<   2018年 06月 ( 30 )   > この月の画像一覧

隈研吾の「碧海信用金庫 祇園支店」を読み解く

土曜の出勤日ながら、業務上一区切りつけれる時には、積極的に有休をとる。
最近は、働き方改革で有休取得を義務付けられ、昔の猛烈スタイルは歓迎されないという、複雑な気分のご時勢である。

そんな雨模様の休日の朝は、隈研吾の名古屋の中心部にたつ最新作を読み解いてみよう。


木の格子で覆われた、ヒューマンで暖かみのある、金融機関のためのオフィスビルである。




c0352790_08583975.jpg





交差点に面して、グリーンヴォイドと名づけた大地から屋上までをつなぐ立体的な緑が設けられている。





c0352790_08592178.jpg





都市に対して緑が安らぎを与え、また、ビルの中のあらゆるスペースから、このグリーンヴォイドを楽しめるようにプランニングされている。






c0352790_08593989.jpg




同じ通りに、隈研吾設計の「御園座」が建つ。





c0352790_08595310.jpg





御園座のファサードのダイアゴナルなルーバーと、響き合う形で、外壁の木ルーバーがデザインされている。





c0352790_09000728.jpg





木ルーバーは、通りにやわらかいリズムを創造し、さらに室内には木漏れ日のような環境が作られている。





c0352790_09002382.jpg








☆☆☆GGのつぶやき
外壁の木ルーバーが隈研吾流のブランド価値を創り出している。
安藤のストイックな打放コンクリートから隈のやわらかい木ルーバーの時代の変化を感じずにはいられない。















































































[PR]

by my8686 | 2018-06-30 23:23 | 気になる建築&空間 | Trackback | Comments(0)

「すし匠 齋藤」のこだわり

サッカー日本代表は予想を覆す快進撃で決勝トーナメント進出を決めた。
昨晩、グループリーグ第3戦の2試合が行われ、ポーランドと対戦した日本は0−1で敗れたものの、勝ち点で並んだセネガルにフェアプレーポイントで競り勝った。

戦い方に賛否両論あるなか、個人的にはやはり「大和魂」を見せてほしかった。姑息な時間稼ぎなど、見たくはなかった。




それはさておき、名門「すし匠」の匠スタイルを継承している「すし匠 齋藤」のこだわりを読み解いてみよう。


しめ、漬け、熟成など、冷蔵技術のない時代に誕生した江戸前寿司の「仕事」を発展させてきた名門「すし匠」。




c0352790_14332260.jpg





そのすし匠スタイルを受け継ぎながら、新しく、美しい表現にこだわっているのが「すし匠 齋藤」の店主齋藤氏。






c0352790_14334023.jpg




18歳からこの世界に入った主人は、ニューヨークでの経験もあり、ネタに施す絶妙なアレンジは単に知識だけではなく、主人の経験と感性によって生み出されている。





c0352790_14335159.jpg





当然、ネタと海苔とのアレンジにもこだわりがあり、「丸山の極上こんとびは香りが良いので、香りを引き立たせるために味の濃いうにやまぐろと合わせている」と言う。






c0352790_14340284.jpg




こだわりは料理だけではない。

例えば、客にはくつをぬいでゆったりと過ごしてもらいたいという思いから、カウンターは掘りごたつになっているという。

すし匠 齋藤では「寿司屋は味だけではない」と話す主人の実直で優しい客への「思いやり」が感じるという。







すし匠 齋藤
〒107-0052
東京都港区赤坂4-2-2 赤坂鳳月堂本店ビル2F
TEL:03-3505-6380







☆☆☆GGのつぶやき
赤坂に行く機会があれば、ぜひとも訪れてみたいと思う。
但し、足は綺麗に洗って、靴下は新品を履いて行かねばなるまい。













































































[PR]

by my8686 | 2018-06-29 14:34 | 気になる建築&空間 | Trackback | Comments(0)

禁じ手の「平行5度」「平行8度」に抗う一柳慧を読み解いていた

特に動きのない日は、昨年の今頃いったい何を考えていたのだろうか、と振り返ってみる。
梅雨明けを待ちながら、一柳慧のインタビュー記事を読み解いている。





c0352790_17191564.jpg







あらためて、もう一度読み返してみよう。


作曲の世界で、「5度」「8度」と呼ばれる音程が連続する「平行5度」「平行8度」など、様々な「禁じ手」を最初に教えられることに、理由のない怒りがこみあげていたという。





c0352790_17193236.jpg







「すばらしいピアノ曲にはいくらでも出てくる。こんな形骸化した締め付けを、なぜ今さら学ばなくちゃいけないのか」

自分の世界をとことん広げていきたい時期に、理屈で抑え込まれるのが我慢ならなかったと回想している。





c0352790_17194746.jpg





ただ、こうした反発心を引き出してもらうことで、52年にアメリカへと飛び出すエネルギーになったという。
同じ作曲の道を歩む先生方の、極端な方向性のギャップを知ったことで、納得できないルールに追随できない自分の性格に気付き、それを自分自身の骨格にすることができたとも回想している。






c0352790_17203833.jpg




そうしてできた骨格に、同じ時期にピアノを教わった原智恵子先生の豊かな感性が肉付けしていったという。






☆☆☆GGのつぶやき
抑圧と解放のダイナミズムに、官能が震えていたことを思い出す。






















































































[PR]

by my8686 | 2018-06-28 17:21 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

隈研吾の「Breath/ng」を読み解く

隈研吾による「ミラノデザインウィーク2018」に出展されたインスタレーションを見てみよう。




c0352790_09315125.jpg


c0352790_09320732.jpg





大気汚染物質を吸着する機能を持つ布「Breath」を用いて作られた、やわらかく、サスティナブルなインスタレーションである。





c0352790_09322206.jpg



c0352790_09333828.jpg




Breathにブリーツ加工を加えることで、布の表面積を増大させて、汚染物質の吸着機能を増大させ、さらに、どんなオーガニックな形態にも対応できる、自由度を獲得したという。




c0352790_09340127.jpg



c0352790_09341535.jpg



全体の形状は、Dassault Systemesの3DCADによってシミュレートし、カーボン・ファイバーと3Dプリントで作られたフレキシブルジョイントを併用して実現されている。




c0352790_09343294.jpg


c0352790_09345092.jpg





インスタレーションはまず、Dassault社のイベントに用いられたが、ユニット化され、このインスタレーションひとつで揮発性有機化合物(VOCs)を、一年間に乗用車9万台分を吸着できるという。





c0352790_09350406.jpg


c0352790_09351684.jpg











☆☆☆GGのつぶやき
単純なプリーツ加工の繰り返しで、雄大なオブジェを創出できることに、改めて驚く。
プリーツへのこだわりと言えば、イッセイ・ミヤケのファッションを思い出す。
「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE 2018年春夏コレクション」にも近いうちに注目してみよう。

































































































[PR]

by my8686 | 2018-06-27 09:35 | 気になる建築&空間 | Trackback | Comments(0)

隈研吾「Archives Antoni Clave」を読み解く

隈研吾の最新作をみてみよう。


20世紀のスペイン美術を代表するアーティスト、アントニー・クラーベを収蔵する、プライベート・ミュージアムである。




c0352790_13221809.jpg




油彩とコラージュを使用するクラーベの作品の力強い質感にインスパイアされ、アルミ製のメッシュ(エキスパンドメタル)に和紙をまぶすことで、立体的でしかも透明感のある新しい質感のスクリーンを生み出し、空間のすべてを、そのスクリーンでおおったという。






c0352790_13223808.jpg




スクリーン製作は、新潟の手漉き和紙作家、小林康生氏が、フランス西部にある施工会社で行った。





c0352790_13225323.jpg






和紙製造の過程で生まれるコウゾの繊維とトロロアオイの混じったドロドロの溶液を、エキスパンドメタルにまぶし、その溶液の濃度、乾燥方法を調整しながら、様々な透明度を獲得している。






c0352790_13230555.jpg





「透明性」については、建築家コーリン・ロウが1963年に画家、建築理論家ロバート・スラツキーと発表した論文「透明性 実と虚」が思い浮かぶ。

透明性を二種類に区別し、リテラルな透明性とフェノメナルな透明性と命名した。

実の透明性とは、ガラスに代表される物質的な素材に表われるものであり、その例としてヴァルター・グロピウスによるデッサウの《バウハウス校舎》(1926)を挙げている。





c0352790_13233033.jpg





建築史家ジークフリート・ギーディオンは近代建築の特徴として内部と外部の相互貫入、すなわち視線が抜けることを指摘し、そうした効果をもつガラスなどのリテラルな透明性を評価した。

一方、虚の透明性とは現象としての透明性であり、概念的なものである。
ファサードの面に複数の格子や構成の層が重なり合うことによって、事後的に透明な空間が立ち上がることを指している。

ロウは、ル・コルビュジエのプロジェクトなどにそうした傾向を見出すが、後に古典主義のマニエリスムにおける複雑なファサードの操作にも同様な指摘を行なう。

ロウは二種類の透明性を指摘することで、ギーディオンによって示されたモダニズムの概念を乗り越えようとし、世に空間の多層性、多義性について考える契機を与えた。




c0352790_13234826.jpg



その射程は、90年代以降の妹島和世らが実践する、グラデーションをもつ透明性を抱え込んだデザインにも見ることができる。








☆☆☆GGのつぶやき
和紙の持つ豊かな表情は、日本人の感性に限りなく近い。
光を美しく透過をするが意図的に意志を持って強く遮断もする。
人間の複雑な心理と同じくその姿は豹変する。

































































































[PR]

by my8686 | 2018-06-26 13:24 | 気になる建築&空間 | Trackback | Comments(0)

「日本の製造業、為替の壁破る」を読み解く

早朝のサッカーW杯大会で日本は、セネガルと対戦し、2―2で引き分けた。
通算1勝1分けでセネガルと並ぶ勝ち点4となり、2大会ぶりの決勝トーナメント進出は、28日にある1次リーグ最終戦の結果次第となり、ハンパじゃ~ない試合結果に日本列島が湧いている。




それはさておき、月曜週明けは、為替の壁をようやく乗り越えた日本の製造業について読み解いてみよう。


日本の製造業が為替への耐久力を強めているという。かつては円高になると輸出に大きな影響が出たが、日銀の分析ではついに「感応度」がゼロになった。後押しするのは輸出財の高付加価値化。つまり、価格によらず売れ続ける製品へのシフトだという。

為替の壁をようやく乗り越えた日本の製造業だが、今また、さらに大きな別の課題も浮上してきている。




c0352790_11162475.jpg





特徴的なのは為替の変動にかかわらず輸出の増加傾向が変わらない点だ。

それは日銀が分析を続けている「輸出の為替感応度」に表れている。感応度は、円相場の変動が全体の輸出にどう影響しているかを示す。00年代半ばはドルに対して10%円高になると、輸出は3%程度減っていた。だが10年前後から急低下した後、16年は0.2~0.4%の間で推移。17年は0~マイナス0.1%になった。つまり「円高・円安と輸出の増減がほぼ無関係」(日銀調査統計局)の状態だという。





効いているのは、まず「生産の現地化と国際的な通貨管理」。

これまでの円高局面を経て、各社はアジアなどで現地生産の拡大や生産委託を進めた。決済も海外通貨建てを増やし、財務省によるとドル建て輸出の比率は17年上半期で51%。ユーロや人民元の取引も増えている。

実際、ホンダは対ドルで1円の円高による連結営業利益への影響が140億円と5年で30億円ほど縮小。ソニーは1円円高が進むと逆に営業利益が35億円増えるという。





c0352790_11170216.jpg




さらに、ここに来て感応度ゼロを後押ししているのが、輸出品の中身が「価格に関係なく売れる製品」に移っていることだ。

経済財政白書などに使われる「高付加価値化指数」というデータがある。財務省が算出する「輸出価格」を、日銀の「輸出物価」で割ったもの。前者は単純な一単位あたりの輸出額を示し、後者は輸出品の質や中身で調整を加えている。この指数が右肩上がりで上昇し、付加価値の高い輸出比率が高まっている。

かつては円安が進めば海外で値下げし、シェア拡大を急ぐのが常道だったが、最近は価格を据え置いて利幅を確保することが多い。価格競争力が高まっており、逆に円高の局面でも輸出量を減らさなくて済む。これが高付加価値化が為替の影響回避に効く理由だと分析する。




c0352790_11172334.jpg




内閣府によると、高付加価値財の輸出は電気計測機器、原動機、自動車といった日本を代表する産業で特に高まる。

例えば半導体製造装置。半導体は韓国や台湾が世界を席巻するが、その品質を支えるのは薄膜加工や真空搬送などの作業を担当する装置だ。大手の東京エレクトロンなどが輸出を拡大している。

原動機では航空機部品が伸びる。航空機の大手は米ボーイングや欧州エアバスなどの欧米勢だが、エンジン部品は日本勢が強い。川崎重工業は「円安局面でも値下げは必要でない」という。

自動車の輸出も小型車から多目的スポーツ車(SUV)などへとシフトする。
みずほ総合研究所のチーフエコノミストは「今後も輸出を伸ばすためには、他国の追随を許さない技術競争力を保てるかが重要になる」と指摘する。





c0352790_11174421.jpg





日本企業は85年のプラザ合意後の円高以後、長く抱えてきた為替の壁をようやく乗り越えたようだ。だが新たな難問も浮上している。米トランプ政権の通商政策に端を発した貿易摩擦である。

米国の関税が中国のITや半導体事業に影響を及ぼせば、製造装置や部品を出荷する日本にも響く恐れがある。トランプ政権が検討している自動車への関税は25%。実現するなら、影響度は為替の変動よりはるかに大きい。

貿易摩擦では、それぞれの国で競争力が高い製品が狙い撃ちにされがちだ。自動車以外にも、電子部品や工作機械などが狙われれば日本の痛手は大きいという。








☆☆☆GGのつぶやき
大和総研では「世界でサプライチェーンの再構築を迫られるなど影響は広範囲に及ぶ」と指摘している。
輸出企業にとっては、気の抜けない状況は当分変わらないであろう。
特に、世界的なサプライチェーン再構築の動きには注意がいる。






















































































[PR]

by my8686 | 2018-06-25 11:18 | たまには気になる経済学 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「ラスト・フェイス」を観る

行きつけのツタヤもついにセルフシステムとなってしまった。
定期的にメール配信されてくる準新作・旧作「100円」サービスを利用して久しぶりにレンタルした作品である。


まったくの予備知識なしのジャケ借りしたDVD「ラスト・フェイス」。




c0352790_11582811.jpg




レンタル動機は、シャーリーズ・セロンの美貌とアフリカ内戦の過酷な現実を描いた社会派ドラマの2点。





c0352790_11585707.jpg




観終わったあとから解ったことだが、第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で平均0.2点という最悪の酷評を受けたという。
あまりの酷評に日本では封切りされなかったという幻の作品である。




あらためて、その内容を振り返ってみよう。

監督は、「イントゥ・ザ・ワイルド」などで監督としても活躍するオスカー俳優ショーン・ペンのメガホン。




c0352790_11591623.jpg






「アトミック・ブロンド」のシャーリーズ・セロン&「ノーカントリー」のハビエル・バルデム共演でアフリカ内戦の過酷な現実を描いた社会派ドラマである。





c0352790_11593433.jpg





貧困国に医療援助資金を提供する組織に所属するレンは、西アフリカの内戦地帯で救援医師のミゲルと出会う。
自らの危険を顧みず患者たちを救おうとするミゲルに心を動かされたレンは、彼に惹かれ、過酷な状況下で互いに支え合うようになる。
しかし、ミゲルのある裏切りによって2人の関係は切り裂かれてしまう。



個人的には、過酷な現実を描いた社会派ドラマに徹してほしかった作品である。

国境なき医師団の男女(ハビエル・バルデムとシャーリーズ・セロン)のラブストーリーの崩壊劇を混ぜ込んだのは、精神的過酷さを表現したかったのか。





c0352790_11595999.jpg





共演には「レオン」のジャン・レノ、「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」のジャレッド・ハリス、「アデル、ブルーは熱い色」のアデル・エグザルコプロスら実力派俳優を揃えてはいるが、持ち味を出し切れていない消化不良感は否めない。






c0352790_12002188.jpg









☆☆☆GGのつぶやき
プライムビデオ等で簡単に観れてしまう大量の映画作品。
濃厚で質感の高い作品もベッドで横になりながら観れてしまうお手軽さが、感動を削いでしまう現実がある。
映画が教師だったあの時代が、懐かしくもある。






























































[PR]

by my8686 | 2018-06-24 12:00 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

ポスト・ミレニアル世代が創る「チルなホテル」を読み解く

土曜休日の朝は、「チル」なるキーワードが棘のように脳裏に引っかかってしまった。
予約したデンタルクリニックを済ませ、銀行と図書館を早々と切り上げて帰宅し、その記事を読み解いている。


東大に在学しながら5つのホテルを経営・プロデュースする才女・・と言ってよいだろう。




c0352790_16094300.jpg



10歳からホテルを創ってみたいと思っていたという。
スタートからの「志」の違いをここらからも窺うことができる。




2015年に19歳で株式会社L&Gグローバルビジネスを設立し、『petit-hotel #MELON富良野』オープン後、アートギャラリーを併設した『HOTEL SHE,KYOTO(2016年)』、客室にレコードプレーヤーを置き、タイルをつかったレトロな外観にリノベーションした『HOTEL SHE,OSAKA(2017年)』、「快適過ぎてダメになる」と称されるyogiboのクッションを全室に置いた『THE RYOKAN TOKYO YUGAWARA(2018年)』、直近では廃業寸前の旅館をリノベーションした『ホテルクモイ層雲峡(2018年)』のプロデュースを手掛けている。






c0352790_16130808.jpg






あらためて、その内容を見てみよう。


どのホテルも、独自のテーマやコンセプトを持たせている点が人気を呼び、平均稼働率は約90%。訪日外国人客の割合も高く、HOTEL SHE,OSAKAで40%、富良野で95%に達する。広告を出していないにもかかわらず、宿泊客のSNSや口コミで認知度が高まっている。



『ジャケ買いされる空間』『onsen2.0』『#shelovesyou』など5つのホテルは独特のコピーが世界観を生み出す。






c0352790_16133522.jpg





たとえば『THE RYOKAN TOKYO YUGAWARA』の場合、湯河原という名前だけは知っているけれど、固定されたイメージは持っていない人がほとんど。彼女は、最初に街の空気感を言語化し、そこに街の歴史も取り込んで、「湯河原とはこんな街だ」と思い切って決め、そこからホテルという空間に落としていく手法。






c0352790_16135461.jpg





その結果、出てきたキャッチコピーが『湯河原チルアウト』。

湯河原あたりは箱根・熱海・伊豆と有名な温泉地が多いが、湯河原は際立った特徴がなかった。そこで現地でリサーチすると、“不倫旅行”と“文豪”というキーワードが出てきたという。





c0352790_16152348.jpg




現地での聞き込みで、湯河原は不倫で泊まる宿が多い。なぜかというと、離れのある宿が多く部屋にこもる旅行にぴったりで、街には繁華街が少ないので、知り合いにばったり会う可能性も低い。ただ、「不倫旅行」という言葉はキャッチーだが、コンプライアンス的には使えないので、自分たちだけのキーワードにしたという。

もう一つのキーワードが「文豪」。夏目漱石・谷崎潤一郎・芥川龍之介など多くの文豪が湯河原で執筆をしていた。都会の喧騒を離れてゆっくり静かに自分に向き合う、アッパーではなくダウナーな街の印象。遊ぶ街のイメージがある隣の熱海と比較して、“ハレとケ”、“新婚旅行と不倫旅行”のような街のイメージがつくられ、『湯ごもり』という言葉が出てき、これをキーワードにしたとき、街に何もないことの説明ができるようになった。


SNSはコミュニケーションツールとして使う。
Instagramは、ホテルに泊まってくれたお客さまの投稿をリポストすることで好感度・ロイヤリティーが高まっている実感がある。

Twitterは、ホテルでお世話になっている方とのコミュニケーションに使っているという。できるだけ“公式アカウントっぽさ”を薄めて、お世話になっている人たちとのやり取りを活性化させることで認知度アップを期待している。

Twitterネイティブ世代なので、どんなコンセプトで、どんなワーディングだとバズる、というのが体感でわかっているという。





c0352790_16172550.jpg





Twitterに何気なくOTAの手数料の高さをつぶやいたら、Twitter上で手数料の妥当性や予約サイトをつくることの是非について議論が生まれたという。
これで予約サイトに一定数のニーズがあることが可視化され、自社で開発することになった。

Twitterはマーケティング会社に依頼するよりもはるかに安く、ダイレクトにユーザーの声が拾え、優秀なマーケティングツールだという。






☆☆☆GGのつぶやき
「チル」(chill)には、ゆったりする、だらだらする、遊びに行くという意味があるという。
イメージを、徹底的に言語化していくことで、語感が良いことや記憶に残るワーディングを大切にするという。
建築家たちがコンセプトから造形言語に落としていく過程に似ている。
ポスト・ミレニアル世代の彼女の感性にこれからも眼が離せまい。













































































[PR]

by my8686 | 2018-06-23 16:17 | 気になる建築&空間 | Trackback | Comments(0)

「車の研究開発費、最高の3兆円に トヨタなど国内7社」を読み解く

国内乗用車7社の2018年度の研究開発費が約3兆円と過去最高になりそうだという。
17年度に比べ6%増える。各社は世界で強まる環境規制をにらんだ電動化や、自動運転関連などに注力する。

1社で1兆円以上を投じる米グーグルなどIT大手には見劣りするなか、提携相手との共同開発など効率的な技術開発を目指すという。

トヨタ自動車は自動運転やライドシェア分野にも投資している。




c0352790_09580724.jpg






あらためて、その内容を読み解いてみよう。


トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、スズキ、マツダの5社が過去最高を更新する。
三菱自動車も03年のトラック・バス事業分社後で最高だ。SUBARUを含めた7社の合計は2兆9550億円。17年度から1500億円の上積みで、増加は2年連続となる。




c0352790_09583696.jpg




トヨタは2年連続で過去最高となる1兆800億円を投じる。
コネクテッドカー(つながる車)や自動運転といった先端技術の投資を増やす。「仲間づくりが重要」(豊田章男社長)とみて共同開発も加速する。

トヨタは3月、自動運転の実用化を進める新会社を設立。デンソー、アイシン精機と共同で今後数年で計3千億円以上を投じる。

電動化ではマツダやデンソーと電気自動車(EV)の基盤技術を開発する会社を設立し、スズキやSUBARU(スバル)も加わった。車載用電池ではパナソニックと組む。




c0352790_09585417.jpg





日産自動車は量産型EV「リーフ」のノウハウをベースに、航続距離を伸ばした改良モデルの投入を急ぐ。
西川広人社長は「電動化と自動運転は非常に親和性が高い」と強調。自動運転タクシーを念頭にIT企業と連携しつつ車両開発の強みを生かす。

海外勢も研究開発費は増加傾向にある。背景にあるのは、コネクテッドカーや自動運転、シェアリング、電動化の頭文字をとり「CASE」と呼ばれる業界の新潮流。IT大手を巻き込んだ異次元の開発競争は激しくなる。





c0352790_09590906.jpg



QUICK・ファクトセットによると、海外勢の年間の研究開発費は独フォルクスワーゲン(VW)が116億ユーロ(約1兆5000億円)、米ゼネラル・モーターズ(GM)は73億ドル(約8000億円)に達する。VWは1社で日本の乗用車7社の約半分の規模だという。

GMは5月末、自動運転を手掛けるグループ企業を通じ、ソフトバンクグループ系から約2400億円の出資を受けると発表した。各地でIT大手を巻き込んだ垣根を越えた提携が広がる。

一方、米IT大手の研究開発費は巨額で、グーグルを傘下に持つ米アルファベットは166億ドル(約1兆8200億円)、米アップルは約115億ドル(約1兆2000億円)に達する。IT大手はすべてが自動車向けではないが、移動体にかかわるモビリティー分野の投資に積極的だという。





c0352790_09593133.jpg




トヨタの豊田章男社長は「テクノロジーカンパニーは自動車業界の数倍のスピード」と語る。自動車大手にはスピード感で出遅れてはいけないとの危機感もある。




c0352790_09594306.jpg



自動車産業は日本国内の製造業の研究開発費の4分の1近くを占める。部品メーカーなど取引先の裾野も広く、盛衰は日本の産業競争力を左右する。








☆☆☆GGのつぶやき
クルマの進化の方向には、少しばかり違和感をおぼえる昨今ではある。
エコ走行だとか繋がるだとか自動化だとかよりも、人間の本能的な部分の「走る」ことで噴き出すアドレナリンだとか、「官能」を震わせる原理的な「野生」の部分を、もっと大切にしてもらいたいのである。


















































































[PR]

by my8686 | 2018-06-22 10:00 | 気になるクルマの話題 | Trackback | Comments(0)

「パナマ文書、新たに120万件流出」を読み解く

あの「モサック・フォンセカ」から、新たに120万件の電子ファイルが流出したという。




c0352790_16482403.jpg



「モサック・フォンセカ(MF)」は、各国首脳らとタックスヘイブン(租税回避地)の関わりを明るみに出した「パナマ文書」の流出元となったパナマの法律事務所である。

2年前に一連の報道が始まった後、各国の捜査当局への対応を迫られたり、顧客からの多くの苦情への対応に追われたりした混乱ぶりが示されているという。

前回と同様、南ドイツ新聞が入手し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)を経由して、朝日新聞など各国の報道機関が共有した。多くは2016~17年の2年間に作成されたものだという。




c0352790_16484736.jpg




新たなファイルからは、MFが、管理する法人の本当の所有者がだれなのかを把握できていなかった実態が浮き彫りになった。英領バージン諸島で70%、パナマで75%の法人の所有者が不明だったという。

一連の報道で指摘されたアルゼンチンのマクリ大統領やサッカーのメッシ選手の関係会社について、MF内でその実情や対策を議論した記録もあった。MFは今年3月に事務所を閉鎖している。




あらためて、「パナマ文書」流出騒動の中味を読み返してみよう。



アイスランドのグンロイグソン首相、ウクライナのポロシェンコ大統領、サウジアラビアのサルマン国王、アルゼンチンのマクリ大統領ら現旧指導者12人を含む公職者140人の関係会社。

英国のキャメロン首相の亡父や中国の習近平(シー・チンピン)国家主席の義兄の会社、パキスタンのシャリフ首相の息子や娘の会社が明るみに出た。





c0352790_16491421.jpg




プーチン大統領の親友のチェロ奏者ロルドゥーギン氏がタックスヘイブンの複数の会社の所有者となっており、そこに資金が流れ込んでいたことも判明。この結果、16年4月にグンロイグソン首相が辞任。17年7月にはシャリフ首相が辞任に追い込まれた。




c0352790_16493359.jpg




ICIJの16年暮れのまとめによると、欧米の大部分の国々、韓国、インド、豪州を含む約80カ国で少なくとも150件の捜査・検査・訴追・逮捕がこの報道をきっかけに行われた。

法人を含め6500の納税者が当局の調査の対象となり、コロンビアやメキシコ、スロベニアなどの当局が「パナマ文書」の情報を使って少なくとも約1億1千万ドル(約120億円)相当の資産を差し押さえた。
さらに数十億ドル(数千億円)が脱税の疑いで追跡の対象となっているという。

17年2月には、震源地となった「モサック・フォンセカ」の創業者2人がパナマ当局に資金洗浄(マネーロンダリング)の容疑で勾留された。





c0352790_16495550.jpg





日本関連の個人や法人については、日本の国税当局が調査し、17年6月までに所得税など総額31億円の申告漏れがあったことがわかった。ほかに自主的に数億円規模の修正申告をした個人も複数いたとされ、文書をきっかけに把握された申告漏れは少なくとも40億円弱に上るとみられる。

一方、トランプ大統領は対照的だ。大統領選投開票の1カ月余前、納税を逃れているのではないかと指摘されると、「賢い」と切り返した。

「法的義務以上の税金を払わない責任」を投資家や債権者に負っていると強調し、「これまでのどの大統領候補より税法をよく知っている」と言い放った。大統領になると、法人税の税率を大幅に引き下げた。


英国は今年5月、英領バージン諸島、ケイマン諸島など英領のタックスヘイブンの島々に対して、ペーパーカンパニーの所有者を登記・公開するよう求めることにしたという。

高度の自治権が認められている英領の島々に本国が介入するのは異例である。反発の声も出ているが、パナマ文書の報道が英国の決断を後押しした。





c0352790_16503872.jpg





☆☆☆GGのつぶやき
公開することで、監視レベルを高め、資金洗浄に絡む裏社会を透かせるべきであろう。
3年前にも米ネット決済サービスリバティー・リザーブが起訴され、60億ドルが資金洗浄されたと報じられている。しかし、多発テロ後のEU内にできた手形交換所の実態は不明のままである。

























































































[PR]

by my8686 | 2018-06-21 16:51 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)