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「MaaSで激変、トヨタが見通す都市の未来」を読み解く

 「約20分間。これは、我々が都市部で駐車場を探すために日々費やしている時間である」――。

トヨタ自動車の自動運転ソフトウエアの先行開発会社であるTRI-AD(Toyota Research Institute Advanced Development)社長はこう語る。

自動運転技術を搭載した「MaaS」のような車両の普及で交通網の効率を高められれば、都市はこれまでと全く違う姿に変貌する可能性を持つという。

TRI-AD社長は、「日経 xTECH EXPO 2018」の基調講演に登壇し、トヨタグループとして未来の都市計画について展望を示したという。




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都市にとって、自動運転車両が普及したときの最大の利点は、駐車スペースを減らせること。駐車場のために割いている既存の空間は膨大だ。例えば米国には約10億個の駐車スペースがあり、一方で走るクルマは約2.5億台。クルマよりも4倍多い駐車スペースが存在していることになり、効率的な土地利用とは言えない。米カリフォルニア州ロサンゼルス郡で2015年に実施した調査によると、同地区の約14%に相当する面積が駐車スペースになっているという。

自動運転車両の登場によって、これらの土地を有効に使うチャンスが得られる。「(トヨタとしては)新たな居住地や商業施設を建設したり、公園などの自然エリアとして活用したりする案がある」という。

排ガスを発生させない自転車など代替モビリティーの専用道路を造ることも想定し、クルマが通る主要な道路を地下に通せば、騒音や排ガスの問題を生活から減らせる可能性が高いともいう。





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「完全な自動運転技術はMaaS用の車両から本格的に適用が始まる」――。


自動車メーカー首脳陣は口をそろえてこう話すが、MaaSのような商用車は、乗用車に比べて動作条件を制限しやすく、良い天気の時だけ、高速道路だけなど、走行する時間や場所を選ぶことができる。
これにより、周辺の認知に使うLIDAR(レーザーレーダー)のような車載機器で、乗用車用に比べて性能を抑えた安価な機器を採用できる。自動運転で稼働率を高められれば得られる収益は増え、機器やシステムなどの開発投資を回収しやすいともいう。

市場への投入も乗用車に比べて早いとし、トヨタの場合は、サービス用車両「e-Palette Concept」を使った実証実験を、2020年夏の「東京オリンピック・パラリンピック」に合わせて開始し、市場投入は2020年代の前半になりそうだという。





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「自動運転車両を早期に実現するために重要なのはシミュレーションを重ねること」

開発期間を短くして全体のコストを抑えるために、シミュレーションは必須となる。日中や夜間、雨天や霧など、あらゆる交通状況を想定できる。シミュレーションを重ねた技術を使って先行開発を進めるのがTRI-ADの役割だという。

AI(人工知能)研究の米国子会社であるTRI(Toyota Research Institute)が開発した試作技術を形にして、トヨタが量産する流れだという。その後はOTA(Over The Air)などの手法で更新しながら使っていく。




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TRI-ADの設立は2018年3月。資本金は5000万円で、出資比率はトヨタが90%、アイシン精機が5%、デンソーが5%である。本社は、東京都中央区日本橋に構えている。




MaaS(マーズ、Mobility as a Service)

電車やバス、飛行機など複数の交通手段を乗り継いで移動する際、それらを跨いだ移動ルートは検索可能となったが、予約や運賃の支払いは、各事業者に対して個別に行う必要がある。

このような仕組みを、手元のスマートフォン等から検索~予約~支払を一度に行えるように改めて、ユーザーの利便性を大幅に高めたり、また移動の効率化により都市部での交通渋滞や環境問題、地方での交通弱者対策などの問題の解決に役立てようとする考え方の上に立っているサービスがMaaSである。

MaaSの実現及び提供には、スマートフォンやデジタルインフラの整備・普及のほか、鉄道やバスの運行情報、タクシーの位置情報、道路の交通情報などの移動・交通に関する大規模なデータをオープン化し、整備・連携することが必要となる。

ユーザーの経路検索・改札通過等の移動履歴や支払い情報などのパーソナルデータの活用、ドライバー不足を補うための自動運転やコンパクト・モビリティ1、電気自動車(EV)などのクルマのイノベーション、効率的な移動手段を分析、提案、改善するためのAIの活用など、いま急激に発展しつつある各種の技術が交差するサービスといえる。









☆☆☆GGのつぶやき
日本ではまだMaasの提供が始まっていない。官民双方において、サービス実現に向けた取組が進行しているという。

トヨタが今、真剣に本気で取り組んでいるMaas。

少子高齢化とそれに伴う都市への人口集中と地方の過疎化、経済成長の維持などさまざまな社会課題を抱える日本で、平成から新たな元号に代わる今、次世代の交通がこれらの解決にどのように寄与していくのか、大いに期待し注目して行きたい。










































































by my8686 | 2018-10-31 10:07 | 気になるクルマの話題 | Trackback | Comments(0)

隈研吾「日本橋三越本店売り場一新・白い森」を読み解く

2016年に国の重要文化財に指定された日本橋三越本店(東京都中央区)が売り場デザインを一新し、10月24日にグランドオープンした。

同店の大掛かりな改装は約30年振りだ。“目玉”となるのは、隈研吾建築都市設計事務所が環境デザインを手掛けた本館1階。重厚なイメージだった売り場を、「白く輝く森」をコンセプトに刷新したという。





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あらためて、その内容を読み解いてみよう。



10月24日にグランドオープンした日本橋三越本店の1階。花のインスタレーションは、ベルギーのフラワーアーティスト、ダニエル・オスト氏によるもの。

隈研吾は、グランドオープンに先立つ10月23日の会見で、次のように説明した。

「森のなかに紛れ込み、輝く木漏れ日を浴びるような空間をイメージしてつくりあげた。幼い頃、日本橋三越本店を訪れるたびに感じた、キラキラと輝く夢のなかにいるような原体験が手掛かりだ」





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コンセプトは「白く輝く森」。





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隈氏がイメージする“森”は、細かいピッチでグリッド状に並ぶ大理石仕上げの柱で構成。この柱1本1本を木に見立て、柱上部から天井面に向かってひし形の白いアルミパネルが重なりながら広がる。

アルミパネルによる装飾は、木の幹から枝葉が広がっていく「樹冠」がモチーフだという。樹冠のアーチを連続させて道をつくり、フロア全体を森のなかのような空間に仕上げた。






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重要文化財の保存対象のエリアや素材を際立たせるため、白を基調とした。樹冠の内部にはLEDを仕込んでいる。照明デザインは、ライティングプランナーズアソシエーツ(LPA)の面出薫が手掛けた。







☆☆☆GGのつぶやき
デパートの原風景に心躍る世代としては、嬉しいニュースである。
デパートのレストランでお子様ランチやホットケーキを食べるのが楽しみのひとつだった。
屋上の遊技場にあった自動車レースゲームに夢中になった記憶が甦る。
なんであんなに光り輝いてみえたのだろうか。



























































































by my8686 | 2018-10-30 11:47 | 気になる建築&空間 | Trackback | Comments(0)

トランプ大統領「日本車に20%関税も」 改めて言及

日本シリーズは、広島の先手1勝、1引き分けのスタートとなった。31日からは福岡決戦に入る。

それはさておき、トランプ米大統領の中間選挙をにらんでの発言なのか、「日本車に20%の関税をかける」との発言が波紋を呼んでいる。





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あらためて、この内容を読み解いてみよう。

トランプ米大統領は27日、中西部インディアナ州で開かれた農業団体の集会で演説し、日本が市場を開放しない場合「日本車に20%の関税をかける」と発言した。2019年1月にも始まる日米の物品貿易協定(TAG)交渉を控え、農産物の大幅な関税引き下げなどで日本に圧力をかける狙いがありそうだという。

日米は18年9月にTAG交渉開始で合意した際、交渉中に追加関税が課されることはないと確認した。日本としては当面、自動車への追加関税を回避したが、トランプ氏は今回改めて日本車への関税引き上げに言及した。11月の中間選挙を前に有権者にアピールする狙いもあるとされる。






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米国は国内で販売する乗用車の約半分を輸入している。関税率は2.5%だが、高関税をてこに日本などと2国間の貿易交渉を進めようとするトランプ大統領は、世界貿易機関(WTO)ルールを無視して輸入車に25%の追加関税を課すなどと脅してきた。

関税引き上げが現実化すると影響が大きいのが、米国に工場を持たないマツダである。同社は2018年3月期に日本から米国に23万2577台(前期比5・1%減)輸出した。スポーツ多目的車(SUV)「CX―5」のほか、セダン「アテンザ」などが主力。






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同社はトヨタ自動車と合弁で米アラバマ州に生産工場を建設し、21年に稼働を始める予定としている。仮に新工場稼働前に関税が引き上げられれば、販売台数の減少は避けられない。

トヨタは17年に米国で243万5000台を販売。このうち米国・カナダ・メキシコで生産した車は171万1000台で、70・3%が北米地域で生産されている。







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米国内に生産工場を11拠点持つトヨタでも、30%は域外から輸出している。「(関税率20%は)影響を注視していく数字ではある」(トヨタ)としている。










☆☆☆GGのつぶやき
トランプ大統領の傲慢不遜政治が日本経済を震撼させている。
73年前、終戦の焼野原の中で誰が今日の日本たたきを予測できたであろうか。
大和魂を心に刻み敗戦国から立ち上がった日本人の凄さを改めて再認識したい。









































































by my8686 | 2018-10-29 12:03 | メーク・イン・アメリカの行方 | Trackback | Comments(0)

タンポポから学ぶ

日曜日の朝は、自治会の清掃作業に出る。山裾の路肩に貯まった濡れ落葉を集め谷側に落とすだけの短時間の作業ながら、少し身体が汗ばむ。

朝食後、庭の陽だまりに咲いたツワブキを眺めていると、蜜蜂たちが集まり蜜をすっている。




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キク科ツワブキ属に属する常緑多年草である。冬でも葉が緑のままで、1年や2年で枯れること無く、よく生き残れる草である。葉柄は食用になるそうな。

つやのある大きな葉を持っており、毎年秋から冬に、キクに似た黄色い花をまとめて咲かせる。そのため「石蕗の花(つわのはな)」は、日本では初冬(立冬〔11月8日ごろ〕から大雪の前日〔12月7日〕ごろまで)の季語となっている。

鹿児島県や沖縄県を中心に西日本の一部地域ではフキと同じように葉柄を食用としており、特に奄美大島などの奄美料理では塩蔵した骨付き豚肉とともに煮る年越しの料理「うゎんふねぃやせぅ」の具に欠かせず、沖縄県でも豚骨とともに煮物にして食べるという。
民間薬として、茎と葉を打撲や火傷に用いることもできるという。黄色いキクに似た花を長い茎の先に咲かせる点はツワブキと共通するが、花が密集して咲き、葉には光沢がなく、同じ植物には見えない。

全草を干して刻み、煎じて解熱、解毒薬、喉の痛み止めとしても利用できるそうな。



この黄色い花をしばらく眺めていると、ふと、白隠禅師の「幸と辛・タンポポから学ぶ幸せ」を思い起こす。

どんな者でも幸せを求めない者はいない。求めるということは、不幸だという思いがあるからである。
そんな我々に警鐘を鳴らすかのように、白隠禅師は「遠く求むるはかなさよ」求めていくほどむなしいものは無いと説いている。

「幸せ」は元来「仕合わせ」と書く。「仕合わせ」とは、良いも悪いも得するも損するも、巡り合わせに順って受け入れるということである。
今、幸せをそのような元の意味でとる者はまれで、むしろ自分に都合の良い事が起こることを、幸せと呼んでいるようにも見える。そんな幸せはいくら求めても実現するはずはない。






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幸いの中の人知れぬ辛さ、そして時に、辛さを忘れてもいる幸い。
何が満たされて幸いになり、何が足らなくて辛いのか。

しかし辛さ・苦しみを受け入れるといっても、そう簡単には受け入れるものではあるまい。

そんな時どうしたら良いのか? その答えをタンポポの習性に学ぶことができるという。

タンポポといっても、よく見かける外来種のセイヨウタンポポではなく、もともと日本に自生しているニホンタンポポである。セイヨウタンポポの極めて強い繁殖力に比べ、ニホンタンポポは分が悪く分布地を追われ、ニホンタンポポにしかない戦略をとることで生き残っているという。






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それは日本の四季をうまく受け入れるということである。ニホンタンポポは春にしか花をつけない。それはまだ他の植物が伸びきらないうちに実をつけて飛ばしてしまうためである。

そして他の植物が成長する夏になると、自ら葉を枯らして根だけ残して冬眠ならぬ「夏眠」をするという。
過酷な暑さや他の植物と競争して疲弊するよりも、それらをやり過ごして、他の植物が枯れる秋になると、また葉を出し冬を越し春に備えるというのだ。

四季の気候や、他の植物との競合という辛さをうまく受け入れた上でのニホンタンポポの生き方は、我々の幸せにつながる生き方として大いに学ぶところがあると思う。





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我々も辛さが受け入れられない時には無理をせず、タンポポの「夏眠」のように、しばらくやり過ごす、そういう受け入れ方もあるのであろう。

タンポポに見習って暮らしているうちに次第に心が落ち着き、辛さをも忘れている幸いに行き着けるのかもしれない。








☆☆☆GGのつぷやき
植物の不思議な生き方が最近気にかかる。
厳しい自然を生き抜くのは植物も同じ、野生の植物は特に非常にしたたかな生き方をしている。
身近な植物を見ると、色や形が様々だが、それにはどういう意味があるのか。
植物の生き方に“無駄がない”ということにも驚く。



















































































by my8686 | 2018-10-28 15:26 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

DVD映画「タンポポ」を観る

土曜日早朝、レンタルしたDVD映画「タンポポ」を観る。




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先々週から観ていなかった伊丹十三監督作品を連続してレンタルしている。
きっかけは、オフィスの古いファイル整理から出てきた一枚のグラビア写真。伊丹十三が猫を抱いて黒い絨毯バー風の居間に座っている写真。飄々とした佇まいが気になる役者でもあった。

映画「タンポポ」は、1985年の日本映画。伊丹十三の脚本・監督による「ラーメンウエスタン」と称したコメディ映画。売れないラーメン屋を立て直す物語である。






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今あらためて見直すと、その錚々たる出演者たちの顔ぶれに驚愕してしまった。

山崎努、宮本信子、渡辺謙、役所広司、安岡力也、加藤嘉、桜金造、大滝秀治、黒田福美、岡田茉莉子、橋爪功、大犮柳太朗。なんとも贅沢な俳優たちである。





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映画のモデルとなったラーメン店は、東京荻窪の「佐久信」で『愛川欽也の探検レストラン』でのストーリー(荻窪ラーメン)を下書きにしたとされる。

本筋は売れないラーメン屋を立て直す物語だが、途中本筋とはまったく関係ない食にまつわるエピソードが大量にちりばめられて相当部分を占めている。
これらは、時にはすれちがう人物をカメラが追いかけていくような形で、時には何のエクスキューズもなしに突然挿入される。

ヤクザ風の白服の男は冒頭でカメラに向かって口上を述べたあと、本筋との関係も全く説明されないまま、繰り返し登場。スケッチ集とも取れる自由自在な作り方となっている。






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それとは別に京都の「珍元」がモデルとする説も根強い。珍元には伊丹と宮本のサインが飾られているという。
撮影は「春木屋」軽井沢店で行われた。

ラストは人間にとって「人生最初の食事」とも言うべき授乳のシーンで終わる。








☆☆☆GGのつぶやき
日本では興業的には成功しなかったというが、色と食、生と性の絡ませ方がゴダール的で今観ても斬新である。
当時としては、少し早すぎたのであろう。
生卵の口移しの濃厚感や生牡蠣と血と若い海女の絡ませ方も官能的である。
この路線に特化した伊丹流の官能作品も観れたらと、今更ながらに悔やまれる。




































































by my8686 | 2018-10-27 10:26 | たかが映画、されど映画 | Trackback | Comments(0)

デザイン論「攻めと自己制御」と「好きな車」の話に耳をかたむけて

プロ野球日本シリーズがいよいよ明日27日、広島のマツダスタジアムで開幕する。セ・リーグ3連覇の広島が34年ぶりの日本一を目指し、パ2位のソフトバンクが2年連続の頂点を狙う。

広島つながりの話題として、マツダのデザインテーマ「魂動」を打ち出し、常務執行役員となった今に至るまで先頭を走り続けてきた男、前田育男氏が中高時代の同級生である日経BP総研フェローとホンネトークを交わしている記事に目がとまった。




あらためて、現場発の「デザイン論」もさることながら、ホンネの「好きな車」談義に耳をかたむけてみよう。

前田氏は、大学時代から今に至るまでモータースポーツを趣味にしている筋金入りの「車好き」である。個人的に好きな車は?と問われて・・・




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「今乗っているのは別の車だけど、好きなのは、ジャガー・Eタイプ(1961年から1975年の間に製造されたスポーツカー。特に初期モデルは、スタイリングの美しさが高く評価される)や、アルファロメオ ジュリアTZ2(1965年に12台のみ生産されたレーシングスポーツカー)。総じて1960年代前後の車になるね。」






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いわゆるクルマ好きに聞くと「60年代の車が最高」と答える人が多い。

それについて前田氏は、「確かに、そう言う人が多い印象はある。カーデザイナーとして一番悩ましいのは、あの時代の車を超えられないこと。自分だけじゃなくて、今のカーデザイナーはおしなべてあの時代の人たちを超えられていないんじゃないか。」

「そう感じているからこそ、現代のテクノロジーを搭載した上で温もりのあるデザインの車をどうしても作り出したいと思う。」

「当時の車は、職人がフリーハンドで鉄板を叩き出したりしているから、左右非対称だったりもする。前にも言ったけれど、そんなゆるいフォルムの質感を完璧に再現したいと思っている。」






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60年代に負けていると素直に言えるところが前田氏のすごいところであろう。

日本の自動車メーカーの人間たちに聞くと、本心はともかく、絶対にそれは認めない。過去のクルマを今のクルマより高く評価するというのはタブー視でもしているのか、とでも思えるほどである。


しかし、先端技術が当たり前の時代に、ローテク時代の雰囲気を再現するというのは、どの分野においても難しい挑戦だと思われるが、できるのか?という問いに・・・



「できると思う。でも、勇気はいるね。今の車のデザインは、クレイモデルでフォルミングして、樹脂でハードモデルにしてと、幾つかの段階を踏んで固めていくんだけれど、当時の車が持っている独特の雰囲気を出すためには、その精密なプロセスから思い切ってはずれる勇気が必要。」

「例えば、当時の職人みたいに、自分たちの手で鉄板を叩いてモデルを作っていくとか。そういった非効率さや無駄さを厭わずに作り上げていけば、あの言葉にしがたい、ゆるさを持ったデザインの車ができると思う。」


実は、以前発表したコンセプトカー「RXビジョン」(2015年発表)や「ビジョンクーペ」(2017年発表)も、職人の手で作った温かみのあるフォルムを追求したもの。

今の「足し算」で作られていく安直なデザインへのアンチテーゼであり、「手を使って練り込んでいく」という原点に回帰して車を作っていこうという意気込みを表現してもいる、と語る。





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クルマだけでなく、時計とかカメラでも、50年代、60年代あたりのものがいいと言う人は多い。どうしてあの時代には、時代を超えて愛されるプロダクトデザインができたのだろうか。


前田氏は、「作り手の思いをそのまま形にできた時代だったからだ」と語る。





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さらに、言葉を続けて・・・

「マーケティングやレギュレーションによる細かな制約がなかったからだけど、同時に作り手の志も高かったんじゃないかと思う。プロの目から見て、当時のものにはいわゆる「邪念」のないものが多いように感じる。純粋にいいクルマを作ろうと突き詰めて、追い込んで、自身の奥底から絞り出すようにして産み出している感じというか。だからこそ、緊張感がありながら、やさしさのある車ができたのではないか」と。






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「今のクルマのテクノロジーは、当時と比較にならないくらい進化している。早いし、楽だし、壊れないし、安全。でも{車としての魅力は?}と問われると、考え込んでしまう。人というのは、{美}の領域に関しては、技術の進化とともに、逆に退化していったりするのかもしれない。」










☆☆☆GGのつぶやき
技術の進化と共に人間の「野生」の部分は失われていくのであろう。
自分に寄り添って共に人生を謳歌する時には、やはり官能を刺激しアドレナリンを爆発させてくれる、そんな相棒であってほしい。






























































































by my8686 | 2018-10-26 13:32 | 気になるクルマの話題 | Trackback | Comments(0)

隈研吾の「大府・阿久比パーキングエリア」を読み解いてみよう

早朝、デジタルニュースで知ったスバルのリコール問題。

スバルが、エンジンの部品が壊れる恐れがあるとして、複数の車種について大規模なリコールを近く国土交通省に届け出ることがわかったという。国内だけでなく、海外で販売した車種にも影響が及ぶ可能性があり、対象は少なくとも数十万台にのぼる模様だという。

バルブスプリングというエンジン部品が不具合を起こし、エンジンの作動に影響が出る恐れがあるという。日米の市場で販売した戦略車種が対象になるとみられ、「BRZ」も対象に含まれるそうな。もちろん、トヨタと共同開発した「BRZ」と同エンジン搭載の愛車トヨタ86もリコール対象となる。年式がどこまで遡るのか不明だが、忌々しき問題である。

無資格検査問題では計約42万台をリコールし、18年3月期に250億円の関連費用を計上したが、これを上回る規模のリコール費用が発生する可能性もある。

ブレーキなど自動車の安全性能にかかわる不正の発覚に続いて、車の根幹のエンジンに関する大規模なリコールを届け出れば、安全性を売りにしてきたスバルブランドにとっては大きな痛手だ。業績に深刻な影響が出る恐れもある。

スバルの箍がなぜ外れたのか、事の顛末を見届けていきたい。






それはさておき、今話題の隈研吾の最近作を読み解いてみよう。


2018年7月18日に、『大地の種(阿久比PA)』・『華の種(大府PA)』として生まれ変わったPAである。




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辻口博啓・奥田政行・笠原将弘の「3パティシエ・シェフ☓知多半島の豊富な食材」による、ここでしか味わえないレストランメニューや土産品を多数取り揃えているという。





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両PAとも隈研吾が「木のひさし」をイメージしてデザインした明るく開放的な雰囲気のPAである。有名シェフ3名が店舗を出店していることでも話題になっているそうな。




それでは、個々に読み解いていこう。


阿久比PAには独創性に富んだ料理で世界の料理人1,000人にも選ばれたイタリアンシェフ・奥田政行店「チッタ デ イタリア」が入っている。





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大府PAにはパティシエ辻口博啓手がけるベーカリー「マリアージュ ドゥ ファリーヌ」や、最も予約の取り難い日本料理店の一つとして馴染みぶかい、笠原将弘の店「笠庵 賛否両論」も入っている。






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また両PAには、シェフが地元店と共同開発した限定商品などを土産物店で販売しており、レストラン店舗や土産物を手掛ける各シェフは、昨秋から知多半島産の素材や産品を選定し、今年の5月から6月にかけて素材の産地を視察、生産者との触れ合いを通じて、食材を絞り込んだそうである。

知多半島の中程には中部国際空港(セントレア)が有り、両PAは知多半島道路を利用して同空港へ向かう往路、復路にそれぞれ位置していることから、ドライブがてら立ち寄るにも便利そうである。





さらに、隈研吾のデザインコメントを読み解いてみよう。


中部国際空港、自然豊かな知多半島と名古屋をつなぐ高速道路に、自然を感じることのできるパーキングエリアをデザインした。




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大きな木の庇が客を迎え入れ、その庇がシェフのレストラン、地元産品のショップ、トイレといす複数の機能を接合している。





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木の板を組んで作った樹木をモチーフとする什器は、室内でも知多半島の豊かな自然を感じさせるデザインにしたという。









☆☆☆GGのつぶやき
名古屋にわざわざ行く機会は少ない。
しかし、完全リタイアした暁には、大阪に住む孫娘の顔を見るついでに、立ち寄ってみたいと、思った。
PAレストランといえども侮れない時代に入ってきたようだ。


































































































by my8686 | 2018-10-25 11:31 | 気になる建築&空間 | Trackback | Comments(0)

[高齢者も社会を「支える側」に 70歳も働く環境検討へ]を読み解く

安倍政権が、企業に雇用の継続を求める年齢をいまの65歳から70歳に引き上げる検討を始めた。

人口減少が進む中、働く高齢者を増やして人手不足の緩和や、社会保障財政の安定化を、2020年の法改正で図る狙いのようだが、高齢者の健康や意欲には個人差が大きく、課題も少なくない。





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あらためて、この内容を読み解いてみよう。


日本の人口は今後、生産年齢人口(15~64歳)が減り続ける一方、65歳以上の高齢者は42年まで増え続ける。

政府は、高齢者の体力や運動能力がこの10年で5~10歳ほど若返ったり、60歳以上の約8割が70歳以降まで働くことを希望していたりするとの調査結果などから、高齢者に社会の「支えられる側」から「支える側」になってもらうことをめざしている。

いまの高年齢者雇用安定法は、65歳までの雇用確保措置として①定年の引き上げ②継続雇用制度の導入③定年制の廃止――のいずれかの措置をとることを企業に義務づけている。





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政府はこの年齢を70歳まで引き上げる考えだ。その際には、ほかの選択肢を設けることを検討する。一つの会社だけでの継続雇用だけでなく、別の企業に移って働き続けられるようにすることなどが想定され、まずは努力義務から始めることも考え、ほかにも働きやすい環境作りを進めるという。

今後、大企業には中途採用比率の情報公開を求めていき、年功序列賃金から能力や仕事の内容に応じた報酬体系に変えていき、高齢者を含めた中途採用市場を活性化していく狙いだ。

高齢者の雇用と関係が深い年金制度については、現在、原則65歳となっている受給開始年齢は引き上げない方針だが、受給開始年齢を70歳以降も選べるようにする仕組みを検討するという。

安倍首相が議長を務める政府の未来投資会議が年内に中間報告をとりまとめ、来夏に3年間の工程表を盛り込んだ実行計画を出す。その後、労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)での審議を経て、改正高年齢者雇用安定法案を国会に出すスケジュールだという。





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ただ、高齢になればなるほど健康や働く意欲の個人差は大きくなる。このため「一律の制度はいかがなものか」(中西宏明・経団連会長)などと、労使ともに柔軟な制度を求める意見が多い。

22日の未来投資会議で安倍首相は、「高齢者の希望、特性に応じて多様な選択肢を許容する方向で検討する」としたが、多様化すればするほど企業の労務管理が複雑になり、負担が増す可能性もある。





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また、実際に高齢者に働き続けてもらうためには、職場の環境整備も課題だ。視力や聴力の衰えは大きな労災事故につながりかねない。連合会長は「高齢者雇用の拡大には、安全に働ける環境整備が不可欠だ」と指摘する。








☆☆☆GGのつぶやき
68歳となった今年、最後の展示会準備協同作業中に不注意で左親指の先端を太いカッターで切ってしまい、緊急で近くの成形外科に走り込み4針縫う。
大量の出血に気が動転してしまったが、大事にはいたらず、逆に人間の復元力の神秘性に狂喜してしまった。
労災申請で治療費は会社負担となったが、高齢になればなるほど事故率が増えるのは必至であろう。安全に働ける環境整備は不可欠である。































































by my8686 | 2018-10-24 10:10 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)

「正統派デザイナー芦田淳氏 死去」を読み解く

創造と経営を両立させたデザイナー芦田淳氏が死去した。

変化が激しいモード界で品格ある服を追い続けるのは容易なことではない。だがその作風を貫き、正統派デザイナーとして不動の地位を築き上げた芦田淳氏。




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冥福を祈るとともに、関連記事を読み解いてみよう。


人生を変えたのは一本の電話だった。高島屋のデザイナー時代に手掛けた「少女服」が宮内庁の目に留まり、「浩宮さま(現在の皇太子さま)の背広を仕立ててほしい」と依頼を受けたという。





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初めて足を踏み入れた東宮御所の静けさ、現皇后の美智子さまと対面した時の心の高揚……。「天に昇るような気持ちだった」と回想している。その仕事がきっかけで美智子さまの専任デザイナーに抜てきされ、欧米社交界に引けをとらない様式美を磨き続けた。

韓国に渡った医者の家に生まれ、豪華な家財や欧米文化に囲まれて育つ。繊細な美意識はこうした環境下で育まれた。

だが10歳で父が病死すると家計が傾き、貧困状態に。終戦前に本土に戻り、親戚家を渡り歩く流浪の日々を強いられた。





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絵が好きだったので大学に進まずに服飾デザイナーを志すが、旧帝大などに進んだ兄たちからは猛反対されたという。この悔しい体験が富裕層にも一目置かれる正統派を目指す原動力になったという。

雑誌「ひまわり」を創刊した故中原淳一に直訴して内弟子になり、技術や人脈を吸収しながらメキメキと頭角を現す。戦後の復興期。大量消費時代が到来し、服飾文化が日本でも大きく開花することを見抜いていた。





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服飾デザイナーの多くは経営者でもある。創造と経営。相矛盾する2つの顔を巧みな社交術と商才で両立してみせた希少なデザイナーであった。







☆☆☆GGのつぶやき
芦田淳の死を知り、久しぶりに読みたい本が見えてきた。
創造と経営。相矛盾する2つの顔を巧みな社交術と商才で両立してみせた稀有なデザイナー。
旧帝大などに進んだ兄たちから猛反対され、その悔しさがバネになったという。
富裕層それも国家の皇室を相手に一目も二目も置かれた正統派のデザイナー。
その芦田の言葉に触れてみたい、と思った。





















































































by my8686 | 2018-10-23 09:45 | デザインに何ができるか | Trackback | Comments(0)

多民社会「最後の砦、法令違反後絶たず」を読み解く

働く現場で「外国人頼み」が強まる。2017年に働き手のうち外国人が占める割合は09年の約2倍になった。

「メイド・イン・ジャパン」も例外ではない。都会も地方も、本来「労働者」ではない実習生と留学生が支える。そこに「いびつな構図」も生まれている。




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あらためて、その内容を読み解いてみよう。


高齢で引退した熟練工に代わり、頼ったのが「日本で技能を学んで母国で生かす」名目で来日した実習生だった。実習生の給与は1年目が最低賃金と同額。2年目から上乗せする。月給は残業代を合わせ15万円ほど。中韓との価格競争を考えれば日本人より人件費が安い実習生は欠かせないという。

指導する側の日本人従業員の大半は50歳を超え、きつい作業をいつまで続けられるか分からない。会社社長は「外国人労働者だけで生産できるようにしたい」と本気で考えているという。




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農業も漁業も町工場もコンビニも、日本人だけでは支えられなくなった。政府は新たな在留資格を設ける方針だ。だが外国人労働者の受け入れで一時的に人手不足が解消されても、日本が抱える問題を先送りするだけに過ぎない。

最低賃金すれすれで働く外国人を優先し、派遣社員を切る企業も多くなる。仕事を奪われる日本人の側と対立が起きても不思議ではない。

神戸大の斉藤准教授(労働法)は「低賃金の労働力に頼る日本の産業構造は強まり、生活できない労働者が増える悪循環に陥る」と指摘する。

超高齢化が進むなか、外国人が現場を支えたとしても、いずれは母国に帰る。永住権を認めなければ、やがて行き詰まることは目に見えている。

では社会保障や日本語教育にかかるコストを、誰がどう負担するのか。国が共生策を示さない現状では、移民に向き合う本質的な議論は封印されたままである。




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安価な「労働力」の輸入が生む富は、雇う側に集まるとされる。地方で起きる技能実習生の失踪は、この国の地域格差が背景にある。






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社会の亀裂を防ぎ、低賃金に甘える産業構造を変えるためにも最低賃金自体の底上げを急ぐべきであり、持続可能性のある「多民社会」の未来をみすえなければ、先には進めない。









☆☆☆GGのつぶやき
関連する下請工場でも技能実習生とは名ばかりの「低賃金労働者」狩りが横行している。
安価な「労働力」の輸入が生む甘い汁の味を誰が教え推奨してきたのか。
底なしの価格競争が生む「いびつな構造」のままでは、未来設計は崩壊する。
































































































by my8686 | 2018-10-22 17:09 | 徒然なるままに | Trackback | Comments(0)