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「9.11」を読み解く

あの日から今日で17年目を迎える。

あの日の報道を今でも鮮明に覚えている。何気なく見ていたテレビに炎上する世界貿易センタービルの姿が映し出された。

最初は飛行機の操縦ミスによる突発的な事故だと静観していた。しかし、2機目のユナイテッド航空175便が世界貿易センタービル南棟へ衝突したことで単なる事故ではないと知らされる。




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当時のNHKの中継の状況から読み解いてみよう。


NHKではワシントン支局と中継を結んでいる間にそれが起こり、途中で手嶋龍一支局長の発言を遮るようにニューヨークに画面が切り替えられた。片方のビルが姿を消し、大量の煙に覆われたニューヨークと、路上から撮影した南棟崩壊時の映像が映し出された。これらの映像は二棟が重なるアングルであったため崩壊の程度が分かりにくく、当初は「ビルの一部が崩壊した」とも伝えられていた。また、ワシントンの各所で爆発が相次いだという誤報が流れ、画面に「アメリカで同時テロ」の字幕が映し出された。





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この時もNHKはスタジオを映していて2つのビルの崩壊の瞬間はいずれも中継されなかった。しかし間もなく、巨大な超高層ビルが上部から完全に崩壊し、膨大な瓦礫と化してマンハッタン南部が煙で覆いつくされる衝撃的な映像が放送された。さらに23時40分頃には、4機目(ユナイテッド航空93便)がペンシルベニア州西部に墜落したというニュースが伝えられた。NHKの堀尾アナウンサー(当時)は次々と起こる惨劇を報道する中で「信じられないような映像をご覧いただいていますけれど、これは現実の映像です」と発言している。

日本のほぼ全てのメディアは翌日の明け方までテロに関する情報を伝え続けた。

航空機が使用された史上最大規模のテロ事件であり、全世界に衝撃を与えた。その後、アメリカ合衆国と有志連合は報復としてアフガニスタン紛争、イラク戦争を行った。また、航空機のマンハッタン超高層ビルへの大規模衝突事件としては、1945年のエンパイア・ステート・ビルディングへのB-25激突事故以来となった。





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喪失感が充溢する中でアメリカ合衆国国民は、求心力を愛国的な意識を共有することに求め、速やかな報復を肯定する世論が形成されていった。具体的な物的証拠が挙げられないうちから、CNNなどのアメリカ合衆国の大手マスコミなどにおいても、イスラム原理主義を信奉するアラブ系人種によるテロ説が唱えられ(同じような事は、オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件の際にも発生した)、流言に乗った市民によるアラブ系住民の暴行事件が多発、アラブ系男性が射殺される惨事にまで発展した。

また、ヨルダン系アメリカ人アメリカ兵がテロ後に受けた差別がきっかけにより、8年後の2009年11月5日に陸軍少佐がフォートフッド陸軍基地で銃乱射事件を起こしている。

これに対し、アラブ系アメリカ人には「Arabic Americans support U.S.(アラブ系アメリカ人は合衆国を支持する)」などと書いた横断幕を自家用車に掲げ、アメリカ合衆国の味方であることをアピールした者もいた。事件発生直後のテレビ報道の中で、中東系の人々が勝ち誇ったように興奮する映像が流されるなど(本テロ攻撃との関係は全く不明)、いわゆる国家的陰謀論に結びつくような偏った報道が事件直後から行われていたとする説もある。

(大統領時代にはビンラディンを脅威と考えていた)前大統領であるビル・クリントンは、「同時多発テロ事件を見て、それが直ちにビンラディンによるものだろうと考えた」と後に述べており、方法はともかくとしても、アメリカ合衆国に対するイスラム原理主義勢力によるテロ攻撃の可能性は以前から意識されていたものである。




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9.11テロに関する公式な見解は、「ウサーマ・ビン=ラーディンを筆頭とするアルカーイダが引き起こしたテロで、重要建造物を標的にハイジャックした旅客機を用いた自爆テロであり、その方法はアメリカ合衆国連邦政府を始め、誰もが予想もつかなかった」というものである。

これに対してテロリズムをアメリカ政府があらかじめ知っていたが無視したとする説、政府自身による自作自演であるとする説が唱えられている。

また、本事件の公式見解を支持する場合であっても、事件時の不手際などを政府や軍が隠蔽しているのではないかという疑惑も、広義の陰謀説と呼べる。

このような説が唱えられる背景には、このテロが低迷していたブッシュ政権に高い支持率を与え、アフガニスタン戦争とイラク戦争のきっかけとなり、それが軍需産業へ利益をもたらしたという経緯がある。





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つまるところ、真相は解明されぬままになっている。

アメリカのシンクタンク「アメリカ新世紀プロジェクト」(Project for the New American Century) は、2000年9月に、90ページのレポート"Rebuilding America's Defenses"を公表した。

このレポートでは、アメリカの外交政策、軍事政策のあり方を論じ、複数の戦争を同時に遂行しかつ圧勝するための体制を構築する上での目標を挙げる部分で、次のように述べられている。(page51)。

壊滅的規模で、触媒として働くような何か新しい真珠湾攻撃のような出来事がなければ、(アメリカの)体制移行の過程は、たとえそれが革命的な変化を引き起こすとしても、長い時間がかかるものとなるであろう。

Further, the process of transformation, even if it brings revolutionary change, is likely to be a long one, absent some catastrophic and catalyzing event – like a new Pearl Harbor.


このアメリカ新世紀プロジェクトのメンバーであった、Dov S. Zakheimは、CFR(外交問題評議会)のメンバーでもあり、レーガン政権で国防省要職を務め、ジョージ・ブッシュ政権で、政権発足から2004年まで大統領の外交政策顧問、アメリカ国防長官府のコンサルタントを務めた。

また、彼は1987年から2001年まで、軍事技術会社 System Planning Corporationの部長職、および子会社であるSPC InternationalのCEO(最高経営責任者)であった。
なお、System Planning Corporationは、航空機を遠隔自動操縦で航行させることができる技術(Flight Termination System、Command Transmitter System)を販売している。




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☆☆☆GGのつぶやき
私利私欲のために航空機を遠隔自動操縦させ、同時多発テロを演出した黒幕がいるとすれば、そいつには「地獄の道」しか残されてはいまい。































































































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by my8686 | 2018-09-11 10:59 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

地銀8割「金融緩和懸念」 超低金利続き収益悪化

日本銀行の大規模な金融緩和による超低金利が地方銀行を直撃している。全国の地銀を対象にしたA新聞のアンケートで、回答した銀行の8割が緩和の悪影響を懸念しているという。



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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


人口減など以前からの課題に加え、「アベノミクス」による大規模緩和の超低金利が5年以上続き、貸出収益が低迷している。店舗や人員削減を検討する銀行も目立ち、地域経済への影響も深刻化しかねない。

アンケートは7月、全国の地銀104行に実施し90行から回答を得た。今後の経営の懸念材料(複数回答)については、「日銀の金融緩和の長期化」を選んだのは75行で最も多く、「地域の人口減少」(73行)や「収益力向上の難しさ」(46行)を上回ったという。



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全国銀行協会によると、地銀104行の預金額は約327兆円で、大手銀行5行の約363兆円に匹敵する。

金融庁によると、2018年3月期決算では半分の地銀が貸し出しなどの本業で赤字だった。超低金利で貸出金利が下がり、人口減で貸出先を奪い合う競争は激しい。

日銀の大規模緩和は2013年4月に始まった。かつてない規模で市場に資金を流し、それまで以上に金利を引き下げた。住宅ローン金利は下がり、円安や株高で景気は上向いた。

しかし賃金は伸び悩み、日銀は異例のマイナス金利政策も行ったが「物価上昇率2%」の目標は遠い。緩和は長期化し、金融機関は超低金利による貸出収益悪化に苦しむ。

大手銀行は海外事業拡大を進めるが、事業が国内にとどまる地方銀行は人口減などで先行きが見えない。低金利下で無理な業容拡大を迫られ、スルガ銀行(静岡県沼津市)での融資の不正のような不祥事も相次ぐ。



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収益が厳しい中、アンケートでは今後の店舗や人員の動向についても聞いた。店舗については「減らす」(31行)が「変わらない」(36行)に迫り、「増やす」は3行。人員は「変わらない」(46行)が最多で、「減らす」(29行)が続き、「増やす」は1行だけだった。

地域活性化には金融機関が新産業に資金供給して支援することが欠かせない。金融機関の体力が低下すれば地域を支える力も弱まる。



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日銀は7月末の金融政策決定会合で超低金利の悪影響を軽減するため、一定の金利上昇を容認する政策修正を決めた。

ただ同時に、今後の消費増税を考慮し、超低金利を当面続ける姿勢も示した。専門家の間では、金利上昇は限定的で、銀行の収益改善にはあまり影響しないとの見方が多いという。








☆☆☆GGのつぶやき
地銀受難の時代である。予測どうり「口座維持手数料」が徴収されていくのであろうか。「BIS規制」なる信用創造システムも崩壊寸前では、「マイナス金利」を止める手腕のある総裁に即刻頭を変えろ!!













































































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by my8686 | 2018-08-21 16:12 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「日本の余剰プルトニウム、40年前に予測 米カーター政権」を読み解く

盆休明け土曜の出勤日。午前中に到着予定の試作品の受入を確認し、午後からは午後年休の算段である。

ワイフが以前から希望していた銀河ナイトクルージングで誕生前祝いをする予定なのである。ワイフも還暦を過ぎてから、自分の誕生日をやけに気にかけはじめた。
年齢を重ねることへの思い、そして残された時の重みを感じているのであろう。
こうした貴重な時間を共有できることに感謝し、優しく寄り添ってやりたいと思う。




それはさておき、気になるニュースが目に飛び込んできた。


原発の使用済み核燃料を再処理して得られるプルトニウムについて、日本が再処理に乗り出した1970年代、当時の米カーター政権が、使い道のない余剰分が出ることを数値予測していたことが機密解除された米公文書でわかったという。

予想は大筋で的中し、日本の保有量は90年代に10トンを突破。その後も歯止めがかからず、現在は国内外に約47トンを抱える。原子力委員会は7月末、米国の要求に応える形で、現状を上限に余剰を減らす新方針を打ち出した。




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文書は、米民間研究機関「ナショナル・セキュリティー・アーカイブ」が昨年公開した資料の中から見つかったという。

79年10月11日付の米政府の報告書では、英仏に再処理を委託する分と東海再処理施設(茨城県)で新たに取り出す分から、国内の高速炉などで使う分を差し引いて保有量を推計。

余剰分は、ほぼゼロだった80年から90年に最大約12トンに増えるとした。日本政府が公表した保有量は93年時点で約11トンだったという。




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80年5月29日付の文書では、米国家安全保障会議の職員が「日英仏の再処理工場が動けば00年までに(日欧で)数百トンの余剰が出る」などと警告。
英仏で再処理が進む一方、六ケ所再処理工場(青森県)は完成せず、00年の日本の保有量は37トンだった。





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核不拡散に力を入れたカーター政権は、日本に対して再処理の中止を要求。日本は強く反発し、米側が条件付きで再処理を認めた経緯がある。

原子力外交に詳しい広島市立大の武田悠講師は「当時から日本の余剰プルトニウムを強く懸念していたことが確認できる」と話しているという。





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MEMO <余剰プルトニウム>

日本は原発の使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムを再利用する核燃料サイクル政策を掲げる。だが、燃料に活用できたのはごく一部で、保有量は高止まりが続く。核兵器に転用でき、余剰分を減らさないと国際社会の批判を招く恐れがある。






☆☆☆GGのつぶやき
米国の闇の部分に光があたる時がある。
この米民間研究機関「ナショナル・セキュリティー・アーカイブ」資料もそのひとつであろう。原爆投下後のアメリカ戦略爆撃調査団による大規模調査結果も全容はいまだに闇の中である。被爆者を使った人体実験の模様もいまだに全容は公開されていない。































































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by my8686 | 2018-08-18 10:31 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「国連事務総長 長崎平和祈念式典での演説」を読み解く

国連事務総長として初めて被爆地・長崎の平和祈念式典に参列したグテーレス氏の演説は、名指しは避けながらも、国連加盟国の大半が賛同した核兵器禁止条約に背を向けて「使える核」の開発をめざすトランプ米政権に向けた強い抗議のメッセージが込められていた。

米国から国連への「圧力」も強まるなか、米ニューヨークの国連本部では言いにくいことを、長崎から世界に発信したようにも見えたという。




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あらためて、その演説内容を読み解いてみよう。


 
悲しいことに、被爆から73年経った今も、私たちは核戦争の恐怖とともに生きています。ここ日本を含め何百万人もの人々が、想像もできない殺戮の恐怖の影の下で生きています。
核保有国は、核兵器の近代化に巨額の資金をつぎ込んでいます。2017年には、1兆7千億ドル以上のお金が、武器や軍隊のために使われました。これは冷戦終了後、最高の水準です。世界中の人道援助に必要な金額のおよそ80倍にあたります。

その一方で、核軍縮プロセスが失速し、ほぼ停止しています。
多くの国が、昨年、核兵器禁止条約を採択したことで、これに対する不満を示しました。

また、核兵器以外にも、日々、人々を執拗(しつよう)に殺傷する様々な兵器の危険も認識せねばなりません。

化学兵器や生物兵器などの大量破壊兵器や、サイバー戦争のために開発されている兵器は、深刻な脅威を呈しています。
そして、通常兵器で戦われる紛争は、ますます長期化し、一般市民への被害はより大きくなっています。
あらゆる種類の兵器について緊急に軍縮を進める必要性がありますが、特に核兵器の軍縮はもっとも重要で緊急の課題です。




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このような背景の下、今年5月に私はグローバルな軍縮イニシアチブを発表しました。

軍縮は、国際平和と安全保障を維持するための原動力です。国家の安全保障を確保するための手段です。軍縮は、人道的原則を堅持し、持続可能な開発を促進し、市民を保護するのを助けます。

私の軍縮アジェンダは、核兵器による人類滅亡のリスクを減らし、あらゆる紛争を予防し、武器の拡散や使用が一般市民にもたらす苦痛を削減するために、現在の世界で実現可能な様々な具体的な行動を打ち出すものです。
このアジェンダは、核兵器が、世界の安全保障、国家の安全保障、そして人間の安全保障の基盤を損なうことを明らかにしています。核兵器の完全廃絶は、国連の最も重要な軍縮の優先課題なのです。




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ここ長崎で、私は、すべての国に対し、核軍縮に全力でとり組み、緊急の問題として目に見える進歩を遂げるよう呼びかけます。核保有国には、核軍縮をリードする特別の責任があります。
長崎と広島から、私たちは、日々平和を第一に考え、紛争の予防と解決、和解と対話に努力し、そして紛争と暴力の根源に取り組む必要性を、いま一度思い出そうではありませんか。

平和とは、抽象的な概念ではなく、偶然に実現するものでもありません。平和は人々が日々具体的に感じるものであり、努力と連帯、思いやりや尊敬によって築かれるものです。
原爆の恐怖を繰り返し想起することから、私たちは、お互いの間の分かちがたい責任の絆をより深く理解することができます。





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私たちみんなで、この長崎を核兵器による惨害で苦しんだ地球最後の場所にするよう決意しましょう。
その目的のため、私は、皆さま方と共に全力を尽くしてまいります。


国際連合事務総長 アントニオ・グテーレス








☆☆☆GGのつぶやき
原子爆弾の攻撃で亡くなられたすべての方々の御霊に謹んで哀悼の意を捧げたい。

丹下健三の宣言をもう一度かみしめてみたい。

「平和は訪れて来るものではなく、闘いとらなければならないものである。平和は自然からも神からも与えられるものではなく、人々が実践的に創り出してゆくものである。
この広島の平和を記念するための施設も与えられた平和を観念的に記念するためのものではなく平和を創り出すという建設的な意味をもつものでなけらばならない。」












































































































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by my8686 | 2018-08-10 17:36 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「翁長知事死去」を読み解く

米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題で、反対派の先頭に立ってきた翁長雄志知事(67)が死去した。
辺野古の埋め立て承認を県が撤回して工事を止め、秋の知事選で争点にして翁長氏を立てて対抗するという反対派の筋書きは、見直しを迫られる。




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4年前の知事選で「辺野古移設阻止」を掲げて勝利した翁長氏だったが、最近は政権側に押される展開が続いていた。国との裁判に2016年12月の最高裁判決で敗れて以来、現地では工事が着々と進んでいる。

移設反対派が翁長氏に対応を求めて県庁内で座り込むなど、支持層からの突き上げも激しさを増していた。あまりに早く「撤回」に踏み切ると、国に対抗手段をとられ、選挙前に決着してしまいかねない。時機を慎重に計り、土砂投入直前で撤回を表明していた。


闘争中の憤死といえよう。67歳とはまだ早い。後任がいない状況下での立て直しに暗雲が立ち込めている。
あらためて、その内容を読み解いてみよう。



翁長氏の任期満了に伴い11月18日に行われる予定だった知事選を見据え、翁長氏を支える政党や労組などでつくる「オール沖縄会議」も、そうした翁長氏の戦略を支持してきた。

翁長氏は4月に膵がんがわかって以来、抗がん剤での治療を続けるなど、健康を不安視する声は常にくすぶっていた。しかし、翁長氏は自民党県連幹事長や那覇市長を歴任した県政界の保守側の重鎮ながら、辺野古反対の旗を立てて知事選に立候補。保守・革新を超えて幅広い支持を集める「オール沖縄」を誕生させた立役者だった。




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そうした経緯もあり、反対派の中では「翁長氏の代わりは翁長氏しかいない」(県政与党幹部)のが一致した見方だった。
副知事の記者会見の直前にも、共産や社民など県政与党の国会議員や県議らが那覇市内で集まり、翁長氏再選を目指すと確認し合ったばかりだった。

一方、翁長氏と対立する自民県連は先月、宜野湾市長の佐喜真淳氏の擁立方針をすでに決定。県政奪還に向けて着々と準備を進めている。自民県連関係者は謝花氏の記者会見時点で「選挙が早まるかもしれない。怠りないよう準備をしたい」と語っていた。

知事選は死去に伴い前倒しされることになった。選挙に向けた動きは加速することになり、反対派は厳しい状況に追い込まれている。

照屋氏は「想定外の事態で候補者選定は暗中模索の状態だ。緊急事態である今こそ、一つにまとまらないといけない」と話す。









☆☆☆GGのつぶやき
翁長雄志知事の弔い合戦となってきた。
しかし、米軍普天間飛行場の移設問題については、時間を長くさいている時ではなかろう
地球の生態系再興に一刻も早くシフトして行くべき時であることに、早く気付いてほしい。
































































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by my8686 | 2018-08-09 10:12 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

被爆73年となる「原爆の日」を読み解く

8月6日、広島は被爆73年となる「原爆の日」を迎える。広島市中区の広島平和記念公園では、午前8時から平和記念式典が開かれ、核保有国の米、英、仏、ロなどを含む85カ国の代表らが参列した。




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松井一実市長は「平和宣言」で、被爆者とともに核兵器禁止条約の採択に尽力した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN〈アイキャン〉)のノーベル平和賞受賞を歓迎。核兵器のない世界の実現に向けて、国際社会に対話と協調を促す役割を日本政府に求めた。

厚生労働省によると、3月末時点で、被爆者健康手帳を所持する人は15万4859人で、過去最少。平均年齢は82・06歳となった。式典では原爆死没者慰霊碑にこの1年で死亡が確認された広島での被爆者5393人の名前が新たに奉納され、死没者は計31万4118人となる。

自分の母方の伯父も原爆の犠牲となった。日本軍に召集され広島に集結したこの日である。母は、兄となるこの伯父の遺体を探して被爆3日後に爆心地に入り、1週間通い続け、折り重なり焼け爛れた死体を起こしては兄の消息を尋ね歩いたという。まさに、地獄絵図であったという。




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そして、8月6日を迎えるたびに脳裏に甦る偉大な建築家 丹下健三の「広島の復興計画」案である。

川を挟んで北限に原爆ドーム。丹下案は、北の点に原爆ドームをとり、南に向かって一本の線を引く。その線を軸として、慰霊碑や広場を配置し、東西に平和記念資料館など一群の建築物を配置するというものだった。
南北の線と東西の線、この線のなかに原爆の遺構、資料館、広場、祈りを捧げる場所がすべて収まっている。慰霊碑から原爆ドームが一望できるのも、丹下の計算通りだった。




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復興計画とは別にモニュメントのみの計画案があったという。

「こんなモニュメントが一つあった程度で、何が残るのか。市民に忘れ去られるだけだ。」

丹下はこれに反対し、広島は他の戦災都市とは違う。「世界平和の根拠地」ではないか。丹下は原爆ドームを残すべきだと考えていた。


「原爆の恐ろしさ、残虐さ、非人間性、そうしたことを永久に忘れないために、もう二度と人類が原爆を使用しないために、このドームはシンボルとして残すべきだ」(「丹下健三 一本の鉛筆から」)と。

丹下だけが、残るかどうかもわからない原爆ドームの持つ「力」を信じ、平和記念公園と一体のものとして考えていた。






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丹下は「爆心地に設けられる平和記念公園は、世界的な意味を持つであろう」と記し、建設の意味を、こう宣言した。

平和は訪れて来るものではなく、闘いとらなければならないものである。平和は自然からも神からも与えられるものではなく、人々が実践的に創り出してゆくものである。
この広島の平和を記念するための施設も与えられた平和を観念的に記念するためのものではなく平和を創り出すという建設的な意味をもつものでなけらばならない。(丹下案)





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爆心地としての広島が持つ記憶と、平和への希求から生まれる新しい施設。平和公園はそれらを統合した「平和をつくりだす工場」であること。これが、丹下が考えた被爆地・広島にある「平和記念公園」構想だった。





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☆☆☆GGのつぶやき
少年の頃、この丹下の設計による「広島平和公園構想」を絶賛した父が、この場所に幾度となく家族を記念撮影に連れだしたことを思い出す。
広島の復興計画において、この市街地を十字型に貫く都市軸を通したことで、戦後の広島市の骨格を作ったのは丹下であると言えよう。またこれにより、単なる一廃墟に過ぎなかった原爆ドームにスポットライトを当て、中心性を持った都市空間として広島を再建する上での、ランドマークとしての「原爆ドーム」として世界に発信せしめたのも、事実上、丹下であると言いいきれよう。
丹下の執念を忘れがちな今、あらためて「一本の鉛筆から」を読み解いてみたいと思った。



































































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by my8686 | 2018-08-06 15:26 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「プラネタリー・バウンダリー」を読み解く

西日本が死者200人を超す豪雨に見舞われたのに続き、「災害級」の猛暑が日本列島を襲っている。人間の活動によって、地球環境は限界を超えつつあるのか。

持続可能な開発目標(SDGs)の基礎になった枠組み「プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)」。その研究を主導したヨハン・ロックストローム氏のインタヴュー記事を読み解いてみよう。




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 ――日本では西日本豪雨に続いて記録的な猛暑、世界でも米国や北アフリカ、インドで50度を超えるなど異常気象が続いています。地球温暖化の影響でしょうか。



私の住むスウェーデンなどの北欧も、これまでにない熱波や干ばつ、森林火災に襲われています。私たちは、世界中で豪雨や熱波、ハリケーンなど、異常気象の頻発を目撃しています。ただ、西日本豪雨が人間活動による温暖化の影響かと問われれば、答えは科学的にとても複雑で、『イエス』とも『ノー』とも言えます。世界の平均気温は産業革命前より1・1度上昇しました。これは異常気象に影響を与えるでしょうが、とても多くの複雑なプロセスが絡み合っています。

そのうちの一つが、気温上昇による大気中の水蒸気の増加です。大気中により多くの水分がたまれば、どこかで放出しなければならないので豪雨が増える。温暖化と豪雨災害を切り離すことはできません。

一方で、個々の異常気象と気候変動を単純に結びつけることはできません。一つの豪雨が直接、温室効果ガスの排出に関連していると証明する方法を、私たちは持っていないのです。

地球の気温は上昇しており、結果として気候変動が起きているのです。温暖化は異常高温だけでなく異常低温も引き起こします。温室効果ガスの排出が温暖化をもたらし、温暖化が気候変動を招き、気候変動が気象に影響を与えるという3ステップになっています。




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 ――1・1度の気温上昇でこれだけ影響が出ています。地球温暖化防止の国際ルールであるパリ協定は、産業革命前からの世界の平均気温の上昇について、2度を十分下回り、1・5度を目指すとしていますが、世界は4度上昇に向かう軌道上にあります。




1・1度になっているのは、大気汚染などによるエーロゾル(浮遊粒子状物質)に日射を遮る冷却効果があるからで、これがなくなれば1・5度近くに急上昇することを覚えておくべきです。

地球の気温は、すでに最終氷期終了(約1・2万年前)後で最も高くなっています。たとえ2度未満に抑えても、影響を軽減するために膨大な適応策が必要になるでしょう。

プラネタリー・バウンダリーの気候変動の限界値である1・5度は目の前に来ています。
2度未満に抑えるには、石油や石炭など化石燃料の使用をやめるだけでなく、ほかの項目が限界値を超えないようにしなければなりません。炭素を自然生態系の中に隔離しておかなければなりません。

私たちは恐らく、永久凍土の融解によるメタン放出や炭素吸収源である森林の喪失、海洋からの炭素放出の危険性を、低く見積もり過ぎています。




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 ――7月に日本語版が出版された「小さな地球の大きな世界~プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発~」は、地球システムは回復力が高く元の状態にとどまろうとするが、転換点を超えると回復不能で予期しないことが起きると書いています。地球は限界を超えたのでしょうか。




私たちが化石燃料から脱却することはもちろん必要ですが、それ以上に重要なのは、地球の陸地や海洋の自然生態系が、いまの均衡状態を保とうとする回復力を失わないようにすることです。そのための土台となるのがプラネタリー・バウンダリーの枠組みで、中核が気候システムと生物多様性です。

地球の回復力には亀裂が生じています。それを示す出来事が最近ありました。2015年と16年、増え続けてきた世界の二酸化炭素(CO2)排出に歯止めがかかりました。大気中のCO2濃度上昇にもブレーキがかかると思ったら急上昇したのです。人間がCO2排出を削減したのに、森林や海などの自然生態系がこれまでのように吸収しなかったのです。森林火災や干ばつが増えてCO2吸収量が減るエルニーニョの年ではありましたが、回復力喪失のサインでしょう。自然も潜在的なCO2排出源になり得るのです。

回復力があるうちは、温室効果ガスを生物圏内にとどめておくことができますが、弱ったところにエルニーニョや熱波など、ちょっとした一撃が加えられて転換点を超えれば、地球は別の状態に変わり、元には戻れなくなります。




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 ――プラネタリー・バウンダリーで、安全でいられる限界値を定量化して10年近くたちました。気候変動と生物多様性の損失、土地利用の変化、窒素とリンによる汚染の四つはすでに危険領域に入っています。事態は悪化しているように見えますが、良い兆しはあるのでしょうか。





残念ながら、すべての傾向は依然として悪い方向に進んでいます。一方で神経質にならず、楽観的でいられる理由もあります。かつて、自然を守るには犠牲が伴うと考えられていましたが、いまや収益性の高いビジネスや成功の好機になりました。例えば、化石燃料から再生可能エネルギーへの移行は、急速な技術的進歩もあり、大きなビジネス機会になっています。

環境が大事なことは分かっていても、コストが高くビジネスにならないようでは、だれもやろうとしません。再生エネが化石燃料より安くなって広がったように、いまの変化は持続可能性にこそ収益性があり、唯一の成功の道だと分かったから起きているのです。








 ――トランプ米大統領がパリ協定からの離脱を表明して、1年余りが過ぎました。困った影響は出ていますか。




今のところ悪い影響は出ていません。むしろいい影響があると言ってもいいかもしれません。まず、トランプ大統領は離脱を決めましたが、実際に離脱できるのは次の大統領選の時期です。

次に、都市や州、ビジネス界から多くの怒りの声やパリ協定を守る機運が生まれました。9月、トランプ大統領に対抗して、米サンフランシスコで『グローバル・クライメート・アクション・サミット』を開きます。
もちろん悪影響がまったくないわけではありません。気候研究に関する予算は危機にさらされています。




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 ――日本には、環境対策が経済や雇用にマイナスという考えが、まだ根強く残っています。




持続可能な消費や暮らしが、最も安くて簡単なら、人々は地球や環境のことを考えなくてもそれを選ぶでしょう。環境問題の解決のために、環境だけに注目するのをやめなければなりません。それは経済や雇用、豊かさ、繁栄の問題なのです。ただ、変革は急を要します。25年で脱化石燃料の経済を実現し、いますぐ生物多様性の喪失を止めなければなりません。政治やビジネスのリーダーシップが必要です。




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 ――プラネタリー・バウンダリーの考え方は、国連が15年に採択したSDGs(持続可能な開発目標)の基礎にもなっていますね。





二つには、とても強い関係があります。SDGsの17目標にはプラネタリー・バウンダリーの9限界値のうちの四つが入っていて土台になっています。
それ以外の限界値も、SDGsの中に埋め込まれています。SDGsは、すべての国にとって地球の限界内で発展するためのロードマップであると言えます。
日本やスウェーデンのような国は、リップサービスではなく、SDGsを最高レベルの政策に位置づけなければなりません。




  
<プラネタリー・バウンダリー>
人類が安全に活動できる範囲を、地球の限界値として9項目で定量(数値)化。ロックストローム氏をリーダーとする世界的な研究チームが09年に発表した。
地球の「健康状態」を示す。限界値を超え、回復力を失うと、不可逆的に生態系や環境が悪化し、人類を危険にさらす。



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☆☆☆GGのつぶやき
地球を不健康にさせてしまったのは、誰あろう「人間」である。
経済繁栄のみが人類の幸福ではないことに、まだ気がついていない愚か者の集団だと嘆いているばかりでは、仕方があるまい。
次世代の真の幸福は、経済的繁栄ではなく、人類が安全に活動できる「かけがえのない地球」の再構築であろう。
















































































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by my8686 | 2018-08-03 09:41 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「LRQA品質不正」を読み解く

品質国家「日本」にとって、あってはならないことが発覚した。



大手メーカーで品質データの改ざんが相次いで発覚したのに続き、工業製品の品質や企業の品質管理をチェックする「番人」である認証機関でも、不十分な審査で企業に「お墨付き」を与える不正が明るみに出た。

製造業の品質不正は底なしの様相で、国際的に高い評価を得てきた日本のものづくりへの信頼が揺らぎかねない事態に発展しているという。




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あらためて、その内容を読み解いてみよう。



英国の大手認証機関「ロイド レジスター クオリティ アシュアランス リミテッド(LRQA)」の不正は、製品やサービスの品質を維持・向上させるための組織の仕組みや手順(品質マネジメントシステム)を定める規格の審査で見つかった。

品質保証のモデル規格として広く普及する「ISO9001」をもとにした規格だ。JISやISOには、企業の製品やサービスが満足できる水準にあると第三者がお墨付きを与えることで、国内外の取引先がその水準を確認する手間やコストを省き、取引を円滑にする狙いがある。
こうしたメリットは公正な審査が前提になっていることは言うまでもない。





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国内では昨年以降、神戸製鋼所や三菱マテリアルなど日本の製造業を代表する大企業で品質データを偽る不正が次々と発覚。両社などがJIS認証取り消しの処分を受け、規格の信頼性に傷がついた。さらに認証機関のずさんな審査が発覚したことで、認証制度自体が疑念を持たれかねない。






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経済産業省などによると、企業にマネジメントシステムに関する認証を与える権限がある機関は国内に約50あり、少なくとも6万件以上の認証をしている。企業が認証を維持するには毎年審査を受ける必要があり、審査料金は1回あたり数十万~数百万円に上ることもあるという。

認証機関にとって、認証を依頼する企業は審査対象であると同時に収益源でもある。






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LRQAの不正の背景には審査員の人材不足もあったとされる。審査が不十分でも、審査料金目当てで認証を出すことは他の認証機関でも起こりうる。今回の不正は、審査の公正性を担保しにくい認証制度の問題点を浮き彫りにした。

認証機関のある審査員は指摘する。「一度認証を出せば、その企業からはずっと金が入ってくる。油断をすれば、審査する側とされる側としての緊張感を失いかねない。そこをいかに律するかが認証機関にとって重要だ」







☆☆☆GGのつぶやき
認証を受けて商売に活用しているメーカー、特に中小企業にとっては、大きなダメージになる。
医療や介護を食い物にする輩、教育や宗教を食い物にする輩、品質とて同じことが言えよう。
人々の信頼の上になりたつ「政」に「不正」があっては本末転倒であろう。
















































































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by my8686 | 2018-07-23 11:33 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「麻原彰晃に死刑」を読み解く

7月6日、オウム真理教の元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚ら7人の死刑が執行された。




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地下鉄サリン事件で強制捜査が行われるまで、日本ではオウム真理教の攻撃性や狂気に気づく者は少なかった。だが、作家 佐藤優は「ロシアは日本より先にオウム真理教の危険性を十二分に理解していた」という。


それはなぜなのか。佐藤の「平成史対談」から読み解いてみよう。




1993年オウム真理教は、カッサパが指揮するロシア人でキーレーンという名の交響楽団を編成し、新宿文化センターで来日公演をさせていた。




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ソ連は音楽家の宝庫だったが国家の崩壊で大勢が食いつめていた。そこをうまくつかまえて上祐史浩が上手なプレーヤーたちを金で集めていた。そしてカッサパというホーリーネームの東京音大出身の信者が、麻原彰晃の口ずさんだメロディを麻原彰晃作曲として交響曲や交響詩にして、コンサートで演奏していたという。




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「ショーコー、ショーコー、ショコ・ショコ・ショーコー」という歌詞で広く知られた「尊師マーチ」もカッサパの作曲と言われている。

演奏会では、麻原彰晃が「この大幻想曲『闇から光へ』は自由な形式で作曲しました」などと舞台中央で説明していた。





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創価学会の池田大作が山本伸一名義で作詞したり、天理教の中山みきが「おうた」を作ったり、さかのぼれば親鸞の和讃や、神秘思想家のグルジェフの膨大なピアノ音楽もある。教祖が音楽を作るのは宗教の根幹的行為の一つかもしれない。けれど大規模な交響曲まで作るのは珍しい。

麻原彰晃はゴーストライターを使って、一つ極めたともいえよう。自ら作曲をした思想家として。たとえばニーチェもそうだが、ニーチェといえども歌曲やピアノ曲どまりで、そんなに規模の大きいものは作れていない。この件は後の佐村河内守事件にもつながってくる。




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ロシアでは日本とは違い、オウム真理教の危険性は十二分に理解されていた。
それはオウム真理教のドクトリンが、19世紀末の思想家・ニコライ・フョードロフの影響を受けているからであったと言われる。

モスクワのソクラテスと呼ばれたフョードロフは、本がたくさん読めるからとロシア国立図書館で住み込みで働いていた。彼のもとにはドストエフスキーやトルストイらが訪ねている。キリスト教ではイエス・キリストとともにアダムとエバ以降のすべての人が復活すると信じられているが、フョードロフは自然科学の発達によって近未来に万民が復活すると考えていた。

ただし万民が復活すると地上に土地と空気が足りなくなる。だからほかの惑星に移動しなければならないと主張した。その思想はアポロ計画やソユーズ計画に活かされ、やがてフョードロフはロケット工学の父と呼ばれるようになる。





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科学時代の終末思想といえよう。オウム真理教はフョードロフの思想で理論武装し、ロシアでの布教に活かした。
ロシアから輸入した思想をロシア人が喜ぶ形で循環させ再帰させたわけである。





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その万民復活の終末思想が、オウム真理教のポアの論理とつながっていく。ルターはドイツ農民戦争(1524-1525)で「権力に反抗する農民をできるだけ早く殺せ」と指導した。権力に刃向かって傷ついた魂は復活できないから、魂が傷つく前に殺せ、という論理である。

そのロジックはオウムのポアに活かされている。大量虐殺やテロは単なる恨みや辛みから行われるわけではない。背景には必ず全人類救済事業のような思想がある。

そもそも終末論は日本人の時間意識、歴史意識にはなじみにくい。「言霊の幸ふ国」というくらいで天皇陛下がお言葉を発し続けているかぎり、今の秩序が永遠に続くと考えたがるのが古代からのこの国の思想なのである。





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その伝統的感覚からかなり離れたのが「60年代生まれの世代」だと言われる。多くのオウム信者がこの60年代前半生まれと言われる。この世代は、70年代にブームを呼んだ、99年に人類が滅亡するというノストラダムスの大予言に少年期に引っかかった世代でもある。しかも1999年は単なる世紀末ではなく、千年に一度の大世紀末であった。





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オイルショックの前年(1972年)には地球上の資源が有限だと指摘する『成長の限界』が発表された。これも人類の滅亡や文明の破綻の空気を醸成したといえよう。

73年に刊行されてベストセラーになった小松左京の『日本沈没』もそうである。『ノストラダムスの大予言』だけでなく『成長の限界』も『日本沈没』も一緒に人類滅亡というリアリティを植え付けた。それと並行して流行したのが、エクソシスト、オーメン、そしてこっくりさんにスプーン曲げ少年。そんな不可思議な出来事が束になって襲いかかってきた時代でもある。


オウム真理教を支えたその価値観がロシアの闇とシンクロしていたことが、今からすれば非常に興味深い。サリン事件発覚後、ロシアの教徒が麻原彰晃奪還を企てているという報道まであった。
ロシアにはいまだに麻原彰晃を信じるカルトのコミューンがあるという。ロシアだけでなく、ウクライナにもあり、95年当時、ロシアに2万4000人の信者がいたという。

オウム真理教とイスラム原理主義、あるいはキリスト教の違いは単なる数に過ぎないとも言える。終末論的なドクトリンを内包する宗教は、キリスト教でもイスラム教でも暴発すれば、オウム真理教と同様の行動に走る危険性がある。





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地下鉄サリン事件は、いまの国際社会が抱える問題の端緒といえよう。イスラム国も使っていない大量破壊兵器を使って首都でテロを起こした。ある意味で世界史の最先端を行ったのが、オウム真理教だった。

事件直後、上祐史浩が毎日のようにメディアに登場して、関与を否定したり、教義について説明したりしていた。
國松孝次警察庁長官が狙撃され、一時は死亡説も流れた。犯人はプロの狙撃手としか思われず、異常な興奮状態で次に何が起きるか予想できなかった。いっときは国家崩壊と完全なアノミー(社会秩序の崩壊)の出現まで心配された。2・26事件とちょっとダブる感覚もあった。





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地下鉄サリン事件は、日本が法治国家ではない現実を浮き彫りにした。信者がドライバーを持っていれば銃刀法違反で、駐車場に足を踏み入れれば建造物侵入で、微罪逮捕した。これは法治国家のやることではない。

オウム真理教に対して超法規的に対応すべきだという戦時体制的な空気が確かにあった。だが、結局は破防法を適用せず、解散までには追い込まなかった。そこが日本のインテリジェンス能力の高さだと思う。解散させたところで、オウム真理教は非合法に残って地下に潜った。それなら合法的な組織として残し、行動や全体像を把握した方が賢明である。反社会勢力の非合法化が逆効果なのは歴史が証明している。

19世紀のドイツ帝国でも社会主義者鎮圧法で社会主義運動の非合法化をはかったが、名称や表向きの趣旨を変えては出てきて、かえって活動を盛り上げてしまった。ロシア帝国でも弾圧がかえって反体制運動に強固な地下組織を作らせ、単に不気味さが増大しただけであった。





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しかもオウム真理教の場合は、教義と連動するように阪神・淡路大震災が起きた。震災がオウム真理教の終末論にぴたりとはまり、やはり日本の破局は近づいているのだと信者を刺激し、テロ機運を高めることになった。大地震は世界の終わりの予兆。これは古今東西、人類の思考パターンの定石である。










☆☆☆GGのつぶやき
昨晩の豪雨により局地的に被害がおきた。自然災害の怖さをあらためて認識する。
集中豪雨、大地震、火山爆発などは、世界の終わりの予兆として、人々の恐怖心をあおるに都合の良い材料はない。




































































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by my8686 | 2018-07-07 07:07 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)

「イラン・バザール商人動く」を読み解く

サッカーW杯ロシア大会で、日本は決勝トーナメント1回戦でベルギーと対戦し、2―3で逆転負けした。史上初のベスト8進出はならなかった。

当然の結果と言ってしまえば、それまでなのだが・・・。姑息な戦略でトーナメントに出た時点で予測できた結果ではある。

詰めがあまい!! 糠喜びなどしている時ではなかったとしか、いいようがあるまい。




それはさておき、イラン情勢にただならぬ動きが起きている。

トランプ米政権がイラン核合意からの離脱を表明し、広範囲にわたる制裁を発表したことでイランの経済が一段と不安定化し、国民の不満が高まっている。
不満は米政権よりイラン政府に向かっており、首都テヘランでは6月下旬、政権批判のデモも起きた。




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 「状況はよくない。(イランの通貨)リアルが分単位で下がっている感じだ」。

テヘランの大学生は6月29日、ソーシャルメディアを通じて述べた。


米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、リアルはこの1年以内に対ドルで価値が半分に下落。5月上旬にトランプ氏が核合意離脱と制裁発動を表明したことが追い打ちをかけた。





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6月24日にはテヘランにある市場、グランドバザールの商人ら数百人が店を閉めて怒りの声を上げ、国会に向けて数千人がデモ行進を行った。

抗議活動は3日間にわたり、ネット上には、「(内戦に介入している)シリアから引き揚げ、われわれのことを考えろ」と叫ぶデモ隊や、治安部隊がそれを催涙ガスで鎮圧する様子の動画が出回った。

一方、イラン国会(定数290)では、約190人の議員が、政権の経済担当チームの交代を求める書簡を出すなど、穏健派のロウハニ大統領への圧力が高まっている。専門家らの間では、大統領選前倒しの可能性も指摘され始めた。




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トランプ大統領の決定が不満を増幅させた形だが、その矛先はもっぱら政府に向かっている。米国の核合意からの離脱表明前から経済は悪化の一途だったからだ。イランでは昨年暮れにも抗議デモが全国に広がった。

今回のバザール商人らの動きを受け、同国最高指導者のハメネイ師は「経済環境を混乱させる者」を罰する方針を示した。デモを封じ、いっそうの経済悪化を防ぐ狙いとされる。





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ただ、欧州などの企業は米国の制裁に抵触する恐れがあるため対イラン投資の継続に後ろ向きで、カンフル剤は見当たらない。

トランプ政権は、イラン産原油の輸入を11月4日までに停止するよう各国に求めており、経済はさらに逼迫する公算が大きい。

北朝鮮と同様、イランも米国との対話を模索するのでは-との観測もあるが、その場合、核問題に加えて弾道ミサイル開発や周辺国への介入政策なども議題となるのは必至なため、イラン側の出方は不透明だという。









☆☆☆GGのつぶやき
トランプの票稼ぎのための米朝会談パフォーマンスが今後どう影響していくのか。
トランプ自身がイラン・バザール商人の怖さをどこまで認識しているのか。
寝首を掻かかれぬよう、ご用心あれ。











































































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by my8686 | 2018-07-03 13:24 | ヘビーな話は、謹んで | Trackback | Comments(0)