カテゴリ:挑発する建築&空間( 282 )

ポスト・ミレニアル世代が創る「チルなホテル」を読み解く

土曜休日の朝は、「チル」なるキーワードが棘のように脳裏に引っかかってしまった。
予約したデンタルクリニックを済ませ、銀行と図書館を早々と切り上げて帰宅し、その記事を読み解いている。


東大に在学しながら5つのホテルを経営・プロデュースする才女・・と言ってよいだろう。




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10歳からホテルを創ってみたいと思っていたという。
スタートからの「志」の違いをここらからも窺うことができる。




2015年に19歳で株式会社L&Gグローバルビジネスを設立し、『petit-hotel #MELON富良野』オープン後、アートギャラリーを併設した『HOTEL SHE,KYOTO(2016年)』、客室にレコードプレーヤーを置き、タイルをつかったレトロな外観にリノベーションした『HOTEL SHE,OSAKA(2017年)』、「快適過ぎてダメになる」と称されるyogiboのクッションを全室に置いた『THE RYOKAN TOKYO YUGAWARA(2018年)』、直近では廃業寸前の旅館をリノベーションした『ホテルクモイ層雲峡(2018年)』のプロデュースを手掛けている。






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あらためて、その内容を見てみよう。


どのホテルも、独自のテーマやコンセプトを持たせている点が人気を呼び、平均稼働率は約90%。訪日外国人客の割合も高く、HOTEL SHE,OSAKAで40%、富良野で95%に達する。広告を出していないにもかかわらず、宿泊客のSNSや口コミで認知度が高まっている。



『ジャケ買いされる空間』『onsen2.0』『#shelovesyou』など5つのホテルは独特のコピーが世界観を生み出す。






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たとえば『THE RYOKAN TOKYO YUGAWARA』の場合、湯河原という名前だけは知っているけれど、固定されたイメージは持っていない人がほとんど。彼女は、最初に街の空気感を言語化し、そこに街の歴史も取り込んで、「湯河原とはこんな街だ」と思い切って決め、そこからホテルという空間に落としていく手法。






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その結果、出てきたキャッチコピーが『湯河原チルアウト』。

湯河原あたりは箱根・熱海・伊豆と有名な温泉地が多いが、湯河原は際立った特徴がなかった。そこで現地でリサーチすると、“不倫旅行”と“文豪”というキーワードが出てきたという。





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現地での聞き込みで、湯河原は不倫で泊まる宿が多い。なぜかというと、離れのある宿が多く部屋にこもる旅行にぴったりで、街には繁華街が少ないので、知り合いにばったり会う可能性も低い。ただ、「不倫旅行」という言葉はキャッチーだが、コンプライアンス的には使えないので、自分たちだけのキーワードにしたという。

もう一つのキーワードが「文豪」。夏目漱石・谷崎潤一郎・芥川龍之介など多くの文豪が湯河原で執筆をしていた。都会の喧騒を離れてゆっくり静かに自分に向き合う、アッパーではなくダウナーな街の印象。遊ぶ街のイメージがある隣の熱海と比較して、“ハレとケ”、“新婚旅行と不倫旅行”のような街のイメージがつくられ、『湯ごもり』という言葉が出てき、これをキーワードにしたとき、街に何もないことの説明ができるようになった。


SNSはコミュニケーションツールとして使う。
Instagramは、ホテルに泊まってくれたお客さまの投稿をリポストすることで好感度・ロイヤリティーが高まっている実感がある。

Twitterは、ホテルでお世話になっている方とのコミュニケーションに使っているという。できるだけ“公式アカウントっぽさ”を薄めて、お世話になっている人たちとのやり取りを活性化させることで認知度アップを期待している。

Twitterネイティブ世代なので、どんなコンセプトで、どんなワーディングだとバズる、というのが体感でわかっているという。





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Twitterに何気なくOTAの手数料の高さをつぶやいたら、Twitter上で手数料の妥当性や予約サイトをつくることの是非について議論が生まれたという。
これで予約サイトに一定数のニーズがあることが可視化され、自社で開発することになった。

Twitterはマーケティング会社に依頼するよりもはるかに安く、ダイレクトにユーザーの声が拾え、優秀なマーケティングツールだという。






☆☆☆GGのつぶやき
「チル」(chill)には、ゆったりする、だらだらする、遊びに行くという意味があるという。
イメージを、徹底的に言語化していくことで、語感が良いことや記憶に残るワーディングを大切にするという。
建築家たちがコンセプトから造形言語に落としていく過程に似ている。
ポスト・ミレニアル世代の彼女の感性にこれからも眼が離せまい。













































































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by my8686 | 2018-06-23 16:17 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

隈研吾の「王子シェアハウス」を読み解く

隈研吾の最新作「王子シェアハウス」をみてみよう。




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戦前の木造住宅を海外の留学生のための庭つきのシェアハウスへと改修したという。






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外観と構造を保存しながら、8人が共同生活をする木の香りがするシェアハウスへ間仕切り、障子、照明器具などが作られた。







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和紙を全面的に用いることで空間を切断せず、やわらかくつなぐことが可能になったという。




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近年日本では、シェアハウスの一部に消防法や東京都建築安全条例などの法律・条例に定める共同住宅の基準を守っていないものがあり、一部メディアでは、これらの住居を「シェアハウスとは名ばかりの『脱法ハウス』である」として問題視されている。

2013年5月には、インターネットカフェ大手のマンボーが東京都内で展開するシェアハウスが数々の法令違反を犯していることが表面化した。このため、同社ではシェアハウスの一部を閉鎖したが、この際に用いた「運営側の都合でいつでも入居者に即時退去を要求できる」という契約条項が借地借家法違反ではないかとしてさらなる問題となっている。

ただ、これらの「脱法ハウス」の多くは名目上、共同住宅よりも法令上の規制が緩やかな「レンタルオフィス」として運営されており、行政側も「建物が住宅、オフィス、宿泊施設のどれに当たるかはっきりしない」として摘発・指導を見送るケースが多いという。

国土交通省が2012年に行ったアンケート調査にも半分以上の業者が回答しておらず、行政の対応が後手に回っているのが現状である。

2013年6月には、国土交通省が建築基準法違反の疑いのある「違法貸しルーム」に関する情報提供を呼びかけた。

地方の裁判例では、間切りを作り、共同使用をする目的で複数名に賃貸されていたアパートの一室についてマンションの規約である「もっぱら住宅として使用する」というものに反するとして、部屋所有法人に対して仕切りを撤去する命令が下された例もある。







☆☆☆GGのつぶやき
学生時代の一年間は、寮生活を送った。3畳一間に共同風呂と共同トイレであった。
月に一度の寮会が開催され、寮内の統制が図られ、親睦を計る意味でよく飲み会も開かれた。
狭いながらも楽しい寮生活であったことを思い出す。
2回生になってからは、近くの学生下宿に引っ越したが、やはり4畳半一間に共同の風呂とトイレであった。
一畳大の作業机と簡易ベッドを置いて、一日中FMラジオを鳴らして完全な夜型の生活を送っていた。
出題された課題をこなしながら、デザインとアートと建築とジャズとオーディオ系の本と雑誌を読み耽っていた。
日曜日には、美術科の下宿仲間と連れ立って、新世界にある映画街に最新作の洋画をよく観に出かけていたことを思いだす。
「デザインに何ができるか」と自問自答していた時期でもあった。



























































































































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by my8686 | 2018-06-15 11:59 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

「hotel koe tokyo」を読み解く

サポーズデザインオフィスの最近作「hotel koé tokyo」を読み解いてみよう。





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■2018年2月9日(金)に渋谷に誕生した「hotel koé tokyo」

ライフスタイルブランド「koé (コエ)」から、ステイ・ファッション・ミュージック&フードという3つのキーワードを軸にした、グローバル旗艦店「hotel koé tokyo(ホテル コエ トウキョウ)」である。
国内外で活躍するクリエイターとのタッグで、「日本」と「世界」を見据えた視点と上質なデザインを実現しているという。

渋谷に多彩な体験のできる新スポットの誕生である。






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■1階は東京のリアルな食を提供するレストランとコラボイベント空間

1階がブレッド&ダイニングとイベントスペース、2階がアパレルや雑貨のショップスペース、3階がホテルスペースというフロア構成である。

1階のベーカリーカフェ&レストラン「koé lobby(コエロビー)」は、代官山で人気のフレンチレストラン「Ata(アタ)」を手がける掛川哲司シェフのプロデュースによるもの。テーブル席からカウンター席、テイクアウトまであり、ホテルに滞在している人もそうでない人も、「食」を通じて時間と場所を共有できるコミュニティスペースとなっている。






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■hotel koe tokyo koe space イベントスペース

メニューは、モーニングからディナーまでのオールデイダイニング。
世界屈指のグルメシティ・東京の“リアルな食”にふれてもらおうと、パン屋、カフェ、洋食屋、居酒屋、ラーメン屋といった日常の食をベースにしながら、ホテルのラウンジにふさわしい上質な編集で提供する。

その代表的なメニューはフレンチトースト、ハンバーガー、ラーメンなど。おなじみのメニューがどんなアレンジで登場するのか、ワクワク感が良い。

また、同じく1階のイベントスペース「koé space(コエスペース)」では、新しい文化を発信することをめざして、いろんな分野のクリエイターやブランドとコラボレーションイベントが開催される。週末(金曜・土曜)には、さまざまなゲストDJのイベントも定期的に開かれるという。






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■hotel koe tokyo shop ショップスペース

2階のショップスペース「koé(コエ)」では、ウェアや雑貨などのライフスタイルグッズに加えて、hotel koé tokyo限定のアイテムも販売する。

雑貨のテーマは「スーベニア」で、限定品は3名のアーティストとのコラボアイテム。
シンプルな線画が人気の長場雄氏、ポップなデザインが魅力の大図まこと氏、福岡を拠点にして多彩な活動を展開するノンチェリー氏と、国内で注目される3名のアーティストが『東京・渋谷・ホテル』をテーマに描いたイラストを、Tシャツやキャップ、トートバッグなどにプリントしたものが並ぶ。

2階のファッションフロアは23時まで営業。イベント後や仕事帰りでも、ショッピングを楽しむことができるという。






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■hotel koe tokyo hotei koe ホテルスペース

ゲストルームは茶室のような上質な空間。新スポットで多彩な体験ができるという。

3階にあるホテルのゲストルームは、日本の伝統文化である「茶室」をコンセプトにした、上質でモダンな空間。素の質感を大切に、余計な装飾を極力控えたシンプルなデザインに仕上げている。4タイプ・10室で、窓の外に渋谷の街並みが広がるロケーションも楽しめるという。

宿泊客だけが使えるプライベートラウンジでは、香り・味わいともに最高品質の無農薬日本茶のボトルドティーと茶葉を提供するメーカー「The Tea Company(ザ ティー カンパニー)」とコラボした日本茶や抹茶、日本茶ベースのカクテルなどの「hotel koé 」限定ドリンクも提供されている。

海外からのゲストも視野に入れてデザインされた新スポットは、多彩な体験で、日本在住の我々にもきっと素敵な刺激を与えてくれるという。






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hotel koe tokyo
Designer Makoto Tanijiri + Ai Yoshida / SUPPOSE DESIGN OFFICE
設計/サポーズデザインオフィス 谷尻 誠 吉田 愛 岩竹俊範 江野友里恵
施工/乃村工藝社 壷坂廣志 辰巳果由 吉武央樹 佐々木郁弥 濱邊良人 坪井優也
所在地:東京都渋谷区宇田川町3-7 ヒューリック渋谷公園通りビル1~3階
〈ホテル コエ〉
チェックイン/アウト:午後3時/正午
電話:(03)6712-7251(代表)
経営・運営者:㈱ストライプインターナショナル
〈コエ ロビー〉
営業時間:午前7時30分~午後11時
定休日:なし
電話:(03)6712-7257
















☆☆☆GGのつぶやき
広島出身の谷尻 誠率いる「サポーズデザインオフィス」の仕事には、毎回注目してきた。
尾道にあるU2の倉庫跡ショップ探訪も毎年夏の楽しみの一つとなった。
次回は、愛車ロードバイクと共に宿泊し、四国までのロングライドを楽しみたいと思っている。























































































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by my8686 | 2018-06-07 10:04 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

スーパーポテト P 「MUJI HOTEL SHENZHEN」を読み解く

無印良品のホテル「MUJI HOTEL SHENZHEN」が中国広東省深センに今年1月18日に開業した。

プロデュースは、スーパーポテト・杉本貴志・新谷典彦(クリエイティブディレクション)が担当。


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ロケーション的には、新しいショッピングモール「深業上城(UpperHills)」内。
2階がレセプション、3階が会議室やジム、4~6階が79室の客室。
2~3階には売り場面積1726m2と中国最大規模となる「無印良品 深業上城」が併設されている。




あらためて、その内容を読み解いてみよう。


MUJI HOTELは「アンチゴージャス、アンチチープ」をコンセプトにしており、「ちょうどよい価格でよく眠れ、旅先において体と心を整える空間と、宿泊客と土地をつなげるサービス」を提供する。

この深センに続き3月20日には中国・北京、2019年春には東京・銀座での開業を予定している。




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4~6階にある79室の客室は、広さの異なる5つの部屋タイプから選ぶことができる。



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朝食から夕食、バータイムまで利用可能な3階の「MUJI Diner」では、世界各地の家庭料理にヒントを得た栄養豊富なメニューを提供。食器類の一部は併設の無印良品で販売される。





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3階にはこのほか、壁面を覆う約650冊の本を自由に閲覧できるライブラリーをはじめ、ランニングマシーンやエアロバイクなどの機具がそろった宿泊者無料のフィットネスルーム、広さ70~130平方メートルの貸会議室などを設置。

また、2階と3階の2フロアには、売場面積1,726平方メートルの中国最大規模となる「無印良品」が併設され、旅に必要なアイテムをはじめ、大型家具や収納用品、食品、服飾、化粧品など暮らしに役立つ商品がラインナップされている。




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店舗内のコミュニケーションスペース「Open MUJI」では、さまざまなゲストを招いたワークショップやイベントの開催が予定されている。




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■MUJI HOTEL SHENZHEN(深セン)

開業日:2018年1月18日
所在地:中国広東省深セン市福田区華富街道皇崗路5001号 深業上城(UpperHills)
客室数:全79室
フロア構成:2~6階
レストラン:MUJI Diner(118席)
付帯施設:MEETING ROOM(3室)、LIBRARY、GYM、駐車場(3732台、UpperHills全体)
チェックイン/チェックアウト:14時/12時
標準客室室内設備:歯ブラシ/歯磨き粉/シャワーキャップ/コットン/綿棒/シャンプー/コンディショナー/ボディーソープ/ハンドソープ/冷蔵庫/金庫/電気ケトル/ドライヤー/壁掛けCDプレーヤー/Wi-Fi
Webサイト:MUJI HOTEL
営業時間:無印良品/午前10時~午後10時 MUJI Diner/午前6時30分~午後11時(金・土曜日のみ午後12時まで)
電話:(+86)755-2337-0000
経営、運営者:Shum Yip Land Ltd.(MUJI HOTEL) 無印良品(上海)有限公司(無印良品、MUJI Diner)
所有者:Shum Yip Land Ltd.

客室構成
Aタイプ:ダブル(26~28m2、16室)、料金950元(約1万7100円)~
Bタイプ:ダブル/ツイン(32~35m2、26室)、料金1085元(約1万9530円)~
Cタイプ:ダブル/ツイン(38~39m2、21室)、料金1300元(約2万3400円)~
Dタイプ:ダブル/ツイン(42~46m2、12室)、料金1480元(約2万6640円)~
Eタイプ:ダブル(51~61m2、4室)、料金2500元(約4万5000円)~
※1名1室利用時の料金、朝食代、サービス料など込み。1元=約18円換算



プロデュース/スーパーポテト 杉本貴志 新谷典彦(クリエイティブディレクション)
設計/MUKU design studio 青柳哲央 千葉陽太 チェ ソヨン
協力/照明計画 ヌーサデザイン 若井 修
   サイン 日本デザインセンター 原デザイン研究所
施工/HuaChuang(2、4階) Jinggong(5、6階) ZHANGFA(無印良品、MUJI Diner)







☆☆☆GGのつぶやき
「無印良品」は、スタート時期から注目してきた。
スーパーポテト・杉本貴志が参画したプロジェクトとして、素材ひとつひとつに官能が反応したことを思い出す。ここまで世界的レベルにまで発展するとは、想像できなかった。
正直な話、西友のPBのパイロットショップとして試験的なイメージでしか捉えていなかった。
「わけあって、安い」のコピーが印象的であった。
マーケットの二極化にともない「アンチゴージャス、アンチチープ」のコンセプトが成功要因のひとつでもあるのだろう。

商品のキーワードに共鳴、共感したファンも多く、今も根強い。

第一に、暮らし易く・使い易く・着心地の良い・生活者本位のモノづくり、すなわち、シンプル・イズ・ベターということ。

第二に、可能な限り、経済的で、環境に配慮したモノづくりに徹していること。

第三に、生活者とモノとの共存、すなわち、さりげなく・おごらず・でしゃばらずということ。
「無一物」や禅思想にも通じる、日本人の「生活の基本」を丁寧に読み解いた結果でもあろう。
断舎離を意識しはじめた今、モノではなく、心の鎮まる、静かで、充足感のある「コト」に気持ちが動いていく。
























































































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by my8686 | 2018-05-30 11:19 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

隈研吾の「モクマクハウス」

隈研吾の最新作を見てみよう。


豪雪地域長岡に、雪の中の行灯のような膜と木の暖かい家がつくられた。




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木造の構造体をガラスクロスを基材とする二種類の膜ではさみこむことによって、行灯のような柔らかな質の光で室内を満たした。





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また、雪国の風景にもあたたかい色どりを与えることを考えたという。





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☆☆☆GGのつぶやき
昨日の映画「モリのいる場所」でも感じたのだが、柔らかい膜のような場所の心地よさが懐かしくなった。
自然と一体化したそれでいてちゃんと膜で覆われた安心感のある感覚。
柔らかい光のある温もりのある場所。
そんな空間が恋しくなってくる。




























































































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by my8686 | 2018-05-28 14:58 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

隈研吾の「The Forest」を読み解く

隈研吾の最新作が立て続けに発表されている。


イタリア、ミラノにおける店舗デザインを見てみよう。



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都市の騒がしさから遠く離れた、森の中を歩いているようなショップを目指したという。





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樹皮や木の形を残した板材を使用することで、森林が身近に感じられるようにしたという。





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パートナーインチャージは、Javier Villar Ruiz。





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プロジェクトマネージャーは、Giacomo Sponzilli。










☆☆☆GGのつぶやき
無垢の板材を大胆にスライスしてランダムにかつリズムカルに並べたショップである。
しかし、この並べ方にも隈流の「粒感」とは正反対の「際立ち」を程よく味付けされた好例とみるべきか。
隈研吾の真骨頂といえよう。
























































































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by my8686 | 2018-05-23 10:29 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

隈研吾の「パークコート赤坂檜町ザタワー」を読み解く

隈研吾の最近作である東京都港区赤坂檜町に建つタワービルを読み解いてみよう。



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赤坂・六本木、そして、東京ミッドタウンが生活圏という何とも贅沢な環境である。
そんな立地に、ため息が出そうな凄い高級マンションが誕生した。それが三井不動産レジデンシャルによる、東京ミッドタウンに隣接した地上約170mで総戸数322戸、44階建てのパークコート赤坂檜町ザ・タワーである。

三井といえば、麻布霞町パークマンションという、西麻布の伝説のマンションも有名なのだが・・・。

所在地は、港区赤坂9丁目313番。マンション界隈で王者と呼ばれる港区。そんな場所に位置している。最寄りの駅は東京メトロ千代田線の乃木坂駅で徒歩3分。都営大江戸線「六本木」駅なら徒歩7分、日比谷線「六本木」駅からだと徒歩9分という好立地。


はたして、一体どんな億ションなのか。大いに気になるところである。



隈研吾のデザインコンセプトと共に読み解いてみよう。

檜町という地名より着想を得て、一本のヒノキのような建築を都市の中に建てようと考えたという。




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東京ミッドタウンと乃木坂の町の間の崖地を緑の斜面に作り換え、その新しい地面の上に、ヒノキの塔を建てている。



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庇、水盤等を低層部に重層的に配置し、この再生した斜面地と溶けあう「根」を作り、建物と大地とをスムーズにつないでいる。





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「幹」にはヒノキの樹皮をモチーフとしたアルミの外装パネル、「樹冠」には都市のスカイラインに潤いを与えるグリーンキャノピーを配置している。





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さらに、東京ミッドタウンに新たにデザインしたガーデンテラス、ガーデンサイドでサントリー美術館とも響き合うヒノキを立ち上げている。





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☆☆☆GGのつぶやき
この億ション、販売開始と同時に一瞬で完売したことでも話題となった。
ちなみに、39階、128.06㎡、3LDKで4億150万円だという。平米単価313.5万、坪単価1034万なりである。
隈研吾ブランドとしては、最高級の億ションということになる。
相続税対策としての節税ツールとして、申し分のない買い物ということであろう。













































































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by my8686 | 2018-05-18 10:34 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

隈研吾「サン・マロ海洋歴史博物館」コンペ優勝

隈研吾の最新コンペ優勝作品を見てみよう。



サン・マロの海洋歴史博物館である。



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サン・マロ(Saint-Malo、ブルトン語:Sant-Maloù)は、イギリス海峡に面したフランス北西部ブルターニュ地方の城壁に囲まれた港町。ブルターニュ地方にある城壁に囲まれた港町で、公認の海賊コルセールが拠点とした街であり、フランスでありながらも異国情緒が感じられる港町である。



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圧倒されるような城壁は、12世紀に建てられたもので、英仏海峡からやってくる敵から身を守るために使用された大砲が今でも置いてある。





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開放感のある雰囲気が漂い、カナダを発見したジャック・カルティエなど、新大陸や新航路を発見した冒険家の船がここサン・マロから出たという。海へのロマンがあった時代の面影を見ることができる。






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サン・マロの海は美しいエメラルドグリーンで、城壁に登ると遥か彼方まで続く青い海を見渡すことができる。城壁には歩道があり、海の香りを感じながら歩けば、官能が心地よく開花していきそうである。



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コルセールとは、戦争状態にある敵国の船を攻撃し、その船や積み荷を奪う許可をフランス王から許可された個人の船「私掠船」のことである。




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海賊とは違いコルセールの子孫を自認するサン・マロの人々は独立心に富み、「フランス人でもブ ルターニュ人でもない、自分はサン・マロ人だ」という言葉があるほど誇り高い人々である。

コルセールの活躍のおかげで、17世紀末にはフランス随一の港町として繁栄をきわめた。







☆☆☆GGのつぶやき
公認の海賊としてはイギリスのフランシス・ドレーク提督やオスマン帝国の保護を受けたバルバリア海賊が思い出される。
日本ならば、村上水軍(瀬戸内)を筆頭に、九鬼水軍(志摩半島)・安東水軍(十三湊)・塩飽水軍(塩飽諸島・播磨灘)・熊野水軍(鳥羽・熊野灘)・駿河水軍(清水・遠州灘) など。
さらに、淡路水軍(洲本・紀淡海峡) ・五島水軍(江川・玄界灘) ・豊後水軍(一尺屋・豊後水道)・坊津水軍(坊津・大隅海峡) など枚挙に遑がない。
それにしても、こんな港町に建つ海洋歴史博物館にロマンを映し出した隈研吾の御伽話に、付き合いたいものである。













































































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by my8686 | 2018-05-17 11:50 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

「川口納骨堂 八聖殿」を読み解く

親近者の「死」に伴い仏との接触機会が増える年代となった。


埼玉県都市部に誕生した宗教完全自由の本格的納骨堂「八聖殿」を読み解いてみよう。



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 “墓”の常識を変えた画期的なシステムの納骨堂だという。

納骨壇使用料は、49.8万円(2名用)から。後継者の心配もなし。生前の管理費も無料。永代使用権付与。ペットの納骨もOKだという。





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緑の自然と融合した、墨色のネオ・クラシックな納骨堂である。





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宗教国籍は、完全自由だという。年間管理費は、5千円。生前の管理費も無料。
後継ぎがなくても無縁仏になる心配がなく、遺骨は合祀室で永代に亘り供養されるという。





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所有の納骨壇を探すには、お堂の「階数」と「八方」。それに縦に並ぶ五常「仁、義、礼、智、信」と、横に並ぶ八正道「見、思、語、業、命、精、念、定」の文字の交点を探す。
このアイデアは、建築家浅利氏から提案されたという。





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納骨堂のドームで見えた光は、今この瞬間だけ見える、同じもののない一回性の出会いで、これは人間のコントロール外のこと。何でもコントロールしようとする現世のエゴがあってはならない。死者を単純に敬う気持ちを大切にしたという。





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☆☆☆GGのつぶやき
寺は本来誰でも自由に出入りでき、自由にお参りできる場所である。
その環境をきれいに整え、寺本来の姿に戻す提案をしたという。
「墓」のあり方にも革新性が求められていることが読み取れよう。





















































































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by my8686 | 2018-05-16 10:36 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)

追悼 杉本貴志/永遠なれSUPER POTETO

杉本貴志氏が心不全で死去した。享年73歳。
心から哀悼の意を表したい。





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1973年、杉本貴志がインテリアデザイン設計会社として「スーパーポテト」を設立。

当初は、バーやティールーム、ブティック等の設計を手掛けながら、故田中一光氏と共に西武百貨店の環境計画に参加。全盛期の西武グループのデザインディレクターとして日本各地、各店の立ち上げに参画した。又、以来30年に渡り無印良品の店舗や思想の構築にも大きく関わってきた。





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大きな方針として、デザインの先端を目指し、オリジナリティーにこだわり、表現の方向として日本という風土や伝統に根ざした意識を目指してきた。






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杉本の存在を知ったのは、1979年のSTEREO SOUNDというオーディオ雑誌に掲載された「新進気鋭のデザイングループ "スーパーポテト"の仲間たちのアジト」と題する杉本の自邸記事であった。

バルバリア海賊の根拠地を思わせる異様な雰囲気。呪術的空間の魅力と題するその空間に魅了された。




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「ストロベリー」と「ラジオ」店内の作品が紹介されたそのページを飽きることなく何度も読み返していた。丁度結婚を決めた年でもあった。





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あらためて、SUPER POTETOのHPにある杉本のコンセプトを再読してみよう。


その一つが素材へのこだわりです。一度使用された鉄材や木材、自然石、あるいは解体された建物からの古レンガ等、日本古来の茶室や古建築に感じる風合感を空間の魅力の一つとして捉え直し、設計に取り入れています。

いわば新しい自然です。更に進めて水や雲、風や光の変化等、我々を取り巻く自然の移ろいをどう感じる事が出来るのかがとても大事な設計の方針になっています。

そうした事がベースになって、1984年と85年連続して毎日デザイン賞を受賞いたしました。





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近年、シンガポールのグランドハイアットホテルのリニューアルデザインを担当し、「Mezza9」というレストランを完成させた事がきっかけで、国外からの仕事のオファーが重なり、ハイアットグループ、シャングリラグループ、MGMグループ等、海外のホテルグループの仕事がインド、中国、米国等に展開されています。

従来のホテルデザインの骨格にあったヨーロッパの伝統的様式、あるいは西欧的モダニズムと少々異なった空間へのこだわり、そして形成される風合感が我々の目標だと考えています。

そうした海外での仕事に対し、2008年ニューヨークでホール・オブ・フェイム賞を受賞いたしました。





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空間は先進国で発展してきた様式の模倣ではなく、その空間に集う人々の内面に渦巻く葛藤や矛盾でもあり、過去への憧憬でもあり、未来への期待や願望でもあり、そうした様々なものが凝縮され、人々と対峙してエネルギーを生み出す装置でもあり、我々が次の時代に進む原動力にも成り得るのです。

つまりその空間に集う人々にどんなパワーを与え得るのかを問われるとも言う事が出来ます。




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我々はそうした仕事を目指したいと考えています。








☆☆☆GGのつぶやき
彫刻家若林奮との仕事に不思議な官能の疼きを覚えたあの時代が今では懐かしい。
赤坂の「パシュ ラボ」を東京出張のおり時間を創って探訪したことを今でも記憶している。
当時としては、過激な素材と空間のあり方に、鳥肌がたった記憶が甦る。
先駆者としての杉本の存在は、大きい。












































































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by my8686 | 2018-04-26 12:58 | 挑発する建築&空間 | Trackback | Comments(0)