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「貿易戦争、価格に転嫁 関税上げの上乗せ相次ぐ」を読み解く

米中間で貿易戦争が激化するなか、関税引き上げによる負担分を価格転嫁する企業が相次いでいる。理由はただひとつ、時間とコストがかかるサプライチェーンの組み替えに比べ、価格転嫁の方が容易なためだ。
こうした動きが一段と広がれば、物価上昇圧力が高まって金融引き締めにつながり、米中景気の逆風となる恐れがある。

トランプの浅知恵による世界経済混乱に拍車がかかりそうな気配である。




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あらためて、この内容を読み解いてみよう。

江蘇省の自動車部品メーカー、昆山恵衆機電は米国向け輸出のうち25%の追加関税がかかった品目は「こちらが15%を負担、10%は米企業に転嫁」するように改めた。業績への打撃を見込み、政府からの支援金を受け取っているという。

 「お客さんはコスト増を受け入れてくれている」。

電子部品大手、TDKの山西哲司常務執行役員は中国から米国に輸出している電子部品の一部を値上げしたと明かす。自動車や産業機器に使うコンデンサーやトランスなどが制裁関税の対象となったため、納入先企業に価格転嫁を受け入れてもらった。

ある国内の樹脂加工メーカーも中国から米国に輸出する自動車部品の一部について、関税引き上げ分の価格上乗せで顧客企業と7月に妥結した。富士電機は中国で生産する電磁開閉器やブレーカーについて値上げも含めて対応を考慮している。





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サプライチェーンの見直しは時間とコストがかかる。品質管理が厳しい自動車関連などは特に手間がかかり、日立系の自動車部品メーカー、日立オートモティブシステムズは「(サプライチェーンの)切り替えには数年かかる」と米通商代表部(USTR)への意見書で主張している。

一方、価格転嫁は即効性のある対応策となる。特殊な機能があるなどの理由で他社製品への切り替えが困難な場合は価格転嫁を進めやすいためだ。ただ、一般的にはコスト増につながる価格転嫁は嫌気されやすい。中国の自動車部品メーカー、無錫市明達電器や浙江博門汽車零配件などは追加関税分を自社で負担しているもようで、「新たな販路を模索している」としている。

中国でも輸入自動車などに価格転嫁の動きがある。中国が制裁関税の対象としたためで、米テスラはセダン「モデルS」と、多目的スポーツ車(SUV)「モデルX」の販売価格をそれぞれ約2割引き上げた。




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独BMWや独ダイムラーも米国で生産しているSUVを数%値上げしている。独BMWは25日、貿易戦争などを理由に2018年12月通期の業績予想を下方修正すると発表した。

24日に米国は2000億ドル、中国は600億ドル規模の追加関税をそれぞれ発動。米国の追加分には消費財が多く含まれる。今後、企業による価格転嫁がさらに増えれば、米中で物価高圧力が強まる恐れがある。

米中のインフレ率は上昇傾向にある。米消費者物価指数(CPI)は6月に前年同月比2.9%の上昇と6年4カ月ぶりの高さとなり、その後も3%近くで高止まりする。中国も5月以降、上昇が顕著だ。足元では賃金や資源価格が上昇している要因が大きいが、貿易戦争が長引けば輸入品の値上がりの影響も加わってくる可能性がある。




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☆☆☆GGのつぶやき
インフレ率の上昇が続けば、米中ともに金融引き締めが必要になってくる。
そうなれば米中の景気を鈍化させる要因になるうえ、米金利が一段と上昇すれば新興国市場からの資金流出を加速させるといった副作用も生じかねない。
米国の金融引き締め政策はグローバル経済の安定を妨げること必至。
トランプ弾劾運動が起こることを祈ろう。
















































































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by my8686 | 2018-09-26 11:00 | メーク・イン・アメリカの行方 | Trackback | Comments(0)

「邦久庵」を読み解く

三連休明けの火曜日。昨日の雨模様とはうってかわり晴れわたった日である。
昨日は残念ながら、カープの三連覇は今日以降に持ち越しとなった。広島人ならば仕事が手に着かない輩も多い。


そんな中、昨日の午前中に観たNHKアーカイブ番組「ハイビジョン特集 シリーズ 日本の風景を変えた男たち 廃虚から超高層ビル、そして…~建築家・池田武邦が語る戦後~」に魅入ってしまっていた。





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10年前に放送された番組なのだが、日本最初の超高層ビル「霞ヶ関ビル」を設計し、超高層建築の第一人者となった池田武邦(当時84歳)氏の語りに釘づけとなってしまった。

池田が終の棲家としている「かやぶきの家」の景色が深く心を打った。
その「かやぶきの家」こそ「邦久庵」と呼ばれる池田武邦が終の住処として大村湾のほとりに設計した庵である。






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池田は、あるとき、超高層ビルに居住する人間の世界に違和感を持ち、環境に調和し、自然に溶け込んだ建築を目指すようになった。なぜ、自ら生み出した建築物に疑問を持つようになったのか。池田が、日本各地の昔ながらの暮らしに触れる中で、自らの変遷の軌跡を語る番組である。

池田は、1924年静岡県生まれ。「矢矧」測的長として沖縄特攻へと出撃し、米軍に撃沈されるも奇跡的に生還した経験を持つ。





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終戦後、父親の勧めで東京帝国大学建築学科入学。卒業後山下寿郎設計事務所で数々の大規模建築コンペを勝ち取る。1960年、日本初の超高層ビル・霞が関ビルの建設に設計チーフとして関わる。

1967年退社し、日本設計事務所を創立。霞が関ビル、京王プラザホテル、新宿三井ビルが次々と完成。






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しかし、50歳の時、超高層ビルの建設に疑問を抱き、1983年長崎オランダ村、1988年ハウステンボスの設計に取り組む。






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1994年会長辞任後、池田研究室を立ち上げ21世紀のあるべき日本の都市や建築を追求し、地方の限界集落の再生や町づくりにも尽力。






あらためて、「邦久庵」を読み解いてみよう。


邦久庵は、2001年に建築家・池田武邦氏が終の住処として大村湾のほとりに設計した庵である。日本初の超高層ビルを設計した建築家が、自然と建物の関係を見つめ直した結果辿り着いた居宅。

「琵琶の首鼻」と呼ばれる小さな岬に建ち、ほぼすべて九州の材だけを用いた伝統工法で建てられている。湾に突き出した広縁からの眺めは素晴らしく、内外ふたつの囲炉裏を焼べながら大村湾を臨む時間は本当に贅沢といってよい。
これだけ海に近い木造住宅は「山影で、波が静かで、塩分濃度が低い。日本の中でこの場所でしかできない建築のあり方」だと語る。






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南は小さな山に寄り添い、西に入江を抱えた邦久庵。水際と涼やかな風、そしてこれ以上無い夕景が、心を洗い流してくれるという。









☆☆☆GGのつぶやき
近代建築に代表される日本の近代化に疑問を抱いた池田のことばには説得力がある。
池田が辿り着いた「邦久庵」にこそ、今日本人がとりもどすべき理想の住まいのかたちがあると感じる。


































































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by my8686 | 2018-09-25 11:51 | デザインに何ができるか | Trackback | Comments(0)

DVD映画『婚約者の友人』を読み解く

三連休最終日の月曜早朝、レンタルしたDVD映画『婚約者の友人』を観る。


2017年フランス、ドイツ合作映画である。原題は、Frantz。

監督は、「8人の女たち」のフランソワ・オゾン。

エルンスト・ルビッチ監督作「私の殺した男」の原作としても知られるモウリス・ロスタンの戯曲を大胆に翻案してオリジナルストーリーとして昇華させ、モノクロとカラーを織り交ぜた美しい映像で描いたミステリードラマとなっている。





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第1次世界大戦後のドイツを舞台に、戦死した青年の友人を名乗る男性と、残された婚約者や遺族の交流を描く人間ドラマである。
エルンスト・ルビッチ監督作『私の殺した男』の基になった戯曲を、フランソワ・オゾン監督がアレンジ。

『イヴ・サンローラン』などのピエール・ニネが、婚約者の友人を演じる。

ヒロインにオーディションで選ばれたパウラ・ベーアが扮し、第73回ベネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞している。





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1919年のドイツ。婚約者のフランツが戦死し悲しみに暮れるアンナ(パウラ・ベーア)は、フランツの墓に花を手向けて泣いているアドリアン(ピエール・ニネ)と出会う。フランツと戦前のパリで友情を育んだと語る彼に、アンナとフランツの両親は次第に心を開いていく。やがてアンナがアドリアンに婚約者の友人以上の感情を抱いたとき、彼は自らの秘密を明かし……。

フランソワ・オゾンが初めて戦争を題材にした本作は、エルンスト・ルビッチが1932年に映画化したBroken Lullabyと同じ戯曲を元にしているものの、ほとんど別物となっている。




あらためて、女性の視点からの評論を読み解いてみよう。


ドイツ出身のルビッチがフランス人の青年の視点から描いたのに引き換え、オゾンは恋人を失ったドイツ人女性の立場から描き、後半も大胆に書き変えている。それぞれが他国のキャラクターに寄っているのが面白いが、オゾン版は残された婚約者の視点に添うことで、ミステリーと恋愛ドラマの要素を膨らませている。





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第一次大戦の傷跡が色濃く残るドイツの田舎町で、身寄りのないアンナ(パウラ・ベーア)は、亡き婚約者フランツの両親と暮らしていた。ある日フランツの墓で見かけた、見知らぬ男が訊ねてくる。アドリアン(ピエール・ニネ)と名乗るこのフランス人は、フランツが戦前パリに留学していたときの友人だという。彼がためらいがちに語るフランツの思い出に、癒される家族たち。だがその気持ちがアンナのなかで次第に恋愛感情に変わる頃、アドリアンの秘密が明かされる。

モノクロの映像もオゾン映画では新鮮である。しかも、全編モノクロで通すのではなく、ヒロインの心情表現にカラーを織り交ぜる手法は新鮮でさえある。






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アンナがアドリアンと散歩をしながら語り合うとき、洞窟を抜けて湖に出るとともに、あたかも彼らが新世界に足を踏み入れたかのように色彩がふたりを包む。水に濡れたアドリアンの裸体から立ちのぼるそこはかとない色気に、アンナが忘れていた感情を取り戻していくさまが胸を震わせる。


ヒロインの視点に立つことでもうひとつオゾンが実践しているのは、フランスを客観的に捕らえていることだという。とくにパリを訪れたアンナが、レストランでフランス人が国家を合唱するのに遭遇する場面には、さりげなく国粋主義への批判が滲む。


実際本作はオゾンのフィルモグラフィーのなかで、もっとも社会的なメッセージが込められた作品でもある。若きフランツもアドリアンも、そしてもちろんアンナも、戦争がなければその運命はまったく変わっていただろう。そんな思いをミステリーのなかに託し、あくまで上品に、情感豊かに描き出すしている。瑞々しくも、風格溢れる傑作と言ってよいであろう。








☆☆☆GGのつぶやき
初めて観るフランソワ・オゾン監督作品である。
レンタルした動機は、第73回ベネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞受賞と第42回セザール賞、撮影賞受賞の文字。
そして、パウラ・ベーアのクラシカルで清楚な美貌である。
































































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by my8686 | 2018-09-24 15:30 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「ノクターナル・アニマルズ/夜の獣たち」を読み解く

三連休2日目日曜日の早朝、レンタルしたDVD映画「ノクターナル・アニマルズ/夜の獣たち」を観る。

レンタルした動機は、トム・フォード監督・脚本作品とキッドマン似のエイミー・アダムスの美貌、ミステリ映画の三点。作品に関する予備知識はまったくない。




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本作は、オースティン・ライトの1993年の小説『ミステリ原稿』を原作とした2016年のアメリカ合衆国のドラマ・スリラー映画である。

出演はエイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン、アイラ・フィッシャー、アーミー・ハマー、ローラ・リニーらである。主要撮影は2015年10月5日よりカリフォルニア州ロサンゼルスで行われた。

第73回ヴェネツィア国際映画祭ではコンペティション部門で金獅子賞を争い、審査員大賞を獲得している。






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スーザンは夫とともに経済的には恵まれながらも心は満たされない生活を送っていた。

ある週末、20年前に離婚した元夫のエドワードから、彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてくる。

彼女に捧げられたその小説は暴力的で衝撃的な内容だった。

才能のなさや精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。

彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか――。






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ファッションデザイナーでもあるトム・フォードの監督・脚本作品である。2009年の「シングルマン」以来7年ぶりに手がけた第2作となる。

離婚した夫婦が20年のときを経て、「捨てた愛」と「失った愛」をどう見つめ、いかなる変化を遂げるのか。作中小説と過去と現在が入り乱れ、複雑にして濃厚な世界が描かれる。デザイナーである監督の視覚、ファッション、アートがふんだんに盛り込まれた恋愛映画にして極上のミステリー映画となっている。





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編集編からトム・フォードのコメントを読み解いてみよう。


マイケル・シャノンが演じる役は典型的なアメリカの正義の味方で「見つけ、捕まえ、復讐を果たせ」という囁きを小説の中で表している。実際の世界ではエドワードの「小説を書き、スーザンに送り、自分が勝ったことを見せつけてやれ」という声なんだ。

この物語は僕にとって、人を投げ捨てにしてはいけない、という事を表している。現代、僕らはなんでもかんでも簡単に捨ててしまう文化の世界に住んでいる。すべては消耗品で、人間すらも捨ててしまう。スーザンは自分が求めていたものすべて、外側から見れば自分の理想の人生を手に入れているが、内側は死んでいるんだ。そしてこの小説がきっかけでそのことにはっきり気が付く。彼女自身もほとんど気づきかけていたことなんだけれどね。





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これが中心のテーマなんだ。僕にとってとても重要なね。誰かを大切に思うなら、誰かを愛しているなら、投げ出してはいけない、手放してはいけない。これが僕にとってこの物語で要となる部分なんだ。

3つの物語が明確になるように色合い、明るさなどで違いが見え、感じられるようにしなければならなかった。また、3つの物語の繋がりもしっかりさせなければならなかった。

スーザンの世界は冷たい。だからカラートーンも冷たく青っぽい色合いだ。彩度に欠ける人生なんだ。逆に色味がある時はけばけばしく、キツイ色合いだ。
回想シーンでは温かい色合いを使っている。彼女の気持ちや情熱が豊かさをもたらし、20年の時の経過により強調されているんだ。

小説の中はさらに色彩豊かで、ザラザラしている。そして明るさ太陽の光にしても、電球の灯りにしても以前よりも厳しい。






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小説の中の様々なポイントを通してエドワードはスーザンに言う。

「これが君が僕にしたことだ、僕を殺し、僕を壊し、僕の家族を殺し、僕のことをズタズタにした。でも20年かかり僕は打ち勝った。自分が信じた道を行き、小説にした。素晴らしい小説に。ところでこの小説を読みながら僕にもう一度恋するかもしれないけれど、もう君とは終わった。終わったんだ。」

多くの人々がエンディングをとても悲しいものとみるだろう。ああ、確かに悲しい。でも人生には悲しい時が多々あるわけだ。そこから僕たちは成長し、進歩することができるんだ。

彼女の人生にこれから何が起きようと、彼女は乗り越えたんだ。彼女が不幸せだった人生は終わったんだ。この小説を読むことによって痛みを感じた彼女だけれども、それは変化をもたらすものとなったんだ。










☆☆☆GGのつぶやき
過去、現在、小説世界という3つの物語が織り込まれた映画である。その違いをカラートーンで明瞭に表現した感性は、デザイナー目線といってよいであろう。劇中登場するアート作品類にも意図が明瞭に理解できてわかりやすい。
ジェイク・ギレンホール演じる二役もさることながら、マイケル・シャノン演じる警部補の存在感が光っていて好ましい。































































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by my8686 | 2018-09-23 11:17 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「ゴールド/金塊の行方」を読み解く

三連休初日の土曜休日早朝、レンタルしたDVD映画「ゴールド/金塊の行方」を観る。





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2016年制作の米国のサスペンス映画。1990年代に北米、カナダの株式市場に大混乱をもたらした、詐欺事件「Bre-X事件」をもとにした犯罪サスペンスである。

オスカー俳優マシュー・マコノヒーが驚異の肉体改造を経て主演&製作。監督は『シリアナ』『トラフィック』のスティーヴン・ギャガン。





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実際の事件はもっと組織ぐるみの犯罪だったようだが、映画の方はマシュー・マコノヒー扮するケニーとエドガー・ラミレス扮するマイケルの二人にしぼり、時代も1980年代に設定し、オリジナルな展開を見せている。

採掘業という一発あてれば莫大な富が入ってくる一方、失敗すれば、破産同然の状態になるなど実に浮き沈みの激しいものであり、実際、ケニーの生活もジェットコースターのように激しく変動する。

欲と道連れの世界で、そこには金の亡者たちが自然に集まってくる。中でもケニーたちの功績を横取りしようとするウォール・ストリートの巨大投資銀行や大手採掘会社などのやり口は、一言で言えば「えげつない」。

ただし、ケニー自身は一攫千金を夢見る金の亡者とは一線を画し、自分の職業に誇りを持ち、父親を尊敬している。そこがマネーゲームを題材にしたウォール・ストリートを舞台とした映画群とはひと味違うところであろう。





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莫大な金が入ってくる条件をはねつけ、自分も現場に立ち、泥に塗れることを望む男。そうした彼のキャラクターが、映画を快活なものにしている。さらに注目したいのは、ケニーとマイケルの友情。ケニーの「金を探していたら友を見つけた」という言葉は嘘偽りのない本音であろう。


終盤、あっといわせる展開に、友情が崩れたかに見えるが、ラストの紙ナプキンに書かれた契約文が泣かせる。





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脚本は、『トゥームレイダー』のパトリック・マセットとジョン・ジンマン。
イギー・ポップが書き下ろした主題歌「GOLD」は、第74回ゴールデングローブ賞 主題歌賞にノミネートされている。






さらに、この映画ネタとなった「Bre-X事件」を読み解いてみよう。


この詐欺の舞台となったブリエックス(Bre-X)という企業のピークの時価総額は5500億円くらいあったという。嘘のスケールとしてはとてつもなく大きいものだったことが窺える。

このエピソードの発端はフィリピン人鉱山技師、マイケル・デグスマンがインドネシアのボルネオ島のジャングル奥深く、ブサンという土地で金鉱脈を発見したと宣言したことから始まる。デグスマンは鉱山技師ジョン・フェルダホフと組み、この探索の資金繰りを付けてくれる会社を探す。





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かれらが白羽の矢を立てたのがカナダの落ち目の実業家、デビッド・ウォルシュ。デビッドはこの金鉱脈の話がでっち上げだとは知らず、ブリエックスという会社を創業する。

デグスマンは「塩撒き(salting)」という手法でドリリング・サンプルにゴールドを混ぜ、それを検査所に送る。検査の結果、「ブサンにゴールドがあるぞ!」とわかるとブリエックスの株価は暴騰し始める。

しかし巨大な富がボルネオ島に眠っていることを知ったインドネシア政府はその権益を横取りすべく採掘権をキャンセルし、半分を自分の息のかかったフリーポート・マクモラン(FCX)社に譲渡する。

フリーポートは同じインドネシアに現存する、世界最大級の金山、グラスバーグの所有者。とろこがフリーポートの探索チームがブサンに乗りこんで、ブリエックスのボーリング場所とすぐ隣接する場所でドリリングした結果、ぜんぜんゴールドが無いことがわかる。

その時までにデグスマンとフェルダホフは自分の持ち株を一部処分し、大金持ちになる。しかしフリーポートはこの話が詐欺ではないかと疑い、デグスマンに説明を求める。





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デグスマンはボルネオ島のジャングル上空でヘリコプターから飛び降り(一説には突き落とされたという説もある)自殺をはかる。しかしこの自殺は巧妙に仕掛けられたトリックだという疑惑もあり、真相はわかっていない。

フェルダホフはカナダ司法の手のおよばないケイマン島に逃げ、騙されたウォルシュはバハマに移住した2年後に心臓発作で死んでしまう。





マーク・トウェイン曰く、「金鉱とは空っぽの穴の横にうそつきがひとり立っている場所だ」











☆☆☆GGのつぶやき
組織ぐるみの詐欺事件も珍しくはなくなった。
疑心暗鬼、米北の狂ったボス猿たちの摩訶不思議な挙動も、油断できない局面にある。
マウントゴックスやコインチェックの仮想通貨不正流出にも組織ぐるみのキナ臭さが漂う。





































































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by my8686 | 2018-09-22 15:39 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

「テレイグジスタンスの進化」を読み解く

金曜日、霧雨の朝。出勤前の朝食時、テレビ情報で気になったキーワードがある。

「テレイグジスタンス」「5G」「バーチャルリアリティによる試旅」。

VR用ゴーグルと触覚センサーをつけることで、小笠原諸島の海を見たりウミガメに触れることができるという内容に、興味がそそられた。





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その内容を読み解いてみよう。



JTBは18日、東京23区内にいながら小笠原諸島の海を見たりウミガメを触ったりできるサービスを報道陣に公開した。ロボットベンチャーのTelexistence(テレイグジスタンス、東京・港)やKDDIらと連携した。離れた場所にいるロボットの目や指を通じて、現地の様子を体験できる。近い将来、移動しない旅行が一般的になるかもしれない。

指先に触覚センサーがついた専用のグローブをはめ、頭にVR(仮想現実)用のゴーグルをつけると、すぐに目の前に小笠原の美しい景色が広がり、観光ガイドと自己紹介をして握手をすると、ガイドの手のぬくもりを感じることができるという。

なぜこのような体験ができるのか。実は小笠原諸島には高さ約155センチメートル、重さ約70キログラムのロボットが置かれており、ロボットの目や指、口や耳を通じて現地の様子を体験することができるという仕掛けだ。

ロボットを通じてウミガメの甲羅に触ると、甲羅の堅さとぬめっとした感触が伝わってくるという。ウミガメがジタバタ動くのに合わせて小刻みに振動も伝わってくる。ウミガメの水槽に、手に持ったキャベツを投げ入れて餌やりの体験もできる。初めて間近でウミガメと触れ合うことでわくわくするという。ガイドに「今度は本当に小笠原に来てね」と言われて約10分間の体験をすることができるという。

遠く離れたロボットと感覚を共有する技術は、テレイグジスタンスが開発した。テレイグジスタンスにはJTBやKDDIも出資しており、リアルタイムでの連携を可能にしたのはKDDIの高速通信技術である。
現在は第4世代通信(4G)を使っているが、今後は次世代通信規格「5G」を使うことを目指しているという。





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小笠原諸島には長時間かけて船でしか行くことができず、観光客の取り込みが課題だったという。開発にあたったJTBは「この技術を使えば時間と距離の制約がなくなり、新しい旅の形を作れる」と強調。2019年度中に実用化するという。

遠隔旅行体験には他社も参入しており、ANAホールディングス(HD)は宇宙にいるロボットを遠隔操作するなどして、宇宙旅行を疑似体験できるサービスを開発している。ANAHD子会社のANAセールスや近畿日本グループを傘下にもつKNT―CTホールディングスはVR機器を使った疑似旅行サービスを提供する。

高齢化の進行で体が不自由でも旅に出たいという人は、今後も増えていくと予想され、教育旅行や企業の現地視察旅行などにも活用できるという。





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MEMO
テレイグジスタンス(英: Telexistence、遠隔臨場感、遠隔存在感)とは、バーチャルリアリティの一分野であり、遠隔地にある物(あるいは人)があたかも近くにあるかのように感じながら、操作などをリアルタイムに行う環境を構築する技術およびその体系のこと。
慶應義塾大学 大学院メディアデザイン研究科の舘暲教授によって1984年に初めて紹介された。テレイグジスタンスのスペルは、現在は telexistence が用いられる。

テレプレゼンス(Telepresence)やサロゲート(Surrogate)とも言われる。





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実際には、遠隔ロボットのセンサ情報をオペレータが受けながら、このロボットを制御することにより、遠隔におけるタスクを実行する遠隔操作システムの形式をとる。作業する対象がバーチャルな世界であるようなテレイグジスタンスも考えられる。この技術を応用し、人間が行く事が困難な場所での危険作業が出来るものとして期待されている。

さらには火星、金星開発も人間が直接行って開発するのではなく、地球にいながらテレイグジスタンスの技術を使って開発する事が可能であるとも考えられている。

2017年に舘暲東大名誉教授(会長)、元三菱商事の富岡仁氏(代表取締役CEO)、慶応義塾大学 大学院メディアデザインのCharith Fernando氏(代表取締役CTO)らによりテレイグジスタンス株式会社(Telexistence inc.)が設立され、戦略投資家としてKDDI、Global Brain、国立開発研究法人 科学技術振興機構がシード投資を実行している。








☆☆☆GGのつぶやき
近い将来、テレイグジスタンスロボットを使った世界戦争も勃発しかねない・・・などと勘繰る悪い癖がでてしまう。しかし実際に遠隔操作を悪用しようとするテロ組織が現れないと否定はできないだけに、その実用化には制御システムを万全にしてもらいたい。
仮想通貨の不正流出など見るにつけ、人の創り出したものには必ず盲点が発生するだけに、注意願いたい。



















































































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by my8686 | 2018-09-21 11:19 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

「ジャパニーズウイスキー高値の背景」を読み解く

サザビーズ香港が1月に開いたオークションで、サントリーホールディングスのシングルモルトウイスキー「山崎50年」1本が233万7000香港ドル(約3300万円)で落札されたという。

もともとサントリーが2011年に150本限定で販売した商品で、チーフブレンダーの福與伸二氏のサインが入っており、当時の小売価格は1本100万円だったという。





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ジャパニーズウイスキーの価値が国際的に高まっているなか、繊細な味わいに欧米のファンが増え、近年はアジア市場での人気が2次流通価格を押し上げ、長期間熟成するモルト原酒は不足しており、年代物はレアな状態が続きそうだという。






あらためて、その内容を読み解いてみよう。



サザビーズアジア・ワイン部門長のアダム・ビルベイ氏によると「時間と共に状況は変化するが、現状では希少性に尽きる」という。今やジャパニーズウイスキーはスコッチ、アイリッシュ、カナディアン、アメリカンと共に「世界5大ウイスキー」と呼ばれ、とくに2000年代に入ってから評価は高まっている。





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国際的な蒸留酒の大会であるインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)では03年、サントリーの「山崎12年」が日本勢で初の金賞に輝いた。

08年には同社の「響30年」がISCで史上初の3年連続となる最高賞「トロフィー」を受賞した。

オークションでウイスキーの価値を上げる要素として、長期熟成による味わいの変化がある。アルコール度数50%前後とワインや日本酒よりかなり高いが、シェリーやミズナラといった樽による貯蔵と周辺環境により味に丸みや複雑さが現れる。





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東海大学の古賀教授著「ウイスキーの科学」によると、まず最初の半年でエタノール(アルコール)の刺激臭が抑えられていく。2~3年で熟成香も出て、一般的には10~12年目くらいまで熟成が進んで品質も良くなるという。ただ、多くの原酒は品質の伸びがここでストップ。一段と寝かせて味が向上するかどうかは樽の原酒によって異なるという。

古賀教授は「さらに熟成が進むかどうかを見極めるのは、ブレンダーの非常に大切な役割」とみる。選抜した樽の25年貯蔵や30年貯蔵は「本当に稀有な原酒」と評している。

「山崎」を送り出したサントリーの山崎蒸留所は1923年に建設され、現在も世界的に珍しい、多様な形の蒸留器(ポットスチル)や樽を使い分けることで有名である。複雑な方程式のように原酒が生み出され、酒質は荒々しいものからまろやかな印象まで千差万別という。





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熟成のピークが樽ごとに例えば5年なのか30年なのか判断する。複数の樽の組み合わせにブレンダーの力量が発揮され、繊細な技術により「様々な原酒を使い分けるジャパニーズウイスキーの特徴が現れる」という。








☆☆☆GGのつぶやき
日本の高級ウィスキーがここまで高評価を得るようになるとは、想像だにしなかった。
ウィスキーといえば、学生時代に飲み方もわからず、いきなりラッパ飲みした「サントリーレッド」が最初である。その苦さが今では懐かしい。
40代後半になって缶ビールのあとの定番に角の水割りをはじめた頃、自分のご褒美として「山崎15年」や「ザ・マッカラン12年」をたまに買っていた記憶がある。そいつをストレートで舐めるようにして飲んだのが、シングルモルトウィスキーの旨さに目覚めた頃であろうか。「山崎50年」150本限定品などは、夢のまた夢となってしまった。



























































































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by my8686 | 2018-09-20 17:17 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

「フェラーリも電動化とSUV 22年に6割ハイブリッドに」を読み解く

あのフェラーリまでもが今後6割をハイブリッド車にしていくという。あろうことか、さらにSUVにも参入するというから、おだやかではない。





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報道記事を読み解いてみよう。


イタリアの高級スポーツ車メーカー、フェラーリは18日、2022年に販売台数の6割をハイブリッド車にすることなどを柱とする経営計画を発表した。22年には市場が拡大している多目的スポーツ車(SUV)にも参入する。
生産台数を抑えて希少価値を高めてきたフェラーリだが、環境規制や市場の変化を無視できなくなったようだ。

7月に急逝したセルジオ・マルキオーネ前最高経営責任者(CEO)を継いだルイ・カミレリ新CEOが19年から22年までの中期経営計画を発表した。






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4年間で15車種の新型車を投入し、売上高を17年の34億ユーロ(4400億円)から50億ユーロへ約5割増やす。カミレリCEOは「野心的だが、達成可能な計画だ」と強調した。

販売台数の計画は非公表としたが、8400台だった17年から大幅に増えることとなる。生産台数が1万台を超えると世界各国で環境規制を満たす必要が出てくる。ハイブリッド化はそのための武器となる。

ミカエル・ライター最高技術責任者(CTO)は「規制対応の目的もあるが、運転する楽しみを高める」と述べ、ハイブリッド化で加速性能を高め、平均価格も引き上げる考えを示した。内燃エンジンを搭載しない電気自動車(EV)の発売は否定した。






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22年に発売する同社初となるSUVは、「プロサングエ(純血)」と呼び、開発を進める。イタリアのランボルギーニなど競合する高級スポーツ車メーカーが相次いでSUVを投入している。カミレリCEOは「これまでにない特長をもちながら、まぎれもないフェラーリになる」と力をこめた。

18年から22年までの研究開発費を含む投資額は36億ユーロと17年までの5年間の2倍以上に膨らむ。販売を増やすことで指標とする調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を22年に17年の2倍の最大20億ユーロに引き上げる計画だという。






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ハイブリッド化やSUVの投入は、収益拡大に貢献するが、築き上げたブランドを損なうリスクもはらむ。自らもフェラーリのコレクターというカミレリ新CEOにとって腕の見せどころだ。











☆☆☆GGのつぶやき
背に腹はかえられぬ、という状況なのか。それとも新CEOの野心のためなのか。
フェラーリのEV車など見たくもなし、見たくもありという複雑な心境だ。
しかし、経営のためにSUVにも手を出してしまうやり方には一抹の不安もよぎる。
期待したいのは、自らもフェラーリのコレクターだと名乗るその「純血」の審美眼であろう。



























































































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by my8686 | 2018-09-19 13:43 | 気になるクルマの話題 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「ボンジュール、アン」を観る

三連休最終日の早朝は、2016年に公開された米英合作のコメディ映画「ボンジュール、アン」を観る。


監督はエレノア・コッポラ。
本作はコッポラの長編映画監督デビュー作となる。

主演はダイアン・レイン。
昨日観たジェシカ・チャステインとは真逆のチャーミングな女性で心が和む。




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フランシス・フォード・コッポラの妻という好奇心だけでレンタルした作品である。
彼女の実体験をもとに制作されたものなのか・・・と想像をしたくなるような作品なのだが・・・。





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アン・ロックウッドは夫のマイケルと共にカンヌを訪れていた。マイケルは敏腕の映画プロデューサーであり、カンヌ国際映画祭に映画の買い付けに来たのである。映画祭終了後、2人はパリで休暇を楽しむことになっていたが、急用でブダペストへ行かなければならなくなった。2人は飛行機でブダペストへ向かおうとしたが、アンが耳の炎症のために飛行機に乗れなくなってしまった。途方に暮れた2人だったが、マイケルのビジネスパートナーであるジャックが自動車でアンをパリへ連れて行ってくれることになった。





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カンヌからパリまでは自動車で7時間の距離だったが、食いしん坊のジャックが名所や名店を見つけるたびにそこに立ち寄ったので、移動が長引くことになった。ジャックは機知に富んだ会話でアンを楽しませてくれたが、アンは彼の真意を推し量ることができずにいた。






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立ち寄った教会でアンは亡くなった子供のことを思い出し、ネックレスのロケットに入っている子供の写真を見た。その後、2人はディナーの席に着いた。その場でもジャックはアンを誘惑しにかかった。






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予期せぬ楽しい時間であったが、目的地に到着したために終りを迎えることとなった。別れ際、ジャックは思わぬ行動を取った。






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☆☆☆GGのつぶやき
コッポラ作品をイメージして観ると期待を裏切られる作品である。唯一、ダイアン・レインのキュートさが救いである。
カンヌからパリまでのドライブ旅行にはいまだに憧れる。かつて、建築家宮脇檀のエッセイで読んだ「ヨーロッパミシュラン3つ星レストラン探訪記」を思い出す。フランスの田舎道をのんびりと走る解放感が好きだ。




























































































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by my8686 | 2018-09-18 00:00 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

DVD映画「女神の見えざる手」を観る

三連休二日目は、DVD映画「女神の見えざる手」を観る。


2016年に公開されたアメリカ合衆国・フランス合作の社会派サスペンスである。




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主演は「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステイン。
監督は「恋におちたシェイクスピア」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」のジョン・マッデン。




天才的な戦略を駆使して政治を影で動かすロビイストの知られざる実態に迫った社会派サスペンス。

ワシントンD.C.で、スパーリング上院議員による聴聞会が開かれていた。召喚されているのは、敏腕ロビイストとして名高いエリザベス・スローン。
大手ロビー会社、コール=クラヴィッツ&W在職中に手がけた仕事で不正を行っていたとされ、その真偽が問われている。




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聴聞会から遡ること、3ケ月と1週間前。

エリザベスは、コール=クラヴィッツ&Wの花形ロビイストだった。勝つためには手段を選ばず、一切の妥協を許さない仕事ぶりはクライアントから高く評価され、政府やメディアからも一目置かれる存在だった。

エリザベスは、銃擁護派団体からの仕事を依頼されていた。新たな銃規制法案に対し、女性の銃保持を認めるロビー活動で、廃案に持ち込んでくれというのだ。

団体の代表者は議員たちにも強い影響力をもつ人物だが、エリザベスは彼の目の前でその仕事をきっぱりと断る。

その結果、上司のデュポンから、「依頼を断るなら、君にいてもらう必要はない」と言い渡される。

その夜、パーティに出席したエリザベスは、銃規制法案の成立に尽力する小さなロビー会社のCEO、シュミットから、自分と一緒に闘わないかと誘いを受ける。




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次の日、エリザベスは部下を引き連れ、シュミットの会社へ移籍。奇策ともいえる戦略によって、形勢を有利に変えていく。

だが、巨大な権力をもつ銃擁護派団体や元同僚も負けてはいない。エリザベスの過去のスキャンダルが暴かれ、スタッフに命の危険が迫るなど、事態は予測できない方向へ進んでいく……。

ロビイストの“女神”に君臨するのが、エリザベス・スローン。真っ赤なルージュ、一流ブランドとハイヒールで武装した彼女が、天才的なひらめきと無敵の決断力で、巨大な勢力を敵に回すーー。





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一切の妥協を許さず、敵はもちろん、味方をも畏れさせるエリザベス。睡眠時間も惜しんで策略を巡らせ、プライベートの時間をもたず、恋愛はエスコートサービスで代用。これ以上ないほど強烈なインパクトのヒロインを演じるのは、『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェシカ・チャステイン。

観客の目もあざむく演技で新境地を拓き、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネートされた。

さらに、エリザベスと共に闘う上司役に『キングスマン』のマーク・ストロングのほか、『インターステラ―』のジョン・リスゴー、ドラマ「LAW&ORDER ロー&オーダー」のサム・ウォーターストンらベテランに、若手実力派たちが集結。






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アカデミー賞作品賞に輝いた『恋におちたシェイクスピア』のジョンマッデン監督による圧巻のエンタテインメント映画である。

銃規制法案を巡るロビー活動の攻防には巧妙な罠も仕掛けられ、予想不能のサスペンスが展開。






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そして逆転に次ぐ逆転劇の末に導かれるのは、清々しくエモーショナルな結末!近寄りがたいほど鉄壁だったヒロインに、気がつけば心をわしづかみにされているという映画である。








☆☆☆GGのつぶやき
逆転に次ぐ逆転劇の末に導かれる清々しきエモーショナルな結末。
最後のどんでん返しに胸がスーとさせられる久しぶりの社会派サスペンス映画である。
働き方改革が侵透しつつある日本では想像しがたい女神像である。
こんな女上司の下で働く気力は、いまや萎えつつある自分を、あらためて意識してしまうのである。
































































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by my8686 | 2018-09-17 09:58 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)