡り来日し、東京のジャズクラブSOMEDAYで各1週間、及び全国ツアーを興行。




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③キース・ジャレット

マイルス・グループ在籍中の1971年、グループのヨーロッパ・ツアー中に当時ドイツ・ミュンヘンの新興レーベルだったECMのオーナー、マンフレート・アイヒャーと出会う。
同年録音の初のピアノ・ソロ・アルバム『フェイシング・ユー』とジャック・ディジョネットとのデュオ『ルータ・アンド・ダイチャ』を嚆矢として、現在まで30年以上に渡ってECMより作品を発表し続けることになる。

『フェイシング・ユー』ではあらかじめジャレットが作曲した曲がスタジオで演奏されており、このスタイルのピアノソロ作品としては『ステアケイス』、スタンダードを演奏した『メロディ・アット・ナイト・ウィズ・ユー』などが挙げられるが、1972年頃よりプログラムの一切無い完全即興(Total Improvisation)によるピアノ・ソロ・コンサートを行うようになる。

ECMもそれらを積極的にレコーディングし、1973年にはブレーメン・ローザンヌで実際に行われたコンサートをそのまま収録したLPレコード3枚組(CDでは2枚組)の大作『ソロ・コンサート』をリリースし、音楽界に衝撃を与えた。

このスタイルでの実況録音盤の第2作である『ザ・ケルン・コンサート』はジャズのレコード・CDとして最も高い売上を記録したヒット作の一つで、ジャレットの名を広く知らしめた。以後、現在に至るまで世界各地でピアノ・ソロ・コンサートを行い、折に触れて実況録音作品をリリースしており、ジャレットの一つのライフワークとも言える。

70年代においては、ピアノ・ソロでの活動と並行して2つのバンドを率いた。1971年には以前から活動していたチャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンとのトリオにサックスのデューイ・レッドマンを加えた通称「アメリカン・カルテット」を結成。カルテットの音楽には、オーネット・コールマンとの共演歴があったレッドマン、ヘイデンによるフリージャズの要素や、ゲストとしてパーカッショニストのギレルメ・フランコやアイアート・モレイラらがしばしばバンドに参加したことからエキゾチックな民族音楽の要素も見られた。

初期にはアトランティックや、コロムビア、中後期にはインパルス、ECMといったレーベルに作品を残している。ジャレットは1974年にこのカルテットを率いて初来日を果たしている。

もう一つのバンドである通称「ヨーロピアン・カルテット」はパレ・ダニエルソン、ヨン・クリステンセン、そしてジャレットと並びECMを代表するミュージシャンであるヤン・ガルバレクという3人の北欧出身ミュージシャンを擁するカルテットで、ECMに5つの作品を残した。

スタイルとしてはアメリカン・カルテットに似ていたものの、こちらはヨーロッパの民謡に影響を受けた音楽を展開。このカルテットも1979年に来日しており、これはヤン・ガルバレクの初来日でもあった。




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④チック・コリア

1968年後半からハービー・ハンコックに替わりマイルス・デイヴィスのグループに加入。『イン・ア・サイレント・ウェイ』、『ビッチェズ・ブリュー』などのアルバムに参加する。

この頃からマイルスの指示でエレクトリック・ピアノ(フェンダー・ローズ)を弾くようになる。当初この楽器を嫌っていたチックだが、1970年代にはチックのサウンドに欠かせない楽器となっていく。

同じ時期チックはアバンギャルドなアプローチを見せるようになっており、マイルス・グループでもライブで聴かれるチックのソロは、かなりフリーの要素が強い。1970年、マイルス・グループを脱退した後、ベースのデイヴ・ホランド、ドラムのバリー・アルトシュルとグループ「Circle」を結成。後にサックスのアンソニー・ブラクストンを加えフリー・ジャズ寄りの演奏を展開する。

1971年に、ベーシストのスタンリー・クラークらとクロス・オーバー/ジャズのバンド、リターン・トゥ・フォーエヴァー(Return To Forever)を立ち上げ、ECMレコードからアルバム『リターン・トゥ・フォーエヴァー』を1972年に発表。

カモメのジャケットで有名なこのアルバムは70年代ジャズ・フュージョン最大級のヒット作となる。革新的な音楽性と卓越した演奏技術に裏打ちされたこのバンドは数々の作品を生み出し、トップアーティストとしての地位を確立する。

中でも『ライト・アズ・ア・フェザー』に収録されている"Spain"は現在でも他の演奏家にプレイされ続ける、ジャズの、また彼自身の代表曲である。当初、フローラ・プリムやアイアート・モレイラなどブラジル系のメンバーが中心であったためラテン色の強いグループであったが、彼らの脱退後1973年にはギタリストのビル・コナーズが、1974年にはビルに替わってアル・ディ・メオラが加入し、よりロック色の濃い方向性になった。

1978年にリターン・トゥ・フォーエヴァーを解散したチックは、『フレンズ』、『スリー・カルテッツ』などエレクトリックにもストレート・アヘッドなジャズにも、時にはクラシックに挑戦したりと多彩な活動を続ける。

1985年には、デイブ・ウェックル、ジョン・パティトゥッチといった若いメンバーと「エレクトリック・バンド」を結成。圧倒的なテクニックと楽曲で話題を集める。1989年には同じメンバーで「アコースティック・バンド」と名前を変え、スタンダードを中心としたアルバム『スタンダーズ・アンド・モア』を発表した。





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⑤デイヴ・ホランド

1968年にマイルス・デイヴィスに誘われ彼のバンドに参加し、『イン・ア・サイレント・ウェイ』や『ビッチェズ・ブリュー』のアルバムに参加。

1970年にはアンソニー・ブラクストンとチック・コリア、バリー・アルトシェルと「サークル」を結成。
1970年代初期にはスタン・ゲッツやセロニアス・モンク、サム・リヴァースとも共演。
1975年にはジョン・アバークロンビーとジャック・ディジョネットとゲイトウェイを組んでいる。

日本人ミュージシャンとの関わりは、1986年の富樫雅彦(per)の音楽生活30周年記念コンサートで、ドン・チェリー、スティーヴ・レイシーと共演しており、アルバム「BURA-BURA」として発売されている。

2006年、第48回グラミー賞において最優秀ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバムを受賞した。




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⑥ジャック・デジョネット

1968年にトニー・ウィリアムスの後任としてマイルス・デイヴィスのグループに選ばれる。

レコーディング作品『ビッチェズ・ブリュー』や『オン・ザ・コーナー』などの歴史的名盤に参加、いわゆるエレクトリック・マイルス・サウンドの構築者としてだけではなく白人ヒッピーの聴衆の前でもフィルモアやイギリスのワイト島のフェスティヴァルに参加して演奏の録音をのこしている。

幼い頃からピアノも学んでおり、鍵盤ハーモニカを演奏した1968年のリリース作品『Jack Dejohnette Complex』ではロイ・ヘインズ、1974年発表のアルバム『ジャッキーボード』では、ドラムをジョージ大塚に任せ、ジャックはピアノとを担当している。パット・メセニー曰く「マッコイ・タイナーのようなスタイル」。また、余技としてベース演奏もこなし、かなりの腕前である。

マイルス・ディヴィス・グループを抜けた1970年代前半にはECMレコードにてデイヴ・ホランドと共にチック・コリアのレコーディングに参加、自己のグループではギタリストのジョン・アバークロンビーと組み、ディレクションズ、ニュー・ディレクションズの2つのグループで活動し、レスター・ボウイ、ディヴィッド・マレイらとのスペシャル・エディション、ジョン・サーマンやまたゲイリー・ピーコックと共にキース・ジャレットとのスタンダーズ・トリオの活動の録音作品等を残している。

ハービー・ハンコック、マイケル・ブレッカー、ジョン・スコフィールドら、ジャズ界のトップ・アーティスト達の活動を支えるファースト・コール・ドラマーとして活躍した。

2000年代中頃から、プライベート・レーベルGolden Beamsを運営し、自身の作品をリリースしている。
2009年、『Peace Time』が第51回グラミー賞において最優秀ニューエイジ・アルバム賞を受賞。
2012年、ユナイテッド・ステイツ・アーティスツ(英語版)のフェローに選出された。





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⑦アイアート・モレイラ

ブラジルのパーカッショニスト。

15歳でプロのミュージシャンとして活動を開始し、1964年にクァルテート・ノヴォへ参加しアルバム『Quarteto Novo』を発表。渡米後、マイルス・デイヴィスの『ビッチェズ・ブリュー』へ参加したのち、ウェイン・ショーター『スーパー・ノヴァ』、ウェザー・リポート『ウェザー・リポート』等、フュージョンの名作にも参加。

1972年にチック・コリアのユニット、リターン・トゥ・フォーエヴァーのメンバーとしてアルバム『リターン・トゥ・フォーエヴァー』を発表し評価された。 また、同年発売のポール・サイモンのアルバム『ポール・サイモン』に参加。

以後、妻であるフローラ・プリムとのユニット、フォース・ワールドとして活動している。




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☆☆☆GGのつぶやき
マイルスの足跡を辿ることでジャズの名プレーヤー達との「新たな出会い」が始まる。
マイルスとの出会いからおよそ50年経つ今もなお、我が琴線に触れ、官能の襞をゆすぶり続ける。
定年後の今、自分の人生に寄り添い、時に熱く、時に激しく、時にクールに、官能を鎮めてくれる「ジャズの帝王」に完敗、そして乾杯!!



















































by my8686 | 2019-02-16 15:37 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)

マイルス・デイビス『ブートレグ・シリーズ Vol.3』+「マイルス・デイヴィス自伝」

2/15(金) 北極の氷が異常気象の影響で解けて白熊が大陸に大移動してきたという。そのあおりをくらって寒冷前線が南下し日本列島が冷えきっている。


それはさておき、本日も「マイルス・デイヴィス」の軌跡を辿りながら関連書籍を覘いてみよう。


1970年6月17日~20日の4日間、壮絶なライヴを繰り広げた「NYフィルモア・イースト」におけるノーカット・ブートレグ音源の完全盤である。
その名も『ブートレグ・シリーズ Vol.3』。




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『Complete Saturday Miles At Fillmore』の出現から10年後の発表音源である。

「6/18木曜日」の音源については、諸説噴出した「いわくつき」の音源である。無いものねだりと言ってしまえばそれまでだが、正真正銘の「木曜日コンプリート」であればライヴの全容が解明される。マニアならば待ちに待ったという感慨深いアルバムとなる。



その問題の木曜日にいったい何があったというのか。


あらためて、当時の中山康樹のコメントを読み解いてみよう。



木曜日の全体的な印象としては、ジャック・デジョネットの張り切り方がハンパなくすごい。まるでトニー・ウイリアムスやジンジャー・ベイカーが乗り移ったかのような瞬間も続出する。もちろんマイルスは絶好調で、パワーいっぱいに飛ばしまくっている。チックもキースもデイヴ・ホランドも好調を堅持、アイアート・モレイラがいつにも増して元気に暴れまくっている。





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そして《イッツ・アバウト・ザット・タイム》最高のヴァージョンが登場する。この殺気、緊張感、スリルとサスペンス。マイルスが放つ一音に導かれ、すべての音がもんどりうって坂を転げ落ち、駐車違反の車の列を踏みつけ突進していく。マイルスが最後に吹く必殺のスパニッシュ・メロディーたるや!

『マイルス・アット・フィルモア』ではズタズタに編集されているとはいえ《フライデイ・マイルス》が最もかっこよく、音楽的にもまとまっていたが、その印象は完全版を聴いても変わらない。

その意味でテオ・マセロの編集及び再現・再構築は事実に基づく作業だったといえる。逆にいえば素材(オリジナルとなる音源)がダメなものは手を加えるにしても限界があるということだろう。

それにしてもオリジナルと編集後の演奏、すなわち時間に置き換えれば倍近くちがうものが同じようなクオリティを誇るということは、考えようによればタイヘンなことなのではないか。まさしくこの時代のマイルス・バンドだけに可能な離れ業だろう。





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その金曜日だが、1曲目がジョー・ザヴィヌル作《ディレクションズ》というのは毎夜おなじみの展開ながら、この部分は『アット・フィルモア』ではカット、したがって丸ごと聴ける完全版はまるで別物といっていい。とくにスティーヴ・グロスマンが吹き鳴らすテナー・サックスがたまらない。『アット・フィルモア』では短いソプラノ・サックスのソロだっただけに、楽器が替わるだけで印象は大きく異なる。やがてキースとチックの応酬となるが、キースの吠えるようなオルガンがすばらしい。

マイルス再登場そして《ザ・マスク》へと身体を震わせながらなだれ込んでいく。『アット・フィルモア』ではこの《ザ・マスク》が約20秒間使われ、《イッツ・アバウト・ザット・タイム》に突進していく。ここからがいわゆる「金曜マイルス」のクライマックス・パートとなる。聴き比べれば一目瞭然だが、テオ・マセロは一切編集の手を加えていない。それだけマイルスのソロが完璧であることを意味し、たしかにこのソロは切れ味鋭く天下一品の尊厳を誇っている。編集を寄せつけないソロって、すごくないですか。

『アット・フィルモア』との差が最も著しいのが土曜日だろう。そもそも『アット・フィルモア』では1曲目が丸ごとカットされ、2曲目の《ザ・マスク》から始まるよう編集されている。したがって、いきなり前衛ジャズの真っただ中に放り込まれたような衝撃を受けるが、この完全版では事前にお決まりの《ディレクションズ》が奏され、順番を踏んだ上での混乱・混沌となる。最大のちがいはキースがフルートを取り出し、完全に前衛要員として活躍していることか。この衝撃はいささか大きい。これは言いかえればキースとデジョネットが『ルータ・アンド・ダイチャ』の世界をそのまま先行して「フィルモア」に持ち込んでいたことを意味する(同作は約1年後の録音)。





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この現象をマイルス側から見れば、マイルスもまたそのような展開を容認し、のみならず前衛ジャズにも理解と関心を示していたことがうかがい知れる。さらにキースに関しては、明確にソロ・パートを与えられていたこともわかる。公式盤では常にチックの咬ませ犬として扱われていたような印象しか残らないが、どうしてどうしてキースは立派なオルガン・ソロを弾き倒し、逆にチックに土下座をさせる場面もある。

さて長い講釈はこれでおしまい。マイルス・デイヴィス、スティーヴ・グロスマン、キース・ジャレット、チック・コリア、デイヴ・ホランド、ジャック・デジョネット、アイアート・モレイラの「7人のサムライ」が70年の夏「フィルモア・イースト」でくり広げた熱い、あまりに熱い演奏を、さあ全身で浴びようではないか。







☆☆☆GGのつぶやき
中山康樹の長い講釈を読むたびに、この熱い4日間の壮絶なライヴ現場を夢想するのである。
その時、マイルスが何を考えていたのかも知りたくなる。
痩せ我慢していた「この手の衝動」がついに堰を切ったように崩壊し始めたのである。
ネットで中山康樹翻訳「マイルス・デイヴィス自伝」をワンクリックオーダーしてしまったのは昨晩のことである。



























































































by my8686 | 2019-02-15 17:22 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)

最高のライヴ音源「MILES DAVIS AT FILLMORE」を聴く

2/14(木) 曇りながら早朝MTBで公園内を軽く走る。昨日の木刀の素振りが効いたのか、全身に心地よい筋肉疲労を感じ、暫く転寝して微睡む。



それはさておき、本日も引き続きマイコレクション音源から「マイルス・デイヴィス」の軌跡を辿ってみよう。

マイルスサウンドの初体験「A TRIBUTE TO JACK JOHNSON」を経て「ビッチェズ・ブリュー」2枚組アルバムの次に買ったアルバムが「MILES DAVIS AT FILLMORE」である。




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1970年6月17日~20日にロックの殿堂「フィルモア・イースト」で連続4日間行われた伝説のライヴ音源の公式盤である。
当時のライヴの熱狂がダイレクトに伝わってくる迫真のアルバムといって良いだろう。





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最初は、公式盤「ビッチェズ・ブリュー」を聴きなれた耳には、「騒然」とした「混乱」に聴こえるのだが、集中して聴いて行くと、聴衆の騒めきと集中、集中から「熱狂の嵐」への波動と緊張感が官能を逆なでするかの如くに身の毛立って行く。まさにマイルス最頂点の音源と言って過言ではあるまい。





後年、中山康樹が『マイルスを聴け!』緊急的番外最新情報として次のようなコメントをブログアップしているのを目にする。

公式盤は約50分の演奏を半分に編集・短縮したものになっている。完全に収録されたのが、『コンプリート・サーズデイ・マイルス・アット・フィルモア』と題された完全盤。これまで水曜・金曜・土曜が発売されていたものに待望の木曜が追加登場したというもの。



まず完全版については、3組のヴァージョンに分かれているという。

①4日間それぞれにマルチ・トラック・マスター・ヴァージョン
②同ヴァージョンにオルタネイト・ヴァージョンを加えたもの
③さらにマルチ・トラック・セパレート・ヴァージョン

③のセパレート・ヴァージョンは、チック・コリアとキース・ジャレット、デイヴ・ホランドとジャック・デジョネット、マイルスとスティーヴ・グロスマンとアイアート・モレイラといった具合に3組に分けた上で、それぞれの組の演奏だけ音が大きくミックスされ特化したものになっているという。

これによって細部の動きが克明にわかるという仕掛けらしい。





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公式盤『アット・フィルモア』は「演奏を聴く」もので曲のテーマ・メロディーがカットされ、何を演奏しているのか解りずらい。しかし、完全版4枚は「曲としての演奏を聴く」ものに変質しておりテーマ・メロディーがあることによって「楽曲」が姿を現し、マイルス一党の律儀にも基本に忠実に演奏していたことがより理解できるという。

公式盤より保守的に感じられるのはそういうためだろうと推測している。さらにグロスマンがテナー・サックスでソロを吹いていたこともわかり(公式でのソロはソプラノ・サックス)、それがジャズ的濃度を高めているという。

完全版を聴けば公式盤『アット・フィルモア』にかなり「おいしい部分」が拾われていることがわかるが、それでもまだまだ食べ尽くされていないこともまた改めてわかるそうな。

4日間のなかで最も大きな違いがあるのは、追加された木曜日。決してオーヴァーでなく、まったく別の演奏であるとまで言い切っている。

もちろん「おいしい部分」は『アット・フィルモア』でも聴けるが、じつは「もっとおいしい部分」が拾われていなかったという。ここまでの落差は他の水曜・金曜・土曜にはなく、その意味で完全版としての価値はこの木曜日がいちばん高いのだという。





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全体的な印象としては、デジョネットの張り切り方がハンパなく凄く、まるでトニー・ウイリアムスが乗り移ったかのような瞬間も続出するという。
逆にややションボリしているのがグロスマン。他の曜日ではテナー・サックスでソロをぶちかましているにもかかわらず、この日はソプラノ・サックスを主体に吹き、しかも元気がない。

もちろんマイルスは絶好調でグロスマンにカツを入れるべくパワーいっぱいに飛ばしまくっている。チックもキースもホランドも好調を堅持、アイアートがいつにも増して元気に暴れまくっている。そして《イッツ・アバウト・ザット・タイム》最高のヴァージョンが登場。

マイルスが最後に吹く必殺のスパニッシュ・メロディーたるや、この殺気、緊張感、スリルとサスペンス。マイルスが放つ一音に導かれ、すべての音がもんどりうって坂を転げ落ち、駐車違反の車の列を踏みつけ突進していく。

演奏はこれをツナギとして《ビッチェズ・ブリュー》になだれ込んでいくのだが、このあたりのキースとチックのバッキングは芸術的というしかないレヴェルに達している。
キースが一音を鳴らしつづけているが、これは後年マイルスがシンセサイザーで再利用した技のオリジナルではないかとまで言い切っている。

ともあれ圧倒的な「木曜日のマイルス」をじっくりと聴き倒そうではないか。










☆☆☆GGのつぶやき
1970年代、マイルス絶頂期のライヴ音源と言って過言ではあるまい。
1970年6月17日~20日の「フィルモア・イースト」で現場を目撃できなかったことだけが悔やまれる。

































































by my8686 | 2019-02-14 13:57 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)

マイルス洗礼アルバム「A TRIBUTE TO JACK JOHNSON」を聴きながら

2/13(水) 気持ちよく晴れた水曜日。陽ざしが気持ち良い。ランチのあとは、庭で軽く木刀の素振りで身体を慣らす。


それはさておき、本日も引き続きマイコレクション音源から「マイルス・デイヴィス」の軌跡を辿ってみよう。

マイルスサウンドの初体験がこの「A TRIBUTE TO JACK JOHNSON」であった。




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大学に入学した年、たまたま立ち寄った駅前のレコード店の店主と話すうちに「これを聴け!!」と勧められたのがこのアルバムである。

間違ってもジャケ買いするアルバムではない。正直「なんじゃ~こりゃ~」と思ったのである。
黒人と数名の女性が乗った黄色いクラシックカー。そのダサさに感性は萎え切ってしまったことを思い出す。

学生寮にもどり、そのレコードに針を落とした瞬間、ロックビートに乗ったエレキギターのリズムに官能が沸騰。
リズム・カッティングのあまりのかっこ良さに感動したことを思い出す。




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マイルス・デイヴィスのこのエレクトリック・サウンドに触れることで「ジャズの道」が拓けた瞬間である。

このアルバムの背景については、まったくの無知状態でジャケットの黒人がそのジャック・ジョンソンその人であることを後から知ることになる。




■マイルスがライナーノーツに寄稿したコメント

「1908年、ジャック・ジョンソンがヘビー級の世界最高峰に上り詰めたことがきかっけで、白人の嫉妬は爆発した。どういうことだか解るか? 勿論、アメリカに黒人として生まれたやつならば・・・? 誰でもそれがどんなことか知っている。1912年、ジョンソンがタイトルを防衛したジム・フリン戦の前日は、こんな手紙が届いたそうだ。「明日はリングに倒れろ、さもないと首吊りだぞ ーーー クー・クラックス・クランより」だとさ!」





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黒人が平然と迫害されていたアメリカ社会で、酒も女も放埒に自由に振る舞まった黒人ボクサー「ジョンソン」。
身体だけでなくすべてに対して強さと偉大さをアピールしたチャンピオンを描いた映画のサントラである。

クールで知的なジョン・マクラフリンのギター、ビリー・コブハムのロックなドラム。さらにマイルスの完璧なメロディーTPソロ。





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1曲目「RIGHT OFF」は、アップテンポの攻撃的な曲で最初から最後まで完璧に決めている。18分30秒過ぎ「歴史的フレーズ」が飛び出す。
中山康樹流に言えば、スライ&ファミストの「Sing A Simple Song」が元ネタだったというのだが、このアルバムで昇華、熟成されたと捉えれば、それでヨシ!

マクラフリン、ヘンダーソン、コブハムによる伝説的なフレーズはマイルスも官能が沸騰したのか、これ以降幾度となく演奏に登場している。

2曲目「YESTERNOW」は、一気に静寂感ただようトーンに切り替わる。『イン・ア・サイレント・ウエイ』のフレーズが出てくることでも有名だが、マイルスはこの時期、頻繁にレコーディングを繰り返していたので、その音源をテオ・マセロが魔術的に編集したのであろう。マイルスが作曲クレジットに「T.Macero」と入れていることでも頷ける。

このアルバムは、マイルスサウンドの中でもかなりストレートにシンプルなまでにロックィングされた完成度の高いサウンドとなっている。
これ以降、同じコンセプトのものは決して作らなかったと言われる。

マイルスとしては、さらなる進化と新しい音への創造欲求が噴出していた時期だったのであろう。









☆☆☆GGのつぶやき
出会うべくして出会ったのか。
1970年代のあの熱く燃え盛る時代に生きれたことに改めて感謝したい。




















































by my8686 | 2019-02-13 16:42 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)

マイルスの60年代ロスト・クインテット最高傑作音源「SWEDISH DEVIL」を聴く

2/12(火) 久しぶりに太陽がのぞいた早朝、近くの公園内をMTBで走る。この時期にはなんといっても太陽の陽ざしが気持ち良い。
体内時計をリセットし軽く有酸素運動に入る。風はまだ冷たいながらも腸腰筋も心地よく刺激できるのがうれしい。


それはさておき、本日も引き続きマイコレクション音源から「マイルス・デイヴィス」の軌跡を辿ってみよう。

「SWEDISH DEVIL」とタイトルされた衛星放送のブートレグ版である。
「at FOLKETS HUS,STOCKHOLM,SWEDEN NOV.5,1969」マイルス60年代のロスト・クインテットの最高傑作音源と言われる。



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購入動機は、中山康樹の熱きコメント。

「すぐにこのブートを入手せよ!」「仮に今後このクインテット音源がリリースされたとしても、これを越えるものは、まず有り得ない。」とまで言い切った殺し文句である。

この一文を読んでからというもの、このジャケットデザインが頭から離れなくなってしまったのである。
ストックホルム旧市街の風景をバックにマイルスの顔がじっと正面を見据え、黒地にデビルの赤い呪文めいたロゴ。決して洗練されたデザインではないのだが、それが妙に感性の襞に引っかかってしまった。




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さらに中山康樹の言葉は続き、「神がかり的なライブ音源。当時のサウンドボード収録音源の最上クオリティーのものを発掘し、さらに細部に至るまでリマスタリングを施し、過去リリースされていたものはヒスノイズがやや気になったものの、そのあたりもキレイに処理され、音圧から抜け具合まで、これ以上のものはない!」とまで言い切ったマスター・クオリティーなのである。




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イントロのDJがライブ感を増幅するが、すっ飛ばしても一向にかまわない。

Disc:1は、昼の部。Disc:2が夜の部に演奏が分かれており、特に2度プレイされる"Bitches Brew"などは前半はアコースティック、後半はエレクトリック・ヴァージョンとなっている。





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展開としては非常に珍しい音源と言えよう。

他にもチック・コリアのフェンダー・ローズから繰り出すフリーフォームなプレイと昼の部の"Nefertiti"の完璧な新アレンジが楽しめる。

それにしても、脂の乗ったマイルスの強靭なTPが鳥肌ものなのである。






☆☆☆GGのつぶやき
1969年11月5日にこのライブをリアルタイムで目撃できていたら、人生変わっていたであろう。
音圧を身体で受けながら、ガラス窓をビンビンに揺らしつつ、ライブ音源に近い大音量で聴くべし!! 
決してチマチマとしたイヤホーンなどで聴くんじゃ~ない!!!!!!











































































by my8686 | 2019-02-12 19:36 | 愛しさとせつなさのJAZZ | Trackback | Comments(0)